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2014-12-01 [長年日記] この日を編集

[Chinema] フューリー

劇場版パンフ スタッフ
脚本・監督・制作:デヴィッド・エアー
製作:ビル・ブロック イーサン・スミス ジョン・レッシャー
製作総指揮:ブラッド・ピット サーシャ・シャピロ アントン・レッシン アレックス・オット ベン・ウェイスブレン
プロダクションデザイン:アンドリュー・メンジース
編集:ドディ・ドーン
音楽:スティーヴン・プライス
出演
ブラッド・ピット
シャイア・ラブーフ
ローガン・ラーマン
マイケル・ベーニャ ジョン・バーンサル ジェイソン・アイザックス スコット・イーストウッド
公式サイト:http://fury-movie.jp/

ブラピがタンクで大暴れ!…ではなかったよ

1945年4月、戦争の趨勢はすでに決していた。ただ終わっていないだけで…。アフリカ戦線からの歴戦の戦車兵、ウォーダディことドン・コリアー軍曹の指揮するM4A3シャーマン、"フューリー"はドイツ軍との激戦の中、副操縦士を失いつつも辛うじて原隊復帰を果たす。欠員補充のため送り込まれてきたのはタイピストとして従軍するつもりだった18歳のノーマン。幾多の死線をくぐり抜けてきた"フューリー"のクルーの中にいきなり放り込まれたノーマンは、それまでの自分の経験からは想像もできなかった様々なものを目にしていくことになる…

現存しているティーガー戦車が撮影に使われた、てんで話題になっていた戦争巨編。自分的にはブラピ率いるはみ出し戦車乗りたちが知恵と勇気とペテンの限りを尽くして強大なティーガー戦車隊に一泡吹かせるようなお話を勝手に予想して観に行ったんだけどそう言うものでは全然なく、むしろ「プライベート・ライアン」的な、絶望的なまでの戦力差に直面したときに、それでも退くことなく任務を遂行する、という行為を愚直なまでに遂行しようとする男たちの物語になっていて、そういう部分において少なくとも必要条件は満たしている、とは思った。

そこには不満はないし、戦争という極限状況が人間に与える影響とその反響、その表面的な醜さ、怖さ、と言ったものは充分に表現されているし、そんな醜く恐ろしく、そして不条理でどうかすると狂騒的になってしまう状況下でも、人が人を信じ、信じるもののためにやせ我慢をするということが人間らしいことなのだ、と言うメッセージもちゃんと伝わって来ている、とは思った。ただ、ねえ…

先に良かった所を挙げようか。まずはなんといってもブラッド・ピット。特に戦車兵用のキャップを被って戦いの指揮をしているときなんかは、どうかするとジョン・ウェインに見えるぐらい、ちゃんとアメリカン・ヒーローっぽい佇まいを見せてくれている。その上でちょいちょい複雑な人物なんだよ、ってのが垣間見えてくるあたりはさすが、今様のアメリカ映画のスターだな、と思わせられる。

絵的な所では、割に上品な残酷描写、はかなり良かったな。ポスト「プライベート・ライアン」的な結構ハードコアな描写(弾着で人間の部位が吹っ飛んだり、みたいなね)はあるんだけど、それがあまりはっきりとは見極められなかったり、ちゃんと見分けるにはちょっと足りない時間で別のカットに切り替わったりと、必要以上にエグい絵を見せない心配り、みたいなのは全編にわたってなされていたんじゃないだろうか。ここらは結構品が良いな、と思った。

とはいえ諸手を挙げてこりゃすごい、とも言えないのが辛いわけで。まずはシナリオ。ダメな話だとは思わないけど、なんというかな、戦争アクション的なお話をいくつか見てたらこの映画、観てる側の予想を一度も良い方向に裏切ることができないままお話を終えてしまった、と思えるんだけどどうだろう。ポスト「プライベート・ライアン」ってことなら、あれ見てればこちらの映画、観ていてこの先どうなるのか、誰と誰が死んで生き残るのは誰なのか、ってのが割に早い段階で予想ができて、しかもその予想はおおむね的中してしまうってのはどうなんだ(^^;

絵的な所、あとヲタ視点でもちょっと首を捻る所が結構ある。実際そうだったんだ、と言われたら返す言葉もないんだけど、あの、戦争映画というよりは「スター・ウォーズ」的な曳光弾の飛びっぷりはアリなんだろうか? ご丁寧に敵味方で色分けまでやってくれちゃって律儀なことで。ヲタ的にはさらにいろいろあるんだけど、これ言っちゃうとある意味ネタバレになりかねないので黙っといた方が良いんでしょうな。ただ、いろいろ言いたいことはあるけど一点、パンツァーファウストってそういうものだったっけ(→参考:Wikipedeiaの記述)? とは言っておきたいな(^^;

そんなこんなで一番盛り上がるべきラストバトルで盛大に首を捻る結果になってしまったのが何とも残念。虎退治まではそれでも楽しめた(この映画のスタッフさんたち、『ガルパン』見てた? と思っちゃったよ)けど、その先が何とも、ラストシーンのためにお話を作った感があって残念だったな、と思った。結局見終わってみたら劣化「プライベート・ライアン」なんだよなあこれ。

★★★


2014-12-02 [長年日記] この日を編集

[Chinema][web] 自分もEDテロップの最後の最後でほっと一息ついた口だが

昨日の続きをちょっとだけ、HK-DMZ PLUS.COM経由でリアリティを徹底追求した『フューリー』、"字幕"をめぐるもうひとつの"バトル"とは! (こんちゃねさん)。

字幕を担当した松浦美奈さんのお名前、何となく記憶があったんだけど「ウインドトーカーズ」の字幕を担当された方だった。で、このときも専門用語関連で伏見威蕃さんが監修についておられててそこは評価したい、みたいなことを書いていた。基本的に松浦さんという方はこういう、自分のお仕事に他の人の知恵や口出しが乗っかることにあまり抵抗がない人のようで、それはこういう、テクニカルタームがそれなりに意味を持つタイプの映画では良い方に向いているよなあ、と思う。その辺はかなり良い感じなんだよねえ。

そこは良かったなあと思ったんだけど、そういえば「ウインドトーカーズ」も戦争映画としては、……な出来だったあたり、松浦さんに罪はないけど松浦さんが字幕を担当する戦争映画は諸手を挙げて大絶賛、とはなりづらい傾向があったりするのかしらね。

