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パトリック・オブライアン 著/高津幸枝 訳
カバーイラスト Geoff Hunt
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫NV
ISBN4-15-041065-8 \700(税別)
ISBN4-15-041066-6 \700(税別)
サープライズ号を駆った冒険から3年。今、ジャック・オーブリーはようやくむすばれた妻ソフィーと、彼女との間にできたふたりの娘、そしてやかまし屋の姑と共に、やや手狭な館で無聊を託つ毎日を送っていた。指揮艦を持たない船乗りの満たされない日々が続いていたのだ。そんなある日、ジャックの許を親友、マチュリンが訪問する。久しぶりの友の来訪に喜びを隠さないオーブリー家の人々。しかもマチュリンは、ジャックがひたすら望み続けていた一つの知らせの早駆けとしての使命も帯びていたのだ…
映画公開の関係で、間にシリーズ第10作が挟まってしまったジャック・オーブリーものの正真正銘の続刊。とはいえ前作からはしばらく間があいていることもあり、まあ違和感はそんなにない。お話はある意味定番の展開。
定番とはつまり、手柄は立てたが(身分的にハンデがある|上層部とうまく折り合いを付けられない|持ち前の正義感が煙たがられる|国情が許さない)という理由から活躍の場を奪われてしまった主人公がくすぶっている導入部から…、ようやく指揮艦(または艦隊)を得るがやはり万全ではない→それでも主人公の手腕が冴えて序盤は好調→主人公をねたむ、恨む、憎む、貶めたいと思う、または軽んじるものの独断がもとで味方は一転苦境に→不屈の主人公、勝ち目の薄い戦いに全力で立ち向かう→そして完全ではないが当面の勝利を得、仲間たちとの結束は深まるが、主人公の心には一抹の満たされなさもまた残って次巻へ続く、みたいなもので、これはまあこういうタイプの小説では一種の黄金パターンであると思うのだけど、4作目にしてオブライアンさん、ようやく「定番にも沿ってみるべえか」てな気持ちでお話を書いてくれたのかな? という印象はある。相変わらず序盤のもたつきにはイライラするし、中盤のダレ場も必要以上にダレちゃう傾向があってそこに不満は残るのだけれど、それでも前三作に比べればずいぶんと良い感じになった、と思う。マンネリシリーズの黄金律ってのは案外重要だと思うのだよね。小説に限らず、映画でも、テレビでも。
そこをぶち破るには、作者に並々ならぬ力量が要求されるわけで、今のところこの作者は、そこまでの力量は発揮できていない、というかそもそも、マンネリのどこが面白いのかも充分に研究していないように見受けられ、そこで私はこのシリーズ、どうも新刊が出た時に喜んで飛びつく気にさせてもらえないなあと感じてるわけで、ええい言ってしまえ、これは平成ライダーな海洋冒険小説なんだよ。マンネリを打破しようとする心意気は買うけれども、打破すべきマンネリズムに一片の敬意も払われない作品は私は評価できないよ、と、そういうこと。で、今回、意図したのかは知らないが、そういうマンネリな部分をちゃんと見つめ直しているように見えて、そこには好印象を持ったわけだった。
そういうわけでかろうじて、次巻へのヒキは感じさせてもらってはいるんだけど、どうだろなあ、10巻の出来がやっぱりわりかしトホホなことを、ワシら前もって知ってしまってるわけだしなあ(^^;)。
(★★★)
9月1日更新用コンテンツ。明日は映画見にいきたいのよ。今日は火曜日(レディースデイ)ゆえ、カミさんが一人で慎吾ちあんのニンニン映画見てきて上機嫌だった(カミさん慎吾ちあんとツヨポンのファンなので、ちょこっとゲタは履かしてもらってるかも知れないけど、「ハットリ君」、そこそこ楽しめる映画のようですよ)んで、明日の映画の日にはワシもなんか映画を観に行きたいなー、とか思ってるわけなんだが。
