ばむばんか惰隠洞

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2008-08-29 [長年日記]

[Day] 免許更新

おー、最近はえっちらおっちら明石まで出かけなくても、三宮で更新できちゃうんだな。てことで午前中、県警の別館とやらに出動。優良ドライバーなので小一時間で更新終了。今回から「普通」じゃなく「中型」になるのか、へえ。今後履歴書書くときは、「中型免許(条件付)」とかになるのかしらね。やや寝不足っぽい、人相の悪い写真にちょっと凹むわ。

仕事の修正要望は多分今日の夕刻以降になりそうだったので、パルシネマしんこうえんで、「大いなる陰謀」と「ハンティング・パーティー」の二本立て。なかなかこう、どっちかはちょっと観たいんだけどもう一本が…的カップリングが続いてたパルシネマなんだけど、このセットはなかなか良いね。今日までの上映だったようで、間に合って良かった良かった。たまには真面目な映画も観ないとな(w。感想は改めて。

[Chinema] 大いなる陰謀

B001B4V9LS スタッフ
監督:ロバート・レッドフォード
脚本:マシュー・マイケル・カーナハン
製作:ロバート・レッドフォード/マシュー・マイケル・カーナハン/アンドリュー・ハウプトマン/トレイシー・ファルコ
製作総指揮:ダニエル・ルピ
音楽:マーク・アイシャム
出演
ロバート・レッドフォード
メリル・ストリープ
トム・クルーズ
マイケル・ペーニャ/アンドリュー・ガーフィールド
ピーター・バーグ/ケヴィン・ダン/デレク・ルーク
公式サイト:http://movies.foxjapan.com/ooinaru/

共和党の気鋭の若手上院議員、アーヴィングはとある思惑を秘めて旧知のベテラン・ジャーナリスト、ジャニーンとの単独インタビューをセッティングする。その目的は、マイナス評価ばかりが続く現在の米国外交において、一気に失地回復をねらった極秘の作戦の内容を部分的に公表することで、国民の間にアーヴィングの行動力とその成果を強く印象づけることにあった。彼が企画した作戦の舞台はアフガン。今まさに目的地に向けて、空挺部隊の一個小隊を乗せたヘリコプターが飛んでいる。その機内には大学院への進学の道を捨てて兵役に就いた二人の若者の姿が。

西海岸の同時刻。ヘリに乗り込んだ二人の若者の元教官だったマレー教授は、担当学生たちとの個別面談に臨んでいた。最初の学生はかつて優等生であったのが、最近全く授業に出てこなくなってしまったトッド。何が彼の覇気を奪ってしまったのか…

原題は"Lions for Lambs"。第一次大戦中にドイツ兵が英軍の将兵を表した言葉、「ライオンの群れを羊が指揮している」にちなんだもの。指導者の資質とはどうあるべきなのか、本来優れた能力を持っているはずの"ライオン"たちが、安易に(無能な)羊たちに良いように振り回されないようにするにはどうあるべきなのか、を、作った側は割とスマートにまとめたつもりだろうけど見る側からしたらバレバレだろうそれ、みたいな形で伝えてくるような映画。監督のロバート・レッドフォードは民主党支持の人なんで、基本的に共和党に任せておくとあたら有能で意識の高いアメリカ国民が無駄に死んじゃうことになっちゃうぜ、それを回避するにはどうすればいいのか判るかい? 事なかれじゃダメなんだぜ的メッセージがそこそこあからさまに伝えられる。割を食ったのが中庸を旨とすべきジャーナリスト役のメリル・ストリーブだったかな、と。

トム・クルーズ対メリル・ストリーブ、ロバート・レッドフォード対アンドリュー・ガーフィールドの対話劇が見もののはずなんだが、どちらも残念ながら最高級にテンションが"張った"状態のそれではなく、そこそこのテンションは感じるが微妙に突っ込み切れてないまま終わってしまったような映画、と言えるかな。

個人的にこの映画を観て思い出しちゃったのは、シカゴの「アット・カーネギーホール」というアルバムだったりする。ビニール盤4枚組、カーネギーホール全景のポスター、アメリカの選挙法に関する解説ブックレットなど、なんか猛烈にいろんな付録がついてたこのライブ・アルバムは、当時シカゴの連中が民主党のマクガヴァン候補支持の立場にあったが故に、かなり強烈な反ニクソンのスタンスを取っていた(一部の歌の中で、「ニクソンを支持してたら、どうなると思う?」なんて堂々と歌ってたりする)のが良く判るアルバムだったんだけど、そのあたりの、微妙に"ナマな"感じを久しぶりに味わったような気がする。大統領選を控えたアメリカには、こういうメディアが生まれやすくなるような土壌があるのかしら。

