ばむばんか惰隠洞

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2004-08-18 この日を編集

[CS] 空軍大戦略

CS スターチャンネル・クラシックで「空軍大戦略」。1969年英、監督ガイ・ハミルトン、出演ローレンス・オリヴィエ、マイケル・ケイン、ロバート・ショウ、トレヴァー・ハワード、クリストファー・プラマー、スザンナ・ヨーク、クルト・ユルゲンス。英独スター総出演で描くバトル・オヴ・ブリテン。実はLD持ってたりするんですがなんせ3面に渡るんで、一気に見たい時のために改めて録画。

で、やっぱいいわあ、これ。ぶいぶいと空を飛び回るスピットファイア、ハリケーン、イスパノ・メッサー、He111。もうこれだけで満腹。ドラマはやや薄っぺらいが、有名な、ゲーリングに「必要なものがあったらなんでも言ってくれ」といわれたガーランドが「スピットファイアをくれ」といったエピソードとか、キース・パーク(トレヴァー・ハワードが実に本人に似ている)とリー・マロリーの作戦面での論争とか、それなりに史実に忠実な作りになっているので、随所でニヤリとできるようになっている。なんせ大物スターがぞろぞろ出てるんでそこらを見る楽しみもありましょう。序盤でちょっと顔を見せるだけのクルト・ユルゲンスは渋いし、私の好きなロバート・ショウも相変わらず苦虫かみつぶしたようなお芝居やってくれている。ま、それでもとにかく本物の飛行機の飛ぶ姿の美しさの前には、ちっとやそっとのお芝居は太刀打ちできないわけだけど。

私、日本が戦争に負けて良かったなあと思うことの一つに、手持ちの軍艦を片っ端から沈められちゃったので、映画作る時に実物を使う、という手が使えず、これが日本特撮のミニチュアの完成度と繰演技術を高める結果になった、と思ってるわけで、例えば「パール・ハーバー」なんかでの、「そんな船が1941年にあるかーい!」などというツッコミは、日本製戦争映画では、まず不要なのだよね。

その一方で日本が戦争に負けて残念だなあ、と思うのは、手持ちの飛行機も片っ端から壊されちゃったこと。ここばかりは、いかに特撮の神様がさまざまな技術をつくしてイリュージョンを繰り出して見せても、やはり本物にはかなわない。「パール・ハーバー」に無理矢理話を戻すなら、あの映画ではプレーンズ・オヴ・フェイムに保管されてる零戦を実際に飛ばしているシーンがあって、そこだけはやっぱ、見てて「感じ」が違うよなあと思ってしまう訳なんですわ。

そこ行くと本物はやっぱ違うよねえ。いいよねえ。そのうえ飛行機が美しく見える絵、てのを英国人は良くわかってるよなあと思いますわ。こういう連中が作ったから、ITCのメカたちはすばらしいのよね。アメリカ人はここがイマイチわかってないんだろうなあ。特にあのサンダーなんとかいうヘタレ映画のスタッフ共は、この(また凶暴になるから以下略)。

というわけで飛行機大好き、しかも蛇の目ラヴなわたくしにとっては至福の2時間14分。鉤十字スキーがどう思うかはわからんが、少なくともドイツ人を一方的な悪役として描くことはしてないので、そこらはまあ、穏やかに見れるんじゃないですか。ヒトラーの描き方だけは、ちょっとパターンに過ぎるかなあとも思ったけどね。

[Day] 今日のぶつぶつ

とりあえずHTMLメールの是非をここでは問わない。そうしたいというのであればやればよろしい。お仕事ですもの、なんでもやらせていただきますよ。それは良いとして、HTMLメールのひな形をちゃんと作ってあげたのに、わざわざそれをIEで表示してそこから「ファイルに保存」してできたファイルをメールに使用して、「画像が表示されません」とかオレにクレームつけるんじゃねえ馬鹿野郎。

[Baseball] 安藤対ウィリアムズ

なかなか見れるもんじゃありませんな。や、オリンピックの野球、日本対オーストラリア。ウィリアムズお前、今年はオリンピックのために力セーブしとったんかーといいたくなるようなナイスピッチング、日本チームはまるで阪神のように、出てくるピッチャーが片っ端から打ち込まれておりましたなー。

えー、オリンピックはちらちらとしか見てないんだけど、あれですね、マスコミがちやほや持ち上げる種目から順に消えていく感じですね。男子サッカー、女子バレーときて、次は野球がこてんぱんな目になってしょぼーんと帰国する羽目になったらいいのになーと思ってるんだけど。逆に普段、マスコミが全然報道しないような種目でどかーんとメダル取っちゃう選手が出てきたら楽しいんだけどな。近代五種、とかさ………って日本からは近代五種にだれも参加してないのか、残念。

[Baseball] 理由はわかる。解法はどうだ?

