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2011-12-01 [長年日記] この日を編集

[News][Chinema] 誰の物って、そりゃ…

「ゴジラは誰の物か」泥沼裁判に 本多監督の遺族、東宝を訴える(BLOGOS)。自分も何でもかんでもパチンコのネタになっちまう風潮自体は苦々しく思っているクチではあるけれども、これはちょっと違う話だろうと思うなあ。ゴジラは誰の物かと言われれば、そりゃ東宝の物だよねえ。

リンク先の記事も良くわからん内容になってしまっているんだけど、まとめると本多氏のご遺族は、パチンコのCFで使われているゴジラ映像に対して、

  • 1954年の「ゴジラ」の映像著作権は本多猪四郎氏が持っている
  • 1954年の「ゴジラ」のモンスタースーツの著作権は本多猪四郎氏が持っている

から、CFのゴジラは著作権者に無許可で使用している、だから損害賠償求めちゃうよ、と主張しているように読めるんだがこれで合ってますか? だとしたらかなり無理やりな訴えのような気がするんだがな。CFの映像、基本的に平成ゴジラが使われてるわけで、それは意匠としての「ゴジラ」は引き継ぎつつ(引き継がなくちゃ「ゴジラ」じゃないもんね)、そのキャラクタ性と言った物は明らかに本多監督時代の「ゴジラ」とは別のラインで作られたものであると思うわけで、それをかつての(初代)「ゴジラ」まで遡って著作権を主張するという(こと自体にも、どうかと思わざるを得ないところは多々あると思うんだけど、そこを措いても)のは、かなり無理があると思うんだがな。

初代の「ゴジラ」の創造に本多監督の力が大きく働いたであろう事は間違いないと思うけど、それはあくまで総合芸術としての映画の一部分の話であって、例外もあるとは思うけど、多くの場合それは映画からの派生物としての扱いになるのだから、最終的にその扱いは映画会社の自由、と言うことになるのではないのかね。

なんかちょっと、いやらしいニオイを感じるよ、この訴訟騒ぎからは。

[News] 訃報

怪獣繋がりってわけでもないんだけど、石堂淑朗さん(asahi.com)。まことに申し訳ないのですが、小学校低学年のハナタレには「怪奇大作戦」は少々難解に過ぎ、小学校高学年以降の生意気な青二才には「帰ってきたウルトラマン」以降のウルトラは「何か違うんだよなあ」ばかりが先に立ち。そんなわけでたぶん、自分はこの方の一番凄みに満ちた作品を、ちゃんとそれが判る状態で触れてこなかったのだろうと思う。気がついたらテレビのワイドショーで良く判らんことまくし立てるオジサンになってしまってた訳で。いろいろすいません。どうか安らかに。

怪獣の元ネタは竜、竜と言えばこの人(無理やりだなあ)、アン・マキャフリィも亡くなっていた(東京創元社)のですね。正直、合わんなあと思うお話もたくさんあった方(『フリーダムズ・ほにゃらら』とか『九星系連盟』とかね)ではあるんだけど、「パーンの竜騎士」と「歌う船」の2シリーズの面白さは尋常ではありませんでした。もうニメンスたちには会えなくなってしまいましたか、とても残念です。

[Anime][web] 定期視聴番組

ありゃ、「UN-GO」、「ギルティクラウン」録り損ねてたので「たまゆら hitotose」のみ。ふむ、毎回じわーっとくるお話構成ばかりでも胃もたれすると思ったか、今回はちょっと軽めのお話。軽いのは良いけどちょっと力抜き過ぎだったんじゃないのかね。ももねこ様のお話は、まあまあ良かったかしら。いつもの観光客の失恋話はちょっと消化不良気味。志保美さんとさよみ姉さんの立ち位置の入れ替わりっぷりが自然すぎておいおい、と。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

す・みけーん [ああ,ありがちな「ありえねー」裁判ですね>ゴジラ 「知財」でひっぱればともかく,著作権はないです。肖像権でもないで..]

rover [BLOGOSはBLOGOSで、何か別の方面でネタになってるようですね(^^; http://kirik.tea-ni..]


2011-12-02 [長年日記] この日を編集

[News] 訃報

内山まもる氏(yomiuri online)。昨日の石堂さんの訃報の時にも書いたけど、この第2次ウルトラブームって流れに見事に乗り損なってしまった身としては、「少年サンデー」誌で連載していた「番外甲子園」あたりの記憶しかないのが何とも申し訳なく。かざま鋭二さんと水島新司さんの中間あたりの絵柄の、良心的な(故に押しも控えめな)マンガを描く方、というイメージが先に立ってしまうのだけれどもね。62歳で逝去というのは何とも残念なニュース。どうか安らかに。

もうお一方、荒木伸吾さん(asahi.com)も鬼籍に。ある意味悔しいけれどもウチらの年代的に、「巨人の星」にかぶれた時期があったって事は否定できないわけで。お世話になりました。

[Anime] 定期視聴番組

「ペルソナ4」、「輪るピングドラム」、「The iDOLM@STER」。「ペルソナ」はくぎゅ参戦回。割と低めの方で来てますな。いきなり「アイマス」始まったのかと思ってちょっと焦った。「ピングドラム」はちょっと油断できないエピソード。カンちゃん、実はラスボス? 「アイマス」は先週の千早さんのお話のオチの回収? こちらも良いお話でした。

本日のツッコミ(全9件) [ツッコミを入れる]

Before...

rover [上手な方ですよね。でもって内山さんの描かれるオリジナル「ウルトラマン」、ストーリー的にもかなり野心的なものがあったと..]

でした [ウルトラマンの絵ひとつで、 絵が上手いとはこういう事なんだ、と小学生の頃の自分に 理解させてくれた人です。]

はうはう [roverさんが巨人の星にかぶれたことがあったんですね。初耳〜。 おすすめの和物SF、思いついたら教えてください。]

rover [>でしたさん 自分は「絵の巧さ」ってのを意識したのはかなり歳喰ってからなので、そこで特定のマンガ家さんを意識、っての..]

rover [>はうはう(さん付けのほうがいいのかな…) 連載してたのは小学生当時。まだサッカーが今ほど市民権を得ていなかった頃で..]

はうはう [「さん」なんていらないですよ。やっぱ、頭に「聖」とか…。w]

はうはう [あ。俺、ROVERさんに、グインだとか銀英伝だとかエアーブラシだとかテニスボールにジッポのオイルを染み込ませて火をつ..]

rover [うむ、よかったよ、日本茶を入れた湯飲み片手に中島みゆきで踊れるはうはうだったのね(w。サイト閉めちゃったの? 人気サ..]


2011-12-03 [長年日記] この日を編集

[web][Chinema] 虎虎虎やぁ!!

今日の夕刊で見かけてちょっと気になった。ボイジャー新読書システムBinB(株式会社ボイジャー)。HTML5ベースで特定のアプリケーションやプラグインを必要としない電子書籍サービス、と言うことらしく、そこもかなり興味深い(し、ちゃんと勉強したいとも思います)んだが、そのサービスの第1弾としてアナウンスされているのが「虎 虎 虎」。映画「トラ・トラ・トラ!」の準備稿として、黒澤明、小国秀雄、菊島隆三の三氏によって書かれたもの。

12月8日から読めるようになるそうで、ちょっと楽しみだわ、これ。

『トラ・トラ・トラ!』その謎のすべて 黒澤明VS.ハリウッド(田草川弘/著)

もしかしたら参考になるかも知れません。


2011-12-04 [長年日記] この日を編集

[Anime][TV][web] 定期視聴番組

土日の分、「WORKING'!!」、「灼眼のシャナⅢ」、「Fate/Zero」、「境界線上のホライゾン」(×2)、「ベン・トー」、「海賊戦隊ゴーカイジャー」、「仮面ライダーフォーゼ」、「スイートプリキュア♪」、「機動戦士ガンダムAGE」。「WORKING」はケータイ絡みでエピソードまとめて見ました、的な。ケータイショップの店員の黒さがいいやね。

さて土曜深夜。「シャナ」はあれだ、日曜5時のアレなんかより、はるかに巨大ロボ的なものが良い感じに動いておったような気が。

「Fate」は遠坂さんちの娘さんフィーチャリング・エピソード。まあ幕間劇的な。

先週バレーで潰れたおかげで今週は2話連続になった「ホライゾン」、根っこのところの世界観とか、実は肝心なところを全く理解できてないんだけど、これ、面白いな。惚れた女を取り返しに行く、一件取柄のなさそう(だけど人をまとめる力だけは持っている、的)なお兄ちゃんに、やたら一芸に秀でた友達が総出で力を貸す、て図式はかなりオレ好み。ある意味少年マンガの王道だよね。画伯対千和のバトルに一芸入試で入ったような学生達が大活躍、の二本、楽しめました。MS少女はそれなりに馴染みもあったけど、MS魔法少女ってのは初めて見たわ。

「ベン・トー」は新キャラ登場(前回もちょっと顔出してたけど)。ちょっと焦点ボケてたかも。とりあえず今、サターンとバーチャファイターの中古価格はセットで4000円程度、ってのがわかったのは収穫だったかも知れん。サターン単体だと今いくらぐらいなんだろ(「バーチャ」は持ってるからね)。高架下だともうちょっと安いのかな*1

日曜朝、「ゴーカイジャー」はアイムフィーチャリング。キャラの過去バナってのは通常シリーズ前半で説明されるものだけど、ここまで引っ張るってのは案外珍しいか。その伝で行くと次回はハカセの過去回ってことになるのかな? アイム可愛いね(そんだけかよ)。

「フォーゼ」は一度スイッチを使っちゃった人のリハビリ話、なのかな。確かに一度はすごい力を手にしちゃったら、またそれを手にしたいとは思うよね。前回でちょっと仄めかされてはいたけど、園田先生はゾディアック側の人だったのね。

「プリキュア」、ある意味儀武大活躍、みたいな。ギャグ回なんだけど、その裏で結構お話が動きましたよ、ってな感じで。

「ガンダム」は、それやるんだ、と思ってしまった生身で宇宙空間移動ネタ。あらかじめモビルスーツで太陽光を遮ったり、移動しきったあとに咳き込む演技を挟んだりと、ボーマンさんの時やクェスの時の見た目に、さらに「これはこれで真面目に考えてるんですよ」的要素を挟んで来てはいるんだが、そこを一生懸命やる前にやることあるだろ普通、とツッコミたくなっちゃうよなあ。軍艦の乗員なんだろみんな、的なツッコミを入れたくなるポイントが多すぎだろう。なんかこう、ディーヴァに集まった乗員に、見ていてモチベーション的に感情移入できるキャラクタが一人もいないってのはどうかと思うよ。