んでも月初めはクライアント様の更新作業もあったりするんで結構面倒だいなあ。とりあえずできるとこだけどかんと更新しといて、後は成り行き、でも良いんだけど、できる、のはずの所で結構躓いてたりして。まいったな。今日は早く寝たい気分なのにー。
どうでもいいが(よくないが)ビデオカードもヘタレてきた感じだなあ。どうしたんだG450。ううう(つoT)。
エリック・ガルシア 著/酒井昭伸 訳
カバーイラスト 桔川伸
ヴィレッジブックス
ISBN4-7897-2623-1 \980(税別)
amazonで購入
あまりタチの良くない知り合いにパーティーに呼ばれ、出かけた先がLA裏社会のボスの家だった、というのはちょっとマズい状況だ。タチの良くない知り合いがそのボスの手下だとわかる、というのはかなりマズい状況だ。そしてそのボスが、最初からこの俺に用があったらしい、とわかるというのは……最悪だ。
そんなわけで、人間たちの間で正体を隠し、私立探偵として生きる俺、ラプトルのヴィンセント・ルビオは今、マイアミに来ているのだった。LAのギャングの大立者、フランクから請け負った仕事は、敵対するファミリーの患部の尾行。だがそのターゲットは予想より速く自分の本拠に戻ってしまった。そこで仕事が終らないのが辛いところ。俺もマイアミまで出向き、フランクの弟、エディの元に身を寄せて尾行の続きをやっている。だが、なんだかこの仕事、どうにも底の知れないところが……。
恐竜ハードボイルド第三弾。時系列的には一作目の「さらば、愛しき鉤爪」からしばらく経ったあたり。アル中ならぬバジル中毒に苦しみつつ、新たな、そしてなにやら裏にずいぶんキナ臭い匂いのしている仕事に就くのだが…、ってなお話。解説にもあるとおり、タイトルの元ネタはダシェール・ハメットの「血の収穫」、ということはつまりとりもなおさず黒澤明、「用心棒」にも一脈通じるお話、なんて書いてしまったらこれからお話を読もうと思ってる人の興味を著しく削いでしまうことになるかしら。でも書いちゃったわ。ごめんなさい。
さて、われらが桑畑三十郎は、よれよれの野良犬ではあっても野良犬なりの誇りは失わない人物なんだが、なんせルビオは人間じゃないので、よれよれの恐竜で、かつなかなかぴしっとしたところを前に出せない人物(竜物?)なのはこのシリーズをお読みの諸兄なら先刻ご承知。そんなルビオがよたよたと事件の核心に迫っていき、最期に少しばかりの哀しみをかみしめつつ一つの事件が解決する、というのがこのシリーズのフォーマットであると思うのだが、どうでしょう、前二作の好評で気が大きくなったのか、エリック・ガルシアは本作で「書きすぎる」という致命的なミスをやらかしちゃったような気がする。
本書の構成は、まず導入部でちょっとした事件が起き、その事件が一段落したところで、ルビオが「なんでオレはこんなこと」とその事件が始まる元になる、発端のエピソードを回想する、という構成を取っている。良くあるパターンですね。だが、この回想がどう見ても度を超して長い、と思ってしまう。読んでるうちに、自分が読んでるそれが回想であることを忘れちゃうくらい。そしてようやく本筋に戻ってきた(ここまでで本は3割ぐらい読み進んでる)と思ったらすぐにまた回想シーン。今度はそれほど長くはないけど、だからといって短くもない。とにかく本筋を追うのに苦労するぐらい長い(そしてやや冗長な)回想シーンが挟まってしまうのだな。これは構成として何か間違ってる気がする。
そんな構成の壊れた部分を、訳者の酒井さんもマズいと思ったのか(どうかはわかりませんが)、本書の訳のはっちゃけぶりも前作以上な気がする。なんというか、こっちの許容範囲を超えているというか。