いろんなところでいろんなモノを差し引いて鑑賞した方が良い映画ではあると思う。役者さんたちの頑張りはなかなかのモノ。ただそれらが上手く有機的に影響しあって別な何かを産み出すところまではいってない、ような映画だったと言えるか。悪くはないが改めて賞賛すべきでもない映画、って感じで。

(★★★)

[Chinema] ハンティング・パーティ

B001E1VMB0 スタッフ
監督・脚本:リチャード・シェパード
製作総指揮:マーティン・シュアーマン/ボー・ハイド/ポール・ハンソン
エリオット・ファーワーダ/ビル・ブロック/アダム・メリムズ
製作:スコット・クルーフ/マーク・ジョンソン/ポール・ハンソン
音楽:ロルフ・ケント
原案:スコット・アンダーソン
出演
テレンス・ハワード
リチャード・ギア
ジェシー・アイゼンバーグ
リュボミール・ケレケス/マーク・イヴァニール/ジョイ・ブライアント
ジェームズ・ブローリン/クリスティナ・クレペラ/ダイアン・クルーガー
公式サイト:http://www.huntingparty.jp/

かつては最高の戦争特派員だったのに、ボスニアで目にしたとある光景が原因で戦争報道自体にキレ、今は二流のケーブルテレビ局を渡り歩くサイモン。ともに戦場を駆け巡ったカメラマンのダックの方は順調に出世を重ね、危険な現場からは遠ざかっている。そんな二人が五年の時を経て再開することになった。奇しくもその場所はボスニア。サイモンは今もなお一人の男を追っていたのだった。最重要の戦争犯罪人であり、国連や各国の諜報機関が探索を続けているにも関わらずその足取りがようとして掴めない男、通称"フォックス"、サイモンはそのフォックスの居場所について、確実な情報を得ているといい、ダックにかつての名コンビの再結成を持ちかけるのだったが…。

実録(実話に非ず)手記を元に作られた社会派エンタティンメント。ちょっとダメっぽいはみ出しジャーナリストが、国連や各国の諜報機関が全力で捜査しているにも関わらず、五年もの間逃げおおせている戦争犯罪人のシッポを掴んじゃおうというお話。シリアスとコミカルが良い按配に配置されていてなかなか楽しめる上に、凸凹三人組がのし歩くその場所は、少し前まで酸鼻を極める内乱の最中にあった土地だったことをさりげなく思い起こさせるような絵造りにも抜かりはなく、社会派な部分に軽くではあるけれど言及することも忘れない。そもそも国連だのCIAだのが本気出したら、犯罪人の一人ぐらいどこにいるのか、目星ぐらいはつけられそうなものなのに実際はそうはなっていない。そのこと自体がなんか変じゃないのかい? ってあたりからして、裏を勘ぐったら、いくらでも深読みや邪推は可能な話なわけなんだし。敢えてそっちに深く突っ込むことはせず、「なあ、なんかいろいろ怪しいよな」と軽く突っ込むぐらいに止めておいて、本線はあくまでも「個人」のお話としてストーリーを展開していくあたり、基本的に作るのはエンタティンメントなんだ、ってラインを外してないところに好感を持つ。

その上で、一応実話っぽい原作を元にしているが故に、映画としてのウソくさい面白さや、ちょっと鼻白むような、ナマのメッセージ性みたいなものがうまく織り込めないままお話が展開していったが故に、映画としての完成度って部分で少々いびつなものが残ってしまったのは残念だったかな、と言うところだろうか。一点、どうにも残念なところがあって、それはダックの扱い。カメラマンであるダックが、サイモンに引き込まれて一緒にフォックスを追う旅に出る時にカメラを持っていないのだよね。休暇を利用してサイモンに付き合うつもりだったダックだから、リアルと言えばリアルではあるんだけど、かつてサイモンとともに戦場を駆けずり回ったときのダックはカメラマンだったわけで、ここはウソでも良いし、結局はそれを手放さざるを得なくなってしまっても良かったと思うんだけど、それでもサイモンとの凸凹道中を始める段階では、彼は昔からのサイモンの相棒の戦場カメラマンであって欲しかったなあと言う気はする。そこがちょっと残念だったかな。

現実の重さは疑いようもない題材だけに、「敢えて作っちゃった」部分はあっても良かったんじゃないかな、と言うところではありますが、総じてなかなか楽しめた。楽しむ、とか言っちゃ、ホントはいけない題材なんだろうけど。ああ、あと、フォックスを演じたリュボミール・ケレケスが実物のカラジッチに猛烈に似てたのに軽くウケました。

(★★★)


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