さてもう一本、年末のお楽しみ、「坂の上の雲」もいよいよ始まりました。黄海海戦がばっさりカットされちゃったのは残念だけど、残り話数からしたらしかたないか。二〇三高地の話も外せないし。弾着と同時にちょっと血しぶきを飛ばす、みたいな演出がちゃんと出来てて、最近のテレビドラマはバカに出来んなあと思ったことでした。バルチック艦隊のCGもちゃんとしてたけど、フランス由来のタンブルホームがぶよーんと張り出してる艦の姿が見られなかったのは、ちょっと惜しかったかな。

*1 高架下で見てみた。だいたい本体のみで\3500〜\4000ってところみたいっすね(11/12/5)


2011-12-05 [長年日記] この日を編集

[Day] ちょいとお出かけ

銀行周りの用事もあったんで、ついでに街まで。1ヶ月以上お出かけしてなかったもんだから、メトロ神戸のスパゲッティ屋さんやら串カツ屋さんやらが店閉めちゃっててビックリした。高架下もかなり、シャッター下りちゃったところが増えているし。不景気なのねえ…。

ま、こっちは久しぶりに街に出たのでいろいろ買物して帰ってまいりました。立ち呑みぷはー(さすがに季節的に、ぷはーってよりはヌル澗ぐびり、だけども)もして来たし。

立ち呑みと言えばオレのとなりに来た若者が、どて焼き2人前に串カツ盛り合わせ、にコーラを頼むんでちょっと引いた。個人の好みだけどさ、どて焼きとコーラ……。それは人としてありなの?


2011-12-06 [長年日記] この日を編集

[Books] プランク・ダイヴ

プランク・ダイヴ(Egan,Greg/著 山岸真/翻訳 イーガングレッグ/著) グレッグ・イーガン 著/山岸真 編・訳
カバーイラスト 鷲尾直広
カバーデザイン 岩郷重力 + WONDER WORKZ。
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011826-6 \900(税別)

数学キター!!

山岸真氏による日本版オリジナル短編集。比較的最近発表されたものを多めに7編を収録。

やってきましたグレッグ・イーガン。オレが最も苦手とするSF作家の一人だ。とにかく何かとんがったところで思索のエッジを効かせまくっているのは判るんだけど、その切れ味のあまりのすごさで、切られた後からたちまちそこがくっついちゃって(『るろうに剣心』でありましたね、素晴らしく良い刃物だとすぱっと切った大根が、すぐに合わせると組織が元通りになっちゃう、ってヤツ)、はて今何がありましたか? って気がして読み返しては見るんだが、やっぱり良く判らない、という…。

そんなこんなで読み切るのに大変な時間が必要な上に、読後にちゃんと判った気が全然しない、と言う困った作家さんであるんだけれど、それでも文庫で新刊が出たら買って読むって言うのは、訳分らんなりに何か気になる、ってところもあるのだろうな。そんな厄介なイーガンさんの短編集、今回もいろいろヘヴィ級です。ってところで収録されている作品の、判ったような判らん様な感想を、つらつらと。

クリスタルの夜

人間のそれをはるかに超える演算スピードを持った知性体が猛烈な速度で進化を遂げていく、って根幹部分のアイデアは、古くはメスクリンやチーラ人的なそれと共通するけど、ここで高速進化をするのはAI。その気になれば人間側の都合でシャットダウンできると思われる電脳世界の知性体に対して、人間はどう接するべきなのか、ってあたりまで考察…しかけたようなお話。お話の序盤がその後の展開に、上手に繋がらない感じがするんだが、これでいいんだろうか。

エキストラ

バイオテクノロジーの発達が人類にもたらした臓器不全の治療方法、それは…を書くとネタバレになってしまうのかな。クローンとオリジナル、そのアイデンティティについて考察するようなお話。逆にイーガンらしくない、と思えてしまうくらい、SFとしてオーソドックスな作りの一作。

暗黒整数

誰がつけたか知らないが、このタイトルがすでにイーガンSFっぽさ全開で、これは来るでえと思って読みはじめたら、これ、「ルミナス」の続編なのだね。あちらも大概だったが、あちらの大概さ、その凄みをちゃんと理解し切れていないままに読む続編は、やはり肝心の凄みの本質的な部分が良く判らん。構成や何やら、って側から見た時には、小説として一番出来が良いと思うんだけど、小説のタネの部分の仕掛けやら理屈やらを完全に理解できないものだから、「むー……」と思ってしまうのだった。お話の構成がしっかりしてると「イーガンっぽくねえなあ」と思い、奇想が先に来てお話が雑だと「イーガンなのになあ」と思ってしまう。難儀な作家ではあるよな。

グローリー

全然テイストは違うんだけど、ちょっと「タフの方舟」的なものを感じた。「エキストラ」同様、イーガンにしてはオーソドックスというかコンサバというか。ただ、本書に収められた作品群に共通するイーガンらしさ、みたいなものは本作にもちゃんと盛り込まれてる。

ワンの絨毯

ここからは「ディアスポラ」と微妙に共通する世界観のもとで語られるお話が続く。「ディアスポラ」にも収められたエピソードの元ネタになる本作は、言ってみればこれがイーガンだ、と言えるようなお話といえるかな。抜け作なりに考えてみるに、イーガンSFのキモというのは、図形として認識できる概念に展開可能な要素を付け加えることで、様々な可能性が生まれるような世界を作りこんでいく、というあたりにあるのだろうか。自分でも何言ってるのか良く判らんけど。

なんて言うのかな、はっきりと形にならないんだけど、形があって、そこに何か良く判らん変化が生じることが、まずものすごく微少な世界に影響を与え、それがもっとマスな世界にも少なくない影響を与えていく、ってあたりにイーガンSFの面白さがあるのかも知れない…のかな。

プランク・ダイヴ

「グローリー」と対をなすようなお話を、さらにイーガン的に自分のフィールドに寄せて構成したようなお話。そこの所の面白さはあると思うけど、SF以前に作劇の部分で失敗していると思う。このシチュエーションをダン・シモンズに投げてみ? とんでもないことになるぜ、なんて事をちょっと思ったよ。

伝播

この短編集は結構不思議な構成になっていて、(自分にとっての)いかにもイーガン、ってのと、あ、イーガンもちゃんとSF的なマスターピースにリスペクトがあるんだ、って思えるお話が良い按配で配置されていると思うんだけど、ラストを飾るのは後者寄り。なんだろな、タイムスケールみたいなところでクラークっぽさを感じたよ。

てな感じで。お話の巧さ、ってところではイーガンという人は下手な人なんだろうと思うんだけど、そこをチャラにしちゃうパワーを持ってる人であるとも思うわけで、つくづく厄介な作家さんではあることだよ。読まずに済ませられない、と思わせる時点で、やはり只者ではないのだよね。悔しいが、必読だと思うわ。

★★★☆

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

taoy@笹塚 [あー、これ私も難儀しました。「スゲースゲー」と思いながら読むんだけど何がスゲーのか自分でも判らんという…。話の肝の半..]

rover [「難儀」と言うのがこれほどしっくり来る作家さんて言うのもそうはいないよなあ、とほんとに思いますね。徹頭徹尾良く判らん..]


2011-12-07 [長年日記] この日を編集

[Books] 防衛戦隊、出陣! 海軍士官クリス・ロングナイフ

防衛戦隊、出陣!(Shepherd,Mike/著 中原尚哉/翻訳 シェパードマイク/著) マイク・シェパード 著/中原尚哉 訳
カバーイラスト エナミカツミ
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011829-7 \1100(税別)

あっ、かるーい死闘

知性連合の主星である惑星ウォードヘブンに突如発生した政変により、クリスの父であるウィリアム・ロングナイフは首相の座を追われてしまう。さらに知性連合の王である曾祖父、レイの地位をも脅かそうとする陰謀が、クリスの身にも影響を及ぼしてきた。少尉時代の任地での身に覚えのない不正疑惑で彼女に逮捕命令が出されたのだ。さらにロングナイフ家の人々に降りかかるトラブルと時を揃えるかのように、さらに大きな災厄がウォードヘブンに迫っていたのだった…。

前作の騒動の後、母星に戻って新型艦の運用研究任務に当っていたクリスだったが、いきなり逮捕されてどうなっちまうんだ、と思ったらそこはあんまり重要じゃなく、割とあっさりとその面倒は回避され、彼女は曾祖父であるレイの名代として外交任務をこなすことになり、そこで一騒動やらかした後、いよいよ本作のメインディッシュ、ロングナイフ家にとっての長年の仇敵、ピーターウォルド家が裏で糸を引く戦艦部隊の襲来を一握りの小型艦で迎え撃つクリス達の大活躍、というのがだいたいの流れ。そこの所の展開は何も間違ったことはやってないので、前作同様それなりにボリュームのある本だけどさくっと読んでいける。

ただ、パーツの配置は間違ってないけど、部品の選定と取捨選択が甘いので、それぞれのパートが妙に間延びして感じたり、いろいろな描写が物足りないと思えるところもあり、がっつり面白いものを読ませてもらった、と言う満足感は少々薄めかも知れないな。

物語的には、宇宙艦隊が出払っていて、魚雷艇レベルの小型戦闘艦(クリスの乗艦はPF-109。ケネディっすねー)12隻と駆逐艦2隻のみで、大型戦艦6隻の襲来からウォードヘブンを守る、というシチュエーションからは、相当な困難と多大な犠牲を伴う死闘がクライマックスに控えているであろう事を期待しながら本を読んでいくことになると思うんだけど、そこの所の盛り上げ方がどうにも淡泊というかなんというか。

前作でもその傾向はあったんだけど、味方は少数だけど極めて有能、敵は強大だけど絶望的に無能という図式が顕著で、味方側を苛める要素があまり強烈じゃないから、死闘が死闘に見えないのだった。主人公を信じて絶望的な戦いに身を投じる人々と、彼らを(そうなると判っていても)死地に送り込まざるを得ない主人公の苦悶みたいなものも、あるにはあるけどどうにもこう薄っぺらいというか。「シーフォート」あたりはこの辺の重さが尋常じゃなかっただけに残念だな。おなじみ超有能ボディガードや戦闘メイド(ただし36歳)、前作から加わったメンバーたちとの掛け合いなどは相変わらず良い感じで、つまらなくはないんだけど何かもう一声、足りてない気はするんだよな。

