ばむばんか惰隠洞

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2005-09-22 [長年日記]

[Books] マクロ経営学から見た太平洋戦争 (23:55)

4569645305 森本忠夫 著
PHP新書
ISBN4-569-64530-5 \950(税別)

あ〜ま〜ぞ〜ん

血みどろの底抜け脱線ゲーム

世界最大最強のアメリカ合衆国に総力戦を挑み、あえなくその物量の力に敗れ去る結果となった先の太平洋戦争、日本はいかなるビジョンの元に、この戦争に挑戦したのか。元海軍軍人であったエコノミストによる、経済から見た十五年戦争。

「底抜け脱線ゲーム」というテレビ・ショーが昔ありましてな。ここで繰り広げられるゲームのほとんどは、同時に二つのことをバランス良くこなす、ってところにキモがあり、そこが面白さだったわけで、たとえば先端に針をつけたプラレールの列車が風船に向けて走ってて、そこからちょっと離れたところでブロック塀みたいな物を作る、ような構造。時間内に壁を作らなくちゃいけないんだけど、時々プラレールの方もポイント切り替えるなりなんなりして、列車が風船を割ってしまわないようにしてあげないといけない、っていうあたりにゲーム性があったワケなんだけど、先の戦争の日本ってのは、まさにこのゲームをやっていたんだなあと思わされる本。

このままアメリカの圧力を甘受していれば、その経済制裁によって日本の様々な資源の備蓄は枯渇し、国の経済は破綻してしまう。ならばそうならないうちに討って出てアメリカの圧力を減じなければならない。だけどその(戦争をする)ためには膨大な量の資源が必要になる。それを使い切ってしまったらもう日本はにっちもさっちもいかなくなる。そのためにはとにかく資源は備蓄しなくてはならない、でもアメリカの経済制裁は厳しく、日に日に確保できる資源の量は限られてきている。このままでは……、とまあそういうループの中で、半ばやけくそで起こしたのが先の戦争だったわけですな。それならそれで知恵を絞って無限ループから抜け出す道をあらかじめ見極めて、「こうなったら戦争はやめよう」という終了条件をきっちり決めておくべきなのに、そのあたりをうやむやにしたままに戦争を始めた国がどういう目にあったか、を克明に追っていく。

実は日本は、太平洋戦争を始める前、つまり中国に侵略し、ついでにノモンハンでソ連にくそみそにたたかれた時点で、すでに掲載的な余力などはなくなっていたのだそうだ。その時点で、国力の回復を考えればまだしもなんだが、今も同様の風潮が残る、妙な「なあなあ」な惰性で動く官僚体質と当時の陸海軍の勢力争いが、国としてまとまるチャンスをつぶし、何ら有効な見通しのある方向性もないまま、ただ「『ジリ貧』で終わるよりも『ドカ貧』の方に活路を見いだしたい」としてGNPで13倍の国に、たいした必勝法もないまま戦いを挑み、貧乏人故の、戦力の逐次投入という最悪の策を採用し、手もなくひねられていく国の様子が克明に描かれる。で、その国ってのは我々の国なワケだ。

もちろんそうなってしまった事の根っこの奥の方に、アメリカがそうし向けた、という側面があったことは否定しないし、そこで日本が何もしないでいたら、アジアの多くの地域が今、アメリカの植民地になってしまっていたかもしれないし、日本の起こした戦争が間接的にせよそれを阻止する力になった、という説を全否定する気はないのだけれど、それでもやっぱり、戦っちゅうものはまず、勝つための万全の備えをした上で仕掛けるべき物だよな、という気はしてしまう。「勝ったらいいな」はシモさんにだけ許される言葉であるわけで、一億に近い人間の命を預かる人々が、「たぶん勝つんじゃないかな」で戦争を始めるなんてことはやっぱり許されないわけですな。少なくとも「負けない」ための戦略を確立しておくべきなんだけど、当時の日本の指導者層にそんな考察は全く見られない。戦争をひとつの「システム」と捉え、そのシステムがもっとも効率よく動くには何をしたらいいかを熟考していたアメリカとの差は目を覆わんばかりである。

負けるべくして負けた戦の実情を改めて丹念にほじくり返し直す本な訳で、読んでて楽しい本であるとはとても言えない。ただ、本書で明らかにされる、一種の「官」というものの鈍感さは、平成の御代の日本にも未だに色濃く残っている、という部分は折に触れ、想起する必要があるのじゃないのかな。

それにしても、なんか覚えのある文章だなあと思ったらこれ、光人社NF文庫の魔性の歴史―マクロ経営学からみた太平洋戦争と同一なのであった。ううむ道理で。ちなみに光文社版のほうが写真がちょっぴりとはいえ多いので、今回の新書版よりもお買い得かもしれませぬ。

(★★★☆)

[TV] ニュースいろいろ (24:27)

前輪から炎、無事静止 米機緊急着陸(asahi.com)。ノーズギアが90度曲がって収納される、ってのは最近のジェット機には良くあるタイプなのかしら。模型好きならたとえばJu88の脚なんかでなじみのスタイルだけど、商業機でこういうシステムを採用するメリットってどういう物があるんだろう。何はともあれこのパイロットさん、良い腕だよね。

そんなワケないよなー。首脚は離陸時の何らかのトラブルで曲がったんだろうと言うのが一般的な見解のようですな。

ドイツ総選挙、得票率1ポイント差(asahi.com)。とりあえずドイツ語って演説向きな言語だなあ、とテレビニュース見て思った。濁音で始まって促音はさんで「ン」とかで終わるパターンの単語が多いからなのかな。「グラッヘン、アイネザルブリュッヘン、イーネデルゲラッヘン、ザブラッヒェンガイステン!」(でたらめ)とか絶叫されたら、そりゃ聞く方もそれなりに盛り上がるかもしれんなあ。

ソニー、赤字削減に向け1万人削減 本業回帰で復活狙う(asahi.com)。ソニーもホンダも、おもしろみのない企業になっていくのかねえ。

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]
TUX (2005-09-23 22:27)

●私の居た会社は、おもしろくなくなりましたが、生き残ってますからねぇ(苦笑)<br> まぁ、人生いろいろ、会社もイロイロ(純一郎風)ってコトで。<br><br>●個人的には両社ともロボット開発が縮小されるのが一番イヤーんですけどね。


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