それでも最後の最後にスクリーンに「字幕 戸田奈津子」を目にするときの何とも言えん損したかも、感が無いだけで儲けモンではあるんですが(^^;


2014-12-04 そろそろさよならOpera (Presto) せんといかんのか [長年日記] この日を編集

[Anime] 定期視聴番組

昨晩書いてる途中にブラウザ落ちてしまい、拗ねて寝ちゃったので改めて。

「暁のヨナ」、「クロスアンジュ」、「アカメが斬る!」、「甘城ブリリアントパーク」、「ガンダムビルドファイターズ トライ」、「棺姫のチャイカ」、「テラフォーマーズ」。悪党の側にもそれなりの行動原理も正義もあるよ、ってのをちょっと挟んできた「ヨナ」、相変わらずスローペースだけど真面目にやってんな、とは思う。「クロスアンジュ」は敵も味方もクズばかり(w。「アカメ…」妹さんの顔にもバツが乗ってしまった。すげえ勢いだ。とりあえず「2期とか知るかー」な勢いなのはある意味評価できるかも。「甘城…」、アクワーリオ4人組が頑張るお話。面白いんだけど相変わらずこの調子で必要な入場者数集められるのかしら、と言う余計なお世話感が。この先逆転大ホームラン級な展開があるんでしょうか。

水曜日。「ガンダム」、熱い展開は結構なんだけど、なんか1期の終盤ぐらいからシャイニングフィンガー万能説がのしてきている感が。チャイカ、次回、終了。「テラフォーマーズ」、今度こそアドルフさん退場、というか全員道連れって…。


2014-12-05 [長年日記] この日を編集

[Anime] 定期視聴番組

木曜深夜。「Gのレコンギスタ」、「結城優奈は勇者である」、「白銀の意思 アルジェヴォルン」。「Gレコ」はまあ派手な方に振ってきたかな、と言うところ。相変わらず対立軸がわかり辛い所はあるかなあ。「ゆゆゆ」は鬱方向への盛り上がりっぷりが半端ない。嫌いじゃないです(w。「アルジェヴォルン」は、愚直。こちらも嫌いじゃないっすね。

ただ、裏でやってる「PSYCHO-PASS 2」のほうが盛り上がりっぷりにおいて他を圧してる感は無くも無いんだよなあ…。


2014-12-06 [長年日記] この日を編集

[Books] NOVA+ バベル 書き下ろし日本SFコレクション

NOVA+ バベル(大森望/編集) 大森望 責任編集
装丁 川名潤
河出文庫
ISBN978-4-309-41322-8 \920 (税別)

日本のSF、すごいぞ

全10巻で完結した書き下ろしSFアンソロジー、新装第一弾。長谷敏司の中編「バベル」を含む8編収録。

意外と早く帰ってきた「NOVA」の新シリーズ。前シリーズでも短編と中編が入り交じっていたけれど、今回は長めの作品を一応のキモ的なタイトル・テューン的に扱っていく、ようなスタンスなんでしょうか。まずは読んでいくベ。

「戦闘員」宮部みゆき

日常生活にいつの間にか忍び込んでいた何物か。それは一見ありふれた防犯カメラの体をなしていたのだが…。何よりもお話としての完成度の高さはさすが宮部みゆき。少し不思議、が少し怖い、かなり怖い、へと変わっていく様が上手い。じいさまと少年の「戦闘員」としてのこれからの戦いに期待しちゃうね。

「機龍警察 化生」月村了衛

正直本書を買ったのはこれがお目当てだったと言っても過言ではない。「機龍警察」の新作は、おそらくこれから語られるであろう新作へのブリッジとなるエピソード。派手なバトルもSF的なくすぐりも控えめではあるけれど、警察小説(オレが好きなジャンルね)の体裁をとりながら、その中で「機龍(ドラグーン)」システムのキモ、というところへのSF的なヒキも用意してくれている。本編新作を待て、感は満点やね。

「ノー・パラドクス」藤井太洋

時間SFにはつきもののタイム・パラドックス。でも時間SFに多世界解釈をふりかけたらいろいろ面白い事になるかもよ、パラドクスなんてどうでも良くなっちゃうかもよ、的な。割にビンボ臭い世界観が、とあるタイミングでちょっとSF的にリッチなそれに変わっちゃうあたりが、なかなか面白いかも。

「スペース珊瑚礁」宮内悠介

おなじみシリーズ。なんか回を追うごとにコン・ゲーム的なニュアンスが強まっているような気が。主人公「ぼく」は毎度お気の毒、ワキの人たちがなんだかやたら面白いと言うね。

「第五の地平」野崎まど

「蒼き狼と数多の次元」というゲームをコーエーが作る事はないだろうな。いい意味で出オチ感満点。なにせ主人公はテムジンですから(w。世界史の中でも版図拡張のスピードが半端なかったモンゴル帝国、SFにやってきたらそのスケールはさらにすごい事になるんだぜ、という。そこは面白いけどなんでここに狙いをつけた?(^^;

「奏で手のヌフレツン」酉島伝法

太陽や月が地上を歩行移動し、「人」はその存在を畏れつつも依存せざるを得ない世界。念入りに作り込まれた世界観と凝った言葉の遊びが大変魅力的。割とどろどろぬちょぬちょした世界で、人が因習や環境と関わっていく様子を描く、なんだろう、押したらぐにゃりとした感触が返ってくるハードSF、みたいな。不思議な感じのお話です。

「バベル」長谷敏司

近未来のイスラム世界を舞台にビッグデータやら3Dプリンタやらカオス理論やらをぶち込んで語られるのは、未来予測のシミュレーション。ここに現代のイスラム世界(というか豊かではない世界)にも共通する、宗教や民族にリンクする様々な問題がスパイスとしてまぶされる。

ストレスの量とベクトルが、未来予測のキーデータとなる、と言う考え方が新鮮。異なる言語を植え付けられた、というバベルの塔を作ろうとした人間に対しての罰を超え、新たなバベルを築くための言葉がプログラム言語かもしれない、けれども…ってあたりもいろいろ考えさせられた。

