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calendar.rbをcalendar2.rbに換えただけ。そういえばはてなダイアリには「前のn日」、「次のn日」っていうメニューがあったけど、tDiaryにはそういう機能って無いのかな? プラグインで供給されてるんだろうか。
マイクル・シャーマー 著/岡田靖史 訳
カバーイラスト 恩田和幸
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫NF
Ⅰ 奇妙な論理が蔓延するとき ISBN4-15-050280-3 \700(税別)
Ⅱ 歪曲をたくらむ人々 ISBN4-15-050281-1 \700(税別)
ESP、アプダクティ、創造論、ナチスによるホロコースト否定論…。いつの世にもけして消えないエセ科学とトンデモ理論の数々に、人はなぜこうもたやすく騙され、それを信じ込んでしまうのか。「奇妙な論理」のガードナーを祖とする懐疑論の現在の中心的人物が記す、現代トンデモ科学事情
………なんだけど、これが件の書物が登場してから40年も後に書かれたものとは思えないくらい、扱う題材と手法が似通っているあたりがなんともはや。登場人物が変わっただけで、やってる事にほとんど変わりがないのだね。こちらの本ではホロコースト否定論(例の『マルコポーロ』騒動についても筆が割かれている)と最新科学に積極的に「神」の存在を持ち込もうとするオメガ・ポイント理論の二つが目新しいぐらいで、あとはもういつも通りのトンデモのオンパレード。さすがにそのままじゃあ前に出た名著とおんなじになってしまうので、こっちでは"Ⅰ"の前半部分を割いてこれらのトンデモ理論がなぜ生まれ、信じられてしまうのか、それらに疑いを挟み、その不合理な点を分析していく懐疑論とはどういう物なのか、をかなり詳しく解説している。
トンデモ理論が理論武装を確立するためには、常に最新の科学情報を取り入れていく方面での必要性ってのも高いんだろうな、などと最後に取り上げられたオメガポイント関係の記述を読んで思ったのだけど、よく考えればこれ、基本は別に目新しいもんでもないんだよな。「奇妙な論理」の方ではこれに当たるものとしてダイアネティクス(『バトルフィールド・アース』のあれですな)が取り上げられているわけだし。いつまで経ってものこの手のネタは尽きないのだろうね。"ちょっと考えれば分かる"事って言うのは、その"ちょっと考える"余裕を何らかの理由で失っている人たちにとっては、通常の、反復して検証する事が重要な、それ故面倒な物に見えてしまうまっとうな科学よりはるかに魅力的な物になってしまうと言う事か。「おちつけ」と人に言うのは簡単なんだけど、相手がその余裕をすでに失っているだけに、この手の説得はやっかいだよなあと思ってしまう。先日、ややカルトがかった世界に足突っ込んだ後輩から久しぶりに電話もらった後だったものでその感はひとしおでありました。
(★★★)
もそもそ作業しながらCS スターチャンネルで「宇宙からの脱出」。1969年アメリカ、監督ジョン・スタージェス、出演グレゴリー・ペック、リチャード・クレンナ、デイヴィッド・ジャンセン、ジーン・ハックマン。メンツだけ見てたら西部劇か刑事ドラマでも始まりそうな勢いだけど、れっきとした宇宙SF。
5ヶ月の長期宇宙滞在実験を終えて地球に帰還しようとするアメリカの宇宙船、アイアンマン1号。だが装置の故障で大気圏再突入がままならない事態に。地上からの原因究明もままならず、遂にNASAは救助宇宙船の打ち上げを決断する。だが、打ち上げ基地には巨大なハリケーンが接近していた…。
トラウトマン大佐とテイラーを探して猿の惑星に不時着した飛行士とポパイ・ドイルが乗り組んだ宇宙船なら多少のトラブルはへっちゃらだろうとも思えるけれどもそこは映画。東宝特撮なら土屋さんだろうな、って役を強面なジーン・ハックマンがやってるあたりは面白い。人情を理性で押し殺し、努めて冷静にミッションを遂行しようとする地上指揮官、なんてのはグレゴリー・ペックにははまり役。緊張感のある良い映画になってると思うけど、ストーリーの展開としては救出までにもう一ひねり欲しかったかも。事故だー→救出ロケットだ→ダメだー→そういえばアレはどうしてああだったんだ? →そいつで一発逆転だー! みたいな展開になってて欲しかったかな、と。