決戦!太陽系戦域 : 銀河の荒鷲シーフォート 上(Feintuch,David/著 野田昌宏/翻訳 ファインタックデイヴィッド/著)決戦!太陽系戦域 : 銀河の荒鷲シーフォート 下(Feintuch,David/著 野田昌宏/翻訳 ファインタックデイヴィッド/著)

ここまでヘヴィだとそれはそれでどうかと思うが。面白いけどきっついぞー、こっちは。

★★★☆


2011-12-08 [長年日記] この日を編集

[Anime] 定期視聴番組

週前半、「C3」、「LAST EXILE 銀翼のファム」、「僕は友達が少ない」、「未来日記」、「UN-GO」、「ギルティクラウン」、「たまゆら hitotose」。キタエリがエロかった「C3」、「銀翼のファム」は久々にがっつりとスペクタクル・シーンのつるべ打ちでなかなか見応えあり。細部はかなり雑で、「ん? 何でそうなる?」ってところも結構あったのは確かだけど、とりあえず目を瞑っとく。2ちゃんねらの皆さんにいろいろ教えてもらいました。「はがない」は自分の中では「DOG DAYS」枠、なのかな。どう見ても抜け作アニメなんだけど、何故か妙な面白さがある、という。

火曜日、「未来日記」は日記とその保有者のシステム的なところにポイントを移しつつの、まあ頭脳戦と言える部分を作りこんできた感じかな。ゲームのルールの部分で自分はいまだに納得できてない部分があるんだけど、それなりにテンションは張っていたと思う。ゆっきーは引き返せないポイントを超えちゃったねえ(^^;。

ノイタミナ枠。「UN-GO」は小説家と探偵、と言う関係性にさらに踏み込んでくるようなお話。ここにごく普通の主婦がテロリストになってしまう可能性、みたいな話を絡めてきたのは、それなりに今様ではあるとは思うが、そこのところがあまり上手く行ってたとは言えないあたりが問題のような気はする。「ギルティクラウン」は厨二アニメとしては、それなりにちゃんと出来てるんじゃないでしょうか。ちょいと無駄なキャラが多いような気もするけどね。

水曜日、「たまゆら」はかおたんお当番回。一見いい話っぽいけどこれ、かおたんの小さな葛藤に絡めて、アニメの舞台となっている竹原市とのタイアップをかなり前に出してきたエピソードなんじゃないだろうか。で、そう言う微妙なお話のメインをあすみんに振るのはちょっと辛いよね。あすみんそんなにお芝居上手じゃないもの(私、あすみんファンなんですけどね)。そんなこんなで「こういう流れで良いのかなあ」とちょっと思ったことではありましたよ。

[Anime][News] いえすっ、アスミス

そんなあすみん関連でちょっと笑ってしまった、YES! ASUMISU!(NFL倶楽部ブログ)。ちょっと前の「ひだまりラジオ」でもネタになっていたNFL、49ersのクオータバック、アレックス・スミスことアスミス(A・Smith?)ご本人に「「いえす、アスミス!」と言わせてみようネタ。

なんつーか、何やってんだって感じではあるよなあ。面白いけど(^^;。


2011-12-09 [長年日記] この日を編集

[Day] 今日は寒かった

ここ2、3日ちょっと温めだったんで油断してたんだけど、今日は真剣に寒かったな。古本発送しようと思って外にでたら、空気が少々痛かったぜ。普通に歩いてると鼻水がつつーっとでかかって、あわててポケットティッシュを探すぐらいの寒さ。

そりゃそうだ、もう12月だもんね。

[Anime] 定期視聴番組

木曜深夜の分。「ペルソナ4」、「輪るピングドラム」、「The iDOLM@STER」。出だしでなんかすごい危機的状況が来るかもよ、なんて仄めかしがあった割には割と肩すかしな感じだった「ペルソナ」、もはや何が起きているのかさっぱり分らんことになってきた「ピングドラム」、クリスマステーマの良いお話だった「アイマス」って感じですか。

んでもって「ピングドラム」の分らなさって言うのは、たぶんその作品世界のスケール感が掴めない、ってところにあるんだろうな、って気はしてる。男と女の話なのか、ファミリーのレベルのお話なのか、「世界」とやらをネタにしたお話なのか、そこらの見分けが全くつかないままにお話が進んでいるからなんだろうね。たぶんそこも造っている側からしたら、狙ってやっている部分であるのだとは思うけど、いろいろ難儀な話ではあるよ。この辺は「ウテナ」あたりを見てたらそれなりに耐性が付いてたりするものなのかしら。残念ながら見てなかったんで、良く分からないんだ。


2011-12-10 [長年日記] この日を編集

[News] 訃報

脚本家、市川森一さん(asahi.com)。ううむ、石堂淑朗さんの時と同じような理由で、この方が書かれた特撮作品の方には、実はそれほど思い入れというか記憶に残っているものがないというか。大河も「黄金の日々」より、その前年の「花神」のほうが圧倒的に好きなんだよね(返す返すも失礼なヤツだな、オレ)…。

そんな自分にとって、市川森一脚本の最高傑作と言えば、「私が愛したウルトラセブン」って事になるでしょうか。これはとてもステキでした。どうもありがとうございました。安らかに。

B00006JLAF

特定世代限定、ってところもあるのかも知れんけど、とても好き。


2011-12-11 [長年日記] この日を編集

[PC] Opera

スクリーンショットバージョン11.60。2、3日前に勝手にアップデートしてくれて、特に大きく変わったところもないなあと思って普通に使ってたんだけど、今日になってフィードリーダがちょっと仕様変更されてることに気がついた。前は水平に2分割されてたタイトルと本文が、Operaデフォルトに準拠した(のかな?)、タイトル一覧を左ベインにずらっと表示するスタイルに変更されている。んまあ見やすくなったとは言えるんだが、これも広大なディスプレイサイズが当たり前、って前提のデザイン変更と言えるよなあ。

ウチももうちょっと横に広いディスプレイがあったら、この仕様変更もへっちゃらぷーだったのかも知れんが、現状だとこれはちょっとありがた迷惑だね。

もひとつ気がついた。Private TabとかPrivate Windowって前からあったっけか。スケベなサイトを訪問しても履歴を残さない機能らしいけど(ざっくりしてんなー)。

[TV][Anime][web] 定期視聴番組

「灼眼のシャナⅢ」、「Fate/Zero」、「境界線上のホライゾン」、「ベン・トー」、「海賊戦隊ゴーカイジャー」、「仮面ライダーフォーゼ」、「スイートプリキュア♪」、「機動戦士ガンダムAGE」、ニコ動で「WORKING'!!」、あと「坂の上の雲」。

良い調子でテンション上げ上げでお話が進んでいる「シャナ」、良い意味で厨二だこれ。「王の王たる意味」はなんぞ、ってのをセイバー、ライダー、アーチャーが討論する回だった「Fate」。王の資質とは詰るところ、王の望みを達成するためにどれだけ消費できる駒を集められるかだろ、って話はかなり面白かった。人を慮るのではなく人が無条件でついてくるオーラがある人物こそ王の器、って事なのかね。度量、って事になるんだろうか。

そんな「王たる条件」を満たしてるのは実はこの人なんじゃね? って話だったのが「ホライゾン」かしら。妙な面白さがあった。逆に「ベン・トー」は若干失速気味かも。

日曜朝、「ゴーカイジャー」はフィーチャリングハカセ回の取っかかり、「フォーゼ」は次のレベルの敵が出ますよ、のプロローグ、「プリキュア」はラス前の盛り上げモード、って事でしょうかね。

「ガンダム」は相変わらずヌルい。「WORKING'!!」は楽しいです。

「坂の上の雲」、司馬史観的乃木バッシングはやや控えめだったかな。戦闘シーンでスローモーションを多用して、爆発などで大量に発生するガレキ的なものの描写を見せる動きはちょっとだけ新鮮だったかも知れない。地デジ画質で見るとかなりの見応えだったかも知れないな、とは思えたので。


2011-12-12 [長年日記] この日を編集

[Books] NOVA6 書き下ろし日本SFコレクション

NOVA : 書き下ろし日本SFコレクション 6(大森望/編集) 大森望 責任編集
カバー装画 西島大介
カバーデザイン 佐々木暁
河出文庫
ISBN978-4-309-41113-2 \950(税別)

3.11がちょっぴり影を差す

全編書き下ろしの日本SFアンソロジー第6弾。今回は10編を収録

今回もかなり短いインターバルでの刊行。何でも「5」が刊行された時点で、本書のための原稿はほぼ揃っていたんだそうで、そりゃ出ますわな、続々と。って事で今回も短く感想を。

「白い恋人たち」 斉藤直子

NOVA4に収録された「ドリフター」と同じ設定で語られる、ちょっと変わったラブ・ストーリィで、最近話題の吉本関連ネタとは関係ない(あたりまえ)。個人的に街行く人の装着するマスクの面積が日に日に大きくなっていって、このままじゃあ顔が分んなくなるよなあなんて思ってたタイミングで振ってきた、世の人がみんな助清状態になっても一目惚れってあるのか問題に軽く斬り込む一編(そうか?)。ラノベ読みでない自分にとって、こういうキャラの立て方がラノベ的スタイルなのかなあ、なんて事もちょっと思った。オチが若干分りにくい気がするんだけど、これはつまり、このシリーズの常連である守衛のおっちゃん(良い味出てます)が、「観測者」である、って事なのかな。

「十五年の孤独」 七佳弁京

人力で軌道エレベータを登り切ろうとする男の物語。直球のハードSFで、それ故の魅力も欠点も併せ持つ。投稿作品で、かなり編集さんとの間でやりとりがあったそうだが、それがどちらの方向に働いたものなのか、ってあたりにちょっと興味がある。均されて少々「普通だな」感が先に立つ作品になってしまったのか、もとのズタボロぶりが編集さんの手腕でちゃんと読めるものまでブラッシュアップされた結果がこれなのか、どちらなのだろう、ってあたりが気になったのでした。

お話は前述したとおり、極めて直球でいいんだけど、一番の根っこ、一人の人間の十五年を掛けたチャレンジ、ってのは、メディア的にとって十五年付き合うに足る素材なのかなあってところが今ひとつ説得力に欠けてるような気がしないでもない。

「硝子の向こうの恋人」 蘇部健一

大森望さんの口上で、「トホホミステリの旗手」なんてレッテルが紹介されたものだから、その「トホホ」の部分を期待して読んでいったんだけど、これはそんなところは微塵もない、極めて王道にしてオーソドックスな時間SF。トホホどころか大変端正な造りの時間SFなんだけど、残念ながらこう言うのは俺、もう読んでる。

