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CS 日本映画専門チャンネルで「ガメラ対大魔獣ジャイガー」。1970年大映、監督湯浅憲明、出演高桑勉、ケニー・バリス、キャサリン・マーフィ、炎三四郎(後のXライダー、速水亮)、大村昆。大阪万博に出展予定の品のひとつにウェスター島の謎の石像があった。その知らせに来日中のウェスター島文化使節は猛烈に抗議するが、彼の言葉を解するスタッフは誰もいない(通訳なしかい)。ただ、「ジャイガー」という言葉だけが何度も繰り返される。一方、ウェスター島ではいよいよ謎の石像がヘリコプターによってホイストされ、輸送船へと運ばれようとしていた。その時空の彼方から現れるガメラ。ガメラは何かの理由で、石像の輸送を妨害しようとしているらしい。発掘チームのリーダー、ウィリアム博士の息子トミーは、ガメラがそんな行動に出るのは何か理由があってのことだと主張するが、大人は耳を貸さず、ガメラに対して銃で応戦を開始する。やむを得ず人間と対峙するガメラ。ちょうどその時、ウェスター島の火山が噴火し、火のエネルギーを好むガメラはそれ以上の妨害をすることなく火山へと飛び去っていく(最初の目的を忘れたんかおまえはー)。どうやら石像の積み込みを完了し、島を去るクルーたち。そして彼らが去った島では、一匹の怪獣が長い封印を解かれ、地上へとその姿を現わした…。
面白そうでしょ? ガメラのシークエンスをばっさり切ってたらこれ、南洋秘境冒険怪獣物のイントロとしちゃあ立派なもんですよ。この辺、早くお目当ての怪獣が出てこないと飽きちゃう子供たちのために、どうしてもこうなっちゃうんだろうねえ。親は子供に、映画を見るっちゅうのは、時には我慢も必要なんだということを早いうちからたたき込むべきだな。
それはさておき。
子供を飽きさせない、という余計な配慮と、どうにも力の抜ける絵のしょぼさはいつも通りだし、ツッコミどころもいつものように満載*1なんだけど、「バイラス」、「ギロン」に比べて子供の描き方がよほどマシな分、実は楽しめてしまったのでした。クソ自分勝手で、大人に迷惑をかけて、自分に都合が悪くなるとガメラに助けを求める、というええ加減にせいよおまいら、といいたくなるような子供たちじゃないのね、今回の子供たちは。そりゃ大人の言うことには反発するし、言う事聞かずに独断専行に走ったりもするけれど、それでも最低限のコミュニケーションはちゃんと取るし、なにより肝心なところで無責任に「ガメラー! 助けてくれー!」とか言わないどころか、率先してガメラを助けに行く事までしてみせる、うんうん、オジサンこの展開ならおっけーだよ。「恋」がないけど一応ジュヴナイルとしてぎりぎり及第点つけてもいい。
というか実は真剣に感心したとこがあって。
子供たちの冒険の結果、ジャイガーは自分が高周波を発生させるので低周波に弱いらしい。他に手段もないので(これはガメラ映画のいつものパターンですね)これ行ってみよー、ってことで低周波のノイズをスピーカーで流し、ジャイガーを足止めしようという作戦がとられ、一定の成功を見る。同じ頃、子供たちのおかげで体内に植え付けられたジャイガーの幼生を排除することに成功したガメラを復活させるため、ガメラに高圧電流を流す、という作戦がとられる。だがガメラのキャパシティは予想以上に大きく、結果発電所はオーバーロード。スピーカーも沈黙し、ジャイガーは再び暴れ出す………おおっ、スジが通っている、ガメラなのに(^^;)
というわけで予想以上に楽しませていただきました。あ、念のためにいっときますが、最初の予想が無茶無茶低かったから楽しめたわけで、ここで褒めているからといってこの映画がすんばらしく出来の良い映画だ、などと言う気はないんでそこはひとつ汲んどいてくださいね。「見たけどスカ映画やんけこれー」などと私に言われても困るのよ(^^;)。
*1 "超音波が引き起こす超振動ですべての物を破壊する"光線が、耳塞いだだけで防げるんかガメラー、とか、まだ始まってもいない万博会場を守るためなら千里ニュータウンは破壊されても良いんか人間の人ー、とか…
昨日のろばQさんのツッコミに。
おそらくその"数えられる数"というのが東宝的には許容できない(少なすぎる)数だ、ということなんでしょう。二次、三次成果物の効能を低く見積もっている、という部分もあるかも知れませんね。東宝がやたらとモスラにこだわるのは、それが(比較的)女性(女子供、と言い換えても良いかな)受けする怪獣だから、てな裏事情があったようにも記憶してます。どっちつかずなマーケティングをしている、とも言えるし、「ゴジラで何をしたいか」、がはっきりしてなくて、単に「ゴジラで何かやらなくちゃ」、でだらだらやってきたのが平成ゴジラ*1だと思ってます(言い過ぎかなあ)。
私自身は平成ゴジラがあかんのは焼き直しだからではなく、すべてが焼き直し損ない、だから、だと思ってます。「vsビオランテ」を別にして。怪獣映画のどこが面白かったのかを全く理解してないホン書きの責任です、と断言しちゃいます。
個人的には私、ゴジラより先に「サンダーバード」と「頭上の敵機」と「ラット・パトロール」にしびれたクチで、えーつまりメカフェチなんで、別に怪獣が出てこなくても良いんですけど、まあ商売上ゴジラで客呼ぼう、という製作サイドの気持ちも理解は出来るんですけどね。個人的には「妖星ゴラス」級のを一発、見せて欲しいと思ってます。かなりマジに「第六大陸」、映画化せんかなあ、とか思ってたりして。
んでもって最後にUS版ゴジラ。なんせハープーンで死んじゃうゴジラですから、パート2は海兵隊のマシンガンでばりばり吹っ飛ばされるゴジラジュニアの群れ、てな絵になったんでしょうなあ。日本のファンより先に海外のゴジラファンが激昂しそうではありますな(w 。
*1 一応私はタイトルに"vs"がつくのが平成ゴジラ、と思っています。金子ゴジラと手塚ゴジラはちょっと別系統、ということで。
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レスありがとうございます。<br> 端的には<br>>怪獣映画のどこが面白かったのかを全く理解してないホン書きの責任です、と断言しちゃいます。<br>の部分に激しく同意、と言うことで(特に91年の「ゴジラVSキングギドラ」あたりは、もう!)<br> あと、仰る通り、単に平成ゴジラと言うより金子、手塚両監督ではない「VSシリーズが駄目」の方が適切でしたのでそのように修正させてください。で、2000は「無かったこと」に(2000否定派の言)。
あーそういえば「ゴジラ2000ミレニアム」なんて映画もあったなあ(^^;)
血ぃ〜吸われて白くなるガメラってトコだけで(ガメラにしては)名作だと思うオレって。他の作品も耳に電柱突き刺すとか、腹にイカの頭ブチ込まれるとか…f(^^;