ばむばんか惰隠洞

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2004-07-07 [長年日記]

[Day] 毎日暑いなあ

寝苦しい→酒多めに呑む→朝、暑くて早い時間に目が醒める→酒残っててしんどい…の悪循環な日々。この状態で神戸背取り旅なんぞに出かけると、いつもの立ち呑みにたどり着く頃には、暑さと本の重さでちょっとした酸欠状態だよ。んでそこでぷはーっとやって家に帰るとさすがに疲れが出て椅子に座ってうたた寝状態。そして一日が過ぎていく。ああ。

エアコンなしの夏も3年目なんですが、今年は例年になく蒸し暑くてかなわんなあ。

[Books] 未来少女アリス

本書カバー ジェフ・ヌーン 著/風間賢二 訳
カバーイラスト 福田さかえ
カバーデザイン 守先正+桐畑恭子
ハヤカワ文庫FT
ISBN4-15-020366-0 \660(税別)

なぞなぞしか喋らないヘンなオウム、ホッパーウィルの口車に乗って、つい鳥かごの扉を開けてしまったアリス。たちまちかごを飛び出すホッパーウィル。あわてて追いかけるアリスが、ホッパーウィルを追いかけてもぐり込んだ大時計、気がついたら周りの風景は時計の中とは思えない物に様変わりして……… そしてアリスは1998年のマンチェスターにやってきていたのでした。しかもこのマンチェスター、やっぱりなんだか様子が違う世界で………。

有効成分配合で、お口に深く突っ込むとえもいわれぬトリップ感に浸って頂ける驚異のドラッグ、"ヴァート"をめぐる2編の小説、「ヴァート」、「花粉戦争」以来久々のジェフ・ヌーン作品。'93年の「ヴァート」、'95年の「花粉戦争」、んで本作は'96年の作品。「ヴァート」なんかで感じた悪趣味ぶりを引きずりつつ、モノが「アリス」だけにさまざまな言葉遊び(訳者さんは大変だったろうなあ、これ)と不条理な展開を詰め込んだ作品、になっている。ついでにしゃあしゃあと"ヴァート"も登場させちゃってるし。まあなんですな、賑やかしくてでたらめなところはそこそこ楽しめるけど、やっぱこれを心底オモシロがるには、原語で読みこなす力ないと難しいのかも判らんなぁ、と。

で、書くこと無くなっちゃったよ。しょうがないから昔JPHにあげた「ヴァート」と「花粉戦争」の感想など転載してお茶を濁しちゃおう。

「ヴァート」
  ジェフ・ヌーン  著/田中一江  訳
  ハヤカワSF文庫    ISBN4-15-011126-X  \700
 
      全く新しいドラッグ、ヴァート。色とりどりの羽を喉に深く差し入れて
    幻想世界へとトリップする。色ごとに効能が違うこの麻薬のうち、もっと
    もスリリングなものが黄色い羽。
 
      かつて最愛の妹と黄羽によるバッドトリップで別れ別れになってしまっ
    たスクリブルは、ヴァート仲間とともに妹、デズデモナを探し求めるのだ
    が・・・・。
 
      初出は1993年。近親相姦、ドラッグによるトリップ、狂暴なストリート
    キッズたちと過度の整形の結果、亜種人間のようになってしまったフリー
    クたち・・・・。どっちかというと70年代から80年代にかけて流行した、サイ
    ケ、パンク、ニューウエーブのムーブメントをいっしょくたにしたような
    作品、てのは乱暴すぎるかしらん。僕は斬新、っていうよりなんだかちょ
    っと懐かしいような気恥ずかしさを感じながら読んだのでした。
 
      刊行されたときに「90年代の『時計仕掛けのオレンジ』」って絶賛され
    た、ってことだけど、オレもそう思う。でもここでやってる事は「時計仕
    掛けのオレンジ」でも大概は経験できるわけで、唯一主人公のお兄ちゃん
    がもひとつぱっとしないあたりがイマふうといえば言えるか(^^;)。
 
      どうもこの傾向の作品って、刊行されてから2年もすると現実的な予想
    の方が先にいっちゃって、結果古臭いものに感じられちゃう、って傾向が
    あるのかもしれない。SF作家にとってもしんどい時代なのかも知れないな
    (苦笑)。
「花粉戦争」
  ジェフ・ヌーン 著/田中一江 訳
  ハヤカワSF文庫
  ISBN4-15-011199-5  \860
 
       ディープスロートすることでトリップする全く新しい羽型のドラッ
     グ、 「ヴァート」を題材にした「ヴァート」に続くジェフ・ヌーンの本
     邦第二作目。 今回も前作同様、トリップする羽、ヴァートが重要な位置
     を占める、サイケでキッチュでエロティック、ことば悪いけど、 言って
     見れば壮大な悪趣味小説(^^;)。
 
       著者のジェフ・ヌーンさんは英国の方。 そう言われるとこう、なんと
     いうかパンクだのモッズだのといった、 ひっじょーにアナーキーな若者
     文化に近いところにいる作家らしい作品で、 破壊的である、ということ
     ば一つをとって見てもアメリカとイギリスじゃあ違うんだなあ、 と感じ
     させてくれる作品。
 
       いってみればアメリカの破壊的、 ってのはスペクタクルな破壊である
     のに対して、英国的な破壊というのはもっとこう内面に向かう、 じわー
     っとしたもののようです。
 
       あまりネタばらしになるような事は避けたいのでアレですが、 今回の
     作品のテーマの一つは新たなセックスに関すること。最初に悪趣味、 っ
     て言ったのはこの辺に絡んでくるんですが、   これはかなりキてますね
     (^^;)。
 
       とにかく強烈なイメージの中で進んでいくちょっとセンチなお話、 っ
     て感じですか。強烈な一作。かなり読む価値あるかもしれない(^o^)

"エッジ"なモノにぶち当たると、なんと感想書いたらいいのか判らなくなっておろおろするのは昔からなんだなあ>オレ(^^;)

(★★☆)


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