わたしねえ、「本」を開いたときにweb言葉が出てくるの、すごくイヤなんですよ。この本で言うと、まあwebではよく使われる「〜〜ですかそうですか」って言い回し。webで読む分には別に何とも思わないんだけど、紙に印刷されたこの言い回しを目にすると、なんつーか、すごーくイヤな気分になってしまうんですな。webの文体ってものはあるだろうし、それはそれで独自に広まって行くものであるのだろうけれど、それとは別に「本」賭して読者に提供するときに、あまりに安易にweb文体を持ち込んで欲しくない、という気がするのだが。しかもやってるのが、名手酒井昭伸。うーん、それが趨勢なのかも知れないんだけど、それでもこう、なんというか「紙媒体の文体」としての矜持、みたいなものを見せて欲しい気もするんだけどなあ。そんな風に思うこと自体が既に旧人類の証ですかそうですか(と、webでは使ってみたりする)。
前半がそんなわけで少々もたつき気味だった分、後半になってぐぐっと面白くなっただけにそこがちょっと残念。なんか知らんが私は今、本として出てくるものの文章に必要以上に「格調」を求めすぎているのかも知れないのだが、ううむ…。
(★★★)
仕事が古本の発送(梱包は前日完了済み)だけで、あとはひたすら入金(額は大したことございませんのですが)があるのを確認するだけの一日。毎日こうだと良いんだけどなあ(そうはいくか)。
読んだマンガ。木原敏江「摩利と新吾」(1)〜(6)、同じくドジ様「ユンター・ムアリー」、新谷かおる「ふたり鷹」(1)〜(19)、柴田昌弘「未来都市バラン」、「成層圏のローレライ」、「盗まれたハネムーン」。
ああいかん、縞りんごの続き(コミックスは13巻まで続き、後日譚になるのが『ユンター・ムアリー』。近所の立ち読み可能な古本屋((ウチだ))には6巻まで在庫がないのですよ、ううむ)がどうだったか、気になってしかたがない(w。
どうでも良いけどamazonの書影、本書(「ユンター・ムアリー」)に限っては少々色がどぎつすぎると思う。現物はもっと品の良い、藤色っぽいトーンです。
やや旧聞。内田昌之さんのblog経由で今年のヒューゴー賞(Locus Online)。長編部門はロバート・チャールズ・ウィルスンの「Spin」。ノヴェラにコニー・ウィリス、ノヴェレットでピーター・S・ビーグル(わぁお)が受賞。ロバート・チャールズ・ウィルスン……、ああ、「時に架ける橋」の人か。ふむふむ、わたしゃ結構褒めてますね。受賞作はどういうお話なんだろう。訳はやっぱり創元から出るのかな、てかこの方、「時に…」以外の著作って邦訳されてないような気がしますが、こちらではいまいちウケがよろしくない方なんでございましょうか。
いろいろ見たり見なかったり、野球に押し出し食らったり。「RD」、「ゼロの使い魔」、「マクロスF」、「鉄腕バーディーDECODE」、「ひだまりスケッチ×365」、「ToLoveる」、「炎神戦隊ゴーオンジャー」、「仮面ライダーキバ」、「Yes! プリキュア5GoGo!」、「コードギアス」ぐらいかな。なんか今週は気の狂った作品が多かったような気がするぞ。謎な劇中劇で押し切った「ToLoveる」、異様にテンション低くしかも捻りの足りない「相棒」ネタの「ゴーオンジャー」、気が狂ってるのはいつものことな「キバ」、てな感じで。「マクロス」は凄い勢いで話が展開してて何がなんだか。突然ばっさりメインキャラ死亡とか、メインヒロインと思ってた存在とのコイバナがうまくいかない風向きになってきたりとか、いろいろ第1作のノリを踏襲しようとしてるのかな的な匂いも感じますな。
例によって順番がヘンですが「真マジンガー 衝撃! Z編」、「グイン・サーガ」、「化物語」、「亡念のザムド」、「NEEDLESS」、「戦場のヴァルキュリア」、「侍戦隊シンケンジャー」、「仮面ライダーディケイド」、「フレッシュプリキュア!」、「鋼の錬金術師」。
なにやら昭和なマンガファンが「お?」と思うかも知れんけどそのネタ相当古いぞ大丈夫か、みたいなことをやってた「化物語」。杉浦茂ネタてあんた。お話はまあ、みゆきちワンマンショーでしたな。
「亡念のザムド」の監督の宮地昌幸さんって、ジブリ系の作品などで経験を積んできた人なんですな。そういわれると何となく、ああそうかもなー、と思える箇所がなくもない、かな。
