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ロバート・B・パーカー 著/菊池光 訳
カバーデザイン 戸倉巌
ハヤカワ文庫HM
ISBN978-4-15-075699-4 \840(税別)
ホークが撃たれた。それも背中から。新来のウクライナ系ギャングから自分と自分のシマの警護を依頼された矢先の出来事だった。ホークがホークである、その拠り所となる「生き様」に泥を塗られたままにはしておけない。ホークは自分を撃った者たちへの復讐を誓い、スペンサーはそんなホークと行動を共にする。だが事態は、単なるギャングたちによる新旧勢力の小競り合いにとどまらない事情を含んでいた…。
というわけで。前にスペンサーが撃たれた話があったけど、それと微妙に対をなしつつ、シリーズ中でも印象が強い割にいろんなところが分らないホークというキャラクタにちょいと掘り下げがなされるような、ちょいとばかり番外編的な味わいも有りの一冊で、これが意外に面白い。
スペンサーとスーザンの間での、シャレのめしつつもまあそれなりに深い目に切り込みそうな会話が魅力だったこのシリーズで、ある意味孤高の男だったホークという存在について、その特異性とスペンサーと共通する部分に関しての考察、また、いわゆる「マッチョ」であることに関しての深めの考察、あ、違うか、あくまでダイアログだな。その方面への切込みというか彫りこみみたいなところに案外深い部分があり、そこに意外な読み応えがある。
スペンサーであること、ホークであることというのはどういうことなのか、ってところにかなり切り込んできている感じがあって、そのあたりがかなり興味深い。根っこのところにあるのはパーカー的マチズム賛美なのかも知れないし、そこの所を100パー容認は出来ないとは思うんだけど、それでも今、逆に(主にポリシーとしての)「マッチョ」であることを積極的に肯定するスタンスを表明するってのはそれなりに勇気のいる行為なんではないかと思うわけで、そこに切り込んできたパーカーさんの思惑、どういうものがあったんだろうとちょっと興味を惹く部分があったりはする。どこまで(一般的な、西部劇のヒーロー的な)マッチョが受け入れられるのか、その境界線がどの辺にあるのかの判断材料になるような本なのかも知れない。
★★★
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