「超現実な彼女 代書屋ミクラの初仕事」 松崎有理

創元SF短編賞、第1回受賞作家による連作シリーズの前日譚。肝心の「代書屋ミクラ」のシリーズの方を読んでいないのであまり突っ込んでコメントできないんだけど、理系の論文の代書、というのはかなり面白いテーマで、自分が勝手にこの方に対して貼っているレッテルであるところの、「理系女子版瀬名秀明」ならではのお話の展開を期待してしまうんだが、そう言う部分とコイバナのバランスの按配が、ちょっと上手くなかったかなあと言う気はする。これはこれで良い感じなんだけど。

「母のいる島」 高山羽根子

子だくさん母さんが、自分の身体を危険にさらしてまで子だくさんにこだわる、その理由とは…。これも自分的には、自分が多めに読む本と、そうでもない本(平たく言えばラノベだね)との間にある境界線上でホライ…いやいや、ダンシングしてる系のお話、という印象。「SFであるか」ってところをどのくらい重視するか、どこを基準に「SF」の線引きをするのか、ってあたりをちょっと考えてしまうお話。ぶっちゃけ、

単体で見たらこれはSFじゃねーだろ、と思う反面、この作品がSFアンソロジーに収録されたら、それはそれで受け入れるよな、みたいな(w。

「リビング・オブ・ザ・デッド」 舟戸一人

見た人のエモーションを直接データベースに反映させることが可能な技術ができた世界で、自分と他人の関係性を演劇を通じて問い直す、みたいな。ニコ動の「歌ってみた」とかが拡張された世界という事になりますか。ちょっとオチが理解できなかったのは、こっちの感受性が磨り減っているからなのかな。

「庭、庭師、徒弟」 樺山三英

なんて言うんだ、概念SF? 何かバラードっぽいなあと思いながら読んだ。最終的に「徒弟」というのは、実は人間ではない何かなのかしらね。

「とんがりとその周辺」 北野勇作

ぶっ飛び具合がなんて言うのかな、いつもの北野勇作SFが持ってる、どこか乾いて明るいところに着地してくれない作品で、これを震災以降に読むのはちょっと辛いものがある(作品自体は少し前に書かれたものだそうですが)。実は本書に収録された作品群の中でも、分らん方のランキングで上位に位置する作品になるんじゃないかと思うんだが、何となく読ませちゃう筆力、ってのはあるんだなあとは思った。

でもやっぱり良く分からん。

「僕がもう死んでいるって事は内緒だよ」 牧野修

まともに3.11以降を扱った作品で、その「重さ」みたいなものに向き合う姿勢を決して否定する気はないんですが…

SF好き的に「原子力」ってのがある種のワイルドカードであった時期というのは確かにあったわけで、そこに向き合う姿勢としてそれは本当に真摯なものなんだろうか、と思ってしまうのも確かなところで。核エネルギーが絡むとSF陣営は立場がちょっと弱くなってしまうよなあってところはあるのだよねえ…。

「保安官の明日」 宮部みゆき

一種の箱庭的世界で語られる人格問題。ストーリーテリングの巧さは流石なんだけど、宮部みゆきはSFの人ではないんだなあ、ってのも改めて確認できるようなお話、といえるのかしら。その「巧さ」がどこかでSF的快楽を削いでしまっている、みたいなね。

集まった作品のテイストがそうだったから仕方ない、とも言えるのかも知れないkれど、やや地味目のアンソロジーになってしまったかな。やや低調傾向、だったかしらね。

★★★☆


2011-12-13 [長年日記] この日を編集

[Anime] 定期視聴番組

ややイリーガルな見方ですけどとりあえず、「C3」、「LAST EXILE 銀翼のファム」、「未来日記」。「C3」はまあこんなものってことで。「銀翼のファム」は、んーとなんだろなー、やっぱり世界のスケール感、みたいなものがちょっと曖昧で、そこの所の違和感を拭いきれないまま見ている感じ。何百人と乗っていたであろう大戦艦(旗艦クラスなのでしょ?)を、4人で復旧して回航できるものなの? 割とどうでもいい話なのかも分らんけど、引っかかってしまったものは仕方がない。お話の方はジゼがいじいじしちゃってるのをファムたちが頑張って翻意させるような話になるのかと思ったら、割と逆方向で動いてて、そこがちょっと面白かった。ファムのボーイッシュなかわいさを前に押してきてたあたりも良かったね。

「ファム」が終わったタイミングで「未来日記」が始まったのでそっちを先に見たわけですが、みねねさんのオモシロ話が前半、後半はゆのっち絡みでちょっと話のベクトルにまたちょっと変化がかかったような回。ウザくて怖くてしかたがない存在なんだけど、最終的にゆっきーが頼れるのはゆのっちだけなんだろうね。ご愁傷様です。この先も苦労が多いであろうゆっきーのための、ささやかなご褒美回だったのかも知れない。

オマケ。定期視聴とはちょっとずれるけど、2ちゃんの芸スポ速報+で見かけた、「坂の上の雲」に関するスレで見かけたこんな書き込み。

33 名前:名無しさん@恐縮です[sage] 投稿日:2011/12/13(火) 21:25:38.41 ID:qW7xrz9W0
>>11
映画じゃ先に強制的に金を徴収して作るなんてことできないからな
確かにNHKらしいわw

ああ、それは確かにそうかも知れんなあ、とちょっと思った(w。


2011-12-15 [長年日記] この日を編集

[Baseball] ボクと契約しちゃったからね

朝ぼへーっと朝刊見てたらスポーツ欄のプロ野球の契約更改情報に、藤井捕手が現状維持でサイン、って記事があって「えー?」と思ったんだけど、オトコマエ捕手、2年契約なので基本は現状維持にならざるを得ないんだね。関連→城島倒さねば…藤井彰来季はクビ覚悟(nikkansports.com)。ちょっとケバ目の見出しですけど、2年契約の2年目だし、来年はジョーも戻ってくるだろうからここで頑張らんと、ってお話。藤井も来年は12年目の選手になるんでしたか。

そのジョーも複数年契約なので年棒は据え置き。ただしその額は藤井の10倍。今年だけなら納得いかない数字だよな。んまあ不慮のアクシデントがあった時にも大丈夫なように、って意味での複数年契約だから、こういう事になる事もあるっちゃある、んだろうけど。

とはいえ今年の阪神のVIPは藤井だったと思うんだけどな。体力が保たなかったか、夏の終りあたりからその輝きにも少々翳りが見えていたし、結果が4位で終わった以上、そんなに派手に持ち上げる様なもんでもないだろう、って説にも一理はあるけど、藤井がいなかったら今年の阪神、GW明けあたりでシリーズ終了してたぜ。勝ちゃん時代でもそうはなかったぞ、そこまでのズタボロは(w。

阪神は球児には上乗せを提案したそうだけど、球児は辞退したんだそうで、その辞退分の2000万円、旦那が辞退したんで女房に、ってことでオトコマエにボーナスとして渡してあげても良かったんじゃないかなあ。それぐらいの仕事はしたでしょ。

[Anime][web] 定期視聴番組

いろいろ順番がシャッフルしてますが、「たまゆら hitotose」、「僕は友達が少ない」、「UN-GO」、「ギルティクラウン」。

真音たんお当番回(しかも3回目だ。優遇されてんな儀武)の「たまゆら」。将来に不安を抱えたハイティーンの心の動きを描く、ってところではそれなりに丁寧で、正直じわっと来ないこともないお話だったけど、同時にそれでいいのかな、と思ってしまうところもなくはないわけで。もう最終回が近いという関係上、こうするしかないのかも知れないけれど、真音は一度失敗を味わうべきだったのじゃないのかなあと思ってしまったのだよね。もしくはアニメの方でも儀武さんのポテンシャル全開の、有無を言わせない朗読劇を見せるか。ここのところでちょっと、どっちつかず感が残ってしまったかも知れない。

「はがない」はまあ、こういうものか。でもさ、この子たちってすでに「友達が少な」くはなくなっちゃってるよねえ。この先の展開はそこの所に気がつくかどうか、って話になるんでしょうか。

ノイタミナ枠。「UN-GO」は割とコンサバな方向でミステリのお約束を回収しつつお話を進めているな、と言う感じで面白い。探偵はミスリーディングの繰り返しの末に真実に迫るものだよね。

「ギルティクラウン」はあれだ、調子こいた厨二がお前は厨二なんだよ、ってのを改めて思い知らされる回。こういうの、割と好きっす(w。


2011-12-16 [長年日記] この日を編集

[web] さおだけ屋的な…

ライトノベル『奥ノ細道・オブ・ザ・デッド』が大賞 日本タイトルだけ大賞2011(ニコニコニュース)。ニコ生でやってたの見ようと思ってたのに気がついたら終わっちゃってた(→関連 究極の出オチ?日本一面白いタイトルの本を決める「日本タイトルだけ大賞2011」)本が売れるためにはタイトルも重要ってわけで、編集サイドもいろいろ策を弄してくるんだけど、策も弄しすぎるとネタになっちゃうぜ、って話。自分はタイトルで惹かれるって事がめったにない人間なので、こういうの見ても鼻で笑うだけなんだけど、確かにインパクトのあるタイトルの本ってのはあるにはあるよな。オレもノミネートされたタイトル眺めてて、「マッチポンプ売りの少女」とかはちょっと読んでみたいような気もしたよ。

よく考えたら(考えなくても)それって結局小町に集まる人たちの話だよなーと思っちゃったんだけど。

仕事くれ。(Kennedy,Douglas/著 中川聖/翻訳 ケネディダグラス/著)

もしかしたらほぼタイトルで惹かれて選んだ本ってこれぐらいかも知れない。まあこの著者の前作、「ビッグ・ピクチャー」もなかなかのものがあったから、ってのもあったんだけど。

[Anime] 定期視聴番組

木曜深夜分。「ペルソナ4」、「輪るピングドラム」、「The iDOLM@STER」。あらら、イヤミな先生逝っちゃったよ、だった「ペルソナ」。んまあミステリ的には模倣犯によるかき回しってエピソード。そこに気が行かないあたりが所詮高校生、って事なのかな。クマさんが実体化したり、いろいろ変なことになりかかっとるような気がする、と言うかこの作品自体が実はそう言うノリなんだろか。

オウム的な何かを下敷きにしつつ、世界を革命する力を求めるなにものかの話になってきた「ピングドラム」。面白いんだけど、やっぱりスケール感的な何かが、お話をこちらの胸にすとんと落すことの邪魔をしているような気がしないでもない。それも狙いなんだよ、と言われそうな気はするんだけどね。

