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いつものようにTSUTAYAで「なんでここには本がないんだー」と暴れてからスーパーで買い物して帰るべえと出かけたんだが、スーパーの入ってるビルのテナントのひとつの、炉端(ふぁみりー居酒屋、だそうだが)のマスターに呼び止められる。なんでも先日ワシらがこの店で飲み食いした時に、勘定をかなり多く取ってしまって、気になってワシが店の前をとおるのを朝夕チェックしてはったんだそうだ(位置関係としては南からスーパー、飲み屋、TSUTAYA、という風に並んでるので、わたしゃまずTSUTAYAに行くのです)。
確かにこの前は、この店にしては多額な3人で15000円って勘定だったんだけど、店が満員で頼んだ物が来るまでに結構待たされたんで、オレとカミさん、ふたりで八合ぐらい飲んでたんだよな。なのでまあ、飲み過ぎたのうってことで納得してたんだが、実際の勘定は9000円ぐらいだったらしいです。5000円強、余分に取られたらしい。
で、マスターそれが気になって、毎日ワシが通らんか通りをチェックしてはったらしくて。や、お手数かけて申し訳ない。この次いった時に5000円まけてくれたらそれで良かったのに。
と言うことで今、私の手元には不労所得の5800円がある訳なんですがさて、このお金をどうしたものか。いや、この前の宴会はカミさんのおごりだったんだよね。
もとアクセルワークの店長さんにして、今は軍事関係の古書を扱う古書店、珊瑚海のオーナー、安田さんのサイトのリンク(うっひい、軽石庵もリンクして頂いてるー)でみつけたサイト、淡路島農民車考。いやもうすごい。安田さんもおっしゃってたけど、ほんとにこれらのクルマ、形式名がsdkfz*1で始まっててもおかしくねえよなあと言う勢いで。こんなクルマがごろごろしてるのか、おいしいタマネギもごろごろしてるんだよな。いいなあ淡路島。淡路島で農民車磨きして余生を送れたらすごく幸せかも知れない。
さらにさらに、このサイトを主催されてる近野新さんが描かれるイラストもすばらしくステキなんですよ。ご自身は宮崎駿さんがお好きらしいんですが、私の敬愛する大塚康生さんの軍用車両イラストにも似たタッチを感じてしまって。ひさびさに眼福なサイトを拝見させて頂きましたわぁ。
*1 ドイツ語でSonderkraftfahrzeug、特殊車両を意味する
パトリック・オブライアン 著/高橋泰邦・高津幸枝 訳
カバーイラスト Geoff Hunt
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫NV
ISBN4-15-041045-3 \700(税別)
ISBN4-15-041046-1 \700(税別)
いまだ正式な勅任艦長の座に就くことも出来ず、病気で療養中の艦長の代理としてフリゲートに勤務するオーブリー。一方、無二の親友のマチュリンは、軍医とは別のもう一つの貌、密偵としての活動中に不運にもフランス側に捕らえられてしまう。代理艦長として艦を英国に回航中、偶然その知らせを受けたオーブリーは、直ちにマチュリンの救出計画を立て、見事に成功させる。英国の持つ重要な諜報員の一人であるマチュリンを首尾良く救出することに成功したオーブリーには、目立たぬようにではあるが報償として小型フリゲート、サープライズ号と、一人の英国特使をジャワ島へ送り届けるという任務が与えられたのだった。傷の癒えたマチュリンも乗員として復帰したサープライズ号はインド洋を目指し、"吼える南緯40度"の荒海に挑む…。
訳者である高橋泰邦氏曰く、本編で、作者は明らかに進境を示している
。うん、おおむね同意。退屈で退屈でたまらなかった前巻に比べれば(相変わらず出だしでもたついてこっちをイライラさせるんだけど)、ずいぶんとお話にメリハリが出てきた、と思う。前半のクライマックス、世界最大級の海の難所、ホーン岬沖の"吼える40度"での自然と人間との死闘、後半に入っては圧倒的に優位のフランス艦隊を相手に、東インド会社の船団を守りながらの迎撃戦を繰り広げるオーブリーの知略と技量、ってあたりの帆船物のお定まりの(それ故読者を満足させるにはそれなりの技量が必要な)ヤマ場の作り方も、これまでの2作とは比べ物にならないぐらいうまくなった、と思う。
それでもまだ、残念ながら「ホーンブロワー」や「ボライソー」の面白さにはかなり届いてないなあと言う感じがする。すんげー乱暴な例えをしますけどね、NHKが作る時代劇が、どれもきわめて丁寧に作られているのにも関わらず、見終わった時の満足感で黄門様や将軍様のそれに全く太刀打ちできてない、ってのに似てる感じ(って、わかります?)。理由は何となく判るんだけどね。すごく革新的な作品にも、ワンパターンの王道をちゃんと踏まえた作品にもなってない、どっちつかずさが読んでるこっちをイライラさせるのさ。
革新的な作品ってのはまあ一旦措いといて(だって革新的、とまでは言えないシリーズだと思うから)ワンパターンに話を絞るけど、ワンパターンってのはこれで結構難しくて、ワンパターンで、なおかつ客を惹きつけるには、何をおいても主人公の性格が明確にこちらに伝わっていて、あらゆる局面で"この主人公ならこうする"ってのが読者から同意してもらえるようになってないといけないと思うわけですよ。で、作者の手腕っていうのはこうやってがちがちに作り上げた性格の主人公を、いかにしてのっぴきならない方向に向かわせ、その困難を克服するか、その過程をどう楽しませるか、ってあたりにあると思うわけで、残念ながらこの作者さん、今のところそこらがまだちょっと弱い。デブで金銭にルーズで感情的だが海の上では優秀なオーブリー、極めつけのディレッタントにしてスペイン系故に複雑な国際感覚を持ち、今のところは英国の密偵としても活躍するマチュリン、と言う設定は良い。設定はよいけどそれが設定だけで終っちゃってる感じなんですな。そういう設定の上で、Aという事件が発生したらオーブリーはどう考えるか、マチュリンならどう行動するか、ってあたりの実例をあんまり見せてもらってないもので、いろんな局面で「キミはそう行動するの? そうだっけ? 」と思ってしまう、というか。
ついでに、いままでの帆船物とちょっと違った味を出そうってことで、オーブリーとマチュリンの友情に筆を割く分、同じ船に乗り組むそれ以外の人々が割と軽い扱いになっているのも辛いかも。帆船物の面白さってのは、一種の閉ざされた空間である船に、どれだけ魅力的な人物を配置できるかってあたりにもあると思うんだけど、今のところはその方面もやや手薄。少なくとも前巻よりはかなりマシになってきたので、続きも読むつもりではあるんですが、さてこの辺、良くなっていくのやら、どうなのやら。
ちなみにラッセル・クロウ主演の映画は、このシリーズの10作目に当たるそうで、どうやらこちらでも次に読めるのは10作目、になるのかも。
さらに蛇足。例のボライソーの最後騒動以来、どうも訳者であり日本における海洋冒険小説の翻訳家の重鎮であるところの高橋泰邦氏の最近の仕事ぶり、少々温帯化してんじゃないか? などと個人的に危惧してるんだけど、この本の"訳者あとがき"読んで、わたくしその思いをさらに強くしたことでした。いや、まだ温帯ほどにはイっちゃってはいないんですけど。
(★★☆)
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