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神林長平 著
カバーイラスト D.K
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫JA
ISBN4-15-0308101 ¥700(税別)
amazonで購入
惑星カイフンに横行する"怪魔"。それを駆除するのがわたしの任務だ。今夜もセンサーは怪魔の存在を捉えている。兵士時代から愛用している強化外骨格、DAMスーツに身を包んだわたしは現場へ急行するが、今夜の怪魔はこれまでのものとは強さも狡猾さも明らかに違っていた。攻撃を逃れた怪魔を追うわたしだったが……。表題作他5編を収録。
ここのところの日本SF、というかハヤカワJAのラインナップには、妙に"懐かしさ"を感じる作品が多いのだけど、これもそんな作品。ただしこれは、今醸し出された懐かしさじゃなく、ほんまもののそれ。1985年〜1989年にかけて各誌に掲載された短編を収録したもので、うち3作は短編集「時間蝕」にも収録されているもの。そこらも懐かしさを感じる理由のひとつかな。こうして読んでみると、神林といえどやっぱり「若い」時があるんだよなあ、なんてことをしみじみ感じてしまったりする。比較的桔梗な文体でたたみかけるスタイル、がまだ完全には確立されてない頃、なのかな。意外にオーソドックスな筋立てな作品もあるし、(成功しているとは言い切れない気がするけど)ちょいと間抜けなピカレスクものがあったりとなかなか楽しめる。
本書からテーマみたいなものを見つけようと思ったら、そのキイ・ワードは"装置"の物語たち、ということになるのかな。ここに神林作品ではおなじみの、少々ディック風味が混じったコミュニケーションの物語が絡んでくる、ってなタイプのお話が並んでいる。お話ごとに"装置"がどんな重みと意味を持ってくるのか、その辺は読んでみてのお楽しみ。ある程度神林スタイル、みたいなものが分かっている人ならそこそこ楽しめるのじゃないかな。
『そんな必要はない。自分がいる、というのは自分が一番よく知っている』
『それはちがう。人間でも自分の姿は自分では見られない。鏡に映さなければわからん。それもしかし本当の姿かどうかは、わからない。意識にしても同じだ』
こういうのは実にこう、神林してるよね(w。
(★★★)
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