「Φ(ファイ)」円城塔

トリに一番苦手な人が控えているという(^^;…。なんだけど今回は割に普通に読めた、し楽しめた。言語をベースに宇宙の終焉をシミュレートするSFってことでいいのかな? ただそれが何か難解な事を語るわけではなく、語れる言葉が徐々に減っていく、と言うのを文字通り見てわかる形で表現しているのが面白い。筒井康隆さんなんかがたまにやる、実験的な作品に共通する味があるかも。

全然関係ない、素っ頓狂な感想かもわからんけど、ある時点で使用できる文字が138、と明示しているあたり、この終焉に向かっている宇宙とは実はTwitter的なクラウドのメタファーになってんのかな、なんて。

自分が雑誌や書評系のサイトをあんまり見ない人間なので、世の中がどうなっているのかについてはとんと疎いんだけど、本書に詰め込まれた作品たちからは、現在ただいまの日本SFというものが、ずいぶん豊かなものになっているんだな、と思い知らされた。ついつい信用銘柄、しかも翻訳SFの方に行ってしまう自分なんだけど、そんな場合じゃなかったよ。読むべき作家さん、えらく沢山いるんだな(いまさら何を)。

★★★★


2014-12-07 [長年日記] この日を編集

[Anime][SpFX] 定期視聴番組

「魔弾の王と戦姫」、「ソードアート・オンラインⅡ」、「selector spread WIXOSS」、「SHIROBAKO」、「烈車戦隊トッキュウジャー」、「仮面ライダードライブ」、「七つの大罪」。ほい、どれも面白かったです。

とりあえずそれより面白い本があるんでただいま読書中。気が向いたらなんか書くかも。「SAO」、泣かせに来たねえ(^^;。


2014-12-09 [長年日記] この日を編集

[Books] 日本海軍400時間の証言 軍令部・参謀たちが語った敗戦

日本海軍400時間の証言(NHKスペシャル取材班/著) NHKスペシャル取材班
カバー写真 NHK提供
新潮文庫
ISBN978-4-10-128373-9 \750 (税別)

バックステージにもドラマあり

2009年に放送されたNHKスペシャルの担当スタッフによる、同番組の取材にまつわるエピソード、放送には乗せられなかった証言などで構成されたノンフィクション。

この番組は放映時にちゃんと見てて、なかなか良かった覚えがあったのでおさらいの意味で、と思って購入したんだけど、番組を再録するというものではなく、先に書いたように番組を作ろうとしたきっかけから、それぞれ(全3回)の取材の模様などを交えながら、各エピソードを追体験していくような本。なのでこの本を読めば件の番組の内容がわかる、と言うようなものではなく、あくまで副読本的位置づけになると思う。

そこを踏まえ、例の番組を思い出しながら読んでいくと大変面白い。制作に当たったスタッフたちと膨大な数であっただろう証言者たち、それぞれのドラマは大変に豊かなものであると思う。複数のスタッフがそれぞれ独自に番組製作のエピソードを語っていくのだけれど、それがどこかのタイミングで交差するあたりも興味深い。特に証言者サイドではなく、取材スタッフ側に起きたとあるエピソードは、かなりぐっとくるものがある。そして他の書籍などでもしばしば取り上げられた何名かの著名な海軍軍人(特に名は伏す)たちの、何とも言えん胡散臭さがこちらでも健在なあたりは、巷間言われていることはかなり真実に近いのかもな、などとも思ったり。

番組を見ていたときにはスルーしていたいくつかの証言者のお名前を、活字で改めてみてみたときに、「ああ、あの本書いた人だったか」と改めて思い出して見たりもできて、そこもなかなか興味深かった。本書で紹介される「反省会」の出席の中でも最も先鋭的な意見を述べていた鳥巣健之助さんや妹尾作太男さんの本、前に読んでましたわ。そこのところの感慨もあった。

その上で感じるのは、先にリンクを張ってある番組を見た感想のところでも書いている、人の命の大切さ、と言うあたりを着地点にしてしまっている所からくるウェットさが逆にノイズになってしまう、ってことだろうか。そのテーマは確かに本質的なものではあるのだけれど、そこをプッシュしすぎると、それは思考を遮断して一種の盲信を強要する結果になってしまうのではないかと思ってしまうのだけど。

取材、番組製作にまつわるエピソードが満載の本書だと、確かにクルーと証言者の距離が近い分、メンタルな方面での思い入れのようなものはより強く残ってしまうのだろうけれど、そこはぐっとこらえて、ほんとに言いたいことは読み手が自分で見つけ出す、ような構造になっていた方が良かったと思うんだけどな。そこだけちょっと残念だったかもしれない。

B006T698RA

とか何とか言ってますけど一見の価値のある番組だと思いますよ。

★★★☆


2014-12-10 [長年日記] この日を編集

[Day] 珍しく聞き役

金額的にはそれほどでもないんだけど、毎月一定のギャラがもらえるのでありがたく続けさせていただいてるお仕事のまとめ役、YM女史とSkypeチャットで1時間ばかりやりとり。こっちは完全に下請けに徹しているのである意味楽なんだけど、中間管理職的ポジションにあるYM女史の方には結構クレーム的なメッセージも舞い込んでいるようでそこらのグチ聞きの小一時間でしたわ。近いうちに一度、いろんなものの擦り合わせのために向こうに出向かないといかんかもね、ってな話も出てきたり。

久しぶりにミナミまで出張ですかね。


2014-12-11 [長年日記] この日を編集

[Anime] 定期視聴番組

「暁のヨナ」、「クロスアンジュ」、「アカメが斬る!」、「甘城ブリリアントパーク」、「ガンダムビルドファイターズトライ」、「棺姫のチャイカ」、「テラフォーマーズ」。

なんかアニメで「鎮まれオレの…」っての、初めて見たかも、だった「ヨナ」。相変わらずゲス大活躍中の「クロスアンジュ」、主人公まで死んじゃったの? だった「アカメ」(ああ、あくまで主人公はアカメなのか)、次回、どういう突破口が出てくんのかな? の「甘城…」が火曜日。

水曜日、チャイカ はしょって 大団円。もうちょっといろいろ見てみたかったような気が。「テラフォーマーズ」はまあ、キャラ紹介フォーマットに乗ってみました的な。

[Books] 天冥の標Ⅶ 新世界ハーブC

天冥の標Ⅶ 新世界ハーブC(小川一水/著) 小川一水 著
カバーイラスト 高安健一郎
カバーデザイン 岩郷重力 + Y.S
早川文庫JA
ISBN978-4-15-031139-1 \760 (税別)

