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2010-03-11 [長年日記]

[Books] オペレーション・アーク3 セーフホールド戦史

9784150117467 デイヴィッド・ウェーバー 著/矢口悟 訳
カバーイラスト ウスダ ヒロ
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011746-7 \880(税別)

枢機卿会の暗躍とかねてよりチャリス王国の征服をもくろむ列強の思惑は、ついに400隻の連合艦隊となってチャリスを目指すことになる。約4倍の大艦隊を迎え撃つチャリス陣営の頼みの綱は、それまでのガレー船からは飛躍的な進歩を遂げたガレオン船とこれまた最新式の装薬式火砲。だが、頼みの綱のガレオン艦隊はこの時点でわずか30隻。圧倒的な戦力差を埋めるものは今や惑星セーフホールドでただ一人、宇宙航行種族であった時代の人類文明の残りを使いこなすことの出来るニュミエ=マーリンの存在と、進取の気風に富んだ勇敢なチャリスの人々の気概のみ…。

こちらでの刊行スタイルからついうっかり三部作なのかと誤解していたのだけれど、このシリーズは現在も刊行が続いており、しかも本国ではここまでの三作というのは一冊の本にまとめられていた模様。で、著者の構想的にはこのシリーズ、全八作となるもので、日本で刊行されたここまでの三冊が、その第一部にあたるものであるようだ。なるほど、だったら一冊にまとめて出して欲しかったような気はしないでもない、が、トールサイズ文庫の文字サイズだと、レナルズよりもぶ厚くなってしまったりするって判断があっての分冊化だったのだろうか。だから要らんことせずに文庫はちっちゃい文字をぎっしり並べろと思わなくもない(どうせこっちは老眼だ、多少文字が大きくなったって老眼鏡のお世話になることに変りはないんだもん)が、これは言うても詮無いことか。

さてお話の方はそういうわけで、(日本語版では)三冊かけてもまだとっかかりのお話であるわけで、三部作完結! 的な盛り上がりがあるという訳じゃあない。ウエーバー的にはこのシリーズ、一旦中世レベルまで落ちてしまった人類がふたたび宇宙航行種族としての文明レベルを再獲得し、仇敵ヶババとの再戦に臨むまでを描いていきたいと思っているのだろうから、出だしでそんなに大きなジャンプアップもできないし、多分宇宙に出るまでに書きたいことがたくさんあるってことなんだろう。ウェーバーは「ホーンブロワー」シリーズの大ファンらしいけど、今後のお話のスタイルはむしろ、ケントの「栄光の海兵隊」的なノリになるのかな、って気がちょっとする。進歩していく文明レベルごとの「戦争」を描いていく、と言う形。

そういうわけで、ここで徹底的に描かれるのはアルマダ海戦とトラファルガー海戦のおいしいところを盛り込んでみました的エピソード。ガジェットとしてのSFは多少盛り込まれてはいるけれど、全体としては18〜19世紀の帆走軍艦をメインに据えた、海洋冒険小説のテイストが極めて濃厚なものになっている。そういうのが嫌いじゃないオレはこれはこれとして楽しむことができましたけど、致命的な大敗からの捲土重来を期する人類世界、的展開を期待してた人にとってはどうなんだろう。著者の構想(8部作)ってのがホントなら、そういうのが読めるのは相当先になるってことになりそうだけれども。

SF的なワクワク感をいったんおいて、物語としての面白さを優先してきた本。ちゃんと続くのならば先が楽しみ。ハヤカワさん、続きもよろしくです。

そういえばさあ、関係ないけど「ユカイア・オレゴン」の続きは出してくれないの、ハヤカワさん? オレ、ああいうのも嫌いじゃないぜっ(キタエリ風に)。

★★★

[Anime] 定期視聴番組 (24:29)

「ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド」、「刀語」。「ダンス…」、わたしゃかなり面白い方だと思うんですが世間的はどういうものなんでしょう。「化物語」が文字通り化けちゃったのでいろいろ苦労してるんだろうな、ってのが「刀語」、なのかな。

どうやって刀を得るのか、つまりは勝負にどうやって勝利するのか、って所に原作者またはアニメ製作スタッフはあまり興味がなく(すいません、原作読んでないので)、その、一応のお話としてのクライマックスに持っていく過程でのダイアローグこそがキモであって、それ以外はおまけ扱い、って作りなのだろうか。確かに会話劇の部分は面白かったと思うけど、一応クライマックスとなるべき「刀を得る」部分にもうちょっと芸が欲しかったような気がしないでもない。


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