ばむばんか惰隠洞

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2007-11-02 [長年日記]

[F1] ストーブに盛大に薪がくべられたようです (23:14)

アロンソとマクラーレン「契約解消」:マクラーレン公式プレスリリース(F1通信)。

あらまあ。もう一年ぐらいは我慢するかしら、と思ってたんだけど。

さてフェルナンドはどうするんでしょ。フェラーリが完全に互角なジョイントナンバーワンを採用するとは思えない。トヨタがいくら金積んだって、あそこに行きたいとは思わないだろう。となるとルノーぐらいしか思いつかないけど、同じF1通信にはロン・デニス、アロンソのライバルチームへの移籍を禁止なんて記事もあったりするし。自動車メーカー系以外って事になると、ウィリアムズとかレッドブル? レッドブルは、金は持ってそうだけどね。

なんにせよ、第二のジャック、みたいな結末は迎えて欲しくないですなあ。

[Books] 火星の長城 レヴェレーション・スペース 1

火星の長城(Reynolds,Alastair/著 中原尚哉/翻訳 レナルズアレステア/著) アレステア・レナルズ 著/中原尚哉 訳
カバーイラスト 鷲尾直広
カバーデザイン 岩郷重力 + WONEDER WORKZ。
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011630-9 \940(税別)

そぎ落としてみたら王道だった

火星地表上に部分的にテラフォーミングされた居留地。それは直径2000キロ、高さ200キロに及ぶ"長城"で惑星本来の環境とは全く別の、緑の世界に生まれ変わった世界。だが今、ここに立てこもる連接脳派と、移動上からそこを攻める連合との間の戦いによって、"長城"の内側の世界も荒廃していくに任せるしかない状態だった。この状況を打開すべく、かつて連合の戦士だったクラバインは、和平交渉の為に頂上内のコロニーを目指すのだったが……。「啓示空間」、「カズムシティ」と同じ時系列に属する中短編を集めた一冊。

重厚長大、片手で持つのにはさまざまな困難が伴うような前の2作に比べて、今回は本体のボリュームもお手頃、中短編集と言うことで快調に読んでいける。と、は、い、え、本国では一冊だったモノを(新作を追加した、と言う事情もあるらしいが)2冊に分けて刊行するって事なので、実は原版は、やっぱりクソ分厚い一冊だったのかも知れないけど。

収録されているのは短編4編と中編1編。共通しているのは、意外なほどのオーソドックスさ、と言えるだろうか。凄まじいまでのプロットの複雑さや小さなエピソード、ジャーゴンとスペックの羅列で膨らむだけ膨らんじゃうレナルズ的世界の根っこの部分は、案外シンプルでオーソドックスなものなんじゃないかと改めて思えてくる様な作品がならんでいる。簡単に感想を並べてみると…

火星の長城

「種」としての人類についての考察を絡めた、軽いミリタリSF風味の作品。その「種」への考察具合あたりに、昔なつかし、60〜70年代の日本SFの味を感じたりする。

氷河

前作と登場人物、時系列が連続する短編。こちらはアシモフのロボットモノの初期作品を彷彿とさせる、ミステリ風味の短編。ダイイングメッセージのレッドヘリングっぷりとか、なんだかほほえましいぜ。

エウロパのスパイ

こちらもミステリ風味をベースに、バイオ・スリラー風味をまぶした短編。「90年代SF傑作選」に収録されていたので、タイトル憶えてました。

ウェザー

「火星の長城」、「氷河」との関係性をもった宇宙SF。前二作に登場した、とあるキャラクタとかなりかぶるヒロインが登場する、ちょっと切ないラブロマンス。

ダイヤモンドの犬

「無頼の月」や、映画「CUBE」との類似性が解説でも述べられていたけど、(わたしの超苦手な)数学SFを噛み砕いてサスペンス風味に仕立てるとこうなるんだな、みたいな感じもあって。知恵の方を重視したミッションクリア型の冒険SFとして、かなりの出来だと思う。

というわけで、前の重厚長大ぶりに引いちゃった人が、レナルズのSFってどういうんだろう、ってのを軽く理解するのには絶好の短編集になっていると思う。これにいろいろ余分(?)なモノをつぎはぎしていって、とんでもない分厚さになっちゃったのが「啓示空間」なり「カズムシティ」なんだって事が分かってしまえば、あの厚さも全然こわくないもんね、ってなもんだ。そういう意味じゃあこちらを先に出せば良かったんじゃないの? って気もするが、いきなりとんでもない分厚さの本がどかんと出る、そのインパクトも捨てがたい気もするし、んー、商売というのは難しいもんだね、ってのは本書とは全然関係のない話でしたね。

★★★★


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