五万少年漂流記

恒星間航行をめざして建造された宇宙船ジニ号。だが不測の事態からもう一隻の宇宙船シェパード号とともに小惑星セレスへのクラッシュ・ランディングを余儀なくされる。時はまさに人類と冥王班感染者たちからなる«救世群»との間に勃発した宇宙戦争のさなか。«救世群»が全宇宙に放った冥王班ウイルスによって全人類が滅亡へと向かう中、セレスに残された生き残りたちのサバイバルが始まる。その数、主に子供ばかり五万人…

前作から間をおかずに語られる、前作の主人公(の一人)、アインを中心にした物語。前作のラストがかなりビターな味わいだったのだけれど、本作はさらにお話のテイストは苦いものになっている。んだけどもあまり鬱々とした気分にならないで済んでいるのは、今回のお話のベースになっているのが「十五少年漂流記」的な、孤立した環境における少年少女たちの生き残りのための戦い、というところにあって、そこのところの、いろいろ足りていない人々がそれでも知恵と勇気と(避けられない)決断を積み重ね、なんとか生き延びていこうという描写は、そりゃ時折「うわあ」と思うところもあるけど、基本的に前向きな印象を受けるからなんだろうと思う。

先に「十五少年…」の例を挙げたけど、基本はそちらとは比べものにならないくらいのシビアさで、なにせ向こうは十五人、こっちは五万人がお話のスタートラインにおけるキャラクタの頭数。そりゃ前者はそう簡単に間引きするわけにいかんけど、後者は結構な数、使い切れまっせ、って話ですわな(^^;。そのあたりで生まれる絶望的な状況、人が多いことから来る派閥争いの面白さ、シビアさといったあたりはなかなかに興味深い。その上で本シリーズならではの、「アア、コノヒトハ」的な、長いシリーズを読んでいく楽しみも詰まった一作になっていると思う。

お話は第八巻に進むわけですが、本書の終了時点で(ネタバレですが)このお話から300年経った世界こそが本シリーズ第一巻のそれな訳で、次巻がこの間を埋めるブリッジになるのか、それともまた違う時間線に飛んでいくのか、興味津々ではございますな。

★★★

[News] 訃報

平成ゴジラ特技監督、川北紘一さん死去 (asahi.com)。自分は文句ばかりのうざいファンだったと思いますが、川北さんが持ち込んだ怪獣映画の方法論のいくつかには、ちゃんとした説得力があったとも思えるわけで…。

正直この時点でも自分的にはアンビバレントな気分は無いことも無いのですけど、そこは一旦措いといて、お疲れ様でした。ごゆっくりお休みください。


2014-12-13 [長年日記] この日を編集

[Anime] 定期視聴番組

木曜深夜。「Gのレコンギスタ」、「結城優奈は勇者である」、「白銀の意思 アルジェヴォルン」。ガンダムはいよいよムーンレイス…じゃなかったなにやらいろいろ言われてた宇宙からの脅威、みたいなのがいよいよ姿を現したところで次週に続く。「ゆゆゆ」は四国以外全部炎上、ってことなのかな? もともと障碍を抱えていた東郷さん、その障碍の理由が実は、というあたりが今回のキモでしたな。これがスピンオフというか、周辺作品につながる、ということなのね。「アルジェ」は我が道を行ってる感じ。真面目なところは買います。

[Day] 選挙だってさ

票は入れに行きますよ。方針的にはここ数年変わらない、「一番大きな声で文句を言う人」に入れたいのだけど、今年はそっち方面の人材も少々枯渇気味にも見えてしまってどうしたもんかと。とにかく「お前らのやってる、またはやろうとしていることにNoを言いたい人間もこのくらいは居るんだ」方面を援護したいとは思っているんですけどね。


2014-12-14 [長年日記] この日を編集

[News] まあこうなるか

自公で衆院3分の2超す 317議席確保(asahi.com 12/15 00:01)。一応ちらちらと選挙速報も見ていたんだけど、一番興味深かったのは小沢一郎に当選確実、がつくまでに2時間かかった、ってあたりかな。「豪腕」もずいぶんなまくらになってしまったのね。

結果についてはまあ、こうなるんだろうな、としかいえんわなあ。あとはこの結果がウチらの暮らしにどういう影響を与えるのか。それはこれから見ていくしかありませんわな。

一応今年も死票を投じて参りました。投票後、あまりに寒かったのでつい(今日は古本の発送はなかったんだけど)飲み屋に飛び込んで熱燗頼んだあとに財布忘れたことに気がついて、「すんません、財布忘れたんで取ってきます」つったら女将さん、「この寒いのにいいですよ、今度払ってもらったら」て言ってもらっちゃったんで、ありがたく甘えさせていただきました(^^;。

[Anime][SpFX] 定期視聴番組

「魔弾の王と戦姫」、「ソードアート・オンラインⅡ」、「selector spread WIXOSS」、「SHIROBAKO」、「烈車戦隊トッキュウジャー」、「仮面ライダードライブ」、「七つの大罪」。

「魔弾…」、このおねえちゃんは一体何王子なんだろう(棒)、ってとこに説明がつく回。新たな戦姫も出てきておりましたな。

ソードアート・オンライン7 マザーズ・ロザリオ(川原礫/著 abec/イラスト)前回でユウキの秘密が明らかになり、限られた残り時間を実りあるものにしたいと考えるアスナと、ナイスアシストしてくれるキリトさん、そしてユウキとのふれあいはアスナに母と向き合う勇気を与えて…というお話だった「SAO」、地味ながらも良いお話。

実は先週のお話を見たあたりで、ヤケにこの「マザーズ・ロザリオ」編の出来が良いもんで、原作の方がどうなってるんだろうと言う興味が湧いてしまい、かつこのエピソードがちょうど一冊で収まってる、ってのを知って、ついつい買って読んでしまいました(w。で、

良かったよ

まあ、オジサンの涙腺のパッキンもいい加減腐りかけてるって事情もあるんだけど、結構うるうるしてしまったよ。その上で結構難しいところに斬り込んでいたりと、挑戦的なこともやっていると思う。オレ、ラノベ舐めてましたわ(w。その上でこんな地の文が入るあたり、作者もキリト君をコントロールしづらくなっているのかな、なんて思わされてちょっとニヤッとしてしまったですよ。

