ばむばんか惰隠洞

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2005-12-23 [長年日記]

[Day] 今日はオフ (24:25)

「インデアンカレーを食って(そうか、『目玉』ってのは生卵ダブルってことなのか、知らなかったよー)『キングコング』を観よう」オフ。いやあ今回はなかなか濃かったね。宴会の最中に十何年ぶりかでお会いしできたお友達の(嬉しい)乱入もあったりして。

映画の方はなんですな、詳しくは後日改めて書きますけど、最強のオタクが持てるパワーを全部ぶち込むことを許されたらこんな映画ができました、って感じだ。「ネガドン」がほんとはやりたかったこと、が全部つまっているような映画。楽しめましたよ、でたらめに長いけど。

[Chinema] キング・コング

劇場版パンフ スタッフ
監督:ピーター・ジャクソン
脚本:フラン・ウォルシュ/フィリッパ・ボウエン/ピーター・ジャクソン
製作:ジャン・ブレンキン/キャロリン・カニンガム/フラン・ウォルシュ/ピーター・ジャクソン
撮影:アンドリュー・レスニー
音楽:ジャームズ・ニュートン・ハワード
出演
ナオミ・ワッツ
ジャック・ブラック/エイドリアン・ブロディ
トーマス・クレッチマン/コリン・ハンクス
ジェイミー・ベル/イヴァン・パーク/カイル・チャンドラー
公式サイト(日本語):http://www.kk-movie.jp/top.html

これぞヲタクの心意気

いまだ大恐慌の混乱が癒えきってはいない1933年、一人の男と一人の女が、今人生における劇的な転回点に立っていた。映画監督のカール・デナムとコメディ女優のアン・ダロウ。デナムには最後の切り札があった。信じられぬほど過去の遺跡がそのまま残っていると言われる伝説の島、髑髏島の位置を示していると思われる古地図。もしそれが実在するのなら、そこで撮られた映画は世界の観客の注目を一身に集める物になるだろう。主演女優に逃げられた直後に偶然であったアンの他、身近なスタッフ達までも嘘で言いくるめ、ぼろ船に最低限の機材を詰め込んだデナムは、髑髏島を目指して出航する…。

稀代のオタッキー監督(褒め言葉)、ピーター・ジャクソン(以下PJ、と称します)が幼少のみぎりに夢中になった、オブライエン版「キング・コング」(以下「初代」と称します)のリメイクに挑戦した超大作。上映時間3時間8分はどう見たって初代の倍以上の尺。初代に夢中になった少年が、「ボクだったらここはこうしたい、あそこにはこんなシーンも入れたい」って夢想した物がすべてつぎ込まれた結果、倍の長さの映画になっちゃったって感じか。あらゆるところにオタク的「このシーンはこうなってなくっちゃ」な思想がブチ込まれている。しかも恐ろしいことにお金の心配無しに(^^;)

なので出来上がった物は、映像として「これだろ、見たい画は」のオンパレードになっていて、その意味で一瞬たりとも退屈しない3時間を経験できる。そこは凄い。初代のパペットモーションでも、ラウレンティスが作った(駄作)二代目のゴリラスーツ(えーとたしか、リック・ベイカーの名前がクレジットされてるけどホントに仕事したのはカルロ・ランバルディで、これがリックほどにはゴリラスーツが上手に作れなかったんでしたっけか)(あー、よく考えたらオレ、記憶が「フラッシュ・ゴードン」あたりとごっちゃになっとるような気がする)でもついぞやれなかった、コングの表情の微妙な変化、ってあたりを実に自然に、しかも情感たっぷりに実現して見せているってところだけでこの映画は観る価値がある。「うごー」しか言わないコングといろいろ話しかけようとするアンのシークエンスは、絶対勝手なアフレコ入れたくなってしまう出来だよ。これはもう、コング役は少々老けた菅原文太、アンの方はあなたのお好きな女優さん(ワタシは松嶋菜々子あたりがいいかと思います)気分で勝手にアフレコしたら絶対楽しいと思う(w。

「コング」に心奪われた映画少年が、今現在の自分の持てる力を全部つぎ込んで作り上げた、敬意と愛情と、それからやる気に満ちた特撮映画として、だからこれは素晴らしく見応えがある。その上で個人的にPJに、言わせてもらえるのなら言いたいんだけど、あんたこの企画、もう10年寝かせられなかったか? オタクの精神年齢は普通の人より老化が遅いんだよね。44歳のPJ、たぶん精神年齢はようやく30代、ってあたりなんじゃないかなあ。

何が言いたいか。

この映画、初代に満ちていたエロさが皆無なんですわ。ここがもうたいへんに惜しい。別にわたしゃ、あれだけあっちゃこっちゃに引きずり回されてるナオミ・ワッツのぱんちゅがついぞ見れなかったから、こんなこと言ってるワケじゃないんですよ(あ、いや、ちょっとは見たかったけど)。初代にあった、もうどうしようもないエロさ、だけがこの映画には不足しているような気がしてね。他は全部ある。やややりすぎで冗長になってるとも思うけど、それでもその高水準な映像は見事しか言いようがない。反面、オタクが苦手としている(と一般的に言われがちな)微妙なニュアンスの部分で、やはりこうなんと言いますか、PJもうちょっと待っても良かったんじゃないのかい? ここまで作れるんだもの、これでもうひと味、エロへの造詣が加わってたらこの映画、史上最強になってたんじゃないのかな、なんて思うのね。ここが惜しいんだよなあ、「エロさ」に関してはいまだに、あのクズのラウレンティス版を含めても、初代のあのドキドキ感に達してない感じがするんだよな。ナオミ方面からそのあたり、釘を刺されてたとか、そもそもナオミ・ワッツという女優さん自体が、キレイだけどエロくはないタイプの人であるのかもわからんけど。

ワタシも自分がオタクな人間であると思っているので、なんかこの辺、妙に身につまされますわ。エロをみつける嗅覚に優れている反面、自らエロを作り出すってのが苦手な人種、ってのがオタクなのかも知れないなあという気がしてしまって。そこそこわかりやすい技術、ってとこではもう、とてつもないレベルの映像を作り出している反面で、観る側の気持ちの微妙なところをちょいとひっかいてやる、そういう機微みたいな物がまだ、PJには不足しているのかも知れないな、なんてな事はちょっぴり感じさせていただいた。ま、それもまたPJって人の魅力なのかも知れないけどね。

もちろんその辺を差し引いた、圧倒的な画像の迫力は金払って観るだけの価値があるのは間違いありません。まずは大スクリーンで。それからテレビ画面でアフレコごっこをして楽しむのが、正しいみかたである、とは言えるかも、とは思いますよ。

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大猿映画のいろいろ。うちを覗いてくださる方なら当然「キングコング対ゴジラ」は観てますよね?。 わたしゃこれこそがゴジラ映画の決定版だと思ってます。

(★★★★)


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