真面目とモラトリアムの境界で彷徨う春香さんが空回りしちゃうお話だった「アイマス」。ま、フィナーレに向けたヤマだわね。劇中で何度か挿入される、夜の街を行き交うクルマの表現が面白かった。ボケ味がなんか新鮮な感じだったんだけど、手法的に何か良い思いつきがあったのか、なんか良い感じのプラグインとかが見つかったのか、なんだったんでしょ。

あとから見直したら「絵コンテ:舛成孝二」で割とびっくりした。


2011-12-17 [長年日記] この日を編集

[Chinema] いい加減マンガ・アニメ原作の実写化は…

やめときなさいよって声も聞こえてきますが、実写版「るろ剣」の特報映像。んん、どうでしょね。悪くないような、「るろ剣」ってそんなだったっけ? みたいな。飛天御劔流の基本は居合的なものだったと思うんだけど、こちらの剣さんは静と動のメリハリって言うよりは、どちらかというとアクロバティックな軽業的殺陣で来るのかな? んまあちゃんとしたチャンバラを今の若い役者さんにやってもらうのも結構厄介なのかも知れんけど、どうなるんでしょ。

いきなり話は飛んじゃうけど、(どっちかというとアイドル系な)若手の役者さんの時代劇の決定版は? ときたら「痛快・三匹が斬る」の近藤真彦で決まり、って事になると思うんだがどうでしょう。殺陣の巧さとか、そういうところの前に、刀を斬り上げて、着物の袖がすっと下がり、マッチの二の腕がはらりと見える、と言うシーンの色っぽさはただ事ではなかったんだよ(w。佐藤さんの剣心にも、そう言う絵があると良いんだけどね。

本日のツッコミ(全5件) [ツッコミを入れる]

す・みけーん [お、実写るろ剣、悪くないっすね。さのすけが青木むねむねなんだ、てかキャストほとんど龍馬伝ですなあ。 マンガを「再現..]

rover [ああ、オレは割と否定的かも知れないですねえ。実写にしない方が良いよ、ってコンテンツはあると思うんですよ。自分的には「..]

す・みけーん [同じく佐藤健ちゃんなどライダー組であれば, メイちゃんの執事 実写TV版があまりにひどかったので, なんか慣れました..]

rover [「るろ剣」やるなら、なんでトレイラーで京都での殺陣を見せないんだよ、ってところが、やっぱり気に入らないんですよねえ。..]

す・みけーん [たしかに、「人斬り抜刀斎」のゆえんはイジってほしくないですなあ。無難にやるなら、こういう踏み込み方はしないで、3巻く..]


2011-12-18 [長年日記] この日を編集

[web] 手乗りじゃなくて冬?

野嵜さんが紹介していたTwitterクライアント、「冬たいが〜 / 冬たいがー」の見た目がなんだかかわいらしかったので、Tweenから乗り換えてみた。つぶやく気が起きないのは別にクライアントのせいではないと思うけど。

ただ、こいつは新しい呟きがあるとディスプレイの右下にその呟きをポップアップウインドウで知らせてくれるので、なんか来たな、ってのがちょっと分りやすいか。

とは言えこれで、新規のTweet、Operaの新規feedのチェック、さらにSkypeつないでいる時には人様のオンライン状況やら何やらのお知らせと、ちょいちょいちっちゃなウインドウがぽよんと出てくるようになっちゃった。ニコ動は右上だけど、ウチのWindowsは右下が大忙しだ。

[Anime][TV][web] 定期視聴番組

「灼眼のシャナⅢ」、「Fate/Zero」、「境界線上のホライゾン」、「ベン・トー」(×2)、「海賊戦隊ゴーカイジャー」、「仮面ライダーフォーゼ」、「スイートプリキュア♪」、「機動戦士ガンダムAGE」、ニコ動で「WORKING'!!」、あと「坂の上の雲」も。

世間では宇多丸師匠のあずにゃんぺろぺろ(Podcast/ザ・シネマハスラー)が話題になってたけど、こっちはマージョリーさんぺろぺろだったぜ、な「シャナ」。んー佐藤君、それはつまりえーと、ぺろりと召し上がられたのですのね、あわわ。

いまだにルールが完全に把握できてない「Fate」。先週のお話で綺礼さんは自分のサーヴァントを失ってしまったので、戦線離脱だと思ってたのが、いろいろあってまだあなたは鮮烈に残りなさいと言われてこりゃいったいどういうことなの? ってお話。全体にノリとしては会話劇で、そう言うの嫌いじゃない自分は、まあこれはこれで。ギルガメッシュさんとなにか「空白の一日」的な(古いな、オレは)ズルかましをしようって展開なのかな。でも次で終りなんですよね?

同じくダイアローグの面白さで押してきた「ホライゾン」、こっちもなかなか。こういうの好きなんだ。

前に「ホライゾン」が2話連続だったけど、今回はこちらが2本立てだった「ベン・トー」。調子こいた伊瀬茉莉也がほっちゃんとゆかりんにボコられる話(かなり違)と、その先輩二人の上に、さらにラスボスがいましたー、ってのが分るお話。登場するキャラクタの数に対して、シリーズの尺が短すぎる恨みはあるよね。もうちょっと見たいような、この辺で切っておかないと先は怠くなる一方、って心配もあるような。

日曜日。ハカセのエピソードの解決編だった「ゴーカイジャー」。全員グリーン、ってのは斬新だけど、誰が誰になったのか、とっさに分りづらい恨みはあるよな。「フォーゼ」はゾディアックの人たちのシステムみたいなところにちょっと掘り下げが入るお話。グリークラブの男の子の一人は「アギト」のタイチ君だったのね。面影、どうだろな、残っているのかな…。

そっち方面よりも、劇場版「ゴーカイジャー」のトレイラーがちょっと気になるね。ここまで静止画でしか見れなかったギャバン(妙にキレイすぎるよなあ、って思ってたんだ)のアクションがかなり良い感じで、妙に期待できそうな気がしちゃって。大葉さんの生身のアクションも、さすがのキレだし。

「プリキュア」はまあ定型処理といえるんだろうけど、メイジャーランドの人々の抜け作ぶりは、もうちょっとどうにかならんものか、ともちょっと思った。お前らがもうちょっとちゃんとしてたら、こんな騒動にはならんかったんちゃうんかい、と。それじゃあ「プリキュア」作れなくなっちゃうんだけど。

「ガンダム」は、どうしてなんだろうな、登場するキャラクタたちの誰一人として、感情移入できる人がいない状態になってしまっているんだけど。たぶん、登場人物の動機と目的が理解できる人が登場キャラの中に一人もいないってのが大きいのだと思う。何をしたいのか分らん連中が集まって何かやってる、ってお話が面白い訳ないよね。たぶん今のガンダムはそう言う状態になっちゃってる、ってことなんじゃないかな。

「WORKING'!!」は楽しめる。ちゃんと身の丈にあった話を造ってるので無理がないんだよね。

「坂の上の雲」、ロシア艦のシルエットに「クニオヤジ・スワロウ」だの「アキレサンタ」だのと呼び名をつけるってのは、司馬遼太郎の原作でも書かれていたものなのかしら。それ以外にも会戦に入る前に、幕僚が東郷に対して露天艦橋からの退避を促すシーンとか、あちこちで「日本海大海戦」でそれは見たなあ、って絵があったような気がするんだけど。

対馬の海戦はこの番組のヤマ場なので、今週はそこへのブリッジ的エピソードってポジションであったって事なんだろうけれど、それにしても陸軍側の描写はちょっとしょぼかったかな。永沼挺身隊のエピソードは「敵中横断三百里」の元ネタなんだし、奉天会戦は当時としては最大級の陸戦だったはずなんだけど、そこの所の描写ももう一声、欲しかったような気はするな。

とは言え絵の豪華さは流石に前もって金取って造ってる放送局、特に軍艦のアップ気味の絵はCGIの恩恵ありまくりって感じだ。逆に東宝版を改めて見直したいと思ってしまったことでしたよ。


2011-12-19 [長年日記] この日を編集

[News] 暴君は69で逝く

北朝鮮の金正日総書記死去 視察に向かう途中(asahi.com)。思ったよりあっさりとぽっくり逝っちゃったなあと言う感じはあるかも知れない。とは言えこれで、何かがすぐに大きく動くというようなものでもなく、さりとて油断しててもいけないよ、と言う話ではあるわけで、生きていてもおっちんじまっても厄介な人物であるよ、ってところではあるよな。

さてそんな、69歳で亡くなられた金正日さん、町山智浩さんのTweetによるとこの69という享年(あ、享年だと68になるんだっけ?)、ポル・ポト、フセイン、カダフィと同じ年齢なんだそうで。何かそこに因縁みたいなものがあったりするんだろうか。

[web] 新たなる介入者

Sorry, sm16329617 was deleted.

少し前に相馬さんと山田が聖杯戦争に介入するネタがあって大概笑かしてもらったんだけど、今度はうんたんが聖杯戦争に武力介入して来たようで。今回は音声も凝っててなかなかのニヤニヤぶり。ちなみにこのとき、山田と相馬さんは日記所有者達の戦いに武力介入していたようですよ(w。

[TV] (ひさびさ)月曜時代劇

これが最後の「水戸黄門」って事なので観賞。まあ一種のお祭りだから、これはこれで良いんだけど、「時代劇」の「ドラマ」としては相当水準低いものだったんじゃないだろうか。

何より脚本がクソだろう。黄門様のスペシャルは毎度総花的な見せ場を入れ込む必要があるんで、一本のお話としての整合性、ってところはかなり低いところでやっつけられちゃってる感じ。

あのさあ、この手のお話ってのは最後に一番の勧善懲悪を持ってこなくちゃいけないでしょ? なんで最終決戦の前に龍刃党とやらの首領は勝手に舞台を降りちゃうの? これでは一番最後の盛り上がりで、その盛り上がりの中で倒すべき首魁が不在、と言う非常に腑抜けた状況ができてしまうだけだと思うんだが。

この流れが避けられないものであったとしても、回避策はあったと思うんだけどね。「水戸黄門」なんだもの。この流れでも最後に苦虫を噛みつぶす表情の柳沢吉保、って絵を1カット挟んでおけば、いろんなものの辻褄がそれなりにあったと思うんだけどな。

そこを措いておいてもいろいろ腑抜けとったぞ。何より殺陣の切れのなさはどうしたことか。時代劇における殺陣って言うのは、ある程度「型」を踏まえた上での、役者さんたちの動きや位置取りの流れを楽しむものであるべきだと思うんだけど、そこの所が全然できていないよね。最終的に一番キレの良い動きに見えるのが由美かおるのそれ、ってのはマズいでしょ、いろんな意味で。

