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otuneさん経由。いけね、そういえばここしばらくサポートフォーラムも覗きに行ってなかった。で、久々に覗きに行ってみたんだけど斎藤さん、βフォーラムの方でRFC全然読んでないです。すみません。
とか、他の人はどうしてるんでしょうかねぇ。なんか、自信が無くなってきました。
とか、正直というかあられもないというか、読んでるこっちの方が心配になるような事をおっしゃってるんで逆におろおろしてしまう。もしかしてHidemarunet Explorerとかもヤバいところがあったりするんだろうか。死ぬほど便利なんだけど…。
いちよ、鶴亀はVer3.70以降でこのあたりの対策は取られている、らしいけど、これまで全幅の信頼を置き、かつ大変に快適に使わせてもらっているシリーズに、突然暗雲が立ちこめた感じがしてちょっぴり複雑。
ちなみにワシ、ずーっと3.67 β4、なんての使ってた…。
小川一水 著
カバーイラスト 前嶋重機
カバーデザイン 岩郷重力+WONDER WORKZ.
ハヤカワ文庫JAISBN4-15-030770-9 \760(税別)
一瞬にして55万の人々の命を奪い、帝都トレンカに壊滅的な被害を与えた巨大地震。今、人々はようやくその恐怖を乗り越え、復興への道を踏み出そうとしていた。だが、この機をなによりも自らの政治的キャリアの飛躍のチャンスと捉えるサイテン首相と、ただひたすら帝都とレンカ帝国の復興のみを考える復興院のセイオ、摂政として事に当たる事となったスミルたちとの間には、埋められぬ溝が拡がっていく。折しも突発した余震によって一時的にスミルとセイオが消息を絶ったとき、サイテンはついに自らの政治的野心をむき出しにした行動を開始する。
一方、星間国家の強国ダイノンと共同で地震の研究を続けていた人々は、驚くべき事実を知るに至っていた。この巨大地震は"人災"だったのだ。そしてさらに、それが再びレンカを襲う事は疑いのない事なのだ………。
オジサンのツボ直撃です、泣きました、ぼろぼろと(w。
基本的な感想はあれだ、「第六大陸 2」とほぼ同じ。気恥ずかしくなる程に甘いオプティミズム、真に憎むべき悪役は一人として登場しない、そして普通の人達の愛おしくなるばかりの頑張りぶり。これが小川一水という人が描き続けたいテーマであるのなら、オジサン一生この作家についていってもいいと思わせてもらった。「そんなに話がうまく行くわけないじゃんけ」とおっしゃるか? バカおっしゃい、お話というものは皆、うまく行くに決まっているのだ。そのうまく行くお話に、いかに読者を引きずり込むかが作家の手腕ではないか。余人は知らず、オジサンはどっぷり引きずり込まれてしまったのだ。文句なしだ。
アラはたくさんあるのだ。ストーリー展開の甘さは言うまでもなく、どうだろ、SFに必須のワンダーがこの作品に充満しているかと言われるとちょっと辛い。無いかもわからん。このお話は、自分を見いだしてくれた恩人の死を契機に、彼がやろうとしていた事を引き継ぎ、それがためにとてつもない重荷を背負った青年と、その青年に見いだされたが故に思いもよらぬ過酷な世界に投げ込まれる事になった少女を軸に綴られる、大災害を乗り越え、さらなる災害にたち向かう無名の、数多くの人々の物語だ。背景に少々カリカチュアライズされた(やっぱりツッコミ甘いと思うのよ)大国間の駆け引きがあったり、地震のメカニズムに関してSF的な説明付けが為されてはいるけれど、基本的にこれは人間の物語。そしてその物語は、人間と未来への、少々無邪気に過ぎないかそれは、とさえ言いたくなるような明るく希望に満ちたトーンで染め上げられている。この甘っちょろいオプティミズムを私は愛します。SFが明るい未来を描かないでどうするんだ。
それにしても中盤まではそこそこ冷静に読めたんだけどねえ(^^;)
「……科学者に愛国心は似合わないと思いますけれど」
「科学しているのは、この僕という人間だよ。科学に口があれば僕に逃げろと命じるだろうが、幸い僕には、それを無視できる愚かさがあるんでね。」
このあたりではまだ、ふふふんと余裕で笑みなど浮かべて読んでいられたんだけど終盤、
「わたしっ、来たからっ、追っぱらわれたけど、来たからっ!」
もうここで、セリフの主が"追っぱらわれた"時点でこの展開、完全に予測できていたにもかかわらずぼろぼろと滂沱の涙ですよ。なんということじゃ。歳食って涙腺の調節機構が甘くなってるのは自覚してはいるんだけど、今、確認のためにページを開いて活字の並びを見ただけでまた涙目になっちまったよ(ニガワラ)。
いやもうええもん読ませてもろた。満点つけてもいいけど、心を鬼にして(^^;)思い返してみるに、あまりに個人的なツボ直撃だったが故に、冷静な判断できなくなってるのかも知れない様な気もする、のであえて星半分、減点してみました。シビアな方ならもうちょっと引く数は大きくなるのかも知れない。私がものすごく半端ではあるけれど、一応神戸の震災経験しているので、震災後に頑張る人達に無条件に感情移入しちゃう部分もあるのかも知れない。でもいいのだ。この本の甘い部分、ツッコミの浅い部分もひっくるめて私は惚れたのだ。今年の一等賞あげてもいい。
(★★★★☆)
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