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YouTubeに「ヤマト」のおそらくテレビで放映されたものと思われるメイキング映像が上がってた(5パートあるうちのその1、)。
ひととおり見てみたけど、うん、きっと真面目に作っているんだろうなと思った。とりあえず「ヤマト」に乗れるのが嬉しくて仕方ない感じなのが伝わってくるギバちゃんの様子がかわいらしかったです。
ただなあ、やっぱり松本零士的世界をアニメに移して見せた、テレビ版第一話を見た時の、あの衝撃には遠く及ばないんだよなあ。
多分その一番の理由は宇宙がどうとかメカデザインがどう(まあこれも、『ジュブナイル』から連綿と続く、白組風クロム感多めの絵で、個人的にはどうかと思うんだけど)とか、そういうところじゃなく、空間の埋め方が足りてないんだと思う。
松本零士的世界における例のマツモト・ゲージってヤツは、広々とした空間を無駄に埋め尽くすことで、広さと圧迫感を同時に表現するための小道具として機能しているんだと思うんだけど、それに換わるものがこちらの実写版映像にはないんだな。だから実写版ヤマトの第一艦橋は、宇宙船のブリッジと言うよりはIT企業のコールセンターにしか見えないの。ここが決定的に、萎える。撮影の都合もあるんだろうけど、戦闘機のコクピットなんかも、無駄に広い感じがするよね。
山崎貴さんって人は、こういうところに拘れる人だと勝手に思ってたんだけど、そうでもなかったのかな。非常にどうでも良いポイントなんだけど、ここが自分にはかなり大きくてね。
大森望 編
カバーデザイン 岩郷重力 + WONDER WORKZ。
創元SF文庫
ISBN978-4-488-73801-3 \1000(税別) →amazon
2000年から2009年までの10年間に国内で発表されたSF短編の中から選び抜かれた佳品をまとめたアンソロジー。<S>にはリアル志向の、<F>には"すこし、ふしぎ"なテイストの作品が収録される。
また「ゼロ年代」か、と思いつつも、やはり読んでおかなきゃね、と思うくらいには自分もまだSF者なんだろうな、と思う。とはいえライトノベル系や早川、創元以外となるとからきし(あれ、この文章にはデジャ・ビュが…)な物だから、それなりにお得感はあるわけだし、そもそも読んだは良いが忘れちゃった、ってのも結構あるしね。というところでいつものようにそれぞれの簡単な感想を。
既読であるはずなのにあんまり良く憶えていなかった。おかげでなんだか新鮮。いかにもこの方らしい、今ある技術情報の延長線のちょっぴり先にあるであろうと思われるブレイクスルーに、ちょっとほわほわしたストーリーを絡めてくる。なんというか、読んでいてしみじみと感じるのは、野尻さんってピュアな人なんだろうなあってことだな。
これも既読のはずなんだけどなあ。なんでこうも易々と忘れられるかな。宇宙SFに一種のあらかじめ用意されたユートピア・テーマを絡めたような。SFでしばしば語られる、地球人類が持つ荒々しいまでのフロンティア・スピリットのようなモノは、果たして本当に全宇宙レベルで居場所を与えられれてしかるべき物なのか、というあたりへの考察、かな。著者自身はあとがきで「人間は幸せ以上の物を求める生き物だ」と、頼もしい宣言をしてくれている。
著者の代表作、「ナイトウォッチ」シリーズからのスピンオフ作品。オリジナルの方を知らないのであれだけど、乱暴に喩えるならば無垢な上条さんが自分の右手に宿った力とどう向き合っていくかを描くお話、で良いですか? もう一つの上遠野氏の代表作である「ブギーポップ」シリーズも絡めて、「とある…」シリーズと比較するような記事をちょいちょい見るんですけど、そういう(好敵手的な)位置関係が出来てたりする物なんでしょうか?
