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2005-08-15 [長年日記]

[Books] テロ資金根絶作戦 (23:41)

テロ資金根絶作戦 (ハヤカワ文庫NV)(クリス・ライアン/伏見 威蕃) クリス・ライアン 著/伏見威蕃 訳
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫NV
ISBN4-15-041088-7 \903(税別)

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50万ドルの借金があった。自分にその能力があると勘違いして手を出した相場の世界。だがそれはあくまでパートナーの手腕のおかげだったということに気づいておくべきだった。俺は只の兵士なのだ。SASの、かなり優秀な兵士でしかなく、その才能は戦場でしか発揮できない。それ以外のことはからきしなのだ。そうしてマット・ブラウニングは巨額の借金を抱え込み、間近に控えていた結婚にも自ら赤信号をともさざるを得なかった。そんな彼の前にあらわれた謎の美女アリソン。MI5の幹部職員である彼女からマットが持ちかけられたのは、完全に非公式だが一応は国家の安全保障に関する秘密作戦への参加。それは一種のマネー・ロンダリングの目的で黄金や宝石に換えられ、密輸船に保管されるアルカイダの秘密の軍資金の強奪だった。アルカイダにダメージを与えることが目的のこの作戦で、財宝そのものにはなんの必要性もない。マットたちの取り分はこの財宝。それは闇ルートでさばいても1000万ドルになろうという物だった。様々な理由で金に困った5人のチームが編成され、秘密作戦は開始されるのだが…。

クリス・ライアンのSAS兵士モノ最新作。今回は現役SAS兵士ではなく、現役を退き、民間人となっていながら、のっぴきならない理由でふたたび兵士として立たざるを得ない羽目になる、ってお話で、まあこの手の冒険小説では良くあるパターン。ただ、完全にSASを離れ、一匹狼として戦う主人公、ってのをライアンが描くのはこれが初めてかも。別の組織にスカウトされる話、とかはあったんだけどね。

本書でもちらりと触れられているとおり、極限まで鍛えられた兵士、というのは戦場では何物にも代え難い存在である反面、いきなり市井に放り出されてしまったらなかなかどうして、まっとうな生活なんか営めやしないわけで、そういう、「鍛えすぎた」人達の悲哀、みたいなモノは実際にSASの兵士として戦った経験のあるライアンやマクナブの作品の行間からは、しばしばしみじみと滲み出ているところがあってちょっと興味深い。国のために戦った兵士なんだからもうちょっとなんとかしてやってよ、という無言の抗議みたいなモノが感じ取れたりして。猛士の人達は大丈夫なんでしょうか(^^;)。

クリス・ライアンは一作ごとに小説がうまくなってきているな、と思わせる作家で、その辺の成長ぶり(なんたって元はばりばりの特殊部隊の兵隊さんだったヒトなんだから、ってまあSASには『画家のライフル』師団なんて部隊もあったりして、それなりに芸術とも縁遠いわけでもないのかも知れないけど)を見ていくのも楽しいのだけど、本作では伏線の張り方とキャラクタの心理描写、特に一人の人間の心理がいろいろな経験を経て移り変わっていくあたりの描写にかなりの冴えがあると思わせられた。まあこの手の小説の「お約束」を踏襲している(途中で何度本作の登場人物たちに『もうちょっと謀略モノの冒険小説読んでおけよ、おまいらは』と思わされたことでしょう)のだけれど、「お約束」を「お約束」として楽しく読ませてくれるのならば、それはそれで作家の力量であるのだから、これもまあいいか、というところか。最強の兵士であることが最強の裏社会の住人には直結しない、ということで、優れた兵士であってもその本質は案外ナイーブな(迂闊な、とも言える)モノなのだ、という事なんでしょう。それだけにチームに加わる5人のうちの2人が、純粋の兵士ではないギャング(しかもホモ)とSASの宿敵である、元PIRAの活動家であるってあたりはスパイスが効いていてうまいと思った。この二人のキャラクタの造形もかなり良い。シリーズ化されてる作品なので、是非続編にも出てきて欲しい。特に元PIRAのアイヴァンは魅力的。弄りすぎてショーン・ディロンみたいにはなって欲しくないけどね。

