ばむばんか惰隠洞

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2005-06-11 [長年日記]

[Day] あらま (13:14)

居間のVHS/DVDレコーダーがお隠れになったくさい。弱ったのう、今週はF1ウィークなんじゃが。

[TV] 定期視聴番組 (20:59)

「エマ」、「ウルトラマンネクサス」、「種デス」、「ツバサ・クロニクル」。ネクサスはあと二回。こうなってくるともうちょっと、続きが見たいような気もして来ちゃうな。ほとんど1クール分がばっさりやられては、話が見えないことおびただしい。ただまあ、見ることのできなかったエピソードがたとえ全部見ることができたとしても、やっぱりお話の全容は見えないまま終るんだろうな、って気もしないではないけど。

デス様はいろいろ動いておりましたな。赤目君ついにキラに勝つ。でもまあこの番組、キャラクターが死ぬときには、うれしそうに念入りな人死に描写があるはずだから、誰もキラが死んでるなんて思いやしないわけで。

宇宙にあがった天然娘はシャア議長と談判する気なんかなくて、ひたすら軍備拡張に余念がなかったらしい、ちうのが予告でちらりと。ドムはエターナルに積まれるモビルスーツなんですな。名前はドム・トローペン…ああちがった、ドム・トルーパーっつうのか、なるほど。

ところでドムを運用する際には三人のバカ、もとい三人のエース級パイロットが不可欠かと思うんだが、その辺はどうするんだろ。乗ってくれそうなのはイザークとディアッカぐらいしか残ってないような気がするんだが。ああ、捕虜になったフラガ少佐の劣化コピー? 確かに三連星のリーダー役にはいい人選かもしれんけど、それはそれでちょっとなさそうな話だなあ。

[Books] タフの方舟 2 天の果実 (23:56)

本書カバー ジョージ・R・R・マーティン 著/酒井昭伸 訳
カバーイラスト 末弥純
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫SF
ISBN4-15-011516-8 \700(税別)

なんとかしてよ、まがつがみー

太古の地球の環境戦略宇宙船「方舟」を手に入れ、宇宙商人から環境エンジニアへと転身したハヴィランド・タフ。いま彼は「方舟」号の修繕作業を行った惑星、ス=ウスラムをめざしていた。「方舟」号の回収費用の半額を返済するための5年ぶりの訪問。だが、かつてタフの環境エンジニアの初仕事として、爆発的に増大する人口問題で破滅の危機を救うことに成功したス=ウスラムには、新たな問題が発生している様子。そしてもちろん、タフはそのことも、うすうすと察してはいたのだった…。

帯が凄いね。イーガン、チャンがわからなくても、この本の面白さはわかります。イーガンもチャンもあんまり売れませんか、ハヤカワさん(w。

さて、発表順とは別に、タフの活躍を時系列に沿う形で並べ直した連作短編。2巻の第2話、第3話が発表順的には第1話、第2話にあたり、その後1巻の第3話が続き、それからス=ウスラムのエピソードが続く、というような並びになっていた物らしい。で、発表順の1作目、2作目のタフには、確かに1巻の帯にあった、「あこぎな宇宙商人」的ニュアンスがなくもないな、という感じはある。最初の2作でタフのキャラクタが固まってきて、それらを踏まえた上で、SFとしての意識のうまい具合な拡がり具合が傑作「守護者」(第1巻第3話)に繋がり、その流れに乗る形で出来上がったのが「鋼鉄のウィドウ」三部作(『パンと魚』、『タフ再臨』、『天の果実』)ということになるのだな。本来アンソロジーの中の一遍として考えられたお話における、タフというキャラクタと「方舟」号のアイデアが、それぐらい優れていたんでしょう。環境を自由自在に操れる、いまは喪われたテクノロジーを手にしながら、それを大それた野望に使うのではなく、長く自らを置いていた、商人の世界の道徳観を完全に遵守する形でのみ力をふるうタフという、作者がキャラクタに課した「縛り」がうまく機能している、ってあたりがキャラクタ側の造りのうまさ。古代のオーバーテクノロジー満載で、宇宙のあらゆる場所に環境的な影響を与えることができる全長30Kmを超える巨大宇宙船、という生物学的四次元ポケットがアイデア側のヒットなんだな。ってああ、これ、大人向けの「ドラえもん」なのか。いま気がついた(w

のびたくんがそうであるように、タフが行く先々の惑星では思慮の浅い欲望だったりやむにやまれぬ窮状だったりに困り果て、なんとかそれを一気に解決してくれる夢の相手もを心待ちにしているわけだ。で、そこに現われるのがタフ。でも、タフにはタフなりのルールも限界もあるから、お客からリクエストがあったときに出せるアイテムにだってそれなりの制限が付く。そのことを前もってタフはちゃんと注意する(商人の倫理がありますもん)のだけれど、お客の方はそれをつい軽く見ちゃって、最初うまくいってたものがいつの間にかトラブルの種に…って流れはまんまドラえもんだよね。タフと「方舟」の出会いを描く「禍つ星」はテレビの2時間スペシャル、「鋼鉄のウィドウ」三部作ってのは映画版、って感じかな。

で、テレビ版2時間スペシャルはそこそこ楽しめる物になっていたけれど、映画版の方はどうだろう、少しばかりメッセージ性を込めすぎちゃって、本来のファンのお友達にはちょっと引かれる結果になっちゃった、というところだろうか。人口爆発で破滅寸前の星を救う方法はあるのか、真に根本的な解決方法とはなんなのか、ってあたりでのタフと「鋼鉄のウィドウ」ことトリー・ミューン(やや年配ではあるけど大変に魅力的)の丁々発止は確かに読ませるが、どうだろ、ここは少々、誰にも答えようがない問題にまで首を突っ込んでしまった恨みがないでもないような気もする。第1巻の最後を飾る「守護者」が、この辺のSF的アイデアとテーマとしての問題意識のバランスが絶妙で、すばらしく良い出来だったのに比べると少々残念か。2巻はボリュームが少々足りないと感じるのだけれど、そのわりにバラエティに富んだお話が並んでいて、本、という単位でなら1巻以上に楽しめたのだが、ラストで少しだけ、それもありだろうけどさあ、って気になってしまったな。全体としてはとても楽しめる、SFらしいSFを読んだ気分を満喫させてもらったのでおおむね満足なんですが。

それにしても。

「禍つ星」のお話から始まって「禍つ神」の登場でお話を締める方に持っていく。訳者、酒井さんもいい仕事してるよなあ。訳者あとがきも楽しかったね。

(★★★★)

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すみけん (2005-06-13 10:50)

禍つ神というと まかすい が脳裏に浮かびます。悪い習性です。


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妖精を観るには…

ジュヴナイルとしてなかなか良質

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