ばむばんか惰隠洞

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2014-09-08 [長年日記]

[Books] MM9 -destruction-

MM9 ―destruction―(山本弘/著) 山本弘 著
カバーイラスト 開田裕治
カバーデザイン 岩郷重力 + WONDER WORKZ。
創元SF文庫
ISBN978-4-488-73703-0 \980 (税別)

マサラ~っや、マサラ~♪

神話宇宙からの侵略者、宇宙怪獣を辛うじて退けたヒメと一騎、亜紀子。今や望みもしないのに人知れず世界で最重要の存在となってしまった彼らは、公安の手によってとある場所へと護送されていた。そこで待っていたのは巫女装束の美少女ひかる。驚くべきことに彼女は、現在ヒメと精神融合しているビッグバン宇宙の恒点観測員ジェミーがかつて融合していた相手でもあったのだ。それも約90年前に。

同じ頃、神話宇宙側の侵略行動は次の段階に進行しようとしていた…。

前作から間をおかずに展開する山本弘版昭和の東宝特撮トリビュート。あとがきで著者ご本人が「今度は『怪獣総進撃』」って語っておられるとおり、というかまあ「総進撃」よりは「三大怪獣 地球最大の決戦」とか「怪獣大戦争」あたりのノリといえそうだけど。ここにこのシリーズのお約束、「トンデモやるならこの位はやって見せろよ」的な著者からの挑発が存分に盛り込まれた(盛り込まれすぎた)一作になっている。そこのところの念入りぶりが本書の長所でもあり短所でもあるといえるかな。

長所だなと思えるのは、先にも書いたとおりこのお話の執筆目的の一つに、山本弘が思う「ここまでやったらたとえトンデモであったとしても認めるよ」の明確な線引きが見えてくること。それはつまり、デタラメを納得させるためにはより多くのデタラメを並べて、それらのデタラメを(説得側の)都合良く再配置した上で「でもこう考えたらデタラメとは言えないでしょ?」と読者を説得する技術と言うことになると思うんだけど、そこのところについては全く不足のない仕上がりになっていると思う。デタラメのための理論武装の構築の過程を見ていく楽しさ、みたいなものは確かにあるのね。

で、この楽しさは長所でもあり短所にも裏返ってしまう。デタラメの説得、という点において不足がない、のだけどそれは過不足ない、と言うことにはならなくて、どうかすると「過」の側がやや過剰になってしまう。それは本書を冗長にしてしまっているとも思う。その理論武装は必要不可欠なんだけど、理論武装のために割かれるページの量が、エンタティンメントを楽しみたい読者の許容範囲を超えてしまっているかもね、ってことです。そこを我慢できるかどうか、は読み手のオタク度合いにかなり依存することになるのかもしれない。能書きが長いよ、と思う読者がいてもしょうがないかもね、ってことですね。

昭和の東宝特撮、様々なトンデモ、一種の二次創作的ないろんな物たち、なんてなものへのリテラシーを読み手に要求する類いの本なのかもしれない。意外と上級者(が上等な人物であるとはいうてないよ)向きなのかしら(^^;。

自分的にはやっぱりあちこちで舌打ちしつつ(『適正価格だよ』はどう考えても蛇足に過ぎるだろ)それなりに楽しんだからいいんですけど。でもまあ最終的に本書で著者が言いたかったことってのは、以下の一文に収束してるんだと思う。

少女を殺すことによって得られる勝利などというものはありはしない

このロリコンめ(褒め言葉)

★★★☆


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