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本日無事到着。気のせいに違いないが、少し変換効率がよくなったように思う。エモジオ(2ちゃんのAA辞書)も問題なく使える模様。その他はもうちょっと使ってみないとわかんないかな。
ただですね、ジャストシステムさんにおかれましては、お願いだからユーザーIDとシリアルナンバーのシールを付属しておいてくださいませ。昔はそうだったじゃないですか。普通の紙っぺらだと無くしちゃう可能性が高いんですよ。私の部屋、どうも次元断層があるらしくって。
フィリップ・K・ディック 著/佐藤龍雄 訳
カバーイラスト 浅田隆
カバーレイアウト WONDER WORKZ.
創元SF文庫
ISBN4-488-69617-1 \960(税別)
自らが引き起こした事故だったのか、止めようのない敵意だったのか。何はともあれ1981年、突然地球は全面的な核戦争に巻き込まれ、人類の大半は死滅した。後にわずかな人間たち、そして様々な突然変異を遂げた動物たちを残して…。そしてその、わずかに残る人間たちの中にも、核戦争の影響は深い影を落としてはいた。それでも人々は、各地に小さなコミュニティを築き、なんとか日々の暮らしを続けていた。核戦争勃発直前、火星に向けて出発しながらついにその壮途はかなわず、今は地球の衛星軌道を巡り、世界にメッセージを送り続ける男の声を拠り所にして……
ディック1965年(執筆は1963年)の作品。オレはホントにオレなのかー、な中期から後期のディック的な作品とはちょっとイメージが違ってて、むしろ「高い城の男」とか「最後から二番目の真実」みたいな、最初にテーマありきで、それをどう料理するか、を楽しみながら読んでいくタイプの小説、というようなイメージを持った。で、本書のテーマは「アフター・ホロコースト」。この時期多いのだよね、このタイプのSF。「渚にて」とか、日本では東宝の「世界大戦争」がだいたいこのあたり。いつ核戦争が起きて、人類がまるごと消滅してもおかしくない、って恐怖がリアルな物だった時期の作品。ただ、個人的にはそういう作品たちよりも、むしろ「来るべき世界」(映画の方)での、世界戦争後のエヴリタウン周辺のイメージがかなりぴったり来てしまったなあ。単に本作中で、75年式ポンティアックを、馬にひかせているって描写があるだけ(映画では、確かロールスロイスのシルバーゴーストあたりが、単なる手押し車として使われていた様な気が)なんだけど、厳しい生活を強いられるコミュニティの中でのタブーの肥大化とか、コミュニティ同士が、連携より先にまず自分たちのコミュニティの利を優先しようとする、なんて描写があるあたりで思わずちょっとニヤリとしてしまったりして。さすがウェルズ。
で、「来るべき世界」では、"伝染性夢遊病"という病気が世界戦争以後の人類に重い影を落とす訳なんだけど、こちらの小説では、核戦争が生んだ突然変異体が文明の行く末にいろんな意味で重い意味を持ってくることになるのだよ、それを単純に拒絶することはできない未来社会が今のワシらの目前に迫ってきているのかも知れないのだよ、という仄めかしを残しながら、かつそれならそれで人類はやっぱり生き延びようとするのだぜ、というかすかな希望も残しながらお話は終了する。ディックにしてはやけに前向きなラストシーンで。
ただ、前向きにまとめたとはいっても全体としては結構うやむや感も残る作品であるのは確か。小説の作法として、この時系列を一時的に見失ってしまうような前半の章立てはなんでかな、と思うし、何人かの重要なキャラクターの描きこみが甘い、というか不親切、とも感じる。特にブルートゲルト、ストックスティル、デンジャーフィールド、という見るからに意味ありげな名前を持ったキャラへのツッコミ具合が、これでは少々甘いのではないかな? なのでとりわけ、ブルートゲルト(英語読みだとブラッドマネー、になるの?)絡みの展開に一抹の訳のわからなさを感じてしまう、というか。割と重要な役で出てくる身体障害を持つ少年の名前がホッピー、てのも気になるし。
なんかそこらに、ディックは仕掛けを潜ませたんじゃないかなあってあたりが妙に気になってね。そういうのを気にしなければ、アフター・ホロコースト後に生きる人類の再生に向けての物語、としてそこそこ読めるお話であるとは思うのだけれど。
(★★★☆)
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常務に昇進。当然読んでません。
めざせ首領様。