日本一わかりやすい「プロ野球1リーグ案がダメな理由」。理屈はおおむね同意できる。でも「根本的な解決法」は果たして本当に根本的なものだろうか? サッカーが「キャプテン翼」で底辺を大きく拡げ、バスケットが「スラムダンク」で市民権を得た今ですよ、プロ野球関係者がやらなきゃいけないのは、「コロコロコミック」もしくは「ジャンプ」で大ヒット野球マンガを産むことしかないような気がするんだけど。子供がその世界でヒーローになりたい、と思えるメディアが身近にないような状態で、選手もファンも増えるわけないじゃん。オレらだってみんなで草野球しょうって原動力になったその元には、「巨人の星」があったからだと思えるもの。物事はなんであれ、ピラミッド型になってるものだと思うので、頂点を高めるためには底辺を大きくしていかなくちゃ、どうにもならんと思うんだけどね。

[web] 移転準備中

とりあえず軽石庵共々、ドメインの管理元、新しいSぱらの更地などいろいろ下ごしらえしてます。たぶん次からは、「SFXぱらだいす」は名乗らないことになると思います。いやまあやることは今までと一緒なんですが、「Sぱら」と「Sぱら分室」でかなり傾向もずれてきてるし。

というわけで「SFX」、が入ってないようなドメインを一個取得。「Sぱらインターネット分室」もこれまでにして、新しいサイトでやっていこうかなあという感じ。日記は当面「酔狂」で行くつもりだけどね。

詳細は調整中につき、もうちょっと準備期間をくださいませ。


2005-08-18 この日を編集

[web] はてなアンテナ (23:24)

あれ、微妙に表示が細かくなった? 気のせい?

[web] 決め手は「ペソ」 (23:28)

ゲームデザイン 無料ゲームとフラッシュ。ここに収録されてる四字熟語Flashは先日おれカネゴンさんが紹介してらっしゃって、さっそくあっしも遊んでみた。これが思いもよらないところで引っかかったりして結構楽しめる。で、他にもいろいろあるんだね。個人的にハマってしまったのが"カナクロ Flash"。これはいかんわ、気がついたら2時間近くやってたよ。Hardがお奨め。

これは良い頭の体操になるね。長い単語とか繰り返しの短い単語あたりから攻めていくのがコツなのかな。「ペ」で始まる二文字の単語なんてそう無いもんね(^^;)。あとあれです、長い方の単語はやっぱりそうそうストックがないのか、特定の単語がちょくちょく出てくるあたりもちょい楽しい。

それはそれとして、「チョウホウケイ」って単語が出てきてかなり焦ってしまった私は、そうとう心が汚れているとオモタ。


2006-08-18 この日を編集

[Day] おかしいな (23:32)

おや? ついこの間着手したばかりのはずのお仕事、残り作業がほとんど無い状態になっているぞ。これはどうしたことだ。8月いっぱいかかると見積もっていた、というか、そもそもいつものように夏休みの小学生モードで、だらだらと仕事してたはずなんだが、なんでこんなにはかどってるんだ? もしかして暑さで脳味噌溶かして耳から出した方がオレ、効率的に仕事できたりするんだろうか。不思議なこともあるものだ。

ま、このあとにやってくるであろう修正要望への対応の方こそが、お仕事のキモなんだろうけど。翌日改めて見わたしてみたんだけど、うーん、確かにほとんどできてる。あと、Illustrator引っ張り出してアクセスマップこさえて、ちょっとだけ素材の差し替えをやれば一通り完成しちゃうよ。おっかしいなあ、誰がこんなにてきぱき作業したんだ?


