ばむばんか惰隠洞

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2008-05-18 [長年日記]

[Day] どたばたどたばた (10:04)

金曜日にもらった古本の注文の内の一冊がどうしても見つからなくて。今、軽石庵はマンションの6畳間に本棚6本、大小の段ボール約50箱(多少部屋からは溢れてますが)で、約7400冊の在庫があるんだけど、おおむねどの本がどこら辺にあるのかは、自分ではほぼ把握してたつもりだったんだけど、たまに「あれはどこに入れたっけ」な本が出てくる事はあって、今回の1冊がまさにそんなブツ。二日にわたって倉庫番よろしくあっちの箱をこっちに移してがさごそ、こっちの箱をあっちに移してがさごそ、途中でイヤになってニコ動に逃避、また探索、途中でイヤになって少し仕事(ぉぃ)、の繰り返しだったんだけどいっかな発見できないまま二日経過。これは「ごめんなさい、在庫切れてました」メールかなあと思いながら、昨日は酒飲んで映画観て寝て、今朝、最後にダメモトでもう一度捜してみたら…

あったね(^^;)。

マーフィーの法則ってのは確かにあるわ。失せものは一番最初に捜したところに隠れている可能性が一番高いのね、はあ。

てことで今日はお出かけですよ。昨日の晩見てたのは、黒澤版「隠し砦の三悪人」。ええ、予習も済んだのでこれから樋口版を観に行ってまいります。

[Day] ミニオフ

B000ZZFZ50本日はTUX導師とミニオフ。お題は「隠し砦の三悪人」。映画については改めて書きますが、樋口真嗣が抱える最大の問題点は、何をやってもそこそこ出来ちゃうんだけど、できたものが皆同じ、ってところにあるんじゃないかと思ったです。まあ詳しくは酒を抜いてから書きますよ。

今回のオフのコースは、(かわり映えしないけど)インデアンカレー→茜屋→映画→で、屋上行く気満々だったのに野宴は第3日曜は定休日だわ、それ以外の屋上はまだ稼働してないわでオジサン二名少々おかんむり。結局いつもの通り天狗→釜山コースでビールとマッカリをぐびりぐびり。何だかんだで楽しかったのでまあいいですけど、次回は絶対屋上に行きたいぞ(ちなみに来週の土曜の野宴、雨降ったら満席だそうですぜTUX導師)。

久しぶりに音楽CDなんてものも買ってみた。神戸のCDショップじゃ見つからなくてね。「キミキス」のOP、「ひだまりスケッチ」のEDを歌ってるmarbleのフルアルバム、「虹色ハミング」。三番街のジョーシンでようやくゲットしたんだけど、よく考えたらこの手のCD、三宮でもアニメイトあたりに行けば簡単に買えるんじゃないかと今ごろになって思いついた。いやまあ、あそこはちょっと恥ずかしくて入りづらいんだけどもさ。

[Chinema] 隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS

劇場版パンフ スタッフ
監督:樋口真嗣
脚色:中島かずき
オリジナル脚本:菊島隆三、小国英雄、橋本忍、黒澤明
音楽:佐藤直紀
出演
坂野友香
松本潤
長澤まさみ
宮川大輔/甲本雅裕/黒瀬真奈美
生瀬勝久/古田新太/上川隆也
高嶋政宏/國村隼
椎名桔平
阿部寛
公式サイト:http://www.kakushi-toride.jp/

キャスト順には私情が大いに入っています

隣国山名の侵攻に、敢えなく秋月の国は落ちた。君主も討ち取られ、城には山名の兵たちが殺到する。だがその時すでに、もう一つの隣国、早川との同盟のための軍資金、金100貫と今やただ一人の跡取りとなった雪姫の姿は城内にはなかった。直ちに雪姫と軍資金の探索を開始する山名勢だったが……。黒澤明の痛快時代劇のリメイク。

前と同じ脚本使ったからってリメイクが上手くいくとは限らないのは織田さんが証明してくれているんで、そこを大きく変えてくることは別に悪いことじゃない。オリジナルは多分、短気な現代の観客からしたら少々冗長に感じられる部分も無いとは言えないと思うし、そこを少し整理することで、展開がスピーディーになるならそれも良いだろう。オリジナルの冒頭部分をかなりカットして、いきなり崩壊した秋月のお城からお話を始めたあたりで、「ああ、そうくるのね」と思ったけれど、まあそれもありか、的に話は追っていける。問題なのはオリジナルから変更を加えたり追加したパートが、ことごとくつまらん、ってあたりではなかろうか。

オリジナルはまことにシンプルに、お家再興を目指すお姫様が、その目的の達成のための第一段階である同盟国への脱出行を成功させられるか、ってところに絞られているんだが、リメイク版ではその目的以外に、悪の親玉は倒さなくちゃいけないわ、サムライの手前勝手な都合で虐げられる民衆に思いをいたさなくてはならないわ、若手の美男美女が主役なんだから、恋愛成分のひとつも追加しなくちゃいけなくなっちゃったとか、いろいろやらなきゃいけないことが増えてしまい、それを律儀に全部入れるもんだから、オリジナルとは違った冗長さが生まれてしまったように思う。結果、2時間にわずかに足りないはずの映画が、どう見ても体感時間が2時間オーバーに思えるものになってしまっていた。よかれと思って足したものがことごとく、いらない要素だったって言うことだろうか。