元SAS兵士としての体験がばっちり小説に反映されたような作品、とは言えない(クライマックスのそれはSAS出身の主人公としてどうなのよ、と思ってしまうものな)けれども、エンターティンメントとしてはそんなに悪くない作品ではあると思う。ただ、この手の小説読んでる向きには多くの伏線はミエミエなんで、その辺はまあこんなモンでしょと割り切って読まないといけないし、邦題のセンスの無さには頭を抱えてしまうんだけど。ライアン作品なんだから、漢字四文字でなんとかしてあげても良かったのじゃないかな、「偽装作戦」とかなんとか、そんなニュアンスで。

(★★☆)

[Day] 終戦とか敗戦とか靖国とか (23:56)

どうしてもwebではプチ右翼というかプチ保守的な物言いの方が声が大きいようなので困ってしまう。サヨ、とひとくくりにされてしまってはたまらんのよ。まっとうな抵抗勢力が存在しない政局ってのはかなりマズいのよ、と思ったりするわけで。

かつての戦争を美化するのには反対。というかあの戦争に美しいところなんか一つもなかったと思う。勝ちゃんの日記で触れられている東条英機の宣誓供述をわたしゃ読んでないのであまり突っ込んだ話は出来ないのだが、勝ちゃんが言うような我が国がいかに米英に恐喝され包囲されていったか。背後には支那民族の狡猾があったかも知れないことは否定しない。その上でやむにやまれぬ最後の手段が戦争であった、事も完全には否定しない。

だがな、やるなら勝て。

ゲームにだってラスボスはあるのだ。コイツを倒せばゲームクリア、という目標があり、その最終目標のためにプレイヤーは戦略を練るのだろ? この前の戦争のどこに勝つための戦略があったのだろう。もうあとは戦争しかないから戦争しましょう、で戦争に突っ込んでしまったとしか思えない。ここまでやったら勝ち、これが出来なかったら負け、という勝利条件の認識が全くないまま戦争に突っ込んだ国の指導者を立派な人物として評価するのは間違っている。勝つための戦略を打ち出せないのもマズいが、よりよい負け方を見つけられないまま、ずるずると不要な犠牲を出し続けたという一点においても、彼らが戦争犯罪人であることは間違いないだろう。本来彼らは靖国に祀られている兵隊さんだった日本の国民に、「負けてしまってごめんなさい」と謝らなければいけない立場だと思うのだが。

東條にしろ阿南にしろ、人物としては「立派」な人だったのだろうと思う。でも「有能」ではなかった。「立派だが無能」な人々が昭和の一時期の日本を支配していたという事をちゃんと見直さなくてはいかんのではないだろうか。ちなみにこの「立派だが無能」な人々というのは、今の日本の政局においてもそれなりの影響力を持った存在として生き残ってる訳だが。

いくら吼えたって負けたらおしまい。日本は負けたのよね、完膚無きまでに。そこをちゃんと徹底すべきだと思うんだがなあ。しかも負けるべくして負けたわけでしょう。そんなくだらん戦争で多くの人の命を無駄に消費した責任は誰かが負わなければいけないと思う。「一億総懺悔」とかいう、聞き心地は良いけどあんまり意味のない言葉は別にして。

東京裁判は確かに欺瞞に満ちたもんであったかも知れないが、それに異議を唱える資格は日本にはない。だって戦争始めて負けたんだもの。悔しかったら勝って見せろ、ということだと思う。勝てなかったらそれまでの麗しい言葉の数々は只のウソだ。そんなウソのために亡くなった方が大勢いたのがこの前の戦争だ。我々はこの前の戦争で亡くなった方に、いろんなところで謝らなければならない。無駄死にさせてしまってすみませんでした、おかげで今、私たちは生かされています、と。

私は小泉首相の靖国参拝に反対しません。支持はしないけど行きたいなら行けばよろしい。ただ、靖国神社の本質はミカドのために戦って命を落とした方のための神社である、ということを踏まえた(だって戊辰戦争での東北各藩の戦死者は祀られてないんだから)上で、それを含めて自分がなぜ靖国に参拝するのかを説明できるのなら。それが出来ないなら、敢えて中韓に反感を起こさせ、返す刀で自分のキレのいい政治方針を国民にアピールするための政治的ポーズである、といういくつかのマスコミの論調もあながち根拠のない話ではないよな、とも思っちゃうわけですけど。

むう、支離滅裂になってしまったなあ。


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