「うっ……そぉ……」
さしもの«絶剣»ユウキも、信じられないというように呟いた。気持ちはよく解る、解るがこれくらいの無理、無茶、無軌道に驚いていたら、キリトというVRMMOプレイヤーとは付き合っていられない。

ある意味作者の手綱も振り切っちゃったキャラなのかもね、キリト君は(w。

「selector」はまたちょっとわからん方に振れてきたかも。「SHIROBAKO」はほんまやったら結構エグいことを、結構ほんわかと表現して来てるなあという印象。

日曜日、今年は問答無用の悪党がいない感じなのかな、って感じになってきた「トッキュウジャー」、初めからいる人たちが立ち位置をめまぐるしく変えてくるあたり、かなり楽しい。「ドライブ」もヒネり入ってきましたね。


2014-12-16 [長年日記] この日を編集

[Day] 仕事降ってきた

3年ばかりご無沙汰だったUM氏からいきなり電話で、ちょっと急ぎで3ページほどのコーディングを請けちゃくれないか、と。こちらはもちろんウェルカムなんだけど、送られてきたデザインファイルがFireworks PNG。ああ、あそこはそうだったなー、と思って久しぶりに(そりゃ3年ぶりですわさ)Fireworks立ち上げてみたら、これが完全に使い方を忘れていると言うね(^^;。

ツールの使い方思い出すのに四苦八苦、その上先週末からずっと、咳のしすぎでアバラ言わしちゃった感があって、やたら体が痛いのも加わって仕事が全然前に進まねえ。その上明日はマンションの電源切り替え工事とやらで2時間ばかり停電になるっつてるし…。

間に合う気が全然しないな(w。

[News] 訃報

いさましいちびのイラストレータ、水玉螢之丞さん (asahi.com)。ゲーム雑誌が先だったか、模型雑誌だったか、最初に彼女の絵を目にしたのはどこだったろう。気がついたら代替不能な絵師の一人になっていたような気がする。

同い年だったと言うことは初めて知りました。なんというか、父が逝ったってこと以上にずんと来るものがあったかも。素敵なイラストをありがとうございました。どうか安らかに。


2014-12-18 [長年日記] この日を編集

[Day] 一応片付いた

3ページのコーディングに2日もかかるとは…、というか2日のうちのかなりの部分がFireworks の使い方を思い出すために費やされたというのはみんなには内緒だ。てかFireworksってこんなだったっけ? どこがどうとは言えんのだけど、こうだったっけかなー感満点だ。3年も放ったらかしてたら、こういう風になっちゃうものなのかね。

何でもFireworks、去年には開発終了のニュースが出てた(ITmediaニュース)ようですが、Adobeの方針の都合なのか、意外に人気なかったのか、どっちなんでしょね。

自分はドロップシャドウなどの効果をつけることでイメージのサイズが微妙に気に入らん数字になるツール、ってことであんまり好きじゃなかったかも。便利なところもあるんだけどね。ま、オレみたいな (根が) 貧乏コーダーには、ImageReadyこそがおあつらえ向きのツールだよな、って気はしてるけど(w。

[Anime] 定期視聴番組

「暁のヨナ」、「クロスアンジュ」、「アカメが斬る!」、「甘城ブリリアントパーク」、「ガンダムビルドファイターズ トライ」、「テラフォーマーズ」。火曜深夜は割に安定中。まったりの「ヨナ」、ゲスい「アンジュ」にいろいろ振り切ってる「アカメ」(最終回)。タツミ君は復活するかと思ったらそんなことはなかった上に姐さんまで死んじゃうと言う、ものすごい勢いでキャラを消費しちゃった「アカメ」、そこは潔いと言えなくもないけど、個人的には「革命」が無条件で崇高なもの、と描かれている時点で結構減点対象、かな。年端もいかない王様の首刎ねて、「流血はこれで最後」ってそんなうまい話があるかーい! とオジサンは思います。「甘ブリ」は起死回生の一手にあんまり説得力がない、かなあ。

水曜日。スレッガーさんに比べて扱いが可哀相だった白狼さん、な「トライ」。まあアニメには出てないキャラだししかたがないか。前作のキャラがちょいちょい顔を出してくるような展開になるんでしょうか。いいんちょも早く出てきて欲しいっす。「テラフォーマーズ」、次回最終回? そのタイトルが「Terra for Mars」に見えるようになっていたのはなんぞ意味があるのか、無いのか。相変わらずキャラの多さとそれを説明する段取り感、さらにそれが上手く行ってないとこから来るイラッと感がいろいろ残念。


2014-12-19 [長年日記] この日を編集

[Day] まだ終わってなかった

そう簡単には終わらんか。一日経ってそれなりの修正要望が降ってきて、なんだかんだと対応三昧。リンクぐらいそっちで張ってくれよ、とも思わんでもないけど。しかも同じタイミングで20冊ばかりの古本の注文が舞い込んできたもんだから、結構大変な一日になっちゃった。夕方までがっつり仕事させていただきましたよ。

古本発送して、夕方だったんで近所の飲み屋で熱燗二合ばかり引っかけて帰ってきたら、交渉不成立、と思ってた一月ぐらい前の買取話がまだ生きてて、本を送りたいんだが、って連絡をいただいてちょっとほっこり。んでもそのお客様から「それとは別に○○ (ウチでは手薄だった方面の雑誌30年分ぐらい) もあるんだけど、買ってくれない?」 といわれてかなり悩む。いや、欲しいんですけどねそれ。でも今の体力ではちょっとそっちは難しいっす。ほっこりのあとにがっかり。

[Anime] 定期視聴番組

「Gのレコンギスタ」、「結城優奈は勇者である」、「白銀の意思 アルジェヴォルン」、あと「PSYCHO-PASS 2」も録ってた分をまとめて。「Gレコ」は、うーんどうしたもんだか。相変わらずぱっとしないなあ。「ゆゆゆ」は着々とワルプルギスの夜状態が加速中。夏凜ちゃん、満開連続四連発で瞬時に盲目難聴半身不随に。恐ろしか…。

「アルジェヴォルン」は最終回。んーまあやりたいことが奈辺にあるか、は判らんこともない、けどこのお話、最終的に斬り込むべきラスボスは何ら罰を受けてないままお話が終わってしまったような気がしないこともなく。そこら辺は続編で、ってことなのかもしれんけど、それはちょっと無理だよね(^^;。

