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ちと視察の用事があったこともあり、久しぶりにノートもって三宮に出てきてますよ。SAVOYでちょっと早めに昼飯食ったあとはVOICE出張所にこもってぶりぶりお仕事…のつもりがメールチェックすると、こういうときに限ってエリカ姫からの修正要望【至急】とかいうのがまぎれこんでたりしてなんだかな。
んまあそれでも家でさぼりさぼりやってるよりは、多少は能率上がるんじゃないだろうか。
でもオレ、仕事中ぶつぶつ独り言言っちゃうんだよな。隣のお客さん、ごめんなさい。
もうちょっと、がんばろー。
ポール・J・マコーリイ 著/嶋田洋一 訳
カバーイラスト 増田幹生
カバーデザイン 岩郷重力 + WONDER WORKZ.
ハヤカワ文庫SF
ISBN4-15-011544-3 \1000(税別)
21世紀初めのヨーロッパ。そこは気象の激変によって膨大な数のアジア、アフリカからの難民が流れ込み、さらにハイテクが引き起こした大事故、無節操に発達したナノテクノロジーが蔓延する魔界と化していた。そんな魔界でも最大級の街ロンドンに住む遺伝子ハッカー、アレックスは、当てにしていた取引がつぶされ、借金返済のあてを失ってしまう。そんなアレックスに金を貸した張本人、闇社会の顔役であるビリーは一つの仕事を持ちかけるのだが…
「4000億の星の群れ」がどうにもなんだかなー、だったマコーリイ。こちらはアーサー・C・クラーク賞、ジョン・W・キャンベル賞に輝く、まあハクの方は充分な一作。巽孝之氏が絶賛、ってあたりが少々不安なわけだが(^^;)。
お話のキモをなしているのはナノテクノロジーと遺伝子操作。この二つを使って、様々な亜人類、みたいなものがごろごろしている未来社会。そんな世界で自らも「作られた」存在である謎の少女が、亜種たちの女王として君臨できる世界を作ろうとする。主人公、アレックスはそんな彼女の行動に心ならずも手を貸してしまったばかりに、彼女が世界のどこかに建設していると思われる「フェアリィ・ランド」を追い求めていくのだが…、てな感じ。
で、前作に比べればあちらこちらがずいぶんマシにはなってきている。三部構成になっている本なのだけど、特に第一部はかなり良い。「テクノゴシックSF」とか言う括りがどういうものなのかは良くわからんが、なんというかな、全編に漂うジーター風味と、その中で語られる様々なSF的アイデア、は読んでて楽しい。魔界都市ロンドンの描写も悪くない。ただロンドン編が終わり、"マジック・キングダム"(それは微妙にフェアリィ・ランドではないところ。ちなみにベースは荒廃したパリのネズミ園だったりして)でのお話、それからさらに舞台がアルバニアに移るにつれて、ストーリーの見通しがどんどん悪くなっていくあたりが困りもの。それなりにつぎ込まれるSF的アイデア、新世紀の初めの方にもかかわらず、世紀末感たっぷりな世界の描写、そこに跳梁するフリークスたち、どれも単体ではそれなりに魅力的なのに、一つのお話になってみるとどうにもこう、要領を得ない、長いだけのお話が一本ある、という感じかな。
前作ではとにもかくにも「もどかしい」と感じっぱなしだったわけだが、本作は「見えてこない」感たっぷりの一作に仕上がってる、と言えるだろうか。マコーリイさん、「書きたいこと」がいっぱいあるものだからそれを全部ぶち込んだのは良いけれど、引き替えに「言いたいこと」をうまく言えないまま、お話を終えてしまったような印象がある。なかなかの分厚さ(680P)なんだが、体感する長さはそれ以上だな。あちこちかなり良いんだけど、んー、今回も残念賞ではないかしら。
ところでカバーイラストを見て「エウレカ?」と思ったあなた、案外正解かも、です。悪いエウレカ(そりゃアネモネか)を探し求めるさえないホランド(とタルホ)の冒険、と要約できなくもないですな。ダークっぷりは桁違いだけど。
(★★★☆)
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