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おおっ、生まれて初めて例のシリーズの新刊が本屋に並んでるのを見ても手を出さなかったぞ。おめでとう自分、おめでとうオレ。
ネルソン・デミル 著/白石朗 訳
カバー装画 影山徹
カバーデザイン 岩郷重力
講談社文庫
ISBN4-06-275089-9 \857
ISBN4-06-275090-2 \857
3月17日。「聖パトリックの日」を迎えたニューヨークは例年通りのお祭り騒ぎのただ中にあった。アイルランド系アメリカ人たちにとって、そしてニューヨークにとっても最大級のお祭りのひとつであるこの日。だがその223回目の祭りの開幕を前に、警備に当るニューヨーク市警のメンバーには穏やかならざる知らせがもたらされる。過激で知られるIRAの中でもとびきり戦闘的な一団がアイルランドを離れ、どうやらアメリカに潜入しているらしいと言うのだ。英国情報部からその情報を得た市警の情報担当警部補、バークは「フィアナ騎士団」を名乗るそのグループの動静を追跡し、彼らの狙いを察知する。だが時すでに遅く「フィアナ騎士団」はアメリカ最大の大聖堂にメンバーを潜入させ、祭りに参加していた英国総領事、かつてのIRAの闘士でいまは英国とアイルランドの宥和運動を行う女性、そして枢機卿と一人の神父を人質に、大聖堂の占拠に成功してしまう。12時間のタイムリミットの内に彼らの要求が呑まれなければ、人質は殺害され壮麗な大聖堂は瓦礫と化してしまうのだ。様々な思惑を秘めつつ結集した救出チームは事態の打開に全力を尽くすのだが…。
デミル1981年の作品。ハヤカワで、「ネルソン・ドミル」名義で発表した「バビロン脱出」などと同時期の作品というわけで、彼のキャリアの中では初期の物に属すると言える訳なんだけど、それでも日本語版にして1090ページ。多少活字が大きいとはいえ1090ページ。まだまだ海の物とも山の物とも判らん状態であろう新鋭に、これだけの長尺を編集者が許した、ってあたりがデミルの大器ぶりを表わしていると言えるのか。日本で言うなら福井晴敏みたいな扱いなんだろうか。
そのデミル、「バビロン脱出」は確かに面白かったけどいろんなところでデミルらしさ、みたいなものを小説から読み取ることができるってところまでは行っていなかったような気がするのに対して、こちらはかなり、その後のデミル作品のフォーマットみたいな物がそこここで散見できるな、と感じられて興味深い。会話のウィットはその後のジョン・コーリーものなんかにも通じる物があるな、と思う反面、あれほどには軽口が過ぎる印象もなく、全体に抑制が効いている。この、抑制の効き具合がもしかしたらお話のそこここで、どちらかというと冗長な印象を与えてしまっているのでは?、という恨みが出そうではあるけれども、で、正直冗長と思えるところもあるにはあるのだけど、うん、わたくし的にここまでは許容できる範囲だな。何より最近のデミル作品で顕著な、やや鼻につく軽口の連発がいい具合に押さえられていて、そこに好印象を持つ。
最近のデミルは、照れ隠しなのかそこでウィットを見せたいのか、はたまた訳者さんの匙加減がうまくないのか良くわからないのだけど、どうにも不要な軽口が多すぎる気がして、その辺少々不満もあったのだけれど、作家としてのキャリアもまだ浅い時期に出版された本に、こうも気合の入った一作があったとは。いやあ恐れ入りました。
アイルランド絡み、ということでなかなか難しい問題がお話に関連してくるし、その影響でキャラクタライジングの部分で、やや舌足らずになってしまったかな、と思えるところもあるにはある。幾つかの伏線のオチの付け方にそれでいいのかな? と思うところもある。警察小説として、最後が力押しで、それが結構な分量になってるってのは個人的に少々趣味じゃない(やはり最後の最後まで知略のぶつかり合いで攻めて欲しいのですね)ってところもあったりするけど、やはりデミルは読ませるね。楽しい読書タイムを過ごせることは保証できます。
(★★★☆)
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すいません。無意識というか習慣に負けました。
いやあ、かなり愉快なカバーイラスト(あれはグラ爺?)だったので、一瞬買おうかな、とも思ったんですが…。
おめでとう!おめでとう!!おめでとう!!!<br>タンタンターンタ♪タタタ、タタンタ♪(エヴァのBGM)<br><br>…すいません。エヴァオタクな物でつい、やってしまう^^;;エヴァTV版最終回
おお、ひさびさに日記を見たら解脱ですか。おいでませ涅槃。