2007-08-18 この日を編集

[Books] 竜と竪琴師 パーンの竜騎士 10

竜と竪琴師(McCaffrey,Anne/著 小尾芙佐/翻訳 マキャフリイアン/著) アン・マキャフリイ 著/小尾芙佐 訳
カバーイラスト 木嶋俊
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011618-7 \1000(税別)

長年ファンへの感謝祭

不世出の作曲師と呼ばれるペティロン、彼が創り出すいかなる困難な楽曲も歌いこなす歌唱師メレラン。パーンでも最高の音楽家夫婦が授かった一人の息子。母方の祖父にあやかってロビントンと名付けられたその子供は、父と母の才能を余さず受け継ぎ、更に健やかでのびやかな精神を持った少年に育っていた。才能には申し分はないが、音楽以外の物事に上手く接することの出来ない父親によって、彼の成長が歪んでしまうことを恐れたメレランや周囲の人々によって注意深くその才能を伸ばしていくロビントンだったが、そのことが逆に、父と子の間に超えがたい溝を作っていく。時は折しも「糸砲」の襲来が、いよいよ一世紀以内に起こるであろうと言う時期。だが数百年の安寧は、パーンの人々から「糸砲」への備えの気持ちを取り去ってしまっていた…

「パーンの竜騎士」第10作。え、10? 「歌」とか「太鼓」とかも正史扱いだったんだっけ? まあいいや、とりあえず今回のお話もどちらかと言えば外伝テイスト。大巌洞メインではなく、城砦の人々をメインに据えた話で、渋い爺さまとして存在感を発揮してくれた竪琴師ノ工舎ノ長、ロビントン師の生い立ちから働き盛りの青年期までの足取りを辿っていく。「解説」で久美沙織氏は「パーン初心者でも大丈夫」、なんて書いておられるけどそれは社交辞令。これまでのパーンのお話を押さえてなければ、本書の楽しみは少なくとも4割は減る。

お話自体の完成度は、それはさすがにマキャフリイ、しっかりしたものではあるし、多彩な登場人物についても必要最低限な説明があるから、読んでて何がなんだか分からない、なんて事にはならない。ならないけどそれじゃあ本書をたっぷり楽しんだことにもならないと思う。

本書のキモは、本格的にパーンに「糸降り」の災厄が訪れる前の、やがて活躍することになるさまざまな人々が、ロビントンの成長に連れて少しづつ舞台の上に上がってくる、そこの所の著者のさじ加減の巧さを、ニヤリとしつつ楽しむ所にあるわけで、主要キャラのネーミング法則が何となく見えてきたり、脇役陣のみなさまや最近作で姿を現した、人間たちの新たな伴侶のエピソード、なんてのをちょっとでも思い出せない人だと、この比較的分厚い本は、相当退屈な部類の本に入ってしまうのじゃないだろうか。なにせ基本はハーレクインSF、作者に愛されたキャラは最強無敵、そうじゃないキャラは冷遇放置ってのは確定してしまってるわけで、そのうえ本作みたいにSF色が欠片もないパターンだと、お話の本線以外に楽しむところが見いだせないと、ホントにしんどいんじゃなかろうかとお節介にも思ってしまうわけなんだった。

と、いうわけでこいつは「パーンの竜騎士」シリーズをちゃんと押さえている人に向けて用意された、かなり豪華なプレゼントなのだと思う。ここまで本シリーズを一作も読んでいないって人は、せめてシリーズ開幕編、「竜の戦士」(銀背だと『ドラゴンの戦士』ですな)だけでも読んでおいた方が良いと思いますですよ。

★★★

[TV] 定期視聴番組 (24:27)

まずは軽めに「おおきく振りかぶって」、「地球へ…」。「おお振り」は相変わらず楽しく、「地球へ…」は、おいおいキースがどんどんギレン様になっちゃってるなあ、こんなノリだったかなあと言うところ。今期の土曜日は、「電脳コイル」がないと何かが少々物足りないのだな。

どうでもいいですがあまり褒められた手段ではない方法で鑑賞した「スカイガールズ」、そうですか、ビッグバイパーですか、へえ〜。


2009-08-18 この日を編集

[Anime][web] 定期視聴番組 web編

「真マジンガー 衝撃! Z編」、「グイン・サーガ」。なぜか「うみものがたり」は一週お休みの模様。ちょっと前にマジンガーがロケットパンチを飛ばすのを見て、「お、それええやん」なノリで切断された自分の腕をぶんぶん飛ばしてたゼウス様。その切り落とされた右手が案外重要な意味を持ってきて…、なんてノリの「マジンガー」、オリジナルになって妙に面白い展開になっとるね。

「グイン」は黒レムス君がまだ真っ黒にはなってなく、それなりにコイツ見どころあるんじゃね? 的片鱗を見せる回。この先過酷に責め苛まれるAV女優的位置づけが待っている、不憫なアルミナちゃんも登場。声はぶきみんなのかー。次回タイトルは「紅の密使」。私の大好きな沿海州の三デブは登場するんでありましょうか。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

TUX [●初見時に「なんじゃそりゃ」と冷ややかに見ていた「ビッグバン・パンチ」がとてつもなく格好良く思えてきました(自爆) ..]

rover [やっぱ誰しもブレーン・コンドルを期待しますよね。それがまさかのダイアナンAコンパチ。しかも物理的な渡しがないとドッキ..]


