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今日は少なめ。「特捜戦隊デカレンジャー」、「仮面ライダーブレイド」、「ふたりはプリキュア」。デカレンジャー(#45「アクシデンタル・プレゼント」)は年末恒例、これまでのおさらいにさらにベタなギャグを振りかけた、様な作品。テーマは愛か? 愛は最強なのか? (そうでもない) デカレンのみんなが謎のプレゼントの送り主を巡って大騒ぎしている横で、黙々と書類にハンコ押してるボスに萌え(^^;)。
ブレイド(#46:「支配者の封印」)は、あーらら、天王寺さんあっさり死んじゃった。で、歪みモノリスの中にいると思われる神様ってのは、この先出番あるのかしら。あ、あと剣崎君たちのこの先の給料は誰が……。
「新選組!」の総集編も見てたんだけど、九州の方で地震があった(スマトラ沖の大地震となにか関連あるのかしら)ようで、速報入っちゃったねえ。抗議とか殺到したりしたんじゃないかしら、とどうでもいいところが気になったりして。
ケン・フォレット 著/戸田裕之 訳
イラストレーション ケスイダ
ヴィレッジブックス
ISBN4-7897-2434-4 \800(税別)
ISBN4-7897-2435-2 \800(税別)
1941年、英国は突然急増した爆撃機隊の損害の大きさに憂慮していた。ドイツの迎撃戦闘機は、まるでいつ、どこに英国空軍が現れるかを予知しているかのごとくその進路を塞ぎ、爆撃隊に多大な損害を与え続けているのだ。内部にスパイがいるのか、それとも前年、"英国の闘い"で決定的な役割を果たしたレーダーのような装備が、ドイツにも登場したという事なのか。もしそうなら、なんとしてもその秘密を手に入れ、対策を講じなければならない。
同じ頃ドイツ占領下のデンマークの学生、ハラルドは、大好きなジャズの生演奏を聴きにバーまでやってきたのは良いけれど、その演奏がナチによって差し止められてしまったことを知らされて、少しばかり腐っていた。自分で改造した蒸気バイクは水が切れてそれ以上走れない。仕方なくとぼとぼと家に向かって歩き始めたら、今度は雨。目の前にはドイツ軍の基地。ここを突っ切れば家までの距離はかなり短縮できる。ここの工事には自分もかり出されたこともあり、基地内のつくりならだいたいわかっている。ささくれだった気分に後押しされ、ハラルドはドイツ軍の基地を突っ切ることにした。そして彼は、その基地にこれまで見たこともない機械が設置されていることを知るのだった……。
偶然ドイツ軍の早期警戒網の秘密を知った少年が、数奇な成り行きからデンマークのレジスタンスの一員として最初は情報収集、次には壊滅的な打撃を受けたレジスタンス・グループに代わって、自らドイツ軍の最高機密を英国に送り届けようと奮闘する物語。ホーネット、とは勇ましいけれど、これは第二次大戦以前から英国で製造されているベストセラー軽飛行機、デ・ハヴィランド "モス"シリーズの一つで、密閉型の並列キャビンを備えたD.H.87B"ホーネット・モス"。どうでもいいけど付け足すならば、サンダーバード6号ってのはこいつの親戚の"タイガーモス"。まともな手段ではとても国外脱出は無理と見たハラルドは、親友の父でユダヤ系の大銀行家である人物の屋敷の倉庫で、半壊の姿で発見されたこの飛行機を、その天才的な機械いじりの腕で修復し、直接英国に向かおうと計画する。操縦の出来ないハラルドに代わって操縦桿を握るのは、親友の妹(もちろん美少女)のカレン。ここにハラルドの兄、デンマーク軍人アーネと彼の婚約者で、今は英国諜報部でデンマーク方面を担当する女性、ハーミア、何かにつけてハラルドの家と対立している一家の若者で、現在はナチに協力する警察官のペーター、その部下で夫を亡くしたティルデ、といった人物たちが絡み合い、さあドイツ軍の機密は盗めるのか、機密は無事に英国に送り届けることが出来るのか、と言うお話。面白そうでしょ?
で、そこそこ面白いのであります。「フレイヤ」(本作品中では『フリーヤ』)だの「ヒンメルベット」だの、「第二次世界大戦ブックス」世代な私なんぞは思わずニヤリとしちゃう単語が出てくるし、敵味方、特にそのややワキに回った方面のキャラクターたちの造形がかなり魅力的。厳格すぎてハラルドとは衝突ばかりしてしまう、牧師である彼の父との葛藤なんてあたりはちょいとほろりとさせられる。スパイ活動の描写はそれなりにはらはらしながら読んでいけるし、飛翔した"ホーネット"の冒険行もなかなかのもの。総じて水準作の冒険小説に仕上がっているとは思うのだな。
ただそれだけに、もっと面白くなったのに、と思えるところが何ヶ所もあってそこが大変惜しい、とも思う。この物語で一番のキイ・パーソンになりうるのは、悪役であるペーターなんだと思うのだけど、彼の描き方が上手くないんだなあ。彼はまあ悪役側に位置する人間なんだけど、決して悪党な訳ではない。占領下の警察官、として彼は彼なりに正義の遂行者であるわけだし、ついでに言うならそのプライベートな部分には、それなりに悲しいものを背負っている人物でもある。ここに、彼を理解しようとする女性刑事が絡み、彼女は、例えば一方的なユダヤ人の取り締まりなどには疑問を抱いてしまうタイプの人物。このキャスティングで私はかなり先の展開が楽しみになったんだけど、残念ながら彼に大きなどんでん返しが用意されていない。深みのありそうに見えた人物が、どんどん薄っぺらくなっていくような感じがして。
デビュー作(これは力作)「針の眼」は良かったんだけどその後の「レベッカへの鍵」や「トリプル」が力はいってる割には思う存分堪能した、って気にまではなれなかったこともあって、ケン・フォレットって前からそうだったんだよなあ、と思ってしまうのであった。シチュエーションはかなり面白いんんだけど、どうもキャラクタのツッコミが甘かったり、物語の構成が肝心なところでご都合主義になっちゃったり。さくっと楽しめるんだけどもう一歩、どこかに「深み」が欲しいよなあといつも思ってしまうわけなんでありました。もうちょっとで、ものすごい傑作になってたような気がすんだけどなあ、これも。
(★★★)
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