これで黄門様は一度終了、って事だそうだけど、それ以前に今は、本流の時代劇が作れない時代になってしまったのかも知れないな、ってのを改めて思い知らされてしまった、ってところで何やら示唆に富むスペシャルであった、と言うところでしょうかね。


2011-12-21 [長年日記] この日を編集

[News] 訃報

映画監督、森田芳光氏(asahi.com)。一番近々に見た森田映画が「椿三十郎」だった、というのはなんだか申し訳ない気がする。「家族ゲーム」、印象的でした。ご冥福を。

[Anime] 定期視聴番組

「C3」、「LAST EXILE 銀翼のファム」、「僕は友達が少ない」、「未来日記」、「UN-GO」、「ギルティクラウン」。

月曜日、「C3」は最終回。んまあ2期やっても良いんでしたらやらしていただきたいです、的な終わり方。まあそれなりにオチてたか。「ファム」は総集編。んー、総集編やるならむしろ、前作のお話をまとめてくれたら嬉しかったんだけどな。「はがない」は海にいく話。そうか、電車の連結部分に攻めと受けを見て取れるとは、さすがだな理科。小鷹の幼少期の記憶にあった親友ってのは夜空なんだろうね。

「未来日記」、一度は同盟関係にあった刑事さんが、いろいろあって敵対する立場になっちゃう話。彼の日記は犯罪者を追う日記なので、一度ゆっきーたちを犯罪者に仕立てないと日記が使えない、って流れはちょいと面白いと思った。逆にユティリティプレイヤー的なゆっきーの日記は、とんがった状況だとあんまり役に立たないって事なんだね。お話的には割とシビアなお話のはずなのに、良い按配にギャグが詰め込まれてて面白かった。EDテロップ見てたら、刑事さんの同僚さんの名前はマカロニにジーパンにスニーカーにロッキー。おーい(w。

ノイタミナ枠。「UN-GO」はある意味敗戦探偵が何故に敗戦探偵なのか、ってあたりを逆説的に掘り下げてみた、みたいな。最終的に海勝会長がラスボスって事になるのかしら。何となくもう一度、ひっくり返しがありそうな気もするけど。「ギルティクラウン」は、前回調子こいて叩きのめされた集くんが、ヘタレを極めてしまって周囲に迷惑を掛ける話。いってしまえば鬱展開なんだが、こういう打ちのめされ系の展開が続くジュブナイルって結構嫌いじゃないんだ。なんだろね、「移動都市」的、英国製ジュヴナイル・テイストとでも申しますか。ただし、最終的に主人公は「選ばれたもの」っぽい感じなのはちょっとなあとも思うけど。

[News][Books] 自炊と裁断

自分が今のところ、ここには踏み込んでいないのでちょっと距離を感じているんだけど、スキャン代行業者提訴で作家7名はかく語りき(eBook USER)。

なんというか「自炊」と言う行為のプロセスのひとつに「裁断」があり、その単語のニュアンスに異常に反応しているんじゃないかという気はしないでもないな。

ここで提訴した作家の皆さんの脳裏にあるのは、一冊の本がずたずたに裁断され、それをもとにデータ化された情報が、不特定多数のユーザにデータとしてばらまかれている図、なんだろうな。

でも違うよ、この(提訴された)業者がやっているのは、正当にお金を払って購入した本を、自分用にデータ化する、と言う決断をした人に対して、それなりにコストがかかる作業である裁断→スキャンデータ作成を請け負うから、その手数料を払ってもらうって事だと思うんだけど。需要と供給、って部分において、林真理子が言うような猟奇的な状況なんてのは微塵も発生していないぜ。

そりゃ気分的には、自分もお金を払って買った本が、バラされて、スキャニングされて、廃棄処分されるって目に遭うってのは耐えられない。だからは今はまだ、紙の本を買う。でも、だったらこの先、最初から紙媒体を介さないで発表される「本」ってのが一般的になった時、その時点で世の中に溢れている(であろう)紙の本の内容をアップデートしていこうという流れまでもが批判の対象になってしまってもいいような物なのかね。それはちょっと違うんじゃないかな。「裁断」と言う(ちょっと強い調子の)言葉に、何か過剰反応してしまっているような気がするんだけどな。

本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

taoy@笹塚 [私も「裁断された本」というのが気持ち悪いというのは判りますが、でもこの作家さんたち+これに賛成する人達ってのはどう見..]

taoy@笹塚 [そうそう、「エンダーのゲーム」映画化が本当に始まっていて、グラフ役でハリソンフォードが契約したそうですよ。ちょっと久..]

rover [裁断された後の本やデータとして出来上がったものの処理、あと、データを受けとった側がほんとに個人の範疇内でそれを利用す..]


2011-12-22 [長年日記] この日を編集

[Anime] 定期視聴番組

ほんとは昨日日記書いてる最中に録画スタートしたので、その時点で見てたんだけど、「たまゆら hitotose」最終回。まあ良い話に思ってきていたと思う。思うけどいろいろ不満もある。

竹原という地方の小都市の魅力をアニメのウリの一部に持ち込むことはステキなことだと思うけど、それが作品の魅力を超えてタイアップ臭みたいなものを放つところまで作りこまれてしまうと、それはそれでどうなんだ、と。「わたしたち展」を旧笠井邸で、ってのはやっぱりどうなんだろ、と思ってしまうんだよなあ。そこにおかしなニオイを勝手に感じてしまうところが、汚れたオトナの証拠なのかも知れないけどさ。

[web][Books] スキャン問題の続き

昨日の続き。すごくどうでもいい話なんだけど…。

古本屋であるオレが、買取依頼のお客様からお送りいただいた本を裁断しないでスキャニング(山形浩生氏がOCRスキャンで『ノヴァ急報』をpdf化してたと思うけど、あんな感じ)して、その分の手数料は頂いた上でそのpdfデータを買取依頼のお客さんに還元して、かつ買い取らせていただいた本はそのまま古本屋の棚に並べる、ってのはアリなんだろうか。

本は売りたいけど内容は手許に置いておきたい人にはデータを供給、古本を売りたい人間の手許にはブツがある、ってのは、なんとはなしにウイン・ウインな関係なような気もしちゃうんだけど、どうなんだろう。

お縄対象物件なのかなあ、これは。

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]

TUX [●どうにも「モノとしての文化的価値」「個人的情緒価値」「権益的価値」がごっちゃに語られてるんじゃないかなあという気が..]

rover [女の子の胸にLD-BOX押し込んだら、DVD-BOXが出てくる絵を想像しちゃったよ(w。]

TUX [●それは別の意味でビッグビジネスになりそうです(爆)]

rover [ヴォイドDVD(^^;……]


2011-12-23 [長年日記] この日を編集

[web] 情弱っちゅうか、学習モードがOFFになってるんだと思う

本気で殴りそうになった情弱の行動(ハムスター速報 via HK-DMZ PLUS.COM)。オレにも思い当たる話はあるぞ。
  • 先方:「ほにゃらら.htmlの修正をお願いします」
  • オレ:「対応しました」
  • 先方:「直っていません」
  • オレ:「(ブラウザを)リロードしても直りませんか?」
  • 先方:「直っていました」
事象自体は些細なことではあるんだが、問題なのはこのやりとりが、同じ相手と年間に数十回繰り返されるって事なんだよなあ。流石に最近は、こちらからリロードしてみ? と返事をする前に「キャッシュでした」っつー連絡が来るようにはなったけど、やっぱり最初のいちゃもんは無くならないんだよなー。いい加減何かを学習してくださいな、TRちゃん。

[Anime] 定期視聴番組

木曜深夜分。「ペルソナ4」、「輪るピングドラム」、「The iDOLM@STER」。「ペルソナ4」、おかしなゲームオタクの件は簡単に解決して、その後みんなの心が離れ始め、悠が焦り始めるってお話なのかと思って、そりゃ意外に新機軸だなあと思ってたらそんなことはなく、それもゲームオタクくんのフィールド内のお話だったことが判ってある意味がっかり。そっち方面に話を拡げてやれば、一旦離れた仲間が再結集、って見せ場も作れたのにな、なんて。

「ピングドラム」は最終回。最後まで一筋縄ではいかないお話だったと思うけど、敢えて乱暴に決めつけてしまうなら、取捨選択にまつわるお話だった、と言うことになるのかしら。それでは言い足りていない、ってところも結構多そうではあるけれど。分ったような、分らんことがたくさん残ったまま終わったお話、という印象もなくはないけど、少なくとも何かを引っ張るものを残して閉じたな、と言う感じはある。「気になる」ってところの多さだけなら「まどか」以上だったかも知れないね。

「アイマス」は実質的な最終回、と言えるのかな。前の千早さんのエピソードが一種の予習的な意味合いを持ったお話だったのね。なかなかよろしおした。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

す・みけーん [いや、これは、リロードしても「直っていません」と言い出すまでは殴っちゃだめですね。たぶん天丼ですから。]

rover [リロードして直ってなかったら、殴られるのはオレの方のような気が(^^;)…]


2011-12-24 [長年日記] この日を編集

[web][Books] スキャン問題の続きの続き

すみさんがTwitterでいくつか関連記事を紹介してくださってて。

福井健策弁護士ロングインタビュー:「スキャン代行」はなぜいけない?(eBook USER)。自炊自体に対しては理解を示しつつ、スキャン代行という行為に対しては、他者が介入した時点で、個人レベルでの複製、もしくは内容の移動にはあたらない、と言う立場、かな。

自炊代行の是非(Google and Me ブログ)。こちらはやや文章が散漫になってしまった印象がある(オレはバカなので、ちょっと読みづらいと感じた)が、ざっくりオレなりにまとめると、誰かによって造られた著作物を購入した人が、個人的な複製の目的で代行業者を使った時に、代行業者に入る利益、と言うものが著作権者には全く還元されないところは問題、でいいですか?

もう一つ、自炊代行提訴についての雑感 --- 玉井克哉(アゴラ)。こちらはもうちょっと下世話な方向に言及する形で、スキャン代行という行為が普及した時に、その裾野が広がることで、ブラックな連中が増えることは避けられないのではないか、という危惧が多め。そこについてただただしさんは「妄想」とTweetで切り捨てていらっしゃるけど、自分はそこまですっぱりと割り切れない問題ではあると思う。良心的な業者もいれば外道な業者もいる。外道な業者が立ち入ることのできない枠組みができていない以上、そこに神経質になる向きが存在するのもしかたがないことのかな、とも思うわけで。

なんだろな、前にネタにした時にはその、「裁断」と言う言葉に対する過剰反応のところになんだかなー、と思ったんだけど、ネタ的には結構厄介なものなのね。法解釈、ってところが絡むせいもあるのかな。言われてみれば確かに、スキャン代行って行為には、著作権者のあずかり知らないところで利益が発生しているとも言えるものなあ…。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

す・みけーん [インタビュアーの まつもとさんとは 前に(今年の3月かな)「これパチンコ3店方式になっちゃいますよねえ」てな話はして..]

rover [景品交換所って、「ほにゃらら福祉会」みたいな看板掲げてるけど、一応あれも古物商扱いなんですね。初めて知りました。 そ..]