「PSYCHO-PASS 2」も終了。こちらはかなり面白かった。最終的にこのお話が問いかけているのは、クラウド化した意識の曇りが、世界にどれほどの影響をもたらすのか、その曇りを払拭するのは何なのか、ってあたり、ということで良いのかな。そのあたりにシリーズ構成を担当した冲方丁の意識みたいなものがほの見えてくるかも。SF小説的に感じる、あやふやだけど前を見たい、という意識、わからなくはないけどアニメのオチとしてはちょっと行き先を見失ってる感じが先に立ってしまうかもしれないな、なんて気も。ま、そこは措いといて、渋い声優さんたちの良いお仕事が楽しめる、って点ではかなり点数高くして上げても良かったのでは。カッコいいんだけど微妙に小者感が拭えない悪党、ってのをやらせるとけーじ君、最高ですな(w。


2014-12-21 [長年日記] この日を編集

[Anime][SpFX] 定期視聴番組

「魔弾の王と戦姫」、「ソードアート・オンラインⅡ」、「selector spread WIXOSS」、「SHIROBAKO」、「烈車戦隊トッキュウジャー」、「仮面ライダードライブ」、「七つの大罪」。

土曜深夜、「魔弾…」は爺さん亡くなってティグル君がっくりこ。「selector…」は最終回。選択するものたちの物語が選択したことで大団円。鬱々とした展開が続く今期アニメの中で、最後の最後でそれなりに開けた未来を見せたのは立派だったかと。その上でとってつけたように「そうだ、WIXOSSやろう!」って展開もムリクリ挟んで、最低限のスポンサー様への配慮も忘れないあたりはなかなか立派だったんじゃないでしょうか(w。「SHIROBAKO」は最終話の作画スタッフがなかなか集まらなくてみゃーもり大ピンチ。なんだけど湿っぽかったり妙に重くしてこないあたりの案配はなかなか上手いなあ、と。最後、「エヴァ」のスタッフ足らんので宮崎駿にヘルプ頼むような展開になってましたけどさてどうなる、みたいな。個人的には最終的に、ムサニに切り札が一人残ってたでしょ、ってところに持って行くのかな、と思ってるんですがさてどうなるか。

で、「SAO」、「マザーズ・ロザリオ」編の最終回。うん、良い話になっていたと思う。思うけどここは先に原作読んでたのが悪い方に行っちゃったかも。文字で読んでいくとそれなりに感動的だったシーンが、さらに情報量が増えたことで逆に場違いなギャグになってしまったような気が。具体的には最後の時を迎えようとしているユウキの許に大量のALOプレイヤーたちが馳せ参じるところ。ここはもう少し押さえても良かったんじゃないかな。あと、原作がそうだからしかたが無いと言えば言えるんだけど、最後、メディキュヴォイドの生みの親についての言及は、外してしまった方が良かったんじゃ無かったのかな、と言う気はしないことも無く。次シリーズへのヒキ、って意味では必要なんだろうけど、あえてそこはいったんばっさり切った方が良かったんじゃ無いか、と言う気はした。良いお話になっていたとは思うんだけどね。

日曜日。「トッキュウジャー」はノア様、シュバルツさん退場といろいろ動きが大きくなってまいりました。「ドライブ」の方は意外と警察もののノリが良い感じに盛り込まれててこっちも良い感じ。「七つの大罪」も面白いです。

あああと、なんだかんだで「軍師官兵衛」も最後まで(抜け多数ですが)見た。スジはどってこと無かったけど、岡田准一さんはかなり良い役者さんですな。久しぶりに楽しめる大河ドラマだった。


2014-12-22 [長年日記] この日を編集

[Day] 晴れてても月曜日は

やる気出ねえ…。必ず上げなくちゃいけない作業も内容の日だと特に。結局今日は一日、ぼやーっと過ごしてしまったな。明日から本気出す。

あ、明日は祝日かぁ (にやり)。

[web] 淀長はそんなこと言わない

そんな、ぼんやりweb眺めてた時に見つけたネタ。CGでよみがえった淀川長治さんのCMに"好評"とはちょっと違うご意見 (togetter)。自分もちょっと前にこのCF見て、「うわあ」と思ったクチ。なんというかこう、何かが引っかかる。故人を冒涜してる、とかまでは思わん (かといってリスペクトがあると思わないけど) し、技術的にかなり高いことをやっているんだろう、ってとこも素直に認めたい。でもなんかイヤな感じがするのは…、

これ見てると「スターフォックス」を連想しちゃうからだ、ってのに思い至りましたです(^^;。


2014-12-23 [長年日記] この日を編集

[News] 慰安婦問題の幕引き問題

今日の朝刊にも要約版が載っていたんだけど、慰安婦報道検証 第三者委員会 (朝日新聞社インフォメーション)。紙の新聞だとさっと読めるのに、web版だと探すのに一苦労してしまうあたりが何とも。

一応フルサイズ版は落としたんであとでじっくり読みますが、要約版の方でちょっと面白かったのは委員の皆様の「個別意見」だったかな。おそらく朝日側の人であろう岡本行夫委員と、一番フラットにものを見ているのであろう保坂正康さんとの間の温度差とか、その「間」にいてるのであろう田原総一朗ほかのヘタレっぷりが結構面白かったかも。自分は保坂さんの、慰安婦問題をまず「軍隊と性病」というレベルまで落とし込んで論議すべきだろうという意見に強く賛同するものなので、そこのところの上っ面でなんだかんだ言うのはなんだかなーって気はしているんだけど、さてどうしたものであるんだか。 


2014-12-24 [長年日記] この日を編集

[News][Chinema] 筋が通った、と言えるのかもしれんけど

「正恩氏暗殺」映画、一転上映へ 全米200館以上、25日から ソニー側も了解 (asahi.com)。まあよかったね、なのかも判らんけど、この一件は最初っから違和感があって、たとえばアングロ語族が自分らの支配層を笑いものにするのと、潜在的とはいえ戦争状態にある相手を、一方的にコケにするってことの危険性、ってところにはかなり違いがあると思うんだけれど、そこのところを割と雑な対応で済ましてしまっているんじゃないのかな、と言う印象が拭いがたくて。

