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ネルソン・デミル 著/白石朗 訳
カバーイラスト 久保周史
アートディレクション&デザイン 岩郷重力
講談社文庫
ISBN4-06-275514-9 \1048(税別)
ISBN4-06-275515-7 \952(税別)
1996年7月、ニューヨーク沖に墜落したTWA800便の"事故"には、その発生直後から様々な憶測、不審な情報が飛び交っていた。事故の発生時に調査チームに所属していたケイトからは、5年経った今もその不可解さは拭い切れていない。5年目の犠牲者慰霊式典に参加することになったケイトの傍らに立つのは夫である私、ジョン・コーリー。自らが抱え、忘れることのできない疑問をケイトから伝えられた私は、あくまで非公式に、この事件を再調査してみようと思うのだが、どうやらその動きを快く思わない存在があるらしい……
「プラムアイランド」、「王者のゲーム」に続くジョン・コーリーもの第3弾。お話としては「王者のゲーム」に続くお話なんだが、前を知っていればより楽しめるってレベルで、これ単体で読んでもそんなに困ることはないだろう。5年前の航空事故の真相を追いかけるうちになぜかいろんなところで見えない壁にぶち当たる主人公、そこには警察、FBI、CIA、そしてもっと上の何かの思惑が働いているのではないかと思わせていろんな波乱を予感させつつ、実は意外にお話自体は前二作に比べると地味になっちゃった印象。面白くないというのではなく、あえて派手なアクションを排したお話作りを作者が心がけているのかな、と感じられる。なにせお話の発端が1996年7月、で、お話がクライマックスに達するまでの期間を計算したときに、ああ、それをやりたかったのか、というのはまあある程度予想できちゃうわけで。
シリーズものって、シリーズが続くにつれて主人公の能力が下がっていく傾向があると思うんだが、こいつもそれに陥っている。軽口叩きつつ、実はFBIだのCIAだののエリートには思いつけない、現場での叩き上げの嗅覚の鋭さを持っているはずのジョンなんだが、本作ではそこら辺の魅力がかなり減ってしまっているような感じ。かわって持ち込まれているのが、"ヤマさん"的老練な刑事の地道な捜査っぷり。それも悪くはないんだが、普段要らんこと言いのスケベ中年が、実は経験と嗅覚で本質に迫っている、ってあたりにジョン・コーリーものの面白さがあったと思うんで、その辺の表現が上手くないのはちょっと不満、というかこの主人公、これじゃダメだろって気がしちゃうなあ。
普段は軽口で余裕見せてる割に、ちょっと情勢が悪くなるといきなり余裕なくしちゃったり、そもそも自分が置かれてる状況に対する自らの認識が、そりゃどうしても甘いだろあんた、と思えてしまって。なので盛り上がるべき終盤がどうにもヘタレ。いろいろ事情もあるだろう(この辺はまあ、1996+5、って何年で、その年に何があったかを考えてみてくださいとしか)けれど、上巻はそれなりにこちらを引き込む面白さにあふれてたのに、下巻に進むと、どうもあちこちでガタピシしたものを感じちゃって一気に興ざめ。それだけ例の事件はアメリカ人には重大なことだったんだろうとは思うけれど、エンタティンメントの世界に身を置く人が、それに必要以上に身を引かれてしまうのはやっぱりヤバいと思う。続きのお話も構想中らしいが、大丈夫かデミル、こんなノリをおっちゃん、もう一度味わいとぉは無いで。
(★★★)
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