ばむばんか惰隠洞

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2004-12-10 [長年日記]

[Chinema] 小津の二本立てでマターリ (20:43)

てことで、またも湊川のパルシネマしんこうえん、「小津安二郎の芸術」。本日のお題は「麦秋」(1951年)と「秋刀魚の味」(1962年)。ええ、例によって娘が嫁に行く話(© 唐沢俊一)ですともさ。「麦秋」で嫁に行くのは原節子。友人役の淡島千景共々、大変にチャーミング。昭和26年ってことを考えると、ここでの原節子はかなりなんつーか、跳んでる、つーのか不思議系の若い女性。別にキャリアウーマン、みたいな感じな訳でもなく、日々淡々とやっているのに周りばかりがやきもきしてしまう、あたりの描写が小津的世界と言えるのか。ローアングル度はそれほどでもない。

「秋刀魚の味」のほうは岩下志麻姐さんで、こっちはなんつーか、「芝居硬いですよ、ねーさん」といいたくなるような感じで、おかげで娘属性というよりも、年老いてさみしいな感の方が強く出ている。これが小津の最後の作品なんだけど、なんというか、なにかを捨てないと待っているのは老醜(こっちサイドを担当する東野英治郎と杉村春子の親子が絶品)だけど、なにかを捨てるのもこれはこれで辛いよね、みたいな、少しばかりしんみりとした仕上がりになっている。例の、ローアングル撮影に毎回おなじみな飲み屋やバーのセットも健在ではあるけれど、たとえば「秋日和」や「彼岸花」のしみじみしてはいるけど、どこかあっけらかんとした感じとは、ちょっと違うものがあるかも知れない。

小津がそれを意図していたのかどうかは知らないけれど、当時の日本人の男のボキャブラリーって悲しくなるくらい少なくて、いろんなことを伝えたいんだけど、それを豊かに表現するすべを持たないもんだから、例えば娘を嫁に行かせようと思っても、なんかこう、説得力のあるセリフを口に出来なくて、わずかばかりの手持ちのセリフを連発しちゃう、てなあたりを少しばかりコミカルに描いてみせることで、女性のオトナっぷりと男性のいつまで経っても抜けない子供っぷり、みたいなものが際だって、そこに飽きない面白さが生まれているのかな、なんてね。

次は2月に「早春」と「長屋紳士録」が控えているので、また見に行くのさ。

[CS] 今日のゴジラ (23:12)

「メカゴジラの逆襲」(1975年)。さすがにこの歳で怪獣映画もないだろう、なんてのは中学生ぐらいになった青二才ならみな思うことだろう。なので私もこの時期は、特撮映画なんてなものは見ていなかった。'79年の「スター・ウォーズ」まではそんな時期だったな。なのでたぶんこれはリバイバル上映で見たのだと思う。'83年の復活祭あたりだったろうか。

私と二分のひとむかしぐらい歳が違う、MASHさんやTUXさん、SOILさんといったお友達の皆様には、この昭和のメカゴジラを愛でる人々が結構いらっしゃる(そんなMASHさんがデザインされた機龍も、大変格好良いのだけどね)のだけれど、オレはあれ、ダメ。地球人をはるかに超える科学力を持った宇宙人の作るメカに、リベットはねーだろリベットはー、と思ってしまったりするわけで。

「サンダーバード」でメカフェチに目ざめると、こういうところでなにかと弊害が出てくるもんなんですな。これがダメなのにメカニコングはオーケー、という自分の好みも、それはそれで勝手なもんだと思うけどさ。

さて映画。

久々の本多猪四郎監督作のこいつは、ややもすれば貧乏な反面、かつての昭和のゴジラ映画の持ち味だった、並行して語られる怪獣と人間のお話が最後に一本にまとまって、というあの味がそれなりに復活しているのと、小さい怪獣ファンのためになんとか興味を惹いて欲しいと思うあまりの「イイモノ」寄りなゴジラの造形とか、昭和の火薬馬鹿の空気読まないパイロ大会の、それなりな迫力とかが相まって、久しぶりに鑑賞するとそれなりに見所もある作品だよな、と思えてしまうというのは、観てるこっちがそれなりに、丸くなったってことだったりするのかね。

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]
キャプテン・シライ (2004-12-11 04:47)

「ほう、これがハモというものですか。魚辺に豊かと書きますな。」<br>機会が有ったら一度言ってみたいけど未だに鱧を食ったことの無い私(T_T)<br>麦秋は意外と大きな原節子サンの胸に萌ー(ヲイヲイ)<br>長屋紳士録は少々毛色が違うのでご注意。

rover (2004-12-11 11:12)

小さい小屋なので、一回目の上映の前には支配人と思しき人物が、いろいろと説明してくれるんですが、「長屋紳士録」についても「ちょっと毛色が変わっています」と教えてくれましたよ。<br>なにかにつけて、「いいんだ、なかなか、いいんだ」しか言えないオジサンたちが好きですわあ(w。

MASH (2004-12-13 01:24)

こちらでは初めましてですね?<br>ふむ、私はこの映画の公開時は小5でしたかねえ。もっとも前作の「対メカゴジラ」は見てるんですが、これは(当時は)見てない・・・。<br>でもあの頃はかっこ良く思ってましたね。リベットとジャバラはロボットらしさの2大ポイントでした。(笑)

は゜ん (2004-12-13 09:12)

そーなんですよ、私もゴジラを初めて劇場で見たのは<br>「対メカゴジラ」なんでいまでも自分にとっては<br>メカゴジラ>ゴジラなんですな。<br><br>だからリベットも許せます、というかむしろあれがいいんですよー(笑)


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