たとえばムハンマドを徹底的にインモラルなキャラクタとして表現した映画を、ハリウッドは作る度胸があるんだろうか? って話ですね。なんだかんだでアメリカさん、未だにアジアを甘く見てるんじゃないかなー、って気がしないこともなく。

[Anime] 定期視聴番組

「暁のヨナ」、「クロスアンジュ」、「甘城ブリリアントパーク」、「ガンダムビルドファイターズ トライ」。四龍の二人目に迫りつつある「ヨナ」、青龍の人はかなり重い過去を持っているのね。「クロスアンジュ」はなんか「SEED」みたいな話になってきたなあ。「甘城…」は良い最終回だった…と思ったらまだ続きがあるんだね。決まった(こなすべき)数字があって、それをどう消化するか、ってところの話の持って行き方に不満なしとしないんで、ステキ作画には騙されないぞ、と(w。「ビルドファイターズ」、メイジン・カワグチがおいしいとこごっそり持って行った気が。そろそろセイ君やレイジの顔も見たいよね。


2014-12-26 [長年日記] この日を編集

[Books] 世界を変える日に

世界を変える日に(ジェイン・ロジャーズ/著 佐田千織/翻訳) ジェイン・ロジャーズ 著/佐田千織 訳
カバーイラスト 牧野千穂
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011909-6 \900 (税別)

恐るべき子供たち(ある意味)

バイオテロによって全世界の女性は潜在的にMDS(母体死亡症候群)と言う爆弾をその体内に宿すこととなってしまった。母胎の免疫系に働きかけ、妊娠すると同時にクロイツフェルト・ヤコブ病を発症し、母親を死亡させてしまうという疫病。それはとりもなおさず、人類に子孫を作ることを禁じるものだった。このままでは早晩人類は滅亡してしまうだろう。対策に狂奔する科学者たち。それとは別に独自にこの災厄に向き合おうとする若者たちの姿もあった。そのなかに16歳のジェシーの姿も…。

これもある意味終末SFと言えるのかな。人類滅亡が不可避、と言う事態、しかもそれはセックスして妊娠したものが死んでいく、というある意味若者ほどキツい縛りが発生する状況の下、この世界を良い方向に変えようと活動する若者たちと大人たちの衝突、みたいなものを描いていく、ようなお話。純粋で先を見ているけれどどうかすると物事の本質的な危険性を見落としている者たちと、ある程度先が見えるが故に積極的に蛮勇をふるうことをためらう者の相克、と言うことになるのかな。

きわめて危機的な状況で人は何を選択し、選択した物事に対してどう向き合っていくのか、と言うのを丁寧に描写していくお話、と言うことになると思うんだけど、残念ながら丁寧ではあるがショックはない。結構切れ味鋭かった短編を無駄に引き延ばし、結果薄味の退屈な長編一丁上がり、って結果になってしまったような気がしてしまう。もっと短ければ主人公ジェシーの決断にもそれなりに感情移入できたと思うんだけど、とにかくお話を長くしてしまったが故に、すべてのことが薄くなってしまっているんだな。メガトン級の残念賞、だなあこれは。

★★

[Books] 読書スイッチ、ちょいとオン

ソードアート・オンライン1アインクラッド(川原礫/著 abec/イラスト)ソードアート・オンライン2アインクラッド(川原礫/著 abec/イラスト)古本漁りに行ったついでに見つけたんで買ってきた。川原礫「ソードアート・オンライン」 1,2(アインクラッド)。アインクラッド編って本編では単行本1冊で、#2は短編集なんだね。で、アニメの方ではこの短編エピソードを本編に挟んでいく感じで尺を調整してたわけだ。自分はアニメから入ったのでそれなりに補完しながら読んでいけたんだけど、これ、小説の方から入った人は意外に戸惑ったりするんじゃないだろうか。アスナの登場とか、結構唐突だもんね。結構アニメは頑張ってたんだなあって気はした。そこの補正込みで、楽しく読んでいけましたです。

[Anime] 定期視聴番組

「テラフォーマーズ」、「Gのレコンギスタ」、「結城友奈は勇者である」。なんかジャンプの打ち切り系マンガみたいなノリだった「テラフォーマーズ」最終回。多すぎる情報を馬鹿正直につぎ込んできて失敗した系、だなあ。見るべき絵はあった。受け取れる話がない、ようなアニメ。「Gレコ」はこれ、ダメなんじゃない? 話が無い、としか思えないんだけど。「ゆゆゆ」も最終回。んまあ良い話っぽく終わったけど、これだと夏凜の絶望的なまでの大活躍が最終的に無駄骨だった、ってことになってしまわないかね。ハッピーにシフトしたことでお話の着地点が逆にどうでも良い物になってしまったような気はするよ。傷を拭う、って行為はいろいろ難しいですね。


2014-12-27 [長年日記] この日を編集

[Day] 一人忘年会

カミさんはお出かけ、倅はバイトってことで、郵便物の発送のついでに焼き鳥屋でぺろぺろ、そういえば先日家でおでんしたときの日本酒が結構残ってたなあ、と思い、スーパーでおでんやら焼き肉やら、一人分ぐらいのパックを見繕って帰り、先に風呂掃除済ませて、それから熱燗つけて一人飲み会。良い感じに酔っ払ったぜ。


2014-12-28 [長年日記] この日を編集

[Day] 一人忘年会(あれっ?)

本日もカミさんも倅もいないので、ちょっと本を探しにハーバーまで。目当ての本は見つからずしょぼんと帰る途中、つい立ち飲みにふらーりと。たぶん今年最後だから、来年もよろしく的な挨拶でもしようかと思ったんだけど、ちょうど有馬記念の結果が出た時間帯ってことで店内めちゃ混み。競馬談義で盛り上がる周囲をよそに文庫本片手にポン酒舐める羽目に。ま、それもまたよし。お客の中に3連単取った (10万ついたんだね) 人がいたみたいで、「ゴチになりやす!」の声が飛び交ってましたよ(w。

で、気分良く帰ってきて、家の近所の飲み屋にふらり。ハシゴは久しぶりやなー。

さすがにちょっと寝オチしました(^^;。


2014-12-29 [長年日記] この日を編集

[Day] なんか送られてきた

ターボライター宅急便でーす、つーんで出てみたら、「JT様からです」と。見てみたら、なにやら黒い箱に 「魂」 とか書いた紙とライターが一個。限定プレミアムライター、だそうですが、オレ、こんなの応募したっけ? とりあえずくれるものはありがたくいただきますが、ターボライターってのがなー。オイルライターだったら、かなり嬉しかったんだけどなー。

