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正式にASAHI-NETの方の「Sぱらインターネット分室」は閉じる事にします。思えばサイト開いたのが1996年の2月。よくまあ続いたもんだ、と言うかまだ続くけど。とりあえずASAHI-NETに置いてたコンテンツはぜんぶGIGAの方に持ってきてますんで、再利用の方法もいろいろ考えてますが、とりあえずは日記メインで行くような方向で。
「基礎知識」に書いたネタとか、データベース化できたら面白いんだろうけどね。
オースン・スコット・カード 著/小尾芙紗 訳
カバーイラスト 影山徹
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫SF
ISBN4-15-011453-6 \780(税別)
ISBN4-15-011454-4 \820(税別)
気ままにゲームを作っていれば、それで充分暮らしていけると思っていた。しかしそれは甘い考えだった。気がつけばバブルは弾け、ステップにはまだ完了していない家のローンと妻、ディアンヌのお腹の中の、これから世に出てくる4人目の子供が残るだけ。ようやく探し当てた新しい仕事はノースカロライナ州ストゥベンのコンピュータ・ソフトハウス。ただし仕事の内容はゲームデザインではなくマニュアルの作成。釈然としない物もあるけれど、家族を守って行くためにはやむを得ない。そうしてステップと彼の家族は小さな南部の街にやってきた。勝手の違う南部人の流儀と、そして不可解な少年たちの連続失踪事件が澱のようによどむこの街に……。
「本の雑誌」、1990年代のベスト100冊で見事1位に輝いたカードの自伝的長編。敬虔なモルモン教徒であるステップ夫妻とその子供たちが、引っ越し先で出会う大小さまざまなエピソードを丹念に綴り、その中で区切り区切りにやってくるちょっとしたホラー風味と、少年失踪の謎がラストで一気にまとまり、衝撃的な事実が明らかにされる、と言うような話。自身が敬虔なモルモン教徒であるカードの作品には、しばしばこっちが読んでいて「そんなに神様っていいですか?」と聞きたい気分にさせられてしまう時があるのだけど、この作品にもそういうところがある。親が熱心に神様を信じるのは結構だけど、その教義を子供にも懇々と説くというのはどうかなあ、全ての物事を神様で説明つけてしまうっていうのはどうかなあ、と私などは思ってしまうわけ。それはそれで、拠り所になる強固な物が子供にも形成されるというメリットもあるのかも知れないけれど、そうやって小さなうちから特定の信仰を植え付けられて育つ、というのはどう考えてもマズい、というかだからアメリカってああいう国になるのか、なんて風にも思えてね。
本書ではその、一枚岩で、かつ慈悲に満ちたものであるべき信仰の中にも困った人間はいる、というような描写もあり、一方的なモルモン教マンセー小説になってはいないところは評価できるんだけど、やっぱりあれです、薄気味悪い世界です、これは、私にとっては。
その、信仰がこっちに伝えてくる薄気味悪さの部分を除けば、お話としては実に丁寧に作られた、哀しみを内に秘めたホラー風味のミステリとしてかなりいい。ただ、哀しみは充分だけどミステリとしては、案外簡単に底は見えてしまうかも。ついでにいうと、しつこいぐらいに繰り返し書き込まれる日常のいくつかのエピソードが、どれも微妙にツッコミが浅いようにも思う。たとえば(読んだ人じゃないと判らないと思うけど)グラスにまつわるエピソードはばっさり捨てて、その分リーに関する話を突っ込んで描いた方が良かったんじゃないか、とかそういう感じ。「長すぎる」と言う評価をあちこちで見ましたが、長すぎるんじゃなく、これだけ長くしても描ききってないエピソードが結構あるあたりで、読後感としては「長すぎる」、と感じられる物になってしまったんじゃないのかな、とは思った。
ラストのインパクトは充分なんだけどね。でもなんとなく、背筋にぞわっと来る、って所までは行かなかったかなあ、というところ。終盤に登場する刑事、ダグラスがなかなかいい味だしてました。彼にももう少し活躍して欲しかったな。
そうそう、どうでもいい事かも知れないけど、これ、ハヤカワSFでいいの? NVのほうがふさわしいんじゃないかしらね。まあ微妙にSFくさいところも無くはないんだけど。
(★★★☆)
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移転お疲れ様でした。あ、基礎知識の復活きぼー。(無責任)
こんばんわ、<br><br>基礎知識の大ファンでした。<br>基礎知識のデーターべース化、お願いします。<br>もちろん乱土さんの日記も大好きです、<br><br>乱土さんはわたしにとってサイトの神様、緊張してます。
うむ、ごっそり移転してますので今でも見るだけなら見れるんですけどね。できたらもうちょっと芸のあるところを見せたいなあ、と。で、芸がないから困ってるわけです。とほほ。
うわあ、なんかこっちがこっぱずかしくなるようなお褒めをいただき恐縮です>YASUさん なんとか前のコンテンツも再利用する方法を考えますんで、どうか気長におつきあいくださいm(_ _;)m