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前にマシンが不調になったときに、理由はわからないけどPOPFileが壊れちゃって。理由は不明。で、いい機会だしと思って、しばらく鶴亀の迷惑メールフィルタのみでspamをはじいてみるテストをやってたんだけど、"迷惑ワード"と"信頼できるワード"をその都度教え込んでいく方式の鶴亀のフィルタだと、新手のspamが舞い込むたびに教え込ませる手間が膨大でやっとれんことが判明。一夜明けると数十の新手spamが舞い込むような状況では、手作業では追いつかないし、次の朝が来れば、また膨大な新手の迷惑ワードが舞い込むことは見えてるわけだし。古本屋やASAHIのもうひとつのアドレスは、まだしも(来る数は知れてるから)対処できるけど、乱土さん宛のメールではたまったもんじゃないや。ということでPOPFile復活。知らぬ間にバージョンが結構上がっておるな。
で、涙出るほど快適じゃん、やっぱり。ステキ。
便利で楽しいんだけど、検索文字列の一覧を任意に編集できたりするとさらに嬉しいんだけどな。NGワードに引っかかるような検索文字列は表示しない、みたいな。
だって検索ワードの一覧みたら、"レイプ画像"に"プリキュア 18禁"に"シュレック2 DVDコピー"に"拷問画像"に"18禁ガンダム"に"アスカ エロ画像 18禁"に"コピーガード解除方法"に"睡眠薬レイプ"に"高校生レイプ画像"ですよ。おいおいなんだよその"鬼若×アキ"って。これじゃまるでド外道のサイトじゃないか(違うのか)。
で、これがいったん検索文字列一覧に表示されて、今度はそれをまたサーチエンジンが拾うんで、際限なくなっちゃうんだな。ここをなんとかする方法はないものだろうか。リンク元もうちょっと強化プラグイン、を使いつつ、検索文字列は表示しない、とか言うオプションがあるような形でも良いと思うんだけど。他のtDiaryユーザーの方はどんな対策を取っておられるのであろうか。
クリストファー・プリースト 著/古沢嘉通 訳
カバーイラスト 七戸優
カバーデザイン 守先正+桐畑恭子
ハヤカワ文庫FT
ISBN4-15-020357-1 \940(税別)
19世紀末から20世紀の初頭にかけて、"瞬間移動"を自らの演目の最大の出し物に据えていた二人の天才的奇術師が居た。"ル・プロフェッスール・ド・ラ・マジ(奇術の大先生)"ことアルフレッド・ボーデンと"偉大なるダントン"ことルパート・エンジャ。イリュージョニストとしてのキャリアのごく早い段階から、何かと確執のあった二人の奇術師は、全く異なる方法で、常人の想像をはるかに絶する一大イリュージョンを完成させ、そして互いに相手のイリュージョンの秘密を探り出そうとさらなる確執を繰り広げていた。そしてそれは、二人と、彼らを取り巻く人々と、そしてさら100年あとの、彼らの子孫たちにまで、怪異で悲しい幾多のエピソードを産み出す元となるのだった…。
読むのにやたらと時間がかかってしまった。なにせ本書の割と早い段階で、登場人物の一人にして世紀の奇術師であるアルフレッド・ボーデンがこんな事を言うのですもの。
チン・リンフーには異常に執着した惑わしがあったが、この中国人奇術師に関する逸話をお読みになったからには、わたしにもわたしなりの惑わしがあるのだろうと正しく推測されよう。わが惑わしがわが人生を支配し、わたしが下す全ての判断を特徴づけ、わたしが行う全ての動きを規定している。この追想録を描き始めたいまですら、何を書いていいか、書いていけないかを規制している。さきほど、自分の方法を一見なにも持っていない手を示す行為になぞらえたが、実際には、ここの記述の全てが健康な男のよちよち歩きなのだ。
これは偉大なるイリュージョニストの物語。しかもそれを語るのもイリュージョニスト。イリュージョンのキモが観客にあらぬ方向へ注意を向けさせ、その隙に自分の望む結果を観客の前に出してみせる事であるとするならば、そういった技巧に長けた登場人物が語る事のどこに注意を払い、どんなウソに引っかからないようにすべきなのか、何を指針に読み進めていけばわたしはこの本をミスリードすることなく最後のページにまでたどり着けるのか、なんてな事をついつい考えてしまうものだから、簡単にはページをめくっていけないような気分になってしまうのだよね。
で、そんな過剰な警戒心プラス、それでなくてもそもそもプリーストという人の小説は妙に密度が高く、読むのに時間がかかる傾向があるものだから、思いのほか読了までに時間がかかってしまった訳ですが、
これは、すげえです。
近世魔術的(まあ、扱ってるのはマジックだしな)ファンタジーとして読むも良し、最後のヴィクトリア朝科学小説として読むも良し、奇術ミステリーとして読んでも…読めん事はないのではないか。一つのテーマがあったときに、語り手のスタンスが変わる事で同じストーリーが微妙に違ったものとしてこちらに伝えられる妙味、100年の時を隔てたキャラクターの語りによる、情報の意図された過剰さと物足りなさの対比、こちらに「これから騙すからね」と宣言しておいて、その後自分が騙されたのか、正しくお話のキモを掴んで読み進めているのか、ってあたりで読み手を常に不安にさせてしまうようなお話の作り方のうまさ、ミステリ的ハッタリとSF的ハッタリのせめぎ合い(なんたってSFサイドのハッタリのキイ・パースンは発明超人ニコラ・テスラなんである)、そして読後も残る微妙な「あれはどうなった」感。このあたりが実にこう、「うまい」のだな。ラストのやや突き放した不可解さ、というか唐突さも、「この本は徹頭徹尾『惑わし』がテーマになっているのだよな」ってところを思い返せば、それなりにいろいろな解釈が成り立つような気もするし(でもまあ、想像力が枯渇気味の私は、このラストには必ずしも納得はしてないけどね)。
いやいや、読むのに苦労はしましたが、苦労して読んだ甲斐のある一冊ではございました。恨みがあるとするならば私は(なにせ「スペース・マシン」なんて作品を残してるプリーストだもの)これを、ヴィクトリア朝科学小説のエッセンスをコアに据えたミステリSFとして楽しく読んだ、というかこのラスト近くの大ネタは、どう見たってSFのそれだと思うんだけど、でもまあなんだ、本としてはSFのレッテルを貼るよりは、ファンタシィであると言ってお店に並べる方が、今はお客の食いつきは良いのかも知れないな。もちろんファンタシィとしても非の打ち所のない作品ではあると思うけど、それでもやっぱり、こういうのはSFで出して欲しかったなあ。そしたら出た時点(2004年4月・初版)で買ってたのにさあ(^^;)。
(★★★★☆)
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