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CS チャンネルNECOで「シベリア超特急」。1996年ウィズダム、監督・原作・脚本マイク水野、出演かたせ梨乃、菊地孝典、アガタ・モレシャン、水野晴郎。そこらじゅうで、さんざん言われてきた超カルト映画、恥ずかしながら(いや恥ずかしがらんでも)初見なわけですが、いやあこりゃなんといったらいいのか。とりあえず見る人は見てるだろうからネタバレありで行きますんでそこはよろしく。
んでね、いやもう水野大先生の考えはよーく判るんですよ。限られた予算の中で面白い映画を造りたい(つまらんものをこさえては沽券に関わる)。ふむ、良い前例があったではないか、あの名画を下敷きにすればよい。あとは低予算映画であることを逆手にとって、一種のメタ映画みたいな構造を作ってみてはどうだ。おお、オレって天才。
…で、できあがったのがこの映画だと思うんですよね。あちらこちらで酷評、というか一種のネタ扱いで大盛り上がり大会になるのもまあ判る(つかホントにひどいんだよね)けど、これが「『シベリア超特急殺人事件』殺人事件」であったとしたなら、これはこれで良いセン行ってるんだよなあ。
どうしようもない映画を造ってる現場で起きた殺人事件の秘密がフィードバックする戦争の悲劇、をテーマにしてみせたと見せかけて、さらにもう一段オチを用意する、つーあたりの持って行き方、さすがにたくさん映画を見てきたわけじゃあねえよなあ、って感じで。
ついでに。
水野晴郎って人が、こと映画に関しては実に真面目な考え方してるあたりものほの見えて、そこも好印象なんですよ。でたらめに貧乏なんだけど、真面目なことは真面目だよなあ、と。世間で言われているような怪作、と言うイメージは実はそれほど持たなかったですよ、ええ。
でも貧乏だけどな。それもすさまじく。
まるでセットのような(^^;)イルクーツク駅、まったく揺れない列車、走ってる列車の窓が開いてるのにそよ風しか吹いてこない客車の中、列車の屋根に登っても登場人物の服は全然バタつかない、まるで捕り物映画のようにするすると飛んでいくロープ。それも列車の進行方向に。そして水野晴郎の棒読み………
お話の方も凝りに凝った展開が災いして伏線なんだか不出来なんだか良くわからんシーンが続出、コンティニュイティもどこかおかしい。ええ、ひどい出来の映画なのは確かなんですよ。
ただわたし個人は、ここまで酷評ばっかり目にしてたんで覚悟して見てみたら、そないにひどいこと言わんでもー、と思っただけで、無理してまで見なくちゃいけないってほどのもんではないんで、そこら辺、誤解なきよう。
さて勢いに乗って「シベリア超特急2」も。同じくチャンネルNECOで。今回もネタバレ含みますよ。
2000年アルゴピクチャーズ、監督・原作マイク水野、出演淡島千景、草笛光子、光本幸子、二宮さよ子、寺島しのぶ、加茂さくら、中村福助、尾上松也、須藤温子、長門裕之、安井昌二、竹田高利(コント山口くんと竹田くん)、水野晴郎。あまりに豪華なメンツなので多めに表記してみました。すごいねこのキャスト。
さてキャストも立派なものだが、前作に比べてずいぶん使えるお金が増えちゃってうれしいな感が全編に漂ってて、なんか「良かったなあ」と思ってしまうあたりが我ながら妙だと思いますわ(w。
今回は列車を降りて暴風雨で孤立状態となった満州のホテルを舞台に起きた殺人事件を、今回も山下将軍が見事に解決する、お話。前作もそのオープニングあたりで「オリエント急行殺人事件」を、ものすごく貧乏に再現してみせたワケだけど、今回は一段と「オリエント…」の味わいを持ち込んできてますな。あまりにそっくりなんであれですよ、途中で「これは主人公以外全員犯人パターンじゃな」ってのがぷんぷんして来ちゃうわけですな。まあさらにもう一段、オチは用意されてるんだけど。