日曜朝。「シンケンジャー」は快調。千明とことはのコンビはとても良いね。「ディケイド」の方は、これはまたばっさり切ったなあというところか。裏でどういう事情があったのかは知らないんだけど、もしかしてRXとかアマゾンとかは、調子に乗って追加した系だったんでしょうかね。いろんなところをぶった切って、無理やり終わらせた感満点だな。脈絡もクソもない状態で割り込んできたにもかかわらず、昭和のライダーネタが絡んでた話の方がテンション高くて面白かったってのも皮肉な話なような気がするな。
…してるのは残念ながら大日本帝国海軍の提督達なんですけどね。
商売物に手を付けるシリーズ、ジョン・J・ゴッベル「レイテ 史上最大の海戦」(書影はamazonにリンク)。本屋さんで見かけた時に買おうかどうしようかちょっと迷ったんだけど、基本フィクションだって事でまあ良いか、って購入見送ってた本。今回お手頃価格で入手できたので読んでみたんだけど、おや、なかなか面白かったわ。
お話はレイテ海戦の史実、特に栗田艦隊の主力に立ち向かう事になってしまった護衛空母艦隊、"タフィ3"の苦闘をクライマックスに、マッカーサー主導によるフィリピン侵攻作戦のスタートから、有名な栗田艦隊の謎の反転までの流れに、この海戦に参加することになる一人の駆逐艦乗り、ドノヴァンのドラマが絡み合う。単に史実を追うだけでは単なるノンフィクションになっちゃうんで、そこに米軍側で頻発する謎の爆発事故のミステリーやら、著者なりの栗田の反転に対する理由付けなんかも盛り込まれていて、そこら辺のさじ加減が良い按配なのでなかなか楽しめる。
この手の戦争物だと、一方的な悪党か、使えない能無し的な描かれ方しかしない日本側の登場人物に対しても、かなりフェアな見方がされているのもポイント高いかな。というか宇垣中将なんかは、現在ただいまの我々による宇垣像よりも、よほど「良い人」として描かれているかも知れない。宇垣、栗田、西村、小沢といった名だたる日本海軍の将星が、みんな揃ってビーチで魚取りに興じるなんてシーンは、ありえないけどあったらそれはそれでちょっと良かったのにな、なんて思ったことですよ。
基本はエンタティンメントなので野暮は言いっこ無し。その上であったかも知れない一つの説を踏まえつつ、それも一つの答えである可能性もあるよね、と思わせてくれる程度には嘘と誠の積み重ね方を巧みにやってのけた作品ではあると思ったよ。星三つ半、ってとこかな。
「ロウきゅーぶ!」、「まよチキ」、「ダンタリアンの書架」、「うさぎドロップ!」、「No.6」。テンション下がってきたかなー、と思えてきたあたりでがつんと上げてくる「ロウきゅーぶ!」、全く男子高校生は最低だぜ。水着大会があってそこから修羅場モードに突入したかと思ったら、葵たんも決して悪い人ってわけじゃなかった、みたいなお話。まあ小学生とは言え年齢差は数歳ってとこだもんね、先のことを考えたら数年先の強敵の芽を先に摘んでおくってのは生存戦略として全く正しい行動ではあるよな。
「まよチキ」と「ダンタリアン」はまあ、それぞれのレベルで安定してる、といえるのかな。
ノイタミナ枠。お墓参り絡みのお話だった「うさぎドロップ」、西園寺先生には先生なりの矜持もあるんだよ、ってのをメインに持って来たお話で、ちょっとうるっと来ました。「No.6」の方も丁寧に作っているな、と言う気はするんだけど、なんて言うんだろうな、原作小説に書かれていることを、そのままアニメにしてみました、って感じもするんだよな。それではアニメとしての説得力、ってところでいろいろ足りなくなっちゃうよね。沙布の絡みなんかは、原作ではそういう順番だったのかも知れないけれど、アニメにする時には別の置き場があったんじゃないだろうか、わからんけど。
かしんたん(HK-DMZ PLUS.COM)経由で、コーヒー専門店で働いてるけど質問ある?(なるほど速報)。んまああっしも予備校時代、郷里の喫茶店でバイトしてて、そこのマスターからコーヒーの入れ方とかはちょっとだけ教えてもらったりもしたんで、基本的には「うんうん」ぐらいの感想だったんだけど重要なのは#57。
俺なんかはカフェイン中毒っぽくて、仕事休みでコーヒー口にしないとものすごい頭痛がするよ
それだ!!