2011-12-25 [長年日記] この日を編集

[Day][PC] 今日は寒かった

そのせいなのか分らんけど、最近立ち上げ直後のPCの調子が悪くてかなわんぞ。昨日はネットワークアダプタを認識し損なうし、今朝はExplorerの立ち上げに失敗するし、Operaはなんだか調子悪く、その上何故かキーボードの「1」キーの入力をしばらく受け付けないし。何かウチのPC、低血圧のドジっ娘に見えてきた。痛PC仕様にしたりすると気分でるのかな。

[Anime][TV][web] 定期視聴番組

「WORKING'!!」、「灼眼のシャナⅢ」、「Fate/Zero」、「境界線上のホライゾン」、「ベン・トー」、「海賊戦隊ゴーカイジャー」、「仮面ライダーフォーゼ」、「スイートプリキュア♪」、「坂の上の雲」。あちこち最終回。そんな中「WORKING」はもう一回。ニコ動のスケジュール的には元旦に最終回公開って事なんだろかね。

さて土曜深夜。話がクライマックスに来てるせいなんだろうけど「シャナ」はかなり面白い。「Fate」、「ホライゾン」はいいところまで引っ張っておいて2期に続く。「Fate」は、前々回ぐらいにアジトを破壊されちゃった青ひげ陣営がキレちゃって大暴れしちゃうぞー、ってところで続く。「ホライゾン」は一旦ホライゾンを武蔵陣営に取り込んだけど、それがもとで新しい騒動が始まるよ、ってところで続く。この二作、正統派の「Fate」、クセ球の「ホライゾン」って感じでなかなか面白いと思う。2期も楽しみです。「ベン・トー」は先輩活躍しないまま終わっちゃった。いろいろ急ぎすぎな感じが残念だったかも。バカっぽくて結構好きだったんだけどね。

日曜朝。今回はイエロー大会だった「ゴーカイジャー」。こっそり大葉さんが混じってたり、レンジャーキーをフュージョンさせたり、いろいろサービスサービス。そこは良いんだけど、ゲストキャラの姉弟の関係性(何故に姉は弟に厳しくあたるのか、みたいなところ)の説明がちょっと足りなかったかも。新ライダー登場の「フォーゼ」。絵で勝負、ってところの理屈が通らないと思う。ただピュアに絵を描けばそれは人の心を動かす、というのは理想だが理屈にはならないでしょ。なぜ弦太郎が自分の描く絵にそこまで自信を持てるのか、さっぱり分らんのでそこの所の説得力がちょっと…。新ライダーのデザインは、そもそもフォーゼがあれなんだから、この先どんなのが出てきても驚きゃしませんさ(w。「プリキュア」もいよいよラスタチ前。

「AGE」はお休みなので「坂の上の雲」、の最終回。対馬の海戦は流石に期待を裏切らない出来…にはちょっと足りなかったかも。いわゆる「東郷ターン」の日本側における危機的状況がなぜロシア側にとって勝機にならなかったのか、というところの説明なし、その後、戦況は一転日本側に撃ちまくられるロシア艦隊、の図が具体的な絵ではなくロシア側の士官がその状況を目にする、その表情に多くを負うような構成になっていたあたりは、スペクタクルを期待していたこちらとしては少々物足りないものがあったかも。ロシアには勝ったがこの先の日本に何が待っているのか、ってあたりの示唆もかなり霞のかかったような表現だったように思う。ドラマとナレーションのバランスがイマイチだったんじゃなかったのかしら。

とは言え、それでも海戦シーンには相当な見応えがあり、そこだけでも見て良かったな、と思わせてはもらえた。テレビ番組でこのクオリティは普通に眼福級でしょうさ。結構なものをどうも。NHKに金払ってもいいかと思ったのは久しぶり(自分で金払ってる時代だと『映像の世紀』、親の金まで考慮するなら『未来への遺産』以来)だと思う。


2011-12-26 [長年日記] この日を編集

[Books] 天冥の標Ⅴ 羊と猿と百掬の銀河

天冥の標 5 (羊と猿と百掬の銀河)(小川一水/著) 小川一水 著
カバーイラスト 高安健一郎
カバーデザイン 岩郷重力+Y.S
ハヤカワ文庫JA
ISBN978-4-15-031050-9 \760(税別)

一粒で2度SF

24世紀、小惑星パラスで独立農場を営むタックの悩みは絶えない。巨大資本による進出から来る圧迫は、個人経営主たる彼には大きな圧力となり、資金の回転は日々苦しくなっていく。さらに思春期を迎え、いちいち親に反抗的な態度を取るようになった一人娘、ザリーカのふるまいも悩みのタネ。これだけでも厄介ごと満載なのに、さらにタックのもとには、地球からやってきた植物学者、アニーの面倒を見る、という予想外の役目までも押しつけられて、どうにもままならず、悶々とする事ばかりが山積みになっていく。そんなタックの思惑とは全く関係なく、人類世界にとってやがて大きな意味を持つことになるひとつの「出会い」の最初の一歩が、宇宙のどこかで起こっていた。ただしこちらの物語の始まりは、タックたちの生きている時代からは6億年前の話になるのだが…。

開拓民たちの歴史の出だしの部分というのは、いろんな意味で苦労の多い時代のお話と言うことになるんだが、そんな時代の中で苦闘する人間ドラマを丁寧に描くパートと、それとカットバックする形で語られる、全宇宙規模に拡がりを持つ、被展開体と呼ばれる得意な知性体の誕生から拡大、そして異なる被展開体との遭遇とそれがもたらす全宇宙規模でのイベント、という極めて気宇壮大な叙事詩で構成された作品。前作がやや、自分にとってはやや特異なピースに見えた作品であったのに対して、こちらはもう正々堂々の正面突破、しかも果敢に2正面作戦を展開して、どちらでもそれなりの結果を出した作品だと思える。

まず、タックたちの物語の方、こちらは未来世界における開拓農民達の苦労話、という割と地味目なストーリーを軸に、地球で起きたパンデミックである冥王斑や酸素要らずといった、これまでに登場したワードについても「忘れちゃいかんよ」と言うメッセージをちりばめながら語られる、比較的シンプルなストーリー。まあSF版「大草原の小さな家」としてちゃんと成立していると思う。

もう一方、被展開体と呼ばれる得意な知性体が誕生し、知性を得て、その知性を行使して何かを行い、それが別種の何かと衝突して…という、なんというかな、「重力の使命」や「竜の卵」で語られる物語を、逆にものすごくゆったりしたスピードで再生しつつ、その中に、われわれ的にはなんだかちょっと懐かしい、70年代初頭の日本SF臭みたいなものを混ぜ込んできたり、そんなサービスを盛り込みつつも、「天冥の標」というシリーズの中にちゃんと含まれた、それでいて大きなスケールの宇宙叙事詩が語られているあたりの構成の巧さに感心した。一冊の本にここまでいろんな要素を詰め込んで、それでもちゃんと読み物として無理なく読めるモノが出来ている、ってのは相当スゴいことなんじゃないだろうか。こちらサイドのお話が、第三作に割と濃いめに繋がったりするあたり、思わずちっちゃくガッツポーズしちゃいましたよ(w。

というわけでシリーズ、と言う部分を非常によく考えられた作品、としての出来はかなりのモノで、単体として読んでも(もちろん前のお話を知らないと話にはならないのだけれど)相当楽しめる作品になっているとは思うんだが、シリーズとして、という点で言うならたぶん、これはシリーズが完結した時点で、改めて1巻から通して読んでこそ、その価値が浸みてくる作品になりそうな気はする。構成の妙、と言う部分において、これが完結したらどういう事になるんだろう、と言うワクワク感はかなりのモノがあるのだな。自分は読んだ本は軽石庵さんに流しちゃうけど、みんなはこのシリーズ、読み終わってもうっかり手放さない方がいいと思うよ。全部揃ったところで一気読みした時に、何かちょっと違う読後感を得られるんじゃないかと思うので。

★★★★


2011-12-27 [長年日記] この日を編集

[web][Books] スキャン問題の番外編

なんというか、もはや話はネタ方面に振れつつあるんだけど、もしも「もしドラ」の作家がもうすこしドラッカーを読んでいたら(BLOGOS)。自炊問題に関して、「ブラよろ」(タイトルを略すのは失礼だが、後述の本のタイトルはさらに長くてフルで書く気がしないので、そちらに合わせると言うことで)の作者、佐藤秀峰氏が寄せた一文に対する、「もしドラ」の作者、岩崎夏海氏の反応を受けてのコメント、ってことでまあ、出来の良くない伝言ゲームのようなもんだ。

ただまあ、スキャン代行に対する異議申し立て、それに対する反応、さらにそれに対しての揺り返し、みたいな流れが見えてくるあたりは、野次馬的にはちょっと面白いかも。

個人的にはちょっと、自炊してみようかなって気も起きつつはあったりする。イーインクってのがどのくらいのものなのか、ってところには少々興味はあるの。

ただ、よく考えたら売るほど本がある割に、ざくざく裁断しても大丈夫な本が、身の周りになかったりするんだよね。だって売り物だもんな(^^;。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

す・みけーん [http://g-ecx.images-amazon.com/images/G/01/kindle/tequila/..]

rover [こればっかりは、まず現物を見てみないとってところでしょうね。自分的には紙の本のランダムアクセスを再現できない限り、そ..]


