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書いてる最中に眠くなっちゃって。てことで昨日の続きです。
CS 日本映画専門チャンネルで「八岐之大蛇の逆襲」、1985年ダイコンフィルム、監督赤井孝美、出演高橋香具美/永山竜叶/米良健一郎/武田康廣。「文芸」に菅浩江の名前があってひっくり返りそうになっちゃった。「のーてんき」とか「大日本」とか、一通りダイコンフィルムの作品は見てるんだけどこいつだけは未見だったので興味津々。で、
よく作ったねえ、と正直思いましたわ。特オタを集めた上映会ではたぶん、拍手喝采物の映画だと思う。普通に小屋でかけてお客さんに見てもらうにはつらい映画だとも思うけど、でもまあなんだな、それでも「ゴジラvsスペースゴジラ」よりはマシかも知れないな(w。
特撮、を考えるときに実はかなり重要なウエイトを占める部分に、「マズい画はなるべく見せない」ってのがあると思うんだけど、この映画はそこを実に巧妙にやっていると思う。アマチュア映画だもの、特撮パートのショボさは隠しおおせるわけがないんだけど、この映画ではそういうショボい映像を、大量のライブ映像に混ぜ込んでやることで、見てるこっちを「ショボいじゃんその絵」と思わせる手前で別のクオリティを持った映像に切り替えてみせることで、実はどうしようもなくショボい映像を、それほどショボくないじゃん、と錯覚させるような効果を上げることに成功している。カットの割り方が上手いのだね。貧乏ながらもいい絵を、ってスタンスが全編に浸みててそこはたいそう気持ちいい。
んでもって思うのは、やっぱりパイロって難しいんだな、ってことですな。この映画でも当然爆発シーンは結構あるんだけど、どかん! の迫力はあるんだけど、炎と煙の持続時間が短いのね。ぐわっと盛り上がった炎と煙が、次の瞬間には消えてしまっちゃう。この辺の火薬の選定とか爆発のさせ方のテクニックとかって、実は意外に奥深い物があるのかも知れない。あんまり一方的に火薬バカと決めつけたもんでもないってことですか。いやもちろん爆発ばかりで肝心の被写体の姿が全然見えねえ、ってのもどうかと思うけどさ。
それはそうと。
この作品を見た金子修介は、自らの初めての特撮映画の特技監督に樋口真嗣の起用を思い立った、とは自身が「ガメラ監督日記」の中でも書いていたけど、金子修介的怪獣映画のフォーマット、にもこの作品、実は結構な影響を与えたんじゃないかなあとか思ったりして。キワモノ系テレビクルーの位置づけとか、やや戯画化された戦車隊長とか、GMKのBSデジタルQや西村雅彦に通じる物を、この映画であらかじめ見てたのかなあ、なんて。まあ特撮物的にはどれもお約束に近いものでもあるわけですけど、ちょっとGMKの逆デジャビュみたいな物を感じちゃったりしたもので。
さてさて、いよいよ今週末からF1開幕でございます。今年はずいぶんと大きなレギュレーション変更があったり、新しくトルコGPなんてレースが追加されたりする訳で、楽しみなような、なんか心配事たっぷりなような。先日721でやってた開幕直前スペシャルを参考に自分用覚書。
なんてな感じ。やや不安材料が多いような気がするなあ。シーズン中のレギュレーション変更、なんて事態はありなのかしら。とりあえず今年のコスワースは結構良いらしいので、ミナルディ頑張れー、ということで。オーストラリアは曇り模様だとか。タイヤにはラッキー、かな?
クリストファー・プリースト 著/古沢嘉通 訳
カバーイラスト 服部幸平
カバーデザイン 守先正+桐畑恭子
ハヤカワ文庫FT
ISBN4-15-020378-4 \920(税別)
爆弾テロの巻き添えになり、重傷を負ったプロカメラマン、リチャード。事故の影響で、彼は過去の記憶を失ったまま、入院生活を続けている。そんな彼の許に、いらだちの種でしかないジャーナリストに伴われてやってきた女性、スーザン。リチャードにとって初対面としか思えない人物であった彼女だが、彼女の言葉を信じるならば、かつてリチャードと彼女は恋人同士であったというのだ。自らの過去を解き明かすきっかけとなってくれるかも知れないスーザンに、徐々に惹かれていくリチャードだったが……
とまあ、まるでゴダード作品だなあこれ、と思ってしまうような困ったちゃん中年男と謎の美女の、過去にまつわるミステリの解き明かしの旅、そこにはロマンスもあれば不可解な幾つかの要素もまた混在して、ってあたりでそう思ったわけだけど、この、比較的まったりとじれったい(退屈、とも言う)導入部を我慢して読んでいくと、ある日突然話は急展開。ここをあんまり詳しく説明すると、未読の人に悪いような気がするので、ここではあれですな、発端から終焉までの一本のお話があったとしても、そのお話は語り手によってその見た目も、お話が語ろうとしていたことも、全く違うお話になってしまうこともある、と。さらにここに、読んでいると「え、どうして?」とこちらを混乱させる仕掛けが次々と登場し、「ワタシハカンジンナトコロヲヨミトバシマシタカ? 」と思わずページを繰り戻し、「ヤッパリソレデマチガイナイヨネ」と不可解な気分を引きずったままさらに読み進めていくうちに、「モシカシテアレハアレデコレモアレナワケデスカ? 」とやや薄気味の悪い(この辺でSF風味というかファンタジー風味が加算されてくる)予想が頭をもたげ、最後の最後でとんでもないオチが待っている、という。
ていうかマイトガインですかこれはー。わたしゃびっくらこきつつ、なんか微妙に笑いがこみ上げてきてしまったぞ。
いやそれはともかくこれは凄いわ。「奇術師」もたいがいだったけど、あちらはそれでも「瞬間移動」と言うテーマのSF的な味付けの部分で、やや俗な(と言っていいのかなあ)説明の付け方をしてしまった恨みがある(あるけど、最後の最後の最後でもう一回、でぇッ! って思わせていただいたので、あれはあれでそないに不満はないんですけどね)んだけど、こっちは徹頭徹尾、わからんもんはわからんままに、その存在感だけをじわじわと強めてくる。そして「奇術師」同様、もやもやとしていた物が終盤になって一気に、とんでもないどんでん返しと共に一旦吹き飛ばされ、その後にはさらに不可解で気になる物が残っている、というストーリーの組み立て方のうまさ。感服しますわ。ぱっと見には明るく穏やかに見えるエピローグが、実はたとえようもなく救いのない物である、というオチの付け方には慄然としますな。いやほんと、恐れ入りました。
あ、あと、読み終わってからこのカバーイラストを眺め直すと、なかなか味わい深いもんがあります。グッジョブです、これ。
(★★★★☆)
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