ばむばんか惰隠洞

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2004-07-01 [長年日記]

[Day] お出かけ

週に一度は背取り旅しよう、と思いながらなかなかタイミング取れないんだけど、今日は仕事も一段落してるし、いっちょ行ってみるべえ、と。で、木曜日はあちこちの古本屋さんがお休みだぞ、と。古本よりも新刊物の本にお金を使ってしまった(つoT)。

というわけでいつもよりずいぶん速く新開地にたどり着いてしまったので、何の気なしにパチンコなどしてみる。京楽の「お竜さん」ちう羽根モノ。あっちゅう間に2000円持ってかれて、退却かのうと思ったあたりから地味ーに入り始めて、結局3時間ぐらい遊ぶ羽目に。気がついたら終了してますた。16000円ゲットだぜ。それにしても最近のパチンコ屋の店員って、応対が丁寧になっとるねえ。「お客様、そこで終了とさせて頂きます」とか言われたら、なんか背筋がぞわっとしますわ。やっぱオレは「にーちゃん、終了やでぇ、手ぇ離してやー」の方がしっくり来るなあ。

それはともかく。

小泉くん三宮に来てたのか。一目見とけば良かったな。

[Books] 復活の地 Ⅰ

本書カバー 小川一水 著
カバーイラスト 前嶋重機
カバーデザイン 岩郷重力 + WONDER WORKZ。
ハヤカワ文庫JA
ISBN4-15-030761-X \720(税別)

人類が故郷である地球を捨て、さまざまな惑星に移住し、独自の文明を発展させた時代。移民とそれに続く各星系ごとの軋轢などから、各星系の文明はいったんやや後退し、各星系がそれぞれ、ごく細い通商路のみで繋がれた緩やかな孤立状態にあった。そんな星系でも辺境に位置する惑星レンカ。強大な陸軍の力で複数の種族を併呑し、表向きはレンカ帝国の元、ようやく統一なったかに思えたこの惑星を突然の惨劇が見舞う。首都直下の超巨大地震。国を挙げての祭事の最中、しかも夕刻に発生した巨大地震は、王宮、議事堂を廃墟と化し、そこに集う王族と議員たちの大半の命を奪い取り、国家はその中枢を一瞬にして失ってしまう。危うく難を逃れた殖民地総督付き文官セイオは、亡き総督の遺志を継ぎ、崩壊した帝国の復興に立ち向かうが…

ガテン系SFの第一人者、小川一水最新作。「第六大陸」(12)では民間企業がなにもないところにとんでもない建造物を建てる、という「プロジェクトX」もかくや、という大ネタをかましてくれた著者が、今度は一度あったモノをむちゃくちゃに壊してしまって、そこからの再建プロジェクトに挑む人々を描いていく。全3巻の1冊目は、突然の災害の引き起こした惨劇と、そこからの復興を目指してバラバラに動き始める人々が、少しづつながらも共通の目的のために「組織」として集結しつつあるところまでを、人類が地球を離れたあとの経緯の説明なども織り交ぜて語る。

私「第六大陸」しか読んでないんであれですが、少なくともその限りに置いてはいかにもこの著者らしく、基本的に悪人が出てこなかったり、お話のテーマをひとつのプロジェクトに据えたときに必要なモノは何なのか、目的の達成に何が必要なのか、障害となるのは何なのか、あたりを明確にしてきてるあたりは好感が持てる。早い話が、東京で大地震が発生して皇居も議事堂も完全に破壊されてしまった、さあどうする、ってお話なワケだ。で、この困難極まるプロジェクトに、やや謎を秘めてはいるが実行力抜群の若い文官、王族としては継承権の関係で閑地に飛ばされていた王女、新設故に冷や飯ぐらいに甘んじている天軍(宇宙軍ですな)の軍人たち、強大だがその裏にさまざまな権謀術数うごめく陸軍の軍人たち、かろうじて難を逃れた野心に燃える政治家、そしてさまざまな姿勢の人々が入り乱れることになる、んでしょう、この先。「銀河帝国の興亡」で言うところの「風雲編」って感じですか。まずは期待を裏切らない面白さ。でも「第六大陸」ほどにはのめり込めないところもある。

