ばむばんか惰隠洞

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2008-08-17 [長年日記]

[Day] プチオフ

TUX導師と二人、今日はクロクロで屋上、みたいな。「スカイ・クロラ」、「スター・ウォーズ クローン・ウォーズ」を見て屋上でぷはー。お月様映画については改めて書きますが、どちらかはきっとダメな映画だろういう期待があったんだけど、どっちも案外まともだったんであらあらと。

第三日曜日は野宴はお休みなので、本日は阪神百貨店の屋上でぷはーとな。なかなか良い月が出ていたが、きれいに撮れませなんだ。写真の真ん中、やや右よりの四角いのはプロジェクタで、横浜銀行から無慈悲に点数を搾り取られるタイガースの様子が映し出されておった。とりあえず飲み放題、食い放題の性で喰いきれんぐらいのアテを取ってきてお腹ぱんぱんでお開き。

そんなわけで喰う方は満足したけど、呑む方がちょっと足りないところもあったので、TUX導師とお別れしたあと、三宮で途中下車して久々にたちきや。今日のお酒

呑んだのは「出羽ノ雪」、「喜楽長 夢銀河」、「群馬泉 初しぼり」。森博嗣氏のファン、というお客さんがいらっしゃったので「スカイ・クロラ」話などいろいろ。

それは良かったんだけどさ、

私の知らない間に最近のたちきや、お客さんとして安彦良和氏やら樋口真嗣氏やらをお迎えしてるんだと。神戸芸工大の講師さん繋がりということらしいんだけど、なんだよ、そういうときはオレも呼んでくれよーい(もちろん大学じゃなく、たちきやの方ね)。

[Chinema] スカイ・クロラ

劇場版パンフ スタッフ
監督:押井守
原作:森博嗣
脚本:伊藤ちひろ
音楽:川井憲次
製作プロデューサー:奥田誠治・石川光久
プロデューサー:石井朋彦
出演
加瀬亮
菊地凛子
谷原章介/栗山千明/榊原良子
麦人/大塚芳忠/兵藤まこ
ひし美ゆり子
竹中直人
公式サイト:http://sky.crawlers.jp/

戦争が兵器産業主体のショーとなっている世界。ここで最前線に出る兵士たちの大半は、少年少女の姿のまま、年を取らない"キルドレ"と呼ばれる人びと。一定の年齢の年格好になったところでそれ以上年を取ることのない彼らにとって、人生の終わりとは戦死することに他ならない。ヨーロッパに展開する小さな基地に赴任してきたカンナミ・ユーイチもそんなキルドレの一人。そこに赴任するまでの記憶があやふやなユーイチだが、基地司令のスイトは、ユーイチの過去について、何らかの関わりと記憶をもっているようなのだが…。

原作は読んでないので、トレイラーなどの印象から押井守的、妙な理屈をこね回した「オネアミスの翼」みたいなものなのかな、なんてな軽めの先入観をもって観に行ったんだけど、んーと、それは当たってたようなそうでもなかったような。基本的にこれまでの押井守的ないろんな記号をちりばめつつ、最終的に切り込もうとしたテーマというのは、「紅い眼鏡」とか「AVALON」でもやっていた、それまでなんの疑問も持っていなかった、自分と世界のありようについて見直しをしていくような物語。そのさまざまなガジェットへの凝り具合と展開のシュールなテイストは、まさしく押井守的実写映画のそれだと思う。なので彼の実写版映画が持っている、もどかしくなるような訳のわからなさと、それをそこそこ(完全に、ではないのね)払拭する映像的な面白さはこの作品でも健在。

お話のキモになるのは、今こうしている自分をほんとの自分と納得してしまって良いのかい? 良くないとしたらそれはなぜなんだろう? ってところなんだと思う。こういう場合「良くない」としたら、次に来るのは「なにをする?」ってところに行くのが普通の映画だと思うんだけど、押井守はそこで無駄に考え込む。考えて考えて、結局最良の解が得られないものだから、見てるこちらがおいおいそっちに行っちゃうのかい、と思ってしまう方向に、客を少々置き去りにしながら突っ走る。そこに良くできた"作りもの"を鑑賞して楽しむという快感はないが、諸々なにがしかのあとを引く、考えるネタを提供してくれる作品であることは確かだと思う。

絵はかなり見事。空もの戦争映画が好きなら「空軍大戦略」や「頭上の敵機」など、この手のジャンルの名画を彷彿とさせるシーンがあってちょっと嬉しくなるし、タバコやお酒、飛行機に至るさまざまな小物、大物のデザインセンスを追っかけるのも楽しい。ユーイチたちが所属するロストック社の飛行機たちは日本+アメリカ、ライバルのラウテルン社はソ連+英国、で、どっちにもドイツっぽさがそれなりに振りかけられてる、みたいな感じかな。スカイウォーカー・サウンドによる音響がかなり頑張ってくれた(『イノセント』の時とはダンチだと思うんだぜ)こともあって、これらの飛行機たちが飛びまくる空戦シーンはかなり見応えがある。