いやね、ここ二日ばかりオレもカミさんも買い物に出てはコーヒー買うの忘れて帰ってきてるんだけど、原因不明の眠気と頭痛が取れなくて、こりゃどうしたこっちゃ、って思ってたんだよね。
って事で今日は忘れずにコーヒー買って帰ってきて、さっそく熱くて濃いめのコーヒー入れて飲んだんだけどあら不思議。体調が普通に戻ったよ(w。
こう、しゃきっと目が冴えるとか、そういう感じではなくて、ああ、いつものオレだ、って体調ね。ふむう、そうか、こういうのが中毒って事なんだろうな。劇的に何かが変わる、っていうんじゃなく(そうなったらそりゃ麻薬に近いよね)、気がつかないうちに自分にとって必要不可欠の存在になってしまってる、ってあたりがちょっと怖いかも。
というわけでワタシ、カフェインとニコチンとアルコールで駆動される生き物であるようです。ちなみに今回の一件で、体調に直接かかわる、って意味での重要性ではカフェイン>ニコチン=アルコール、気分に直接かかわる(無いとイライラする)重要性って事だとニコチン>アルコール≥カフェイン、らしいってことがわかりました。
病院に出かけた時に読みかけて、しばらく放置していた本。コーヒー飲んで元気が出たので一気に続きを。H・G・ウエルズ「解放された世界」。水嶋正路 訳、サンリオSF文庫1978年→amazon(ユーズドのみ)。20世紀初頭、人類はついに原子力をその手に収め、無尽蔵の動力と副産物として生成される金をわが手の物とする。だが、この劇的なエネルギー革命は、社会格差の拡大と世界経済の混乱、ひいては世界規模の政情不安を引き起こし、最後には世界戦争が勃発、そこで大量に投入された原子爆弾は文明社会の大半を荒地へと変貌させてしまった。ここに至り、ようやく人類は旧態依然とした政治形態自体を変革しなければ、自らの未来は閉ざされたままであるということに気付くのだった…。
ウエルズという人が基本的に社会主義的思想を持っていた人だけに、本書も全体としては、やや楽観的な社会主義的ユートピアの実現を説くようなお話といえるだろう。わたくしも基本的にブサヨなので、彼が説く世界統一政府の考え方自体は、そうなったらいいかもね、ぐらいの温度で支持できる。
ただ、古いSFがしばしば理想郷として描いた、科学技術が進歩したことで、人間が生活のための労働しなければならない時間が極限まで削減された世界、というのは、実は人間にとって本当にいい世界であるとは言えないんじゃないか、と、今はみんな感じているんじゃないかと思うし、本書における世界統一政府、も果たしてそううまく行くのか、とみんなが思うことだろう。本書では故意に(なのかな)控えめに表現されているんだけど、宗教的な問題もそう簡単には解決しないだろうと思えるし。
とは言え第1次世界大戦がはじまる前に、革新的なエネルギーであり、同時に極めて危険な兵器になり得る原子力という物を、かなり正確に予想しているあたりはさすがだと思うし、特に3.11以降の今読むことで、読み手が勝手にいろいろと示唆的な物を読み取れてしまうあたりはなんだか興味深い。
後半のウエルズの理想が語られる部分はまあ措いておくとして、その理想を押し進めないと大変だ、という状況にまで追い込まれてしまった世界情勢、というのが、かなり現在ただいまの我々が置かれている状況と重ね合わせて見ることができるのね。
たとえばウエルズの予想した原子爆弾は、一度爆発すると、一定の半減期を経過しつつ何度も連鎖爆発を繰り返す、という厄介な兵器なんだけど、これは何となく震災以降の原発問題になぞらえて読むことができる。もっと大きな世界観だと、科学技術が発達し、世界がそれなりに安定してくると、世界には2流の政治家しかいなくなってしまう、なんて言う看破も、時代を超えて読んでるこちらの腑にすとんと落ちる物があるように思う。なので本作中で登場人物の一人が語る、「これから政治を発見しなければならないのだ」