2011-08-18 この日を編集

[Anime] 定期視聴番組

「ダンタリアンの書架」、「うさぎドロップ」、「No.6」、「異国迷路のクロワーゼ」。なんつーか、櫻井考宏の無駄遣い感も無しとはしない「ダンタリアン…」、世の紳士方が一命を賭しても守りたいと思わせる物がヴィオラさんから微塵も伝わって来ないってのがなんだかなー、と。古来傾城の美女なんてのはおしなべてそういう物なのかも判らんけど。「うさぎドロップ」はディティールの描き込み(時間割の再確認とか。オレの時はそんなの無かったけど)が大変気持ちよい。コウキ、突然おいしいキャラになったな。「No.6」もちょっと面白い気がしてきた。根っこにあるのは「都市と星」(つーかむしろその元ネタの『銀河帝国の崩壊』?)っぽい何かなのかしらね。

「クロワーゼ」は、浮浪児役の儀武ゆう子にできるだけ喋らせない、というアニメスタッフのおかしな方針に妙にほくそえんでしまう自分がいる、ってあたりで。あ、いやいやもちろんわたくしも、病気の時の湯音は、せめてハダジュバーンに着替えるべきだとは思いましたですよ(^^;

[Baseball] マケタデー!!

T4-5C。アニキ以外夏バテ発生、か。打つ方がどうにかならんと、当分こんな感じが続くんだろうなー。

[Books] 結晶銀河 年刊日本SF傑作選

結晶銀河 : 年刊日本SF傑作選(大森望/著 日下三蔵/著) 大森望・日下三蔵 編
アートワーク Nakaba Kowzu
カバーデザイン 岩郷重力 + WONDER WORKZ。
創元SF文庫
ISBN978-4-488-73404-6 \1100(税別)

編むには編んだが何模様?

2010年の日本SFの収穫13編に、第2回創元SF短編賞の受賞作を合せて収録。今回の受賞者、酉島伝法氏の本職はイラストレイターということで、ご自身の筆になるイラストも併せて収録されている。

梅雨の終りにやってくる分厚い本。とは言え今回は14編なので去年よりはちょっとだけ軽くなったかな。という所でいつものようにがんばって、各作品の感想、いってみよー。

メトセラとプラスチックと太陽の臓器(冲方丁)

医学とバイオテクノロジーの進歩によって夢想だにしなかった長寿をついに手に入れた人類。だがそれはすべての人々のためではなく、やがて生まれてくる子供たちに約束されたものだった…ぐらいは書いてもネタバレにはならないよね? タイトルである程度予想できると思うし。やがて出てくるであろう長命種を、今体内に宿す母たちの心情は、みたいな所にスポットを当てつつ、割と牧歌的なテイストで語られる現代文明への軽い皮肉、みたいな。

アリスマ王の愛した魔物(小川一水)

西にスチームパンク的蒸気駆動コンピュータがあれば、東には人力駆動コンピュータがありまっせ、的な。冲方丁、小川一水と、若いけれどもある意味端正なスタイルを持っている(と自分は思っている)作家二人が、揃って意外とクセ球風味な作品を放ってきたってあたりが今回のアンソロジーのある意味方向性になるって事なんだろうか。こういうのは田中啓文の守備範囲なんじゃないの? って気もしなくもないけどね。

完全なる脳髄(上田早夕里)

作者の一連の作品世界に連なる作品で、異形の物が微妙に紛れ込んだちょっと未来の社会において、人であることと人でないことの差、のような物はどこに生まれるのか? ってあたりに踏み込んだようなお話、と言えるだろうか。

五色の舟(津原泰水)

こちらは既読。当たり前ですが変わらず良いお話。お話のあとの「著者のことば」でちょっとクスッとさせてもらった。

成人式(白井弓子)

今回収録された唯一のコミック。若干昏めのジブリテイストで描かれる、なんだろうなあ、「COM」的、ってのともちょっと違うな、「マンガ奇想天外」とか、ごく初期の東京三世社のSFコミックアンソロジー的な味というか。自分としては、なんだか懐かしい物を読んだような気になった。このページ数でこのお話(なにせ女の一生がテーマだからね)をまとめる手腕は、かなりのモンだと思ったです。

機龍警察 火宅(月村了衛)

