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パルシネマしんこうえんで「小津安二郎の芸術」その4。今回のラインナップは「お早よう」(1959)と「東京物語」(1953)。今回も娘は嫁に行かない。
そろそろ日本全体の景気が良くなっていくのかな、と言う予感がしつつある時代。それなりに小洒落てはいるけれどやっぱりどこかに長屋感覚も残るマスプロ住宅が並ぶ住宅地の一角、4軒の住人たちのお家の事情、なんだか面倒な近所づきあいを、大人と子供の視点から見た、大変にコミカルな作品。コメディ成分多めなせいか、小津の画面へのこだわりはこれまで見た作品の中でも一番ラジカルかも知れない。
相変わらず低い位置にあるカメラには、画面の中心を奥に向かって延びる小路の左右に似たような造りの住宅が並び、その奥には小路とT字につながって画面を左右に横断する小道。そのまた奥には小高い堤防。で下の小路と堤防の上の道路は、近景になる住宅の屋根でその一部だけが見えている。そこを絶妙のタイミングで人や車が横切っていく。小津がしょっちゅうやる手法なんだけど、今回は高さが加わってます。うへえ、と思った。
ご近所の構成も見事。似たような造りで、似たような大きさの家が等間隔で並んでいるものだから、玄関を使わなくても掃き出し窓を通じてお隣に簡単に上がれちゃう。こいつのおかげで玄関を介さない、正規じゃない方法でここのおばさんたちは勝手な情報を伝えあい、それはしばしば誤解を生んでおかしな噂を拡げる結果になってしまっちゃう、と言う構造ができてるあたりもうまい。
お話は全編コメディタッチ、つかこれ、前代未聞の「おなら映画」なんではないかいな。子供に交じって初代の黄門様もぷーすかぷーすか屁をこきまくる。しかもこれが、中学生たちの一番クールな遊びだっちゅーんだから(w。
で、いよいよ登場したテレビ。隣の若夫婦は快く見せてくれるのだけど、子供たちの親はみな、少々水商売風のカップルの家に子供が上がり込むのを快く思わない。そうなると今度は自分の家でテレビが見たい。買って買ってとやかましく喚く子供についにとーちゃん、笠智衆も爆発。「無駄口を叩くな」と一喝したものだから子供も反発、今後一切誰とも口をきかない、と宣言しちゃって、これがご近所や学校まで巻き込んだちょっとした騒動を巻き起こすことに……。
で、この兄弟を演じる設楽幸嗣と島津雅彦がすばらしい。この頃の子供ってこんなんだよなあという感じ。毛玉のいっぱい付いた毛糸のセーターが懐かしかった。ちなみに弟役の島津雅彦(「あいらぶゆー!」がカワイイ)は、この4年後「天国と地獄」で誘拐される運転手の息子役。 他愛ないコメディなんだけど、その実コミュニケーションってそこそこ冗長性がないとうまくいかないけど、でも日本人ってその冗長性に少し頼りすぎて、肝心なところで本質的なことを伝えようとしないよね、というメッセージも、ちょっと皮肉混じりに込められてるなあと思ったです。でも基本はくすくす笑いながら楽しめる映画。
三男二女の子供たちもみな独立し、いまは末娘と共に尾道に暮らす平山周吉(笠智衆)、とみ(東山千栄子)夫婦。老い先も見えてきた二人、今のうちにと東京に住む長男、長女の元を訪れる。快く迎えてくれる子供たちだったが、彼らは彼らで日々の生活もあるわけで、常に周吉たちの世話を焼けるわけでもない。逗留が続くにつれて、実の子供たちも表向きは歓迎しているが、反面ついつい邪険なあしらいをしてしまうことも増えてきて…
山村聡をはじめとする、周吉の子供たちの気持ちが痛いほど判るんだよなあ。オレも今や自分の両親に、こういう接し方をする年になっているもの。それだけに、そんな子供たちに対して昔のように親の権威を押しつけず、老いぼれのお荷物、と思われることを受け入れる老夫婦の立ち居振る舞いにほろりとさせられる。
この映画、「東京物語」と言っておきながら、実は真に重要な展開は、常に東京から離れたときに起きるのだけれど、そうなったときにも周吉夫婦は、どこにいても「尾道の老人」なのだね。逆に、尾道にやってくる子供たちは、そこでもやはり「東京」を引きずっている、と。
所詮世代というのはそういうもので、ある特定のポイントから先は、生んでくれたものへの敬愛から生んだものへの責任へ、プライオリティはスライドせざるを得ないのだ、その時それでも親を親として、大事にしてくれるのは、実は血のつながりのない、戦死した次男の嫁(原節子)しかなく、しかも彼女のその態度もまた、決して無私の賜ではなかった、という実に苦い映画。コミカル部分もあるにはあるが、ストーリー全体に通底するカラーを感じ取ってしまったときに、そのコメディ部分でもなぜか笑えなくなっている、というあたりはシビアだわあ。
個人的に私、原節子がやや苦手でして、特にこの映画での彼女の笑顔には、どうにもこう「作り物」っぽいものを感じてしまって、彼女が何を言ってもウソくさーく感じられてしまう(ああ、刺されるかも知れんなオレ)分、ちょっとポイント下がっちゃうのが惜しかったな。良い映画なんだけどなー。
さて来月は「晩春」と「お茶漬けの味」。来月で終りかあ。もっと観たいぞー。
TUXさん@mixi経由でタカラホビー.com こちら開発室。百聞一見、見に行って驚け。
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むむう、実際に動くとは・・。<br>どういう構造になってるのか、すごく気になります。
●ンじゃ、次回のオフは乱土さんがコレを買うのに付き合って、近くの喫茶店で開けて、動かすのをみんなで見る会ってコトで…(殴)
いっ、いやその…。あたしも動くとこは見たいんですけど、買うところまでは、あのその、ごにょごにょ……
なんでしたっけ、サンダバード2号でしたよねこれ。<br>これのグッズを誰かさんの家で見ました。<br>2号の思い入れの方が多数なんですね・・・。<br>日本橋までこのおもちゃ買いに行くの何度付いてったことか・・・
ごくろうさまです、美紀さん。男の子はいつまでたっても幼少のみぎりに目にした物からは逃れられない物ですので、どうか大目に見てやってくださいませ(^^;)。
乱土さん、もうね、部屋にネクサスとかもう。<br>ブラカラー吹くからダクトを部屋に付けてプラモ作ると<br>言い出したときは・・・。無視しました。(笑)<br>男の人って可愛いですよね。いつまでたってもおもちゃ。<br><br>でもこの2号、とっても大きいみたいですね。<br>「調味料入れて、塩が欲しい時にスイッチ押して格納庫から<br>どぎゃーんと取れば?」と言いました。ついでに。(笑)
あっはっは、是非塗装用ブースでも買ってあげてください。20000円もしないから。<br>http://www.tamiya.com/japan/products/74521p_booth/p_booth.htm
それねー、知ってるんですよー。今回それとネクタイと違う物とで<br>バレンタイン凄く迷ったんです。でも絶対買ったらプラモで<br>相手してくんなくなるので、衣料品にしましたとも。しくしく。<br><br>中学生の時は私もガンプラ作ってたんで人の事いえませんが・・・