映像的にもそれなりに頑張ってると思うんだけど、この前年に「2001」が登場している事を考えると、「スター・ウォーズ」の後に「惑星大戦争」を見ちゃったよ感覚、がするのはしかたがない事かな。ま、「2001」は格別に過ぎる映画ではあるんだけど。
知らなかったんだけど原作はマーチン・ケイデイン。「第二次世界大戦ブックス」の「零戦」と「Me109」の著者、その後なかなか元気の良い航空冒険小説、「シャトル防衛飛行隊」なんてのも著してる人。こんな話も書いてたんだな。や、まあそれなりに楽しめる映画でございましたよ。
小林泰三 著
カバーイラスト 笹井一個
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫JA
ISBN4-15-030736-9 \580(税別)
引っ越しの挨拶に訪れた先の住居人。「私が目を覚まさないよう、気を付けて」と謎めいた事を言う隣人、八美のようすに何か不気味な物を感じた操子だったが、ちょっと変わっただけの人なのだろうと思い直し、友達づきあいを深めてみようと思う。だが、八美の口から語られる言葉はあまりにも不可解で、かつなにか戦慄をもたらす物がその背後には潜んでいるように感じられた。そしてその違和感はやがて……。醒めているのか、いないのか。そこにいるのか、いないのか。「認知」がその一番奥底の通底音として効果する、小林泰三の短編集。
あちこちで高く評価されているなあ、と思ってはいたんですがようやくたどり着きました。何となく世間の流れからまるまる一ヶ月は遅れている感じ。私の感想は、まずもって不思議なくらいに懐かしい、ってところかな。
著者の小林泰三さんや、あと、北野勇作さん、あさりよしとおさんあたりは私とかなり近い年代の方で、それがいままではどうにも逆効果な感じで、たとえば「かめくん」、良いお話だと思う反面心のどこか、ちうかおケツのどこかが妙にむずがゆく、居心地の悪い感じを持つ事がとても多かったのだけれど、この作品集からはなぜかそういうむずがゆさは感じなかった。代わりに感じられたのは、安心できる懐かしさ。わたしゃこの短編集、「認知」をテーマに、そうだな、順にディック、ヨコジュン、キャンベル、フォワード、ツツイ、コマツ、ブリン(考えた末ちょっと顔ぶれ変更しました>たおさん)の短編が並んだアンソロジー、と言われてもある意味納得してしまうかも知れない。もちろんこれらの作家の昔の作品を集めた、と言うのでなく、彼らが今、このテーマを与えられたらこう書くんじゃないかな、と言う意味で。もとより小林泰三はそんな事を狙って書いたわけではないと思うのだけれど、できあがった物を読ませてもらうと、作者がこれまでに触れてきた優れたSF小説のテイストがそこここに感じられて、それがとても懐かしく、安心して読める物としてできあがっているという事。「かめくん」はステキな作品なのですが、私はどこか、素直にお話の流れに身を委ねにくいと感じるところがあったのですよ。んでこっちはそういう違和感がかなり控えめになっていて、代わりに「ああこの人はあれとかこれとか読んではるんだなあ」と妙に嬉しい気分になってしまう、とそういうこと。
そんな私のお薦めは、読んでる最中、(そんなに似せてあるわけではないのだけれど)登場人物がどう見てもチーラ人としか思えなくなってくる「空からの風が止む時」。懐かしさと、短編SFに必須のラストのひねりが効いた佳品。楽しい本を読ませて頂きました。
(★★★☆)
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ディック、ヨコジュンってのは言い得て妙な気がします。その後はワタシ的には、ブリッシュ、シマック、かんべ、コマツ、ラッカーかな。私の一番は「未公開実験」ですねぇ。ハリウッド映画化するなら、丸鋸氏は是非、マイクマイヤーズにやっていただきたい。
あーツツイじゃなくかんべ。それはありかも知れんですね、てか某Henkutsuでかんべ(ヨコジュンか)ってあったけど、私もそうかもなーと思いました。