個人的にディザスターSFといえば、なんと言ってもニーヴン&パーネルの「悪魔のハンマー」がこのジャンルじゃあ白眉だと思う(いやまあラストの原発マンセーはさすがにちょっと引くけどさ)わけなんだけど、小川一水の作品は残念ながら、あるいは続く巻でここらにもさらにそうしただけの説明が追加されるのかも知れないのだけれど、そこまでのレベルには達していないように思う。ディザスターSFのキモとは、それまで平穏に、あるいは人間関係や何やかやでそれなりの問題は抱えているのだけれど、まあ一応生きてはいる連中が、ある日突然、同じタイミングですさまじい規模の災害に襲われる、その落差の面白さにあるわけだけど、残念ながらこの作品ではそこは甘い。もちろん書きたいテーマが違うのだし、そもそも「悪魔のハンマー」の隕石直撃メカニズムの説明に匹敵する隠し球を、地震の発生原因としてあとの巻で説明してきそうな気もするんで、ここはある程度保留しますけど。

もう一点、異世界を描くSFとしてこれはどうかなあ、という違和感もあってそこもちょっと引っかかりあり。一ヶ月が30日より多い世界で、夕方が地球と同じ5時台、ってのはどうか。度量衡としてあっさりメートル法が使われてるのはどうなんだろう、とか、そこらの些細なところが、妙に「SF読んでる感」を阻害されたような気がしちゃって。異世界を構築するってのは大変な作業だと思うんだけど、それだけに細部がこういう風におろそかになっちゃうと少々残念な思いを持ったりもする。

ついでに文体も。なんか妙に司馬亮とか、あっち系の、時代小説のノリを感じてしまって、そこも違和感感じてしまった。よく知らないんですけどもともとこういう文体の作家さんなんですか、小川一水さんって。

とまあいまのところ、「第六大陸」ほどには気分は高揚しない(神戸市民なんでね、やっぱり地震の描写は辛いよ)作品、なんですが、それでもやっぱり面白いね。続きが楽しみではあります。「第六大陸」同様、(なぜ突然地震が発生したのか、あたりで)「んあ?」といいたくなるようなおまけのオチが用意されてるんだろうなあ(^^;)。

(★★★☆)

[Hobby] お買い物、その他

今日は三宮に出たのでワークさんでF1 MODELING購入。パソコン雑誌ならいざ知らず、模型雑誌でDVD付きってのはすごいなあ。今年のマシンのうち、マクラーレン、ジョーダン、ミナルディを除く7チームの新車発表セレモニー(など)を収録したもの。パレルモ市街でデモ走行を見せるルノー(去年のマシンだけどね)とかやたらド派手なザウバーのお披露目会とか、それなりに見るところのある50分の大盤振る舞い。メルセデスのセイフティ・カーとメディカル・カーのディティル・フォトなんてのもあってなかなかタイムリー。そういえばラルフ、ケガの予後がよろしくないようで、少し心配ですな。去年のケガの後遺症とかもあったりするのかなぁ。

さて食玩がらみネタも。「武 MONONOFU」シリーズのPleasant Angelsさんの新シリーズ、「帆 HAN」と銘打った帆船モノらしくって。メイフラワーとサンタマリアはちょっと良い感じだよなあと思ったり。さすがにリギングはかなり簡略版みたいですけど。ちなみにこの8種プラスシークレットアイテムが1種、だそうですが、シークレットアイテムってなんなんだろうね。デルプラドにのっかってバウンティ、とか? ゴールデン・ハインド、なんてのは無い話だろうなあ。ティー・クリッパーから一隻、はありそうな気もするけどね。

個人的にはワサが欲しいぞ、熱烈に。

[Comics] お買い物

鬼頭莫宏「ぼくらの」(1)、「残暑」。「ぼくらの」、これは「なるたる」の流れを引く、痛くいて痛くてしようのない「ザ・ムーン」だなあ。オビでジョージ秋山が惹句を書いてるのが何ともはや。「残暑」は鬼頭の初期短編集。こちらはあれだ、'80年代前半の「ぱふ」とか「アクション」に載ってて全然違和感のない作品集。オジサンはこちら、かなり気に入りましたよ。


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