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デイヴィッド・ウェーバー 著/中村仁美 訳
カバーイラスト 佐伯経多&新間大悟
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011702-3 \860
ISBN978-4-15-011703-0 \860
アチュルタニの侵攻をかろうじて退け、新生銀河帝国の初代皇帝となった地球人、コリン。愛妻ジルタニスとの間に双子も授かり、帝国は比較的安寧な10年と少しが経過していた。だが、かつて地球を滅亡寸前に追い込んだ裏切り者、アヌ大佐の一党は完全に駆逐されてしまったわけではなかった。増大した復讐心を繊細さと慎重さでカムフラージュした復讐者の魔の手は、まず宇宙軍の士官候補生として最新鋭の小惑星クラス戦艦に乗り組んだコリンの双子に伸びる…。
てことで、コリンの子供たち、ショーンとハリエット、さらにコリンの盟友たちの子供たちは、萌えAIダハクのぎりぎりの介入が間に合って即死は免れたが、亜光速航行が精一杯の艦載艦でどことも分らぬ宇宙空間に放り出され、大事な子供たちを失ったコリンたちにも復讐者の次の手が忍びよる、ってなお話。ショーンたちは、かつての帝国のテクノロジーの遺産は残っているが文明レベルはほぼナポレオン戦争時代の惑星で、何とかして帝国中枢に戻る方策を模索し、一方帝国中枢では姿なき復讐者との諜報戦が繰り広げられる。
お話づくりの構成で失敗しちゃった系の一作。一方で近世レベルの文明の状態の惑星に、超ハイテクと1000年先を行く歴史的情報を持ったごく少数の、しかも青二才が紛れ込んで「戦国自衛隊」しちゃうお話、もう一方で盤石に見える体制に深く浸透した陰謀とのせめぎ合いのお話が並行して流れていくのだが、二つのお話のバランスの取り方がちょっといびつだったり、時間経過の表現が少々杜撰に思えたりと、全体としてはシリーズ中でも完成度ってところで疑問符をたくさん付けざるを得ない出来になっているんじゃないかと思う。
ショーンたちが流れ着いた惑星での、近世的な戦争の追体験的な部分の描写なんかは、作者の戦史オタクっぽい部分と一種の仮想戦記(一方があり得ないくらい有利な設定が出来ちゃってる、って部分ね)的な面白さがあってそこはそんなに悪くないんだが、やっぱり全体としてみると、かなりバランスの悪いお話になっているんじゃないかな、という気はする。この手の、二つのお話が並行して進行するタイプのお話は、どこかでその二つのお話がちゃんと意味を持つ形で一本の線にまとまってラストになだれ込んで欲しい気もするんだけど、そこもちょっと上手くない。
んまあこのシリーズ、著者にとってはほぼデビュー作って所もあって、いろいろやりたいことをつぎ込んできてきてる部分はあり、この後に来る「オナー・ハリントン」ものが基本的に英国近世海洋冒険もののフォーマットを上手に利用することでかなり面白いものを作ってきてるのに対して、こっちではいかにもな「銀河帝国」的時代背景に、妙にクランシー的アクションやサスペンスを持ち込んでみたらどうだろっぽい実験をやってみたのかな? ってところはある。で、それはこのシリーズに限っては成功したとは言いがたい、って事なのかも。やや残念賞側、ですかね。
★★☆
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●私の場合、大量にある少額源泉徴収票が難敵です。<br> 一年前の仕事なんて覚えてねえよ(爆)<br><br>●なんとか今日中に発送したいものです。
こっちでは急に「今年から源泉引くの止めます」つーて、一度引いた分を返金してきたところがありまして。<br>お金をもらってなんだか憂鬱になる、ってのは得難い経験ですな(^^;)。