という言葉は、今現在の我々にとっても極めて強いメッセージとして作用するんじゃないだろうか。
ウエルズが「発見」した政治は多分、今の我々から見たらまだちょっと早すぎる感じがするんだけど、それとはまた別の形で、わたしらは何かしらの形で、政治を発見しなければならんのじゃないかという気はしたことでしたよ。
良いSFというのは、どんなに古くても今の我々に新たな展望なり、考え方なりのとばぐちを提供してくれるようなところがあるのだと思うけれど、3.11以降のわたしらにとって、本書は何かを考え直すきっかけを与えてくれるような本になっているのかも知れない。
読むヤツが勝手に思ってるだけやんけ、といわれたらまあ、そうなんですけど(^^;。
「げんしけん 二代目」、「ローゼンメイデン」、「たまゆら もあぐれっしぶ」、「銀の匙」、「銀河機攻隊マジェスティックプリンス」、「ダンガンロンパ」、「戦姫絶唱シンフォギアG 」、「サーバント×サービス」。
「げんしけん」、矢島さん良い人ね。「たまゆら」は前が横須賀で今週は竹原。忙しいな。ニコ動でも見たんだけど、コメントで「また場所を探しに行く話か」ってのがあって、確かになー、とちょっとだけ思った。
「銀の匙」は人間と動物さんたちとの関係性みたいなものにちょっと切り込んでみせる、ような。なんだろな、ペットの生き死にに一喜一憂する人がいる反面、家畜というものをシステムの一部として捉えながら、同時にその「もの」をちゃんと命のあるものとも同時に認識できる人たちもいる、と言うところの割り切れないような、面白いような、なんだかちょっと良い話なのか? と思わせるような。タマコ(ニアリ・イークォルあやひー)最強だな(w。
「マジェプリ」はラスタチ前のあれやこれや。ま、ここからたとえば「遺伝子の使命」に続く、とか言う話にはならんと思うけどそこを置いといてもまだかすかに、「SF」してるとは思う。絵はえらくヘンだったけど。ひかさささささんが声当ててる娘は前のお話で顔に傷とか負ったんでしたっけ?
「ダンガンロンパ」はお話にちょっと新展開。その分いつもの推理部分は雑というか、あーそういうオチ、的がっかり感というか。まあおんなじ展開繰り返してばかり、って訳にも行かんのはわかるけど。「シンフォギア」はまさかの未玖ちゃんラスボス化。「サーバント…」はなんだか知らんけど、シチュエーションがどうしたこうしたそっちのけのコイバナに行っちゃってる感じっすね。
ぽつぽつ読んでます。5. バレンツ海の密使 6. 突破!マルタ島封鎖網(リンクはamazon・ユーズドのみ)。北海護送船団に随行するフリゲート、スプリンター号に座乗するキャメロン、厳しい環境、牙を剥くドイツUボートの狼群、さらにスプリンターには第二戦線を形成するための交渉材料としてのVIP輸送任務が追加され、みたいなお話が第5巻。第二次大戦で舞台は北海と来れば、よほどの能無しでもない限りそこそこのお話は作れるだろう、ってのは意地が悪すぎるか。本作はそこに、将来的には禍根を残すかも知れないソビエト・ロシアの高級将校が同乗者で、みたいなスパイスを効かせてきたかというところ。
続く第6巻は極寒の北海から陽光まぶしい地中海に舞台が移る。地中海戦線のハイライトとも言えるマルタ島攻防戦にまつわる護送戦。北海護送戦でフリゲート、地中海でコルベットって、そりゃ乗る船が逆なんじゃないかって気もしないでもないが。
一応本シリーズにはそれなりのスタイルがあって、少なくともここまでは主人公のキャメロンが実はお話を通して一貫したヒーローとして機能していない、って所があるかも。そこが新しいといえば言えるのかも知れんけど、なかなか主人公に感情移入しにくい作りになっているとは言えるかもわからんね
