ばむばんか惰隠洞

«前の日記(2014-11-30) 最新 次の日記(2014-12-02)» 編集

カテゴリ一覧

Anime | AV | Baseball | Books | CGI | Chinema | Comics | CS | Day | DVD | Event | F1 | Games | Hobby | HTML | Kindle | Misc | mixi | News | Oldbooks | PC | Photo | SpFX | Stage | tDiary | Tour | TV | web | 逸級介護士


2014-12-01 [長年日記]

[Chinema] フューリー

劇場版パンフ スタッフ
脚本・監督・制作:デヴィッド・エアー
製作:ビル・ブロック イーサン・スミス ジョン・レッシャー
製作総指揮:ブラッド・ピット サーシャ・シャピロ アントン・レッシン アレックス・オット ベン・ウェイスブレン
プロダクションデザイン:アンドリュー・メンジース
編集:ドディ・ドーン
音楽:スティーヴン・プライス
出演
ブラッド・ピット
シャイア・ラブーフ
ローガン・ラーマン
マイケル・ベーニャ ジョン・バーンサル ジェイソン・アイザックス スコット・イーストウッド
公式サイト:http://fury-movie.jp/

ブラピがタンクで大暴れ!…ではなかったよ

1945年4月、戦争の趨勢はすでに決していた。ただ終わっていないだけで…。アフリカ戦線からの歴戦の戦車兵、ウォーダディことドン・コリアー軍曹の指揮するM4A3シャーマン、"フューリー"はドイツ軍との激戦の中、副操縦士を失いつつも辛うじて原隊復帰を果たす。欠員補充のため送り込まれてきたのはタイピストとして従軍するつもりだった18歳のノーマン。幾多の死線をくぐり抜けてきた"フューリー"のクルーの中にいきなり放り込まれたノーマンは、それまでの自分の経験からは想像もできなかった様々なものを目にしていくことになる…

現存しているティーガー戦車が撮影に使われた、てんで話題になっていた戦争巨編。自分的にはブラピ率いるはみ出し戦車乗りたちが知恵と勇気とペテンの限りを尽くして強大なティーガー戦車隊に一泡吹かせるようなお話を勝手に予想して観に行ったんだけどそう言うものでは全然なく、むしろ「プライベート・ライアン」的な、絶望的なまでの戦力差に直面したときに、それでも退くことなく任務を遂行する、という行為を愚直なまでに遂行しようとする男たちの物語になっていて、そういう部分において少なくとも必要条件は満たしている、とは思った。

そこには不満はないし、戦争という極限状況が人間に与える影響とその反響、その表面的な醜さ、怖さ、と言ったものは充分に表現されているし、そんな醜く恐ろしく、そして不条理でどうかすると狂騒的になってしまう状況下でも、人が人を信じ、信じるもののためにやせ我慢をするということが人間らしいことなのだ、と言うメッセージもちゃんと伝わって来ている、とは思った。ただ、ねえ…

先に良かった所を挙げようか。まずはなんといってもブラッド・ピット。特に戦車兵用のキャップを被って戦いの指揮をしているときなんかは、どうかするとジョン・ウェインに見えるぐらい、ちゃんとアメリカン・ヒーローっぽい佇まいを見せてくれている。その上でちょいちょい複雑な人物なんだよ、ってのが垣間見えてくるあたりはさすが、今様のアメリカ映画のスターだな、と思わせられる。

絵的な所では、割に上品な残酷描写、はかなり良かったな。ポスト「プライベート・ライアン」的な結構ハードコアな描写(弾着で人間の部位が吹っ飛んだり、みたいなね)はあるんだけど、それがあまりはっきりとは見極められなかったり、ちゃんと見分けるにはちょっと足りない時間で別のカットに切り替わったりと、必要以上にエグい絵を見せない心配り、みたいなのは全編にわたってなされていたんじゃないだろうか。ここらは結構品が良いな、と思った。

とはいえ諸手を挙げてこりゃすごい、とも言えないのが辛いわけで。まずはシナリオ。ダメな話だとは思わないけど、なんというかな、戦争アクション的なお話をいくつか見てたらこの映画、観てる側の予想を一度も良い方向に裏切ることができないままお話を終えてしまった、と思えるんだけどどうだろう。ポスト「プライベート・ライアン」ってことなら、あれ見てればこちらの映画、観ていてこの先どうなるのか、誰と誰が死んで生き残るのは誰なのか、ってのが割に早い段階で予想ができて、しかもその予想はおおむね的中してしまうってのはどうなんだ(^^;

絵的な所、あとヲタ視点でもちょっと首を捻る所が結構ある。実際そうだったんだ、と言われたら返す言葉もないんだけど、あの、戦争映画というよりは「スター・ウォーズ」的な曳光弾の飛びっぷりはアリなんだろうか? ご丁寧に敵味方で色分けまでやってくれちゃって律儀なことで。ヲタ的にはさらにいろいろあるんだけど、これ言っちゃうとある意味ネタバレになりかねないので黙っといた方が良いんでしょうな。ただ、いろいろ言いたいことはあるけど一点、パンツァーファウストってそういうものだったっけ(→参考:Wikipedeiaの記述)? とは言っておきたいな(^^;

そんなこんなで一番盛り上がるべきラストバトルで盛大に首を捻る結果になってしまったのが何とも残念。虎退治まではそれでも楽しめた(この映画のスタッフさんたち、『ガルパン』見てた? と思っちゃったよ)けど、その先が何とも、ラストシーンのためにお話を作った感があって残念だったな、と思った。結局見終わってみたら劣化「プライベート・ライアン」なんだよなあこれ。

★★★


Google search
www.bumbunker.com
Web
2014年
12月
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

ここ1週間分の話題

傑作です

懐かしさ満点

妖精を観るには…

ジュヴナイルとしてなかなか良質

バナーが必要ならこちらを
バナー素材

古本屋やってます
特殊古本屋 軽石庵

2003年9月までのサイト

巡回先
ROVER's HATENA

あすなひろし追悼サイト
あすなひろし追悼サイト

twitter / karuishian
«前の日記(2014-11-30) 最新 次の日記(2014-12-02)» 編集
©1996-2020 乱土 労馬:l-rover@kobe.email.ne.jp