機龍警察のスピンオフ作品、ってことで、向こうでも感じた「SFか?」感はさらに増幅され、「SFじゃないよねこれ、でも…」ってお話になっている。ただこちらのお話で重要なのは「でも…」の方であって、お話としてちゃんとしてるんだ、これ。オーソドックスな警察小説の掌品として、かなり良い出来だと思います。

光の栞(瀬名秀明)

いわゆる特装本的世界と、この人お得意のバイオの分野をゆるーく絡めてきた作品。電子書籍だの自炊だのが話題になっているご時世に、いつクリフ・ジェーンウェイがお邪魔してきてもおかしくないようなお話を瀬名秀明が書くというのは、それだけである意味SFなのかも知れない。逆に言えばそれだけの、「ある意味SF」より先に突き抜けてはいないような気も。

エデン逆行(円城塔)

いかにもこの方らしい、小説の言語にまで数値化や意味づけを試みる、とんがった理系SFで訳のわからなさは天下一品。ただ、「理系の頭を持った人ってのはこういう面白がり方が出来るんだな」ってのを何となく感じ取れるあたりは収穫なのかもしれない。

ゼロ年代の臨界点(伴名練)

大学のSF研究会の会誌に発表された、ある意味商売ヌキで書かれた作品で、なんつーか、悪ふざけなのかかなり考え抜かれたパスティーシュなのか、なんとも判然としないような。妙な味があることは確かです。タイトルの「ゼロ年代」が意味する物がある意味SFか。ニコ動ふうにコメント入れるなら、「ヨコジュン『ガタッ!』」って感じかね(^^;

メデューサ複合体(谷甲州)

NOVA3に収録されてたので既読。前にも書いたけど、もっと読ませて、ってところだよな。

アリスへの決別(山本弘)

「非実在うんちゃら」に対する義憤抑え難く、な、ある意味ストレートなメッセージを込めた作品といえるのだとは思うけど、そのストレートさは却って

気色悪い。

ここまで技巧を放ったらかしにして一方的にメッセージを伝えられると、オジサンは引いちゃいます。

allo,toi,toi(長谷敏司)

「アリスへの決別」が特定の嗜好に対する一方的な規制への抵抗を少々ナマ(すぎ)な形で垂れ流したお話だったとしたら、こちらはその「特定の嗜好」とはそもなんなのか、という部分に深々と斬り込んできた作品で、おそらく自分的に本書の白眉はこれ。

作者の長谷さんの本、これまで一冊も読んでいなかったことを少々恥じております。なぜスルーしてたんだろう。今度街に出たら、長谷さんの本を買って帰ることをここに誓います。

じきに、こけるよ(眉村卓)

本書における個人的な安心銘柄なんだけど、なんだろうなあ、ここに来るまでの流れが少々澱んだ感覚の方にシフトしていたものだから、ドンドンパチパチやったあとにちょっと静かめな味のお話が来てくれて、読んでるこちらがちょっとホッとする、というような効果はあんまり無い。このお話自体はいい感じに洒落ているんだけどね。本書の最初にこれを持って来た方が良かったんじゃないだろうか。

皆勤の徒(酉島伝法)

第2回創元SF短編賞受賞作。その作品世界のイメージの奇想っぷりは本書中でも群を抜く。レナルズ的な世界というか、最近だと「ねじまき少女」あたりの世界観にも通じる物があるだろうか。どろどろ、ぬちゃぬちゃ、どばーでぐへー、みたいなね(全く分らん)。そんな世界でうごめいている登場人物達はいったいどういう連中なのか、ってあたりにSF的なアイデアがさりげなく込められているというか。正直お話としてはまとまっているとは言えないんだけど、とにかく奇想の部分の念の入りっぷりが強烈で、ストーリーの方は無理くり「ついてこーい!!」で引っ張ってこられてるって感じがある。で、このお話に関してはその無理くり感があんまり気にならないくらい、奇想の方が強烈なんだよね。今回に限っては、って条件付きになるかもしれないけれど、これはこれで、アリだよな。

てことで。いずれ劣らぬ力作ぞろいであることは認めるんだけど、年間SF傑作選としてのチョイスとしてこれはアリなのかな? これが2010年の日本SFであったとするならば、去年の日本SFはひたすら内へ内へと潜り込むだけの1年であった、という事になってしまうんじゃないかと思ってしまうのだが。突き抜けるように爽快なSFはひとつもなかったのだろうかね? そんなお話も混ぜて欲しかったな。もうちょっと厚くなっても良いからさ。

★★★☆


2012-08-18 この日を編集

[Baseball] マケタデー!!

