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吉田秋生「イヴの眠り」(5)、鬼頭莫宏「ぼくらの」(4)。うわわわわなんてこった、「イヴの眠り」が完結してるぜ。たった5巻で。ざっと読んでみたが特にどうという展開もないままにお話は終わっちゃった、って感じで。
カミさんに回すときに「完結しちゃったぜ」って言ったら笑いながら、「さてはあんまり人気でなかったか。さすがにそうそうドジョウは泳いどらんわな」だって。激しくシビアだな、あんた。
「ぼくらの」はまだ読んでないですが、帯のコメントが小澤さとる、ってのはいったいどういう……。
藤崎慎吾 著
Cover Direction 岩郷重力 + Y.S
Cover Design & Photo Complex 瀬戸羽方+WONDER WORKZ。
ハヤカワ文庫JA
ISBN4-15-030824-1 \760(税別)
ISBN4-15-030825-X \760(税別)
2071年、テラフォーミングが進む火星極冠の氷の中から、信じられない物が切り出されていた。いまだに知られていない生物標本。だがそれらの分布には研究者たちの首をひねらせる何かがあった。表皮を残し、中身をきれいに取り去られたそれらの"死骸"は、まるで太古の地球の、ある遺跡を思わせるような形で集中していたのだ。そう、"貝塚"。若き考古学者、サヤはこの謎に迫るべく火星を目指すのだが…。
「ハイドゥナン」で今年の日本SF界を騒がせた藤崎慎吾のデビュー作がこちら。恥ずかしながら未読でした、って「ハイドゥナン」もまだ読んでないんですけど。んで、一言で言ってこれは「ほほう」な一作。序盤からしばらくはなんというか、テクニカルタームとジャーゴンでいっぱいのカタログSFなのかな、と、ちょっとがっかりしかかったのだけれど、そのあたりからお話は加速を始め、下巻に入るあたりから途中でやめるのがもったいない気分になってしまうような本。非常にオーソドックスなSFとしてのスタイルを保ちつつ、実はその中に(5年以上前のSFとしては)かなり新しい、と思わせられる要素がぶち込まれている、そのあたりはステキ。
反面、ギブスン的世界からそないに目新しさが加わってはいないと思えてしまう電脳世界の描写あたりには、もうちょっとどうにかならなかったのかな、という気分は残ったりもする。意外にこのあたりで語られる内容が多いこともあって、そこは少々残念。非常に手堅くまとめられた作品であると思う反面、どこかで一箇所でも良いから、突き抜けて欲しかったかもな、ってあたりでね。このあたりは、私がいわゆる電脳世界における化身(アバター)の使い方にもう一工夫あって欲しい(なんていうんだろ、ヴァーチャルリアリティな世界が実現したとして、それが現実世界、あるいはファンタジーの世界のメタファーである必要はないと思えるわけで、なにかこう、全く見たことのない世界になっている、ってほうがむしろ自然に感じられるのだけど、そこを突っ込んでくれた作品ってのに出会えてないなあという気がしてしまって)とは思った。
そこらに少々不満は残るのだけど、総じて良い感じでした。"SFを読んでる楽しさ"みたいな物は存分に味あわせていただいたと思います。
(★★★☆)
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