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ジャック・キャンベル 著/月岡小穂 訳
カバーイラスト 寺田克也
カバーデザイン 岩郷重力+WONDER WORKZ。
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-012082-5 \1120(税別)
シンディックからの一応の独立を獲得したミッドウェイ星系。だが、この宇宙で重要なジャンプ・ポイントを持つこの星系を奪回しようとするシンディックの動きは止むことがない。さらにシンディックから離脱して独裁者となったハリスの支配下にあるウリンディ星系も、ミッドウェイ星系への侵攻をもくろんでいると思われる。ここに至りイケニとドレイコンは、侵攻するシンディック艦隊を撃退し、さらに限りある戦力を割いてウリンディ星系への侵攻を企画するのだが…
前作でひと息ついたとは言え、イケニとドレイコンを取り巻く状況は相変わらず厳しい。何しろこちらはギアリーたちアライアンス勢力とは違い、体制に叛旗を翻して独立した、という時点でとにかく使えるリソースの量に限りがある上に、これまでとは全く違う政治体制をベースにいろんなことをやっていかなくてはならなくなった、という事情が引き起こすさまざまなトラブルにも対処していかなくてはいけないわけで、とにかくお話のはじめから登場人物に用意されている縛りのキツさが本編以上なのね。で、これがドラマを面白くする上でとても良いスパイスになっているんだと思う。
一種の洗脳状態だったシンディックの「人民」たち、というのは言ってみれば現状、北の首領様に率いられている国家のカリカチュア。ここからどう、いわゆる自由主義的な国家の運営スタイルを導入し、浸透させ、強化していくか、というのがお話のキモになっていくんだと思うけど、そこの所の描写はまあ、悪くない。現実世界だったらそう上手く行くんだろうか、と思える所もいくつかあるんですがそこはまあ、お話ですから。
そこらあたりの予想通り感、が無いとは言えないけれども、それでもこいつはやっぱり読んでる間は文句なしに楽しめる一作になっている。本編の方がSF的な味付けをストーリーラインに入れ込んだことで、少々とっちらかり方向に迷い込みそうな危惧が湧いて来つつある、って心配はあるのだけれど、外伝側はそこをあまり考慮しなくて良い分、本来のミリタリSFのあるべき姿をかなり忠実に実現させてみせた作品に仕上がった、と言えるのかもしれない。多分ミリタリSFが背負うべき世界観の重さ、みたいなのはこのあたりが重量制限いっぱい、ってことなのかもしれないな。
そのうえでシリーズを読んで来ている人へのサービスも抜かりなく、本作でも「あの人」は結局どうなったかな? ってヒキはちゃんと作ってくれてるあたりは大変結構。ネタバレになったら申し訳ないので「モルガンさん」だけ言っときますね(^^;。ここにもう一匙、追加があることを期待していますよ(w。
★★★☆
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