S1-0T。ラジオで聞いてたんだけど、なんつーかツッコミどころ満載というか。7回、バントで送るんなら新井変えたったらええやん。9回、大和代走で出すんなら速攻走らせなウソやん。それでなくてもパッとしないチーム状態で、わざわざ気勢を下げるような采配振ってどうすんだろね。

和田はんは地味だけど、そこそこできる人だと思ってたんだけどなあ。まだ早かったのか、コーチとして有能だけど、指揮官としてはまだまだ、って事なんだろうか。


2013-08-18 この日を編集

[Anime] 定期視聴番組

古本のデータを作ったりしてたんで、今日は「宇宙戦艦ヤマト2199」だけ。シリーズ最大の山場と言うべき対ドメル戦、三隻の空母の艦載機群にそれぞれちゃんと意味のあるミッションが与えられてたり、ドリルミサイルがなぜスカだったのか、って所に理由付けがなされていたり、第三艦橋を一週間で新造しなくても良いための対策が用意されてたりと、全体に「ああ、なるほど」満載のエピソードではあった。そこの所の痒いところへの手の届きっぷりには感心した。ただ、本来の対ドメル戦にユキをかっさらうエピソードが加わったこと、旧作では正直ただの無能ジイサンだった沖田艦長(「ドリルミサイルはどうした!! 波動砲は使えんのか!?」だったもんね)の有能ぶりの強調、さらに散華する戦闘機乗りのエピソードなども加えてきたので、1話でまとめちゃうと、ちょっと駆け足感が先に立っちゃったかも。二回に分けた方が良かったんじゃないでしょうかね。

[Baseball] カッタデー!!

藤浪きゅんも勝ったようですが、今日は高校野球。富山第一が富山県勢としては40年ぶりだかのベスト8入りだそうで。一回戦に勝ったときの新聞記事で、監督さんだったか、ちょっと覚えてないんだけどそちら方面の方のコメントで、「ランナー一塁で送りバントをするような野球では、甲子園までやってくるチームを相手に優位に立てない」みたいなことをおっしゃってて、割に攻めたことを言ってるなーと思ったんだけど、そのチームが勝ち上がってきてる、ってのはちょっと面白いかも。どこまで行けるか、楽しみになっちゃいました。少々ネガティブですが応援してます。


2014-08-18 この日を編集

[Day] 月曜日だー

盆休みもあけて、わらわらと仕事降ってくんのかなーなんて思ったらそういうこともなく、わりに平和な週のはじめ。平和じゃないのはこっちの両腕。週末に古本倉庫番やった時に、段ボールの箱を抱えて上げ下げしてたら、二の腕と肘の内側あたりがその作業で盛大にダンボールに擦れたのが原因か、やたら腫れ上がって痒いのなんの。ちょっと熱持ってる感じもあって、マウスとキーボードに置いた手を動かす気にならないんだよね。

週のはじめとしてはテンション低めな一日になっちゃった。やることは結構あるんだけど、少々スロースタートで行かせてもらいます。

[Anime] 定期視聴番組

日曜深夜の分、「東京ESP」、「普通の女子高生がろこどるやってみた」、「RAIL WARS!」。なんだか話が「ハマトラ」みたいになってきたなー、と思ったら謎のパンダ師匠登場だった「東京ESP」、相変わらず冗談と本気の区別が良く判らん。こっちはパンダ師匠と違って着ぐるみにもちゃんとした意味があるんだよ、だったのが「ろこどる」。新メンバーも登場して相変わらず楽しいっす。「RAIL WARS!」は、うーん、ちょっとホンが雑かな、ってのとそもそも原作がそうなのか、アニメ化したときにそうなってしまったのかは判らんけど、「鉄が好き!」感が全然伝わってこないあたりはどうしたもんかいなあ、と。


2016-08-18 この日を編集

[Books][Kindle] ふしぎなふしぎな子どもの物語 なぜ成長を描かなくなったのか?

