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完全に自分用。
CSSスプライトを利用してナビゲーションを作る→イメージに透過pngを使う→IE6用にDD balatedPNGを導入→IE6でhover時に表示がずれる。
対処方法…なさげ。
ローカルでチェックしてる時は発生せず、サーバに上げるとずれるってのもなんだか妙な話ではある。透過gifでなら起きないので、IE6だけgifで表示するようにしてみた。若干エッジが汚くなるけど、しゃあないね。
伊藤計劃 著
カバーデザイン 水戸部功
ハヤカワ文庫JA
ISBN978-4-15-031019-6 \720(税別)
21世紀初頭に吹き荒れた<大災禍(ザ・メールシュトローム)>と呼ばれるカタストロフは、全世界に巨大な爪痕を残し、この災厄を経て、人類はそれまでの国家や政府と言った管理体制を捨てて、政府(ガヴァメント)から生府ヴァイガメントの支配という、人類全体の福祉と厚生を最重要目標に据えた管理社会が誕生することになった。それはWatchMeと呼ばれるナノマシンが人間から病苦を解放し、さらに心身ともに不健康と思われる物も軒並み排除してしまう世界。そこに住まう人々はねたみもそねみも知らず、不摂生とは縁遠く、抑制と調和に満ちた、穏やかなユートピアの住人達。だが、そんな理想郷のような穏やかな世界を、心の底から忌み嫌う人々もごく少数ながら存在していた。私、霧慧トァンが出会った少女、御冷ミァハ。彼女こそがそんな存在だったのだ…。
「虐殺器官」のイメージが強くあったせいか、意に反するように出だしが非常に(自分のイメージの中の)ライトノベル的というか、「ん? 今回はセカイ系なの?」的印象をこちらに持たせてくれたので、おかしな方向で警戒感を持って読んでいったのだけれども、伊藤計劃はそんなに甘くはないぜと言う展開で、序盤のそんな、ある意味(読んでないけど)「ハルヒ」っぽさはあっという間に置き去りにされ、続いてやってくるのは、いかにも「虐殺器官」の著者的な、現在ただいまの社会に満ちている病理のようなものとそれに対するひとつの解法を、少々暴力的な描写でつなぎ止めながら、その延長線上にある物はもしかしたらこんな物になるかもしれないんだぜ、という可能性について描いていく。ここで語られるのは「種」としてのヒトがこれから先選ぶかもしれない選択肢のひとつ。そしてそれは一件口当たり良く、全ての人にとって理想的な世界を実現するもののように見えるのだが、実は、と。
HTMLを彷彿とさせる一種のマークアップ言語、ETMLが随所に挟まる構成が、一種の記述SFなのかな、と思わせるところもあるのだが、この辺は読み進んで行くにつれて、そういう一面も持ちつつ、さらにもっと深い意味が持たされていたことも分かってくる。全ては先に述べた、人類社会の未来に待っている解法がもたらした物のひとつ、というしかけ。
セカイ系かと思わせるイントロから始まった本作は、案外オーソドックスな構成のSFミステリとして進んでいき、少々うーむと考え込んでしまう結末を迎える。そこまでの流れは案外シンプルでそれなりに既視感もあり、ラストもまあありがち、と言っても良い展開だ。読む前に身構えちゃって損したって感じかな。すっきりとした作りで、どちらかと言えば書ききれてない感もある作品だった。
ただまあこの書き切れてない感、っていうのは、多分自分がそれなりに歳喰っていて、そこそこの数のSFを読んで来たがゆえに、何となく非常に上っ面なところで、本書を読んでいく過程において「あ、○○っぽい」的な感覚が出てきてしまって、本書の良さを素直に受け取れないでいたのかもしれない。
なので、本書が本格的に読む数冊目ぐらいのSF、と言う人がこれをどう読むのか、ちょっと興味があるな。多分自分なんかより相当ワクワクドキドキしながらお話を追っていけるんじゃないだろうか。青二才のSF読みだった自分が山田正紀の「神狩り」にぶち当った時の「ナンダ、コレハ」的高揚感を感じた時のあの気分に近い物を感じられるんじゃないか、と思うんだな。
それがセンス・オヴ・ワンダーってやつだよね。
ざっくり例えるけど、伊藤計劃さんって方はゼロ年代とやら以降の日本SFにおいて、神林長平と山田正紀の役割を引き継いでいける人だったのかもしれないな、と思った。詮無きことではありますが、惜しいことです。
★★★★
アニメ監督・出崎統さん死去 「あしたのジョー」(asahi.com)。67歳というのはちょっと早すぎるよなあ。もっと作品を見たかった、というところももちろんあるけど、たくさん仕事をやってきて、ようやくこれからは、少しは余生を楽しもうかってお歳ではないですか。まあクリエイティヴな仕事に携わる人にとっては、ものを作っている時間こそが人生って事であって、それ以外なんてのは別に無くても良いパートであるのかもしれないけれども。
自分はあまり良い出崎ファンではなかったという自覚もあるにはあるのですが、それでも忘れられない作品を送ってくれた方であることは間違いないわけで。お疲れさまでした、どうかごゆっくり。
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