絵造りも役者のお芝居も、単品の要素としてみたら間違ったことは何も(いや、ほとんど、ぐらいにしておこうか)やっていない。オリジナルに比べてはるかに進歩した音響効果も良い感じなんだけど、で、もっと言うなら一本の映画として見たときにも実はそんなに大きく"外して"はいないモノが出来ていたと思う。ぶっちゃけこれはこれで楽しめるんだ。お正月になんの気なしにテレビのスイッチつけたらやってた3時間スペシャル、だったら。でも、「隠し砦の三悪人」を名乗って、お客からお金を取って見ていただくとしたら、これは少々オリジナルに失礼なような気はしないでもない。

この映画は"三悪人"のお話であるはずなのだけれどね。オリジナルの三悪人は、二人の小悪党と一人の悪鬼だったはずなんだが、リメイク版の三人は虐げられてきた怒ってる若造とただのバカと忠義バカで、そもそも"悪人"がいない。オリジナルの三悪人のそれぞれの"悪"っぷりが鮮やかだから、お話に適度の緊張とユーモアが生まれ、それがラストの、言いようもない爽快感をうむ原動力になっていたと思うんだけどな。

あちこちで言われてるとおり、この作品はオリジナル作品を元にして、かつオリジナルから少なからぬインスピレーションを得た、SWNHにも色気を見せた作品になっているんだけれど、リメイク版を見た限りでは、「隠し砦の三悪人」のリメイクではなく、「スター・ウォーズ」にインスパイアされて時代劇作ってみました、で売った方が良かったんじゃないのかね、とさえ思えてしまう。詰まるところオリジナルへの敬意が感じられないんだ。これは「日本沈没」でも感じたんだけれど、樋口真嗣という人は、オリジナルを大好きなんだけど、尊敬していない、というか敬意の払い方が分からない人物なんじゃないだろうか。好きなものを面白がって、「なあ、こんな面白いものがあるんだぜ」的な表現は出来るんだけど、「なあ、こんなにすごいものがあったんだぜ」を伝えられない人、というか。

だって、ね、樋口さん…

「裏切り御免」のその使い方にOKを出したあんたは、ホントにそれで良いと思ったのかい? それで良いと思ったのなら、あんたは特技監督以上のことをしちゃダメだ。藤田進が「裏切り御免!」と言い放つシーンは、オリジナルで最高に気持ちが高揚するシーンなんだぜ。他にお客がいなかったら、ハン・ソロばりに「いぃぃぃーやっほぉう!」ぐらいかけ声かけたくなるシーンでのセリフなんだぜ? その新たな使い方があれで、それがなにか新鮮だと思ってるなら、あなたに本編の監督をする資格はないと思う。私は樋口真嗣が作る"絵"はものすごく好きなんだが、いまだに樋口真嗣の"映画"を絶賛できないでいる。この気持ちを裏切ってくださいよ、樋口さん。ファンからのお願いなんです、これ。

まあね、久しぶりに平成ガメラシリーズのヒロイン(え?)、雪乃に会えたのは嬉しかったんだけどさ。

(★★☆)

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]
TUX (2008-05-20 00:21)

●ああそうか、この煮え切らない思いは「どこにも悪人がいねえじゃん」ということだったのですね(笑)深く納得。<br><br>●あと少なくともヒロインはちゃんとお芝居をできる人にしてください(爆)

rover (2008-05-20 00:28)

小悪党(というか千秋実と藤原釜足)の存在感が圧倒的なんですよね、オリジナルは。最近の日本映画、ワキの人材不足が不足かもしれんですね。<br><br>で、ヒロインは雪乃にやってもらえば何の問題もなかったに決まってまさあ(w。

TUX (2008-05-20 01:22)

●人材不足、というよりは、ちょいとばかりご面相がいいだけのジャリタレを擁する阿呆プロダクションが妙に力を付けすぎて、本当に演技ができる人にちゃんと仕事が回ってない、ってコトのような気がします(苦笑)<br><br>●雪乃の件については完全同意(阿呆)

taoy@笹塚 (2008-05-20 06:06)

「日本沈没」レベルを覚悟して見に行ったので、「隠し砦の三悪人」は期待以上でした。<br>まぁキャストについては阿倍寛(なかなか良かった)以外はあんなもんでしょう。<br>もぅね、樋口さんに「お話」を期待するのは無駄ですよね。恋愛成分が邪魔になるテーマを選んでおいて無理矢理そこを中心に据えようとする時点でダメダメでしょ。<br><br>これを見て、オリジナルを見る人が一人でも増えればそれで良し、です。


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