お金も増えた、前作の反省もある、水野さんは相変わらず映画に対しては真面目、と言うわけでこの映画、普通っぽさが前に出ちゃってて、残念ながらそこが欠点になっちゃってたりして。判る人には判るたとえですが、前作と比較したときに「デス様」と「デス様2」の様な関係であることだよなあ、とね(^^;)。一点、わたし個人は高く評価してるとこがあるんですが、これは次の話(続くんかい)で書くとして、全体としては真面目に作ったところは評価するけど、豪華キャストながら出来の悪い二時間ドラマ、にしかなってないなあ、と言うとこですな。
と言うわけで実は「3」もぶっ続けで見たんだけどね(^^;)………。
…というわけで。さらにチャンネルNECO、「シベリア超特急3」。2003年M&T、監督・原作マイク水野、出演三田佳子、宇津井健、内藤武敏、アガタ・モレシャン、西田和昭、水野晴郎。さらに使えるお金が増え、冒頭から空撮シーンはインサートされるわメインとなる舞台は(内航用とはいえ)クルーズ客船だわの大盤振る舞い。出演者も相変わらず豪華、監督マイク水野の手腕もさらに上達、安心して見れるサスペンスものになっている、が故に不満も大きい。いや、腐っても劇場用映画で、テレビの2時間ドラマに遜色のない出来のドラマを見せられてもお客はうれしくねーだろう、と、ね。このお話、2時間ドラマ風にタイトルを付けるなら、そうだな、「フラワーデザイナー森裕美の事件簿・瀬戸内豪華クルーズ客船殺人事件! 事件の鍵を握る60年前のシベリア超特急の事件とは? 封印された山下将軍の推理が蘇るとき、忘れられていた戦争の悲劇もまた…」てな感じになりますか。問題なのは2時間ドラマのクオリティってことなら充分に満たしてるんだけど、劇場用映画としての必要条件には足りてないってとこね。いや、列車はちゃんと揺れてるし(おい)、最初の作品から見たらその他の部分もずいぶんとグレードが上がっているんだけど、その反面一作目にあった破天荒ないたずら精神(があったとしての話、な)とか、そういう突き抜けた部分がなくなっちゃってしまったのだね。
そこら辺惜しいと思うし、出来が良くなったとはいえあくまでそれは凡百の水準作のレベルでしかない映画なワケで、一作目から連続でつき合ってなければ、とてもじゃないけど最後まで楽しめたものじゃない映画、とも言えるんですが、実は「2」もそうだったんだけど、水野大先生、意図があってそうやったのかどうかは知りようがないんだけど、実は自分の映画の中でかなりしっかりとしたボーイ・ミーツ・ガールもののお話をインサートしてくれてるわけでして、そういうのに弱いわたくしとしては、くだらねーと思いつつもどこかで点数の割引をやっちゃってたりするんですな。特に梨園のホープ、尾上松也と全日本国民的美少女コンテスト受賞者の須藤温子をフィーチャーした「2」のロマンスがすばらしい。「3」でも田中丈資と大塚ちひろをフィチャーした少年少女のロマンスがちょっと良くって、おおむねしょーもねえ映画なのに、わたしちょっと感動しちゃったりしたですよ。いや、普通に見てたらそこまで行かなかったんだろうけど、なんせ第一作目からぶっ続けで鑑賞しちゃったもんだから、どんどん感覚が麻痺しちゃってねえ(^^;)。
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●なんかもう、苦行僧の手記を読んでいるようです(笑)<br><br>●ともあれ、お疲れ様でした。ここで一発、その麻痺した感覚で「CASSHERN」をもう一度見て、レビューを…(殴)
む、CASSHERNをもう一度見るぐらいなら、まだ見ぬ(来年公開の)「シベリア超特急5」の方を見た方がよっぽどマシだぜ、と思ってしまうわたしって(^^;)………