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山海堂の雑誌、「GP XPRESS」、通称GPXの'89年プレ・シーズン号の表紙。レース終了から一週間で速報を出してくれるこの雑誌、一号あたりのボリュームは少々控えめながら、その初期にはホンダF1第一期のリーダーも務められた中村良夫さんの文章も読めたりして、なかなかのコスト・パフォーマンスの雑誌であったように思う。途中で書店売りを止めて、定期購読者に郵送、ってパターンに切り替わったんでしたっけか。
そんなGPXの表紙で必死にママチャリを漕いでいるのは「大英帝国の息子」ことナイジェル・マンセル。モータースポーツの最高峰とされるF1も、時代の変遷に影響を受けずに来られたわけではなく、ここまで何度も大きな分岐点を通過しているわけで、んでまあありていに言って分岐が来るたびにF1はいつも、面白くなくなってきたような歴史があるように思う。最初の大きなターニング・ポイントはたぶん、ロータスがグラウンド・エフェクトカーを持ち込んだときで、その次の大きなそれはターボ時代とその前後って事になるんじゃないかと思うんだけれど、そんな第二弾の大きな大きな転換期にあって妙に「古武士」の風情を漂わせてくれたトリックスターが、マンちゃんことナイジェル・マンセルであったなぁ、と。
そんな彼のキャラクターが良く出た写真と言えるんじゃないでしょうかね、これ。とても好きですよ。
少し時間が経ってから見直してみたら、また違うのかも知れないんだけれど、今のF1に欠けているのが、こういうキャラなんじゃないかなあという気はしますな。ヴェッテルあたりに少し期待してるところはあるんだけど、マンセルほどのお騒がせキャラ(だけど速さは文句なしにある)ってのは、今のF1では望んでも得られないタイプのそれなのかも知れない。
懐古しはじめたら終わりなんだろうとも思うんですけどね。
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