いうても親父には昨日一回顔見せたし、あとはもう一回、帰りがけに顔出して終わり。想像してたよりは弱りっぷりは進行していて、子供のころあんなに怖かった親父がなあ、という妙な感慨は持った。
抗がん剤をやめたら余命は半年ぐらい、なんて言われていたものが案外状況は良い方に向いて、なんだかんだでそれから1年強。一応あちこちガタは来てるけど、それなりに日常生活送れてきたわけで、そこそこ悪くない余生のラストステージを過ごしてたりするのかな、なんてことは思った。元気な頃を知ってる分、その衰えっぷりには少なからず複雑なものを感じはしたけれども。
結局親父と話したのは、2日間で計30分にも満たなかった(親父もそこはやっぱり強がって『さっさと帰れ』ぐらい言うしね)。あとはお袋、妹と延々いろんな話。昔話から最近の日常、ご近所様の様子とか、そんな他愛もない話をして、商店街に出て昼飯食って「んじゃまた」、と。
列車まで時間あったので、昔通ってた模型屋「フランケン」、まだやってんのかなーと思って行ってみたら健在でございました。高校の頃は通学路のど真ん中にあったんで、ほぼ毎日通ってたんだけど、さすがに最近はそうそう帰省もしないんでかなり久しぶりだった。地方都市の模型屋の経営は大変なんだぜ、とか、こないだOさん(ガンプラモデラーの草分けみたいな人)が店に来たんだぜ、あ、その人ならこないだ古本の注文もらったよ(w、とか、他愛もない話をちょっとの間。オレも含めた常連さんが毎日出入りしてた頃(30年以上前だね)が一番おもしろかったよねー、などと。
短い期間でしたがそれなりに楽しくもあり、複雑でもあり、な里帰りでございました。
写真は実家の居間に今も健在な食器戸棚。オレが生まれた時には既にあったものなので、少なくとも55歳以上ってことに。いまだにしっかりしたもんです。
先々週に上げたはずのお仕事、今日になって連絡があって、IEだとリンクエラーが出る模様だぞ、と。イメージやらテキストやらがごっちゃになってるブロックレベル要素、一応リンクボタンの画像もあるんだけどそれもコミで、ひとまとまりのブロックレベル要素全体にリンクが効くようにするのがわりと最近の流行りらしい。
ボタンがあるならそこだけリンク張ればいいじゃん、って思ってたんだけど、最近はスマホでアクセスする人も多くて、そういう環境だとボタン画像に狙いを定めて、ってよりはその界隈にタッチしたらリンクが効く、って造りの方が便利なんですね。
んでその辺の対応ということになると、基本的な流れは<DIV>要素でひとまとまりのエリアを造り、最後に<a>要素を置いてそいつをブロックレベル要素にして、そいつを一つ上の<DIV>要素にかぶせる感じで処理してやればいいやと思ってたんだけど、これだとどういう訳だかIE10とIE11で、<DIV>要素内にあるイメージやテキスト部分にリンクが効かず、結果何もないところにマウスカーソルを合わせないとリンクが効かない状態になってしまっている模様。で、何が厄介ってこの現象、自分のところ(Win8.1 IE11)では起きてないって事なんだよな。だけど先方(IE11、IE10)では起きてるって事で一体これはどういうことなのかと。
今のところなぜそうなるか、ってのがわからんので非常にモヤモヤしてる。対処療法的な解法はいくつか持ってるんだけど、自分が納得できないコーディングってすんげー気持ち悪いんだよ。そこの所の答えが欲しい、のでもうちょっと情報集めするですよ。
朝日新聞朝刊で連載されていた沢木耕太郎「春に散る」、終了。久しぶり(今野敏「精鋭」)にちゃんと最初から最後まで読み切った新聞小説。