2011-12-28 [長年日記] この日を編集

[Books][web] スキャン問題の雑なまとめ

というか、最終的に落ち着くのは、自分は本をどう読みたいのか、ってところだと思う。ってところで電子書籍の憂鬱(くねくね科学探検日記)。自分の場合はまだ電子書籍というものを試していないので、鹿野さんとは逆に、紙の本じゃないものを読むことに対するストレスの方が怖かったりはしている。ただし、自分はまだ電子書籍リーダってものを全く触ったことがないので、実際に触ってみないことには、その良さってのは今は何とも言えないわけで。

来年あたり、適当なリーダを購入してみましょうかね。KindleとReader、どっちがいいんでしょ。自炊云々を別にすると、ソフト的にはReaderの方が有利なのかしら。

[Anime] 定期視聴番組

年末って事もあり、ずいぶん数は少なくなって、「LAST EXILE 銀翼のファム」、「僕は友達が少ない」、「未来日記」、「UN-GO」、「ギルティクラウン」。「ファム」、前作を知らないとちょっと戸惑う人がぽちぽち出てきた(ちなみに自分は前作知らない人)。エグザイルというのは「ラスト」といいつつ実はいくつかあって、そのうちのひとつを発動させたのがリリアーナ姉さまだったと言うこと? で、本作では新登場のアルヴィスたんもそう言う力を持った女の子って事なのかな。そんな頭上の脅威はいったん置いといて、地上の権力闘争の方にひと波乱が起きそうな、みたいな。お姉さんは変心したのか、敢えてそう言う立ち位置を選んだのか、どっちなんでしょ。

「はがない」はラス前を飛ばして最終回。んまあ読めるオチではあったので、話が見えないとか言うことはなかったけど、逆に言うならラス前の方を見ておきたかったような気はしないでもないな。

「未来日記」は来須さん退場回。ゆっきーとゆのっちの間のいろんなイガイガしたものがかなり均されたのかな、と思ったらそこはゆのっち、サイコなストーカーぶりはハンパねーんだぜ、ってところで次回に続く。Cパートのギャンネタが妙にツボでした。

ノイタミナ枠。予想以上の面白さだった「UN-GO」、ミステリパートの謎解きも、こちらの予想を半歩ぐらい外してくれたので嬉しかった(心底納得はしづらいけどね)。最後に探偵さんが語る因果とのなれそめ(F/O)が、劇場版で語られる内容って事なんだろうね。こういう演出は悪くないと思う。たぶん劇場版を見にいかない自分のような人間にとっても、こういう事なんだろうなー、って予想ができる造りになっていたと思うので。

「ギルティクラウン」は調子こいたばっかりに猛烈に打ちのめされた厨二が、ようやくやる気を出すんだけどいろいろ手遅れ気味、ってなお話。「AGE」のフリットくんにも通じるんだけど、成長しなくてはいけない主人公にハードルを用意する時に、ハードルを並べる側がそれを跳ぶ人間が自分で苦労して難関を超えさせるのでなく、周りの人間がよってたかって、なんとかハードルの高さを低く抑えようとして、バカにならん犠牲を払うようなお話が提示されてるような気がして、そこはどうなんだろうと思わなくもない。葬儀社の面々、集のクラスメイト、割と強引にのっぴきならない状況に立たされちゃってる気がした訳だが。


2011-12-29 [長年日記] この日を編集

[Day] 今年最後のお出かけ

今年はカミさんが自分用の電気ストーブに火を入れないなー、我慢強いなーと思ってたらなんのことはない、ストーブ壊れちゃってたのね。

言えよ。

ってことでTRちゃんからの入金もあった事だし、カミさん用の暖房器具を買いに出た。何冊か買いそびれた本もあったので、それも補充する目的で。

文庫を数冊買い足して、カミさん用には小ぶりのセラミックファンヒータをひとつ買って、あとは立ち呑みでヌル澗ぐびり。これで今年の外回りは終了、かな。今日の立ち呑みスタッフさんは初顔だったせいか、ヌル澗の「ヌル」の部分がオレの好みより少し温度低めだったのが淋しかったです(^^;。

[Books] 灰色の嵐 スペンサー・シリーズ 36

9784151786556 ロバート・B・パーカー 著/加賀山卓朗 訳
カバーデザイン トサカデザイン(戸倉巌・小酒保子)
ハヤカワ文庫HM
ISBN978-4-15-178655-6 \880(税別)

スペンサーが捻ってきたぜ(なぜか少し負けた気分)

夫を代えるたびに裕福になっていく社交界の花、ハイディ。彼女がスペンサーの許に持ち込んだ依頼は少しばかり風変わりなものだった。近く行われる娘の結婚式で、ハイディ個人のボディガード的な立ち位置にいて欲しい、と言うのだ。夫の持つ小島で行われる結婚式には、もちろん正規の警備チームも配備されているのだが、それとは別に、個人的な不安を解消するために、と言うなんとも曖昧な理由ではあったのだが、依頼を請けたスペンサーはスーザンと共に孤島へと赴くのだが、そこでは驚くべき出会いが待っていた。かつてスペンサーを死の淵まで追い込んだ「灰色の男」ルーガーもまた、結婚式の参列者として来島していたのだ…

おそらくスペンサー・シリーズにおいて最強の敵役であろう灰色の男、ルーガー三度目の登場。ここまでは何か掴み所のない、少々不気味な人間というイメージだったルーガーだが、本書では自分の能力とスペンサーの実力を正しく認識し、あくまでプロとしての礼節をわきまえて接する、それなりに紳士的な人物として描かれている。とはいえこの人がやってきて、「やあ久しぶり、じゃ」で話が済むわけはなく、結婚式の真っ最中に花嫁を誘拐し、まんまと島から姿を消してしまう、と言うのが話の発端と言うことになる。

で、ここからスペンサーと愉快な仲間達がいつものように無駄口を盛大に叩きながらの捜査、という流れなわけだけど、ここはもういつものスペンサー、と言えばまあ、読んでる人はみんな判るよね、的な展開になっている。捜査の間で語られるテーマ自体は、前作が一種の結婚論であったとしたら、今回で語られるそれは、「自制」というか「己を律する、とはどういうことか」みたいなものであると言えるだろうか。最終的にスペンサー側(善悪入り乱れてはいるけれど)の人々というのは、彼らなりのスタイルで自制を効かせることの出来る人々である一方で、スペンサー達が事件において出会う人々というのは皆どこかで自制できない人たち、という対比が提示されている、といえるか。そこの所の表現はまあ、「スペンサー」なのでね。どこか突き放したものになっていて、そこのところを受け入れられるかどうかで読後感は変わってくるのかも。

スペンサー達のスタンスというのは、最終的に「でも人のことは分らないからね、オレらはこうするけど」なので、その範囲において彼らの行動には一本芯は通っているとも言えるので、これはこれでアリだとは思うけど、同じ理由でこいつら誰にも影響を与えていないじゃないか、と言う不満を持つ人もいるかも知れないな。

そんな中、スペンサー達とは相容れない、全く異なる価値観で動いてはいるがそれでも彼なりに「自制」は貫いている「灰色の男」がお話にどう影響を与えるのか、ってところにちょっと興味が湧くんだが、残念ながらそちらの描き込みは少々物足りなかったかも。いろんな理由で本書における「灰色の男」は、あまりその存在を前面に押し立てにくい立ち位置にあるって事もあるとは思うのだが、対比、と言う意味において異物としての「灰色の男」の表現にもうちょっと深みが欲しかったなあと言う気はしないでもない。

ただ、そんな「灰色の男」が、今回はスペンサーものとしては最大級のトゥイストの起点になってなってたりしたあたりは、悔しいけれど星半分ぐらいはオマケせざるを得ない気分だ。スペンサーで「え!?」などと思うのは、めったにないことだからね(^^;。

★★★


2011-12-30 [長年日記] この日を編集

[News] 訃報

コメディアン、内藤陳さん(asahi.com)。「ハァドボイルドだど」と言う持ちギャグを実際にみたのは、たぶん自分ちのテレビがまだ白黒だった頃ではなかろうか。正直コメディアンとしての内藤さんの魅力とか実力とかいうのは良く分からないままなのだけど、それとは別に、オモシロ本の紹介者としての内藤さんの仕事には大変お世話になったわけで。

「読まずに死ねるか!」が無かったら、わたしゃ船戸与一に出会えなかったかも知れないものな。お世話になりました。安らかに。

[Books] 共和国の戦士 3 クローン同盟

9784150118259 スティーヴン・L・ケント 著/嶋田洋一 訳
カバーイラスト PABLO CHIDA
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011825-9 \960(税別)

アニメ版「クローン・ウォーズ」の隊長さんの名前はなんでしたっけ

一度は軍籍を離脱し、傭兵フリーマンと共に開拓農民として過ごしていたハリス。だが最強のクローン兵士であるリベレーターとしての血はとどめることは出来ず、二人の兵士は小型の輸送船で再び宇宙に乗り出すことを決意する。ほとんど自殺行為に近い行動だったが、見込みもなく乗り出した宇宙空間でハリスとフリーマンが出会った相手とは…

前作でいったん兵士であることをやめたハリスだったが、いろいろあってやっぱり兵士としての自分にそのアイデンティティを見いだして、再びUAの戦士となって大活躍、ってお話。ある意味兵役忌避をやらかした以上、それなりの罰ゲームを食らうかと思ったらそうでもなく、過去の戦いでの英雄として持ち上げられ、結構スムーズに新たな任務に赴くことになるのだが、実は…、と。

有能すぎるが故に逆に煙たがられるクローン兵士。駒としては極めて便利だけれど、その有能さ故に今度は歯向かわれたら厄介だ、というポジション故の厄介ごとの中で、自分なりの存在意義を求めるような話、はまあ最後まで読んでいくと何となく見えてくると言う感じで、全体的には一人の有能な兵士の冒険物語として楽しめる。もうちょっと主人公が打ちのめされたり、のっぴきならない危機的状況があってもいいと思うけど、まあまだ劣化コピーが始まってない時代のストゥーム・トゥルーパーズを率いて若きアナキン大活躍、ってノリであるから、これはこれでまあいいか。

前作では不気味な敵役的ポジションだったSEALsの戦闘員達、新たな部下となる海兵隊のクローン兵士達、それからおなじみフリーマン(今回やや活躍の機会が少なめでちょっと淋しいけど)と、それぞれのキャラクタの描き分けやら、一応の敵方であるモガト教徒たちが使う重力シュートやら新種のシールド技術やらと言ったSF的な小物のアイデアもそれなりに効いている。というかモガト教徒たちの居住する惑星の秘密、みたいな部分は割と大ネタなんじゃないかしら。

肩の凝らない読み物って事でこれはまあこれで。最後の方で何やら意味ありげな仄めかしもあって、お話はもうちょっと続く模様。まあこの辺はいわゆるミリタリSFとしては、ある意味定番の展開とも言えそうですが。

★★★


2011-12-31 [長年日記] この日を編集

[Day] 今年一年、いろいろどうも

お世話になりました。来年もひとつよろしく、と書いているのはすでに2012年。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

でした [おめでとうございます。今年もよろしくです。]

rover [旧年中はなかなか愛想無しで申し訳ありませんでした。今年は遊びましょー。 本年もどうぞよろしくお願いします。]


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