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いやまあここのところ、なんの気なしに「ゼーガペイン」を見直してるところなので(w。
つことでこれから堺行き。早めに出て街の本屋さんにて買い漏らしてる本をいろいろ補給しなくては。
ツアーと言いつつ堺だけですが。今回は割とよく働いた感じ。しかもちゃんと成果が出るという、なかなかに珍しい出張ではあったかも。
仕事はともかく今日は土曜日、しかも神戸じゃルミナリエ開催中ってことで、帰りの電車の混み具合がいつも以上だったな。阪神なんば線を利用して、なんばから三宮まで戻ったんだけど、なんばでおばちゃんが二人ほどルミナリエの話をしながら乗り込み、尼崎で二家族ほど、で西宮でどかんと満員に。ご家族様が多く、ほぼ満員電車状態、で、妙に暖房効いてるのでお子様たちのご機嫌がよろしくなく、電車の中は大変賑やかでございました。
ま、ちっちゃい子供のやることはだいたい我慢しますけどただ一人、いきなり大声で「ねがてぃぶはーとに、ろっくおん!!」と叫んだ男児がいて、そいつだけはちょっと蹴ったろかと思た。
さすがにこう寒くなってくると、立ち呑みのメニューもヌル澗にどて焼き、つーのがええ感じでございますね(w。
鷹見一幸 著/野田昌宏 原案
カバーイラスト 鷲尾直広
カバーデザイン 岩郷重力 + WONDER WORKZ。
ハヤカワ文庫JA
ISBN978-4-15-030974-9 \680(税別)
派遣艦隊による幾たびかの制圧作戦を、その都度巧妙な作戦と積み重ねてきた準備で退けて来た<蒼橋>星系。だが何度かの侵攻作戦の失敗ののち、<紅天>側はついに全艦隊による全面戦争という最後通牒を突きつけてきた。事ここに至り、"平和維持"の名目で派遣されてきた連邦宇宙軍艦隊は撤退を余儀なくされる。だが、撤退を決めた連邦宇宙軍の動きを見ながら、それに対する<紅天>側の動きにはどこか不可解な物があった……。
「銀河乞食軍団」前史、第三弾。ここに来てようやく著者、鷹見さんが本当に書きたかったSFの姿みたいな物、というか、野田さんとのスタイルの違いみたいなものがかなり前に出てきたかもしれない。
高千穂遙だったかな、昔懐かし「SFファンタジア マンガ編」で小沢さとると松本零士(当時は晟、でしたか)の潜水艦マンガを、将棋の盤面を丹念に追うのが小沢さとる、棋士の表情を読み取ろうとするのが松本零士、みたいなことを書いてたような記憶があるんだが、その伝で行くと鷹見さんは小沢さとる、野田さんは松本零士の方法論でスペースオペラを書いてるってことになるのかな。キャラクターに対する興味が尽きないのが野田さん、キャラクターが動く世界やシステムにどんどん突っ込んでいくのが鷹見さんという感じがする。
そんな鷹見さんの興味が炸裂しているのが、本書のかなり多くを占める緻密でド派手な艦隊戦の描写。「彷徨える艦隊」に大喜びな解説を書いてくれた鷹見さん、こちら方面がとてもお好きなんだろう、非常に念の入った描写で読み応えもたっぷり。ある意味(『彷徨える艦隊』の)ジャック・キャンベルに対しての日本人作家からの一つの返答みたいな物になっている、で、そこの所の出来はかなり良い。風と海流が戦いの多くの部分に影響を与える帆船モノの縛りみたいな物を、宇宙空間での速度とシステムの得失に置き換えて、お話のスパイスとして上手に機能させてくれている。細かいところでは登場する宇宙艦のネーミングのセンスなんかも楽しくて、元ネタを想像する楽しみなんかも提供してくれてるあたりのサービス精神もポイント高い。"チェアマン級の「ゴードン」「ドニファン」"とか、ちょっとニヤリとしてしまいますわな。
そんな帆船系海洋冒険小説のテイストをうまく噛み砕いてスペースオペラの艦隊戦に活かしつつ、野田昌宏的キャラクタの面白さをうまく絡めて、独特の面白さを持った作品に仕上がっていると思う。ただ、本書に限っては構成的に若干畳み方をミスったというか、クライマックスの持って来かたはそこで良いのか、ってところに少々引っかかりがあってそこが残念。やや慌ててお話を終わらせてしまった感が残ってしまうのだな。
そこの所が惜しかったんだけど、変に「乞食軍団」に縛られず、そこを踏まえつつ自由に著者自身の世界観を作り上げていると言うところに好感が持てる。勝手に三部作だと思ってたんだけどそういうわけでもなく、まだしばらく続くみたいで、楽しい物語が長く続ことはいいことだ。続きも楽しみです。
★★★☆
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