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CS スターチャンネル・クラシックで「サイレント・ランニング」。1972年アメリカ(ユニバーサル)。監督ダグラス・トランブル、出演ブルース・ダーン他。完全に環境制御が可能になった地球。かつての自然は、宇宙空間を航行する船団に保存されているのみとなった今、ほとんどの人間にとってユートピアとなった地球に、もはやそのままの自然などは不要なものでしかなかった。ただ一人、"ヴァリィ・フォージ"のクルー、ローウェルを除いては…。だがついに、宇宙船団の許にも保存している自然環境を爆破、廃棄して、船団には地球への帰還を促す命令が伝えられるのだが………。
機械文明から自然への回帰を、と言うメッセージ、主題歌を歌うのはフォークの女王、ジョーン・バエズ、と言うわけで実にこの、'70年代の匂いがぷんぷんしてくるSF映画。でも映画としては、まあなんだな、何かとビンボ臭いわな(^^;)。「2001」のSFX担当のトランブルではあるけれど、やはり件の映画ほどには金はかけられないんで、でたらめな長時間露光なんて荒技は使えないし、「2001」でやりたくてやれなかった土星接近シーンも、まあ大成功とは言い難い。主人公に感情移入できないのも辛いか。
ただまあ、やっぱ'70年代の気分ってこうだったよなあ感覚、みたいなのも同時に感じられて、私なんかは'70年代が思春期だったせいもあって、こういう映画は妙にこそばゆくはあるけど、それなりに好意的に見てしまいますな、ヒューイ、デューイ、ルーイのドローンたちもすばらしくチャーミングだし。
さてさて、この映画、学生時代に見たきりで、20何年かぶりに見たんだけど、さすがにあっちこっち忘れてるもんですな。オレ、ラストは自然環境保存ドームにはドローン3体が残って生き物の世話をする、って思いこんでいたんだけど、残るのはデューイだけだったんだなあ。いやはや。
いや、いろいろ言ってますが私、この映画はかなり好きな部類なんですよ、うん。
ちなみに一体残ったデューイはその後長い時間かけて"ヴァリィ・フォージ"を修復し、はるかな未来、伝説の惑星、地球を探すコンボイの一隻になっている、てのはみんな知ってるよな? (大嘘)
さてもう一本。同じくCS スターチャンネル・クラシックで「地球爆破作戦」。1970年アメリカ(ユニバーサル)。監督ジョセフ・サージャント、出演エリック・ブレーデン、スーザン・クラーク、ゴードン・ビンセント。アメリカ大統領はあやふやな人間の判断を廃し、国防の根幹をフォービン博士が作り上げた最新のコンピュータ、"コロサス"に全てを託す決断を下す。だが全く時期を同じくして、ソ連もまた同じようなコンピュータ、"ガーディアン"を開発していた。人知を超える演算能力を持たされた二つのスーパーコンピュータは、開発者たちの予想を超え、独自にコミュニケーションをとり、やがて人間たちが持たせたテーマ、「平和」のための究極の結論に達するのだった。それは………。
ということで、「自然に還れ」メッセージ同様に'70年代に蔓延していた、やがて来るディストピアに恐れおののく世情を容赦なく切り取って見せた、実に救いのない映画。1969年の「2001」は例外で、実はこの時期のSF映画は、徹底的に暗い方を向いてたんだよなあっ、てのを再認識させられる一作。いやもうホントに救いがないのよね、これ。それだけに最近のハリウッド製の、SFX技術偏重のスペクタクルの連続とは全く異種な(なにせお金かけられないからね。アイデアの比重は大きくなりますわ)恐怖が感じられる佳作にはなっている。なってはいるが三日を空けずにまた見たくなる、様な映画ではありませんわな。こちらも久々に見た(ずいぶん昔にテレビで見たような憶えしかないものな)ので、その意味では見応えは充分であったけれど、この砂を噛むような救いのなさは、やっぱり辛い。そうは言ってもオレが消防だった頃って、今のまま、公害などになんの対策も取られなければ人類の余命はあと30年、なんて論調があちこちの書物で見られた時期でもあったわけで、そういう意味じゃあこういう、科学文明偏重、自然を顧みない世の中の流れに警鐘を鳴らそうとする映画が作られたって事にも、それなりの意義はあったのだろうな、という気はする。
何せあれです、小学生の頃読んだ本の「人類はあと30年」って、おおむね今なんですよ。人間、それ程バカじゃなかったなあと、オジサンとりあえず一安心してはいるんですけどね。
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僕ら世代は、その後の、雰囲気だけを引き継いでトンデモない醸造をしたノストラダムス世代です。オウム世代と言わないでーー;
スジは聞いたことあるんですが、「地球爆破作戦」ていう題名だったのか…… 「サイレント・ランニング」大好きー。音楽と、バギー(笑)と、あと生活感というかジャンク感がある船内も好きです。(それまでのSFの宇宙船はすっごくキレイじゃなかったですか?)<br>77年に「未知との遭遇」「スターウォーズ」が出たことを考えると、やっぱりベトナム戦争とかと関係あるのかなぁ、とも思えます。
「大予言」はオレが消防の頃だったか。最初に読んだときは心底ビビったよなあ(^^;)<br>それはそうとまなさん、またコメントがつけられなくなってる模様ですー(業務連絡)
確かに「コロサス」の名前の方が有名になりすぎた感はありますね>久村さん<br>んで、ベトナム戦争(とそれが発端のひとつになったフラワー・ムーヴメントとかなんとかかんとか)、関係あると思いますよー、「サイレント…」の方は。
いまだ見たことないんですが、あすなさんが大好きだったらしいです。
あ、サイレントランニングの方です。<br><br>それと、昨日編集会議しました。こそこそとご報告(笑)。
うーむ確かに主人公は「哀しい人」ではあるのだが(^^;)…。
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地球爆破作戦の原作は早川のSFシリーズから出てました。映画の方は公開時にトータルスコープで大伴さんがかなり褒めてましたね。オジサンは封切の時に見逃しちゃって恵比寿の小屋で観ました。もう四半世紀以上前の噺です。