[Anime][SpFX] 定期視聴番組

「魔弾の王と戦姫」、「SHIROBAKO」、「烈車戦隊トッキュウジャー」、「仮面ライダードライブ」。「魔弾…」は最終回。まあ無難なところに着地はした、かな。 「SHIROBAKO」 、意外に自分の予想が的中したんでちょっと嬉しかったかも。庵野氏の雰囲気がかなり 「こういう人なんだろうな」 感満点でそこも笑えた。

「トッキュウジャー」は箸休め。トカッチ×ミオは公式なんすかね。「ドライブ」は二人目のライダー登場。乗ってるバイクはNM-4? 今回はギャグ多め。重加速が発生したときの追田さんの扱いが結構面白かった。でも最終的に、なんで彼は無傷ですんだの?


2014-12-30 [長年日記] この日を編集

[Books] あがり

あがり(松崎有理/著) 松崎有理 著
カバーデザイン 岩郷重力+WONDER WORKZ。
サイエンスソーズ PPS通信社
創元SF文庫
ISBN978-4-488-74501-1 \860 (税別)

ゆるふわハードSF

東北のとある都市に蛸足状に発展した総合大学に在籍する学生、研究者たちが体験する様々な不思議…。第1回創元SF短編賞を受賞した表題作、単行本化された際に書き下ろされた短編などを含む6編を収録。文庫化に際して「幸福の神を追う」を追加収録。

いろんなところで話題になってたのに、なぜか今まで手が出なかった本。なぜでしょう、わかりません(^^;。たぶんそんな深い理由は無かったんだと思うんだけどね。なので前置きはさっさと終わらせてそれぞれのお話について簡単にいきます。

あがり

恩師である偉大な生物学者が未完のまま残した仮説を検証しようとする幼なじみの男子学生、イカル。彼がめざしたものとは…。こちらは既読。いわゆるバイオ系SF、ごく軽めのホラー風味付き、という感じか。

ぼくの手のなかでしずかに

来たよ数学SF(w。なんだけどここでの数学は、たとえばラッカーとかイーガンみたいな若干難解方向にシフトした奇想のネタに使われるんじゃなく、もっとこう、すごく下世話な、恋バナ成就譚的ところで機能する。そこがちょっとおかしく、切ない。タイトルはあれです、「アルジャーノンにあんみつを」とかでも良いんじゃないかって勢いで。

代書屋ミクラの幸運

この世界では通称 「出すか出されるか法」 なる法律が施行されていて、研究者は3年以内に最低一本の論文を提出し、それが受理されないと研究機関には居られなくなってしまう。そんな世界でニーズ急上昇中なのが代書屋稼業。先輩の紹介で駆け出し代書屋となったミクラの許に舞い込んだ依頼とは…

このあたりからこの短編集は、この「出すか出されるか法」とそれに対応すべく、学術論文に向かう若き研究者たちの苦労話がベースになっている。で、この論文対策のパートがかなり面白い。理系の世界でどうやって自分を認めさせていくか、ってところの描写がいろいろ「ほう」と思わされるところが多くて。

ミクラ君がなかなか良いキャラで、そのキャラ故のオチのつきっぷりが、ほほえましいのか、切ないのか、何とも微妙。

不可能もなく裏切りもなく

こちらは理論屋と微生物の専門家が「出すか出されるか法」に挑戦する話。ここにちょっとしたミステリ要素も加味される。このあたりまで読んでくると、この短編集のそれぞれの短編のモブ的キャラクタ達が、実はただのモブじゃなく、それなりにシリーズ構成的に機能している人物として登場しているんだな、ってのが見えてくるあたりもちょっと楽しいかも。お話的にはSF側じゃなくミステリ側に寄ったオチの付け方で、そこはちょっと惜しかったかなあ。

幸福の神を追う

動物を使った実験系研究者が落ち込んじゃった萌え要素とは…、みたいな。一種のスラプスティックなんだけど、スラプスティックの先に待っているのが、というかスラプスティックが始まる理由の時点から、納得できない要素の方が多かった。

へむ

明日から夏休みだ…この野郎 (著者は女性です) オレが一番弱いフレーズブチ込みやがって(^^;。最後にちょっと良い感じのジュヴナイルを持ってこられては…

という感じで。全体的にビターなお話が並ぶ短編集だったけど、不思議と不快な読了感は無い一冊だった。あと。このあとにオボちゃんの一件があって、そこで理系研究者の論文が受け入れられるまでには、どういう経路を通らなくてはいけないのか、って知識が無駄に増えちゃったものだから、本書での論文受理までの流れでどういうハードルがあるのか、ってのが必要以上に良く解ってしまった状態で読めたのは良かったのか悪かったのか(苦笑)。

個人的には小保方さんもこんな環境で研究できてたら、もうちょっと違ってたかもしれなかったのかもなあ、とは思いましたけれどもね(^^;

★★★★


2014-12-31 [長年日記] この日を編集

[Day] 行く年

って言うかこれ書いてる時点ですでにあけおめなんですが、物には順序がある。

ってことで。

んまあ今年も特にめでたいこともなく、割に低空飛行な一年であったかな。

大きなことと言えば、父が他界した、ってのがあるにはあるが、これも身内的には一年くらい前に覚悟していたことであるので、ショックはそれほどでもなく。ただ、抗がん剤などの治療をやめたことで逆に余生が延び、なんとか子供や孫の顔もひととおり見せて、言葉も交わせたのは良かったな、とは思う。乱暴な言い方だが、やることなくなって逝ったんだから文句はないよな、って気もしてる。

ま、そんな一年。来年もゆるめに行きたいもんですが、なんかでっかいラッキーが降ってくるんなら、そっちはいつでもウェルカムですよ(w。

皆様良いお年を。

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taoy@笹塚 [あけましておめでとうございます。 今年は久し振りに神戸にも行きたいなぁ、なんて思っております。 去年は「インターステ..]

rover [明けましておめでとうございます。 自分は(あんまり観てないんですけど)「ラッシュ」が燃えましたですねえ。 今年もよろ..]


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