久しぶりに日本に戻ってきた初老のもとボクサー、広岡、かつて所属していたジムの名から「真拳四天王」と呼ばれ、今はその世界からは身を引いた三人を探し歩き、一軒の家を借りて共同生活をはじめる。ある日、飲み屋でのちょっとしたいざこざから四人は数名の若者たちに因縁をつけられる。とはいえそこはかつての四天王、勢いだけの若いチンピラなど軽く一蹴してしまうのだが、若者たちの中に一人、明らかにボクシングの経験があり、しかもかなりの素質を秘めていることが彼らの確かな目にははっきりと見て取れる若者がいた。
広岡の得意技によってノックアウトされたその若者、翔吾との出会いによって、四人の暮らしには大きな変化と刺激がもたらされることに…。
という。なんというかな、四人のおせっかいな爺さんが一人の若者のビルドゥングス・ロマンを達成させて行くようなお話。沢木耕太郎の文章は好きだし、装画の中田春彌さんの絵柄も好み(徹底的に線を減らした劇画タッチ、ってのは意外と好きなんです)だったので、毎日ちゃんと興味が持続したんだろうと思う。
ただお話自体は、ちょっと期待外れだったかも。もっとこう、イケてる時とどん底の落差、そしてどん底からの一発大逆転的な展開があって欲しかった。全体に軽いというか、意外とお話の起伏がなかったというか、お話が上手く運びすぎだろう感は拭えない。単行本化されたらまた様子は違うんだろうかね。
オリンパスが「E-M10 Mark III」を正式発表 (デジカメinfo)。悪くはないけど大慌てでMark.Ⅱから乗り換えるってほどのものでもないかもなあ。触ってみたらまた、違うのかも知れんけど。今のMark.Ⅱ、ダブルズームキットを下取りに出して本体のみで4万ぐらいなら考えなくもないが、それだったらお金を貯めてこの先出てくるであろうE-M5 MarkⅢのスペックに期待する、って選択肢もありそうな気もするし、いろいろ微妙です。ちょっと欲しい気もするけど。
割とサボりぎみのうちに8月も終わりですねえ。ええと、まあなんとなくやっとります。カミさんは相変わらず。最近は透析行かなきゃ病が抜けないのと、夏の間じゅう暑くて体うごかさなかったので、身体は少々弱ってるかも。この辺はもう少し涼しくなったら、身体動かすようにさせないと。
とはいえ9月からはマンションの大規模修復が始まるんで、出入りも結構面倒になるのかも判らんなあ。
んーと、終盤に差し掛かりつつありますが周回遅れになりつつも何とか視聴中。なんとなく録るだけ録って観ない事が多くなったのはダンベルと通常攻撃のお母さんかなあ。あとはそれなりに楽しんでる。絵で楽しむ「とある」に「ロード」、お話の面白さで「鬼滅」「Dr.Stone」「炎炎」「アストラ」あたり? 「鬼滅」はまあ絵的にも見どころあると思う。「アストラ」、全員クローンで親が全員悪党ってだけでもびっくりしたけど、そのうえもう一ネタ、デカいのをぶち込んできた。原作知ってる人たちはさぞほくそ笑んだ事でしょう(w。
半笑いだと思ってたら結構ちゃんとしてた「ありふれた」「グランベルム」、どこに出しても恥ずかしくない半笑い枠だけど継続して見てるのが「異世界チート」。完成度的にも割と擁護しづらい出来なんですけどこれ、エンカレッジフィルムズが作っているのね。そんだけでも応援しとこうかと(金落とす訳じゃないけど)。
ま、こんなとこです。
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□ ks1234_1234 [9月1日、映画の日(1000円デイ)なんで錦糸町の駅前の映画館に行ってきましたが、目当てのニンニン(ハットリくん)も..]
□ rover [ふっふっふ、「スティームボーイ」は余裕で座れましたぜ(w。]