こちらも既読。そのひどさだけは憶えていたけど、改めて読み返すとやっぱりひでえね(^^;)。本作については、本書中、最初の4作が宇宙テーマのSFってことになっているんだけど、それを「序」で紹介する大森望氏の筆が、そこまでの三つをそれぞれ「リアルな宇宙開発もの」、「異色のファースト・コンタクトもの」、「寓話的・観念的な戦争SF」と紹介しておいて、ラストを「嘔吐した宇宙飛行士の話である」と放り投げているのに笑いました。
これは憶えてた。なぜ忘れてなかったんだろう。個々のキャラクタの描き分け具合に好感を持った、ということだったのかな。SFの括りを外しても充分通用する作品であるとは思う。
短編集の評価が極めて高いにも関わらず、そちらはまだ読んでない。ただ本作に限っては、多分異形コレクションで読んでいるはず。単品としては正直ピンと来ないところもある。これだけではイメージが足りない感じはあるんだな。独特な色彩感覚みたいなものは伝わってくるんだけどね(だったら短編集読めよ、って話だよなあ)。
アイコンとしてのアイドル、もしくはアイドルを一種のイコンと捉えて語られる、なんだろう、認知と受容(と拒絶)のストーリー、なのかしら。自分がアイドル的なものに今ひとつ気持ちが動かないものだから、取っかかりのところで入りづらいものがあったかも。
さすがにこれは読んでるよね。
「カナブンてぇへんだあぁ!」「なんでいフェチ!」てなもんで。自分にとっていしいひさいち作品の最高峰は「B型平次捕物帖」なので、そういう意味でもインパクト充分。しかもそれを書いたのが円城塔さんだってところである意味倍率ドン! 良く判らんなりに面白かったです。
シリーズ唯一のコミック。ごめんなさい、文庫サイズでマンガを読むのは老眼+乱視持ちにはそれだけで苦行なのでパス。
「雪風」の深井零の少年時代にメスが入る。ちょっと零というキャラに勝手に持っていたイメージが崩された感じがあるかも。体育会系の人じゃあないんだね。むしろ一種の厨二的なキャラを先取りしていたのが零の本質って事だったのかしら。多分これは「雪風」のシリーズが進むにつれて、零と雪風の関係性が進みすぎてしまったが故に、そうまで機械と入れ込んだ関係性を保てる零ってどんなヤツか? ってところを補強しておいた方が良いかな? みたいな感覚が働いたのかな、なんて。スタンドアロン・コンピュータというものが消えていく世界への、良く判らんけど寂寞とした思い、みたいなものは自分も何となく判る、ような気がする
良作がずらりと揃った短編集。故に自分が勝手に「ゼロ年代」ってワードに対して感じていた、エッジっぽい所のトンガリ具合ってあたりは実はそれほどでもなかったかも。ま、おかげでオッサン読者的にはかなり楽しく読める一冊になってたわけですが。
★★★★
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自分の頭の中で想像している「リアル」に、如何に先端CGと言えど追いついていないんですよね。…こんな事言ってると観るもの無くなっちゃうけど。
ヤマト觀て來ましたよ。そんなに惡くなかつたと思ふ。松本零士テイストなんかを期待したゐたらアレですけれども、これはこれで一つの解釋としては「あり」なのではないですか。<br>つつこみどころも不滿な點ももちろん山のやうにありますけれども、私は許せるやうに思ひました。ヤマトだし。
>珊瑚海さん <br>特に戦争とそれに類するものを描くときにその傾向は出てくるのかなあと。現代が舞台で、現実で存在しているものが使えれば「リアル」になるのか? というとそれもちょっと違う気がするんですよねえ。何なんでしょうね。<br><br>>野嵜さん<br>なるほどです。自分は多分ヤマトに「ヤマトだから」って補正がかけられない方なんでしょうね。むしろ「ヤマトだからって何やっても良いと思ってんじゃねーぞコラ」って方なのかな(それもちょっと違うか)。<br>でも多分、実際に見たら薄笑いコミで「意外と悪くなかったよ」って言っちゃうんだろうなあ(^^;)。