B009KZ444E ひこ田中 著
光文社新書 Kindle Unlimited版

マーケティングの行き着く先は…

「子供の成長」を描いてきたはずの児童向けメディアのさまざまな作品たちが、いつしか「成長」への描写を軽めに済ますようになってきたのはどういう理由があるのか。テレビゲーム、テレビアニメ、特撮、コミックス、児童文学などさまざまなメディアの実例を引きながら考察していく。

著者のひこ田中さんは児童文学者で、ジャンルは少し違うけど映画化もされた「お引越し」の著者でもある人。本書は子供向けのさまざまなジャンルのメディアで、時代にそってその表現の中で登場人物の成長、という点にスポットライトを当て、どのような表現がなされてきたのか、を紹介していく本。ライムスター宇多丸さんが「シネマハスラー」で劇場版「スイートプリキュア」評をやったときに参考文献として挙げていた(挙げていたのは作家のふるきゃんさんだったけど)本で、読めるかな? と思って検索してみたらKindle Unlimitedで読めることがわかったのでダウンロードして読んでみた。

基本的にさまざまなジャンルで、「子供の成長」というか「子供が大人に一歩近づく」という描写がどのような形で表現されてきているか、を淡々と紹介していく本。キモになるのはさまざまなジャンルで主人公に用意される、乗り越えるべき目標であったり障害であったりがどんな風に変わっていったか、に考察を加えていく。ここで注目されるのは作り手の思惑。

特に歴史の浅いビデオゲーム(本書ではドラクエとFFのシリーズ)でわかりやすいんだけど、作り手側がその都度想定しているであろう受け手のレベルの予測と、その予測に基づいた作り手側の「ここまでは達成すべきタスク」であろうという線引きの、その線を引くラインがシリーズが進むにつれて後退していく様子が紹介されているあたりはちょっと興味深かった。前作ではここまで追い込んだ、なので今回はさらにここまで追い込むレベルをキツくする、という流れが限界まで来ると、「ここから先は君たち自身が自由に考えてよ」に落ちつかざるを得ない状況に陥ってしまう、というのは割に納得できる。「成長」をキイ・ワードにさまざまなタスクをプレイヤーに課してきたビデオゲームが、課すべきタスクが手詰まりになってきたときに取った手段が「自由にやれ」だった、というのはそれなりに示唆に富む、と言えるかもわからん。

主人公を成長させる、ということが特定のジャンルの「物語」にとって必要不可欠だった世界が、いつしかそこはさほど重要じゃ無い、という世相に変わったときに何が求められるのか、を考察するような、そこは割と投げてるような形になっているように思えるのは、ここまでの流れはそれなりに分析できるけど、この先どうなるかはさっぱり解らんよ、というのが大きいのかもな、とは思った。

どんなジャンルであれ「ここで売る」的な方針の下に動いていたメディア屋さんたちが、今は「ここで売っていい…のかな」って状態で若干腰が引けているのかもしれないね。

そこらあたりの状況説明的なところは結構面白かった。著者自身がどうしたいのか、てところはやや希薄。なので「今こうなってるかもしれないですよ」以上の何かを得るにはそれなりの想像(妄想?)力が要求されるかもしれない。そこに思いをいたす面白さ…があるかどうか、買っても良いくらいの価値があるかどうか、の判断は自己責任でお願いします、ってことになりますかね。自分は一回は読む価値はある、とは思いましたよ(^^;

Sorry, sm16214639 was deleted.

★★★☆


2017-08-18 この日を編集

[Day] また心配の種が

昨晩お義母さんから電話があり、どうも転んだ拍子に右手を痛めた、とのことでカミさん緊急出動。帰ってきて言うには、多分骨折だろうと思うので一応怪我したところの固定だけは処置しておいて明日、お義兄さんの車で医者に連れて行くことにした、と。

んまあ死んだこちらの両親よりも二つばかり年嵩だったはずなので、普通に暮らすだけでも結構いろいろ注意しなくちゃいけないお年頃ではあるんだが、義兄のところにも、こちらにも世話にはなりたくないってことで一人暮らししてるんだけど、そろそろ一人で放っておくわけにも行かなくなってきているのかな。義母の家、二階がガラ空きなので軽石庵の倉庫には持ってこい……っておい(^^;。

んで今日、医者につきあってきたカミさんによると、彼女の見立て通りに骨折、プラスちょっと筋を違えてしまっているので手術が必要って事で、二週間ばかりの入院決定。何かと心配なことです。

[Baseball] カッタデー!

D4-10T。秋山好投、本塁打のおまけ付き。北條、糸井、大山にも本塁打が出て快勝。ま、初戦を取れたのは良かったね。


2019-08-18 この日を編集

[Day][Oldbooks] 意外と良いぞ

B0747KY7D9買い出し帰りにコンビニ寄って見かけたハサミ、コクヨのSAXA(サクサ) グルーレス刃、だそうです。歯の構造がベタ付きにくくなっている、んだとかで。まあ試してみるかって事で買ってきて、ちょうど本日発送物件が一個あったんで試してみた。