絵の方はそういうことでかなり良い。サウンドイフェクツも結構。ただし本職さんじゃない人たちを並べた声優さんのラインナップは、オトナの事情もあってのことだったんだろうけれど相当がっかり。特に押井映画名物の長セリフを担当することになっちゃった栗山千明はかなり残念だった。そこで"芸"を炸裂させてくれないと、押井映画を見る楽しみがかなり減じられてしまうような気がするんだけどな。

総じて楽しめた、とは言えないがそれなりに心に引っかかるものを残してくれた映画ではあった。ただやっぱり押井守には、もうちょっとキツめの縛りをかけてやった方が良かったんじゃないかとは思ったな。

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ソ連に亡命してラボーチキンの設計者になったクルト・タンクがデザインしました的なスタイルがかなり好みな、ラウテルン社の新型機、スカイリィ。バンダイからはインジェクション・キットも出るようで、ちょっとだけ惹かれてます。

(★★★)

[Chinema] スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ

スタッフ
監督:デイブ・フィロニー
原作:ジョージ・ルーカス
製作総指揮:ジョージ・ルーカス
音楽:ケヴィン・カイナー
公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/clonewars/

崖の上のジャバ(の息子)

共和国と分離主義者との抗争は続いている。一進一退の戦いが続く中、両陣営が重視するのは銀河辺境における艦隊の航行の安全性。今、銀河辺境で最大の勢力を持っているのはタトゥイーンのジャバ・ザ・ハット。そのジャバの息子が、何者かによって誘拐されるという事件が発生する。ここでジャバに恩を売っておけば、辺境空域の航行の安全性が確保されると考えたジェダイ騎士団は、最前線で戦うアナキンを指揮官とした人質奪回チームを編成した。アナキンの傍らに若きパダワン、アソーカを従えて…

ジャバに息子がおったんかい、ってところでいきなり「な、なんだってー!?」てなもんだが、そのジャバが宇宙規模の大悪党だったり、アナキンが弟子取ってたりといろんなところで正史(そんなものがあるとしてだが)と微妙に話が繋がらない感じ。Wikipediaによると、テレビシリーズのパイロット版というか先行特別編みたいな位置づけのようで、一応「スター・ウォーズ」なんだけども、まあいろいろ察してくれやって事なんだろう。正史では救いのないエピソードしかなくてちょっとかわいそうなアナキン君なので、弟子のお転婆ねーちゃんとのドタバタ道中が100回続くっていうなら、それはそれで彼にとっては少しばかりの救いになってくれるやもしれんわな。

と言うわけで、そもそもがテレビ用の作品なんで、いろんなところに目くじら立てて見るような映画じゃないんだろう。そもそもメカニクスの方は劇場版のデータも流用できるわけだからそのクオリティは充分高いんだし、ややポリゴン数抑えめっぽく作画されてるキャラクターたちも、動きのキレは抜群に良いので話を追っかけていく間は、意外と気にならないし、そもそもお話がシンプルで、かつ最後はめでたしめでたしで終わってくれるんだから、そこそこ面白いものを見せてもらったような気になってしまうんだった。それなりに「スター・ウォーズ」のお約束やおなじみの記号も上手にちりばめられていたと思えるし。

そうはいっても、これは正史でもそうだったけどジェダイ騎士団の無能さだけは何とかならんものか、とはこのお話を見ても感じるところではある。A級戦犯であるジャージャーが出てこないんでやれやれと思ってたら、マスター・ヨーダ以下の皆さん揃ってジャージャー以上のお馬鹿っぷりを晒してる状況ってのは一体どうしたものかと。逆にエピソード的にはⅣ〜Ⅵでどうしようもない無能っぷりを晒したストーム・トゥルーパーズたちが、創立当初はやたら有能な集団であったことがわかるあたりはある意味収穫。キャプテン・レックスのかっこよさったらないぜ。なんだな、帝国は彼ら優秀なクローン兵士たちをVHS3倍速の要領で量産しちゃって、自らの首を絞める結果になっちゃったのかも知れないな。

個人的に「スター・ウォーズ」を見た感、ってのは全く足りてないんだけど、そこそこ面白いシリアル活劇のオープニングに立ち会ったと思えばまあ腹も立たないか、と言うような映画。日本語吹替え版では原語版では無いナレーションが存在し、そこを担当するのが若本さんらしいので、それ目当てで吹替え版で楽しむのが吉かもしれないね。

(★★☆)

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]
TUX (2008-08-18 23:26)

●お疲れ様でヤンした。<br> 「空クロ」の方は思いのほか話がわかりやすかったのと(笑)<br> 「星クロ」はアナキンが必要以上に物わかりがいいのに愕然としました(爆)<br><br>●あ、ちなみに僕も神戸芸工大の非常勤講師やってますよう(笑)お二人にはカスリもしてませんが(苦笑)

rover (2008-08-19 00:58)

お疲れさまっしたー。<br>とりあえずたちきや的には、石井聰亙監督が紹介役になって下さったようです。是非その辺から突破口を(w……。


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