うん、良いんじゃないですかこれ。完全にベタ付かないってモノではないけれど、それでもかなりの局面でベタ付きはなくなった、ように思う。何せ今まではタミヤカラーのエナメルシンナーをちょっと入れた容器にハサミ突っ込んどいて、使う時にそこからハサミを出して何度かカラでチョキチョキやってシンナーを馴染ませてクリアテープを切ってたんでね。それに比べたらなんかすごく文明的になったような気がするよ(w

文句があるとしたら刃先の長さかなあ。自分は梱包に幅5Cmのテープを使うんだけど、このハサミだと微妙に長さが足りないんだよね。あと、完全にベタ付きがなくなる訳でもない、ってあたりもやや残念か。でも割と気に入った。しばらく使ってみよう。


2020-08-18 この日を編集

[PC][逸級介護士] テレワーク問題の続きの続き

倅のパソコン、まずはオリジナルのVistaでインストールし直してみたけど、さすがに中古のノートで光学ドライブが結構不調ぎみで、いくつかのドライバが完璧にはインストールしきれなかったけど、一応おおむねインストール完了。無線LANもちゃんと動いてくれるんでこれでどうにかなるかな、と思ったんだけど甘かった。

Windows Vistaって結構ダメダメちゃんなんだね(w。ちょっとネットで調べてみたけどXPに毛の生えたようなOSって事なんだろうか。XPは良いOSだと思ったんだけど、まあ10年以上前のOSなんだから仕方がないとも言えるんだけど、今となってはいろいろキツいのだね。今普通に使えてるツールが軒並みインストールできない状態なんだよ、とにかく共有/クラウドが半端なのが痛いかな。

結局Win10でクリーンインストールするしかないのかねえ…

[Books] 第五の季節

第五の季節(N・K・ジェミシン/著 小野田和子/翻訳) N・K・ジェミシン 著/小野田和子 訳
カバーイラスト K,Kanehira
カバーデザイン 岩郷重力+W.I
創元SF文庫
ISBN978-4-488-78401-0 \1500(税別)

ロマとの関連なんてあるのかな

スティルネスと呼ばれる巨大大陸。ここは春夏秋冬に加えて何百年に一度かやってくる<第五の季節>があった。その季節には巨大地震をはじめとする天変地異が連続し、文明社会に深い傷跡を残していく。かろうじて壊滅を回避した人類文明はいくつかの職能ごとに分化したコムと呼ばれるコミュニティを形成していた。そんな中でも異能を放つのがロガと称される"オロジェン"と呼ばれる異能力者達。彼らは地脈など、惑星に潜むエネルギーを利用して、地殻などを自由に操る能力を持っている。それ故、他のコムの人々からは反感混じりの蔑視に晒されていたのだ。そして今、一人のロガの女性が、自分の息子を殺害し、娘を連れて旅立った夫の後を追って旅に出ようとしていた…。

で、その女性エッスン、ひょんな事からロガの資質があることがわかってしまい、それが元で両親から売られる事になってしまった少女ダマヤ、オロジェンとしての修行途中で上級の同僚と旅に出ることになった女性、サイアナイトの3人の物語が交互に語られ、その流れの中でスティルネスという大陸の世界観みたいなものが語られ、そこで生きるロガと呼ばれる人々の様々な冒険が描かれていく。オロジェンをオロ、じゃなくロガと略するあたり、著者には(ジプシーを指す言葉の)ロマとの関係性みたいなものが頭の中にあったりしたのかな、なんて事もちょっと考えた。

なんて書くとなにやらややこしい話なのかと思われそうだけどそんなことはなく、エッスンの仇討ち行、ダマヤの学園ストーリー、サイアナイトの新人ミッション初挑戦物語、とサービス満点。1本のお話の中に3つのお話が詰まってて、かつその三つのお話が徐々に一点に集約していく、と。さらにその集約っぷりがかなり新しいとも思った。その上で続編(コイツも3部作なんすよ)へのヒキもぬかりない。

スティルネスがある惑星がどこなのか、なんてあたりはかなりぼやかしてはあるんだけど、それでも登場人物達が口にするスラングのようなもの(『魔女の息子』が『くそったれ』になる的な)のいくつかから、あ、これはつまり、という予感はするし、ご丁寧に最後に一発どかんと爆弾落としてくれたりするあたりはサービス満点。前述のお話の収束ぶりともコミで、なかなか良いじゃないか、て思っちゃった。

一種のロード・ムーヴィ的ファンタシイとしても良い感じだし、環境SF件超能力テーマのSFとしても楽しく読める、かなり厚めの本なんだけど快調に読んでいける一作。ヒキも